2014.04.06 2023.09.10

【コラム感想】県民性のステレオタイプで性格判断をする行為について【オリジナル】

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京都府民――プライドの高さは日本一だが、下手に出るとさらにバカにされる|プレジデントオンライン

この記事は京都人だとあまりいい気がしない内容ではあるも、本音と建前の部分は否定しません(「ぶぶ漬けでも」という言葉があるぐらいですし)。

県民性をネタに、メディアや記事が面白おかしく見せるのは珍しくなくなりましたが、一方でそういったステレオタイプの内容で、デマや風評被害、人格否定をするといった問題も発生しています。

このような県民性の性格問題について、以下から少し述べていきましょう。

  • 個人の見解です

    ほかの意見もご参照ください

県民性がここまで話題になった原因

背景

人格をネタにすると
ロクなことがない

別に引用元の記事を叩きたいわけではないものの、県民性をネタに人格を判断するって、結果的にロクなことがないと思います。

もちろん、県民のステレオタイプや、それに近い血液型性格の話題も、飲み会や談笑のネタとして使うのであれば全く問題ないものですし、地域性による性格の変化は否定できないものです。

しかし、それを根拠に誰かをけなし、ひとくくりにして在住者をバッシングや誹謗(ひぼう)中傷、人格否定するのは間違いです。

県民性で性格が決めることが流行したきっかけは、県民性を娯楽にした日テレ番組『秘密のケンミンSHOW』の影響が一番大きいと思います。

今となっては長寿番組になっていますけれど、県外の情報であっても誇張している感じは否めなかったので、まだバラエティを観ていたころは、意図的に観ないようにはしていましたね。

「ケンミンSHOW」は誇張しすぎ? 各県の人たちは番組をどう見てる|livedoorニュース

県民性で性格を決めつけるのは『認知バイアス』

背景

人間は信じたいものを
信じたい生き物

なぜこのようなことをされるのかというと、心理学用語でいう『認知バイアス』とよばれる心理現象で説明できます。

  1. 「京都の人ってなんか本音と建前を強く感じる(あくまでも主観的)」
  2. 京都人は本音と建前を使い分ける県民性だと書いてある
  3. 「ほら! やっぱり京都府民はみんな二面性があって性格悪いんだ!」

こういった、偏見(へんけん)や先入観でレッテル貼りし、決めつける行動が認知バイアスです。

血液型性格判断が未だに日本で信じられているのも、根っこは同じです。人間は信じたいものを信じたい生き物ですから、相性がいいんですね。

日常を取りまく様々な認知バイアス|メンタルヘルスの医療法人社団 平成医会

血液型診断って本当!?|び V ビ よみもの

思い込みの心理学。なぜ人は、間違いを信じてしまうのか?|旅レンズ

県民性を色メガネで判断をしない

背景

言いたくなる気持ちはわかる

県民性はあくまでも傾向しかなく、京都人でも建前や陰湿さを嫌う人、他府県国外関係なく優しく接する人、ポジティブで明るい人だっています。

べつに「そんなのは人それぞれだろ」という言葉で片付けたいのではなく、そう思ってしまうのは(愉快犯でもなければ)、それだけ嫌な思い出があったり、経験をしてきたのだろうとは理解できます。

とはいえ、くもった色メガネで見てしまうのは視野を狭めますし、それを理由にして在住者を人格否定や誹謗中傷するのは話が違います。

少し考えればわかること

背景

頭をクリーンにして
考えよう

ステレオタイプ抜きで冷静に考えてみてください。

  • 「関西人は全員、納豆が嫌いだと本気で思うのか?」
  • 「大阪人は全員、ヤクザ気質で商売や値引きが上手か?」
  • 「東京都民は全員、物事に冷たく無関心で江戸っ子気質か?」

少し考えれば、重ねるように県民性(地域性)はあくまでも「傾向」でしかなく、すべてではありません。

その地域に住む人全員が同じ性格・気質ってただのホラーですし、意見も割れないからトラブルなんて起こさないでしょう。

県民性叩きはヘイトスピーチと本質が同じ

さらにスケールを上げて考えれば、

  • 日本人は礼儀正しくて謙虚か?
  • 日本人は全員、陰湿でネット・SNS上で誹謗中傷しあっているのか?
  • 日本人は生活マナーを守って生活を送っているのか?
  • 白人のブロンド美人は頭が良くないのか?
  • 黒人はもれなくケンカが強いのか?

……そんなワケないですよね。

つまり県民性を主語に傾向で人格を決めつける行為自体が、論理が破綻しているということですし、これが人種や国レベルになると、人種差別やヘイトスピーチになりかねません。

最後に:あくまで飲み会や談笑のネタで使うべき

背景

あくまでもジョークネタ

県民性だけで人を判断し、そこに住む人たちを全否定するのは、あまりにも軽率かつ思慮が浅い行動であり、心理学でいうところの認知バイアスの思考に囚われています。

人の性格というのは、生まれ持った先天性のものから、親の性格や幼少期の環境などで後天的に形成されるものであり、県民性はあくまでも傾向でしかありません。

県民性のステレオタイプで「性格が悪い」だとか「めんどくさい性格」などを言ってしまうのは、人種差別や国のヘイトスピーチと本質的・根底的には変わらないものです。

CHECK!

県民性の性格は傾向こそあれど、血液型性格診断と変わらない、明確な根拠のない疑似科学。

誤解しないでいただきたいのは、この記事は「県民性や血液型性格診断を信じる奴はバカ」と言いたいのではありません。

これらは飲み会や談笑のネタに使うべき話題であって、「お互いに本気ではない、遊びでする行為」だということはご留意願います。

人をレッテル貼りしたり、叩いてけなすものではないということですね。

偏見や思い込みは捨ててしまおう!! 心理学から見るステレオタイプのよいところ、悪いところ|セレンディピティ

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プロフィール

    • フキダシ2
    • 赤竹ただきちTadakichi Akatake
  • 岩橋良昌氏と真木よう子氏のエアガンで撃った撃ってない論争で学ぶべきは、「大人の対応ができないリテラシーの低い人たちが、SNSをやるとどうなるか」の教訓じゃなかろうか。

    わざわざ火種になることを書く上に売り言葉買い言葉、相手を「重度の精神障害」と刺激させる弁解もいただけない。片方を鵜呑みにして当事者を人格否定するユーザーも論外。

    どちらが真実かという事実確認は第三者の外野がすべきではないとして、40過ぎた社会人同士が、大人の対応が出来ていなければSNSのリスクも理解していない事実の部分は問題ね。

    そういう人がSNSで気軽に発信できてしまうのが今の時代。自分の記事を愛読してくれてる人は、こうはならないように一緒に学んでいきたいと思う。

イラストレーター・コーダー+WEBデザイナー・ライターの京都生まれなウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。

コーディングとWebデザインは両方可能。案件によっては「デザインとコーディングの同時進行」の荒業もおこない、SEOを意識したマークアップも得意。

「自省・リテラシー向上・正しい批判」をライフワークとし、当サイト記事も「中学生でもわかりやすい、気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。

これは微力ながら閲覧者に考える・学ぶ助力のほか、自身も学ぶ目的も含み、実社会・ネット・SNSでも「わかりやすく参考になった」とご好評の声多数。

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