カテゴリ・タグを探す

池袋での車暴走事故は、内容の痛ましさのみならず、「被告の態度」「格差問題」「国の不信感」「高齢者ドライバー問題」などといったものが結びつき、より事故への憎悪が増幅され、今でも議題になっています。
当記事では、「この事故の被告を反面教師に、悪意があろうとなかろうと、結果的に危害を加えてしまったら、ちゃんと真摯(しんし)に謝って反省する姿勢がいかに大事であるか」を焦点にあてて、述べていこうと思います。
一応最初に伝えておきますが、暴走事故を起こした被告を擁護(ようご)する意図は一切ありませんし、自責的な態度は素晴らしいと言いたいわけでもありません。
「悪意の有無関係なく、すぐ誰かや何かのせいにするなどの、他責(他罰)的にする行為の問題点・リスク」が記事の主題であることを、あらかじめご了承ください。
「俺のせいじゃない」「悪くないから謝らなくていい」論
それ、胸はって言えます?
真っ当な社会的感性を持った人であれば、被告の「事故を起こしたことは痛ましいが、すべて車のせいだ」という態度に憤(いきどお)りを感じた人は多く、ネット・SNSでも厳しい意見は多々見られました。
ただ、自分から言わせると、
「被告に怒りを覚えるのはわかる。でも他責・他罰的な態度を責める部分は、ネット・SNSだとよく見かける光景。その点は被告特有の問題ではなく、他人のことを言えない人も少なくないのでは?」
と思うんですよね。
被告の言動と同じ内容は日常的に起きている
たとえば、
- 【デマ問題】根拠のない情報で誹謗(ひぼう)中傷し、デマや事実無根だと判明すれば、他人のせいにして自己正当化。
- 【悪意なき害】悪意はなかったにしろ、結果的に相手を傷つけるコメントをして、当人に謝罪せずに勝手に切り上げる。
このように、仮に悪気がなく正義感や善意の行動だったとしても、結果として問題になれば謝罪や反省もせず、誰かや何かのせいにして被害者を泣き寝入りをさせる人って、ネット・SNSだと一定数存在します。
実際、自分もこのような人たちから被害を幾度か受けていますから、「他人のことを責め立てる前に、自分はそうじゃないと胸はってそう言い切れるの?」と、そう思わざるをえません。
以下の記事でも実例を詳細に記載していますので、参考程度にご覧ください。
誰かや何かのせいにするのは信頼されない
他人のせいにする人は
心証悪いよね
仕事上だと、何かしらトラブルが起こったとき、それが自社が起因のものなのか、ほかの会社が原因なのかという、問題の切り分けする場面に出くわすことは、社会人であれば一度は経験するものです。
そのときに考えてもらいたいのが、
- 【A社】「気の毒だとは思うが、別にこれウチだけが原因じゃないし、謝ることも責任持つ必要もない。一番の問題となった会社が悪い」
- 【B社】「こちらに非がなくても、結果的に起きてしまったのは事実。迷惑をかけたことをまずお詫びし、改善の協力は惜しまない」
どちらの会社が信頼できて、今後もお付き合いしていきたいかと考えれば、一目瞭然(りょうぜん)ですよね。ほとんどの人が「B社とやっていきたい」と考える人が多いでしょう。
A社の「問題点を素早く考える」という意味だと、間違ってはいない行動ですが、問題を考えるよりも保身な態度が見え隠れしていると、心証が悪くなってしまいます。
これはサービス奉仕(ほうし)や精神論の話ではなく、誠実さよりもすぐ保身的な態度を出す会社は、ほかの案件でも同様の対応をする可能性が高いです。
リスクヘッジ(対策)の経験が身につきませんし、「こいつらはトラブルが発生すると、すぐ他人のせいにするから信用できない」という風評にもなりかねません。
人間関係でも同じ
人間関係でもそうです。
- 「いや、俺悪くないし。あいつがそもそもの原因だろ」
- 「悪気はなかったけど、結果としてこうなってしまいました。ごめんなさい」
どちらがいいかと言われたら、後者の人と仲良くしたいと思うものです。
だから他責的な人は、どこかで痛いしっぺ返しをくらったり、どんどん孤立してしまうんですね。それに気づかず、さらに過激になって注意を引こうとする残念な末路を迎える人もいます。
中には例外もある
ただ、この話で勘違いしてほしくないのは、「仮に理不尽な要求や攻撃をする人物・会社が相手だった場合、同様に非を認めて謝る姿勢が絶対必要である」とは、必ずしも最適解ではありません。
特にサービス業だと、店側の非の有無関係なく、高圧的言動や恐喝行為といった、悪質な問題行為をする相手に対し、全責任を背負って謝ってしまう行為は禁じ手です。
なぜなら、彼らの承認欲求を満たす形になったり、「俺が上だ」とマウントをとらせてしまうため、それに味をしめて事態をエスカレートさせてしまい、さらに被害を広げてしまうリスクがあります。
たとえ正当な苦情だとしても、威圧的・攻撃的な言動は許されるべきではありませんからね。
自責的な態度が素晴らしいと言いたいわけではない
……話が少し脱線しましたが、ここまでの内容だと、「他責・他罰な姿勢は完全悪だ!」に見えるかもしれませんが、そのような極論主張をするつもりはありません。
この記事を読んで、「自責・利他的な言動が100%正解だ」というのは、極端な考えかたです。
さきほどのA社の例のように、問題を切り分けて判断するという意味では、他責的な姿勢も少なからず必要な場合もあります。
ただ、わが身可愛さでなんでもかんでも他人のせいにしたり、相手のことを考えるよりも「俺は悪くない」という保身を優先する態度は、自己成長できないし、デメリットとリスクが多いという話です。
最後に:他責(他罰)的な人は、他者を思いやる能力が欠けている
自分がされて
嫌なことはしない
自己保身目的で他人のせいにする人は大方、他者を思いやる能力が欠けている(もしくは考えることができない)そうで、実際に根拠のない自信や、非常に我(が)が強かったりしますからね。
また、プライドの高い人や責任を取りたくない人、非を認めることを生き恥を晒(さら)すようなものだと解釈する人や、「俺が悪かったけど、お前も悪い」みたいに、責任の痛みわけを持ち込む人も同様です。
誰かや何かのせいにして自己正当性を主張する人は、それだけ自己解決思考をしていない(=成長しない)ということですし、たとえ社会的に成功していても、信頼はされません。
池袋暴走事故の被告はなぜそのような言動をするのか、その原因はわかりかねますが、少なくとも「今の被告」だと、経歴や技術は素晴らしくても、ひとりの人間としては信頼されないでしょう。
自責思考か他責思考か。あなたはどっち?|Tiger Mov
環境のせいにする人は自分が見えていない|東洋経済オンライン
この記事で言いたいこと
だからといって繰り返すように、極端に「何もかも私のせいだ」と自責的な思考が素晴らしいというわけでも、他責・他罰思考は完全悪と言っているわけではありません。
この記事で言いたいのは、
CHECK!
問題点を素早く切り分けるという意味での他責的な行動であればともかく、保身目的で他人のせいにしたり、他人事の態度をとるのは、人間として成長しないし、デメリットとリスクが多い。という話です。
あの事故はそういった意味でも、考えさせられるものだと思いますし、被告の言動の問題点は、決して被告特有のものではなく、他人事ではないことは心に刻んでほしいものです。
当サイトはみなさまのご支援で、広告なしの実現やコンテンツ維持を行っています。情報がお役に立てたり、気に入った作品がございましたら、ご支援をお願いいたします。
利用規約
個人情報保護
当サイトや赤竹ただきち(以下、当管理者)宛に送られたメールの内容や差出人、アクセス解析で得た個人情報などは、差出人・閲覧者当人の承諾がない限り、当サイト内やほかのサービスで公開することはいたしません。
絵や記事のシェア
当サイトの絵や記事をシェアされる場合、個人サイト・ブログ・サービス・SNSなどを問わず、URLなどを記載して、出典元を明記ください。明記していただければ、ご自由にシェアしていただいて構いません。
ただし、記事の場合は下記の『禁止行為』のとおり、記事を読まない、特定のワードに反応したようなシェア行為はお断りいたします。
記事の引用(転載)ルール
記事内の文章を引用(転載)される場合、URL元を明記した上で引用要素(blockquote)内に記載してください。掲示板やSNSの場合は、文頭に「>」などをつけ、オリジナルコンテンツ(コピーコンテンツ)ではないことを明確にしてください。
要約のための一部改変は、記事の意図を大幅に変えなければ可能とします。
メールの内容・取り扱い
メールはご意見・ご指摘・ご感想・依頼・営業メールのみ受けつけますので、あらかじめご了承ください(当サイトを利用した宣伝・委託行為はお断りいたします)。
下記の『禁止行為』のとおり、メール内容に当管理者や他者へのヘイト行為といった、誹謗中傷が見られた場合、返信を控えさせていただくほか、悪質と判断した場合は法的処置をとる場合があります。
禁止行為
以下の行為が見られた場合は、法的処置などといったしかるべき対応をとらせていただく場合があります。
【二次利用・加工・改変行為の禁止】
本サイト内の画像・イラスト・文章・ブログレイアウトデザインなどの悪意ある二次利用・加工・改変行為や、信用毀損・反社会的・社会通念上問題のある目的での利用。
【二次利用・加工・改変行為の例外】
シェアや引用(転載)のルール遵守など、社会通念上問題がないケースや、または要約のための文章改変・紹介や参考、プレビュー画像としてのスクリーンショット撮影・トリミング(切り取り)しただけの場合は例外として扱う。
【安易な拡散行為の禁止】
特定のキーワードや単語に反応し、記事を読まないままの安易な拡散行為の禁止(誤った解釈のみならず、〈自他問わず〉いわれなき風評被害や誹謗中傷につながる恐れがあるため)。
【誹謗中傷行為の禁止】
当サイト・他者・企業などを誹謗中傷する目的での引用行為。また、当管理者あてのメールやSNSのメッセージ・コメントなどにおいても、意見・指摘ではなく誹謗中傷目的のもの。当管理者や他者の人格・風評を著しくおとしめる行為。
著作権
当サイトは著作権の侵害を目的とするものではありません。スクリーンショットや二次創作物の知的所有権はそれぞれの著作者・団体に帰属しており、各利用規約を確認した上で掲載しています。
有料二次創作に関しては、権利元の創作ガイドラインを厳守するように努めていますが、問題があれば当サイトのお問い合わせよりご報告ください。
オリジナル作品や当サイトのレイアウトデザイン・掲載文章の著作物は当管理者が有しており、『禁止行為』のとおり、シェア・引用(転載)のルールが守られていないもの、悪意ある二次利用・改変行為を禁止します。
トラブル
当サイト記事のシェアなどが要因で発生したトラブルなどについては、一切の責任を負いかねます。あくまでも参考・一意見として扱ってください。
また、直接ご意見・ご指摘を希望される場合は、当サイトのお問い合わせからご連絡願います。
リンクについて
当サイトはリンクフリーですが、バナー画像以外の画像直リンク行為や、インラインフレーム表示は固くお断りいたします。
制定日:2017/2/24
改定日:2022/3/3
シェア・引用をされる前にご一読ください(内容に同意したものとみなします)