2020.12.20 2024.01.14

【解説】「WebPうざい」と言われても使われる切実な事情【画像拡張子】

WebP,Google,画像,拡張子,ウェッピー

サイト運営者からは重宝される『WebP(ウェッピー)』ですが、閲覧する人からは邪険(じゃけん)に思われているなど、双方の認識に乖離(かいり)がある画像フォーマットです。

なぜ嫌われてしまうのか、重宝されている事情や理由を述べていきます。

同じような性質を持つ『JPEG 2000』や『JPEG XR』については、前者はSafariのみ、後者もEdgeやIEしか対応していない規格で需要が低いため、この記事では扱いません。

当記事は2020年現在の現状・認識で記載されています。将来的にこの認識が変わる可能性があることはご了承ください。

フキダシ1
  • 個人の見解です

    ほかの意見もご参照ください

WebPとはなにか?

背景

うぇっぴーって響きが
くせになる

『WebP』は2010年にGoogleが開発した、GIF・JPG・PNGなどに代わる新時代の画像規格です。

WebP|Wikipedia

WebPは「データが従来の拡張子と比べ、最大で半分になるぐらいに軽く、画像劣化も少ない」ところに大きなメリットがあります。

フキダシ1

同じくGoogleが開発した『WebM(ウェブエム)』という動画規格については、こちらも記事の趣旨からずれるので割愛(かつあい)します。

AVIFとWebPの違い

2019年ごろには『AVIF(エーブイアイエフ)』が登場し、WebPとの違いを言ってしまえば「AVIFはWebPの上位互換」です。

WebPと比較してまだ非対応な環境が多いものの、JPEG 2000やJPEG XRと異なり、大手IT会社(Google・Microsoft・Intel・Amazon・Netflix)などが共同開発したフォーマットです。

ゆえに、将来的にはWebPとAVIFのふたつが求められていくと思います。

今度は「AVIFがうざい」とか言われそうではある。

フキダシ2

WebP よりも軽量化できる AVIF とは?フォーマットの特徴や AVIF に変換できるツールを解説|FasTest

【次世代ファイル形式】WebPとAVIFどっちがいい?結論AVIFの方がいいです|mechalog

WebPがうざい・嫌われる理由

背景

嫌われるのは
相応の理由がある

しかしネット・SNS上ではWebPに否定的な内容が2010年代後半から言われるようになり、

フキダシ3

WebPはうざいし迷惑だからやめてほしい。

といったネガティブな内容が並ぶようになってしまいました。

WebPが嫌われる一番の原因は、「現状だと通常画像アプリケーションで開けない」ことでしょう。

PCやスマホにダウンロードしても標準アプリケーションではWebPの中身を見ることはできず、Chromeブラウザや専用アプリケーション、拡張機能が必要になってしまいます。

「Googleが作った」なだけあってWebP未対応なブラウザ環境もあり、iPhoneなどのiOS SafariのWebPは、2020年になってからようやく実装されたほど(WebPの登場は2010年)。 

WebPを従来の画像拡張子に変換するアプリケーションやオンラインサービスはあっても、手間がかかってめんどくさいものです。

確かに自分も絵を描く資料集めで画像がWebPだと、「WebPかよ……変換しなきゃ」ってなる。

フキダシ2

その落胆ぶりをMacユーザーにわかりやすく言うならば、「ダウンロードしたらMacでは基本的に開けないexeファイルだった」に近いかと。

Safari 14、新たに 「WebP」 形式の画像をサポートへ JPEGと比べ画像サイズが約30%少ない画像形式|CORRIENTE.TOP

それでもWebPが使われる理由

背景

サイト制作では
ありがたい存在

それなのにも関わらずWebPが使われるのは重ねるように、「容量が軽くて劣化も少ない」からです。

サイト制作・運営では常識の話で、

  1. サイトの容量は軽くし、極力1〜2.5秒以内に表示されなければならない。
  2. なぜならSEO(検索最適化)が低下するし、5秒以上かかると離脱率も上がる。
  3. しかし画像は重いデータの宝庫。画像が多ければ遅くなってしまう。
  4. GIFは画素数が足りず、JPGは軽くすると劣化、PNGは重たすぎる。
  5. 軽くて劣化も少ない画像となると、WebPを使うしかない。

ゆえに今のサイト制作では、WebPを適用するのはほとんど当然であり、WebPが非対応のブラウザのみ、JPGやPNGなどに代替表示する記述が主流とされています。

この最適化作業を業界の専門用語で、『コアウェブバイタル』といいます。

細かく言うとLCPに分類されるけど、コアウェブバイタルの記事ではないのでご割愛。

フキダシ2

SVG(ベクター画像)やサイト圧縮、レイジーロード(遅延読み込み)もしているものの、根本的対策はWebPを使用して、画像を軽くすることです。

GoogleもWebP適用を推奨

Googleが提供する『PageSpeed Insights』という表示速度計測サイトでも、WebP適用は推奨されていて、していないと「次世代のフォーマットを適用してください」と改善注意をされます。

PageSpeed Insights|Google

WebP,Google,画像,拡張子,ウェッピー
当サイトはWebP化していますが、ツイッターのフィード画像が引っかかったようです

ものすごく砕けた言いかたをすると、

フキダシ3

まだJPGとかPNGみたいな時代遅れのヤツ使ってるの? 今の時代はWebPなのにだっさーい! プークスクス!

という感じです。

語弊はあるだろうけど、だいたいそんな感じ。

フキダシ2

繰り返すように、WebPはJPGやPNGと同じ画質・大きさでも、最大で半分の容量に抑えられて劣化も少ないですからね。

最後に:気持ちはわかるけど切実な事情もある

背景

お互いのすれ違いが
切ない…

以上、WebPにおける現状と事情を解説しました。

  • 運営・制作者側】「WebPは容量が軽いし劣化も少ない! 便利!」
  • 閲覧者側】「保存したらWebPじゃねぇか……開くのめんどいしやめてほしい」

2020年の段階では、この双方の溝が深いんですね。

フキダシ1

WebPはGoogleが推(お)しているだけに、将来的に使用が当たり前になります。従来の拡張子のように簡単に開ける仕組みになれば、WebPを冷ややかに見られるのもなくなるでしょう。

当サイトもWebPですけれど、作品投稿・支援サイトでは従来どおりJPGで公開しています。気になる絵がある場合はそちらも覗いてみてください。

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プロフィール

    • フキダシ2
    • 赤竹ただきちTadakichi Akatake
  • 岩橋良昌氏と真木よう子氏のエアガンで撃った撃ってない論争で学ぶべきは、「大人の対応ができないリテラシーの低い人たちが、SNSをやるとどうなるか」の教訓じゃなかろうか。

    わざわざ火種になることを書く上に売り言葉買い言葉、相手を「重度の精神障害」と刺激させる弁解もいただけない。片方を鵜呑みにして当事者を人格否定するユーザーも論外。

    どちらが真実かという事実確認は第三者の外野がすべきではないとして、40過ぎた社会人同士が、大人の対応が出来ていなければSNSのリスクも理解していない事実の部分は問題ね。

    そういう人がSNSで気軽に発信できてしまうのが今の時代。自分の記事を愛読してくれてる人は、こうはならないように一緒に学んでいきたいと思う。

イラストレーター・コーダー+WEBデザイナー・ライターの京都生まれなウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。

コーディングとWebデザインは両方可能。案件によっては「デザインとコーディングの同時進行」の荒業もおこない、SEOを意識したマークアップも得意。

「自省・リテラシー向上・正しい批判」をライフワークとし、当サイト記事も「中学生でもわかりやすい、気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。

これは微力ながら閲覧者に考える・学ぶ助力のほか、自身も学ぶ目的も含み、実社会・ネット・SNSでも「わかりやすく参考になった」とご好評の声多数。

「下手でも自分の弱さを認め、自省し学び、その姿勢を相手への敬意として表すことも忘れない人」は、年齢・性別問わず好きなタイプ。

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