2021.12.05 2024.02.10

【WEB1.0】「ネットは2000年代までがよかった」は本当か?【実体験】

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インターネットは2000年から利用し、最初のころはダイヤルアップ接続でつなぎ、掲示板(2chではなくゲーム関係掲示板)に書き込むようになったころにはADSLを使っていましたね。

この1990年代から2000年代半ばのインターネット期を、『WEB1.0』時代とよぶそうです。

そのころを知っている人たちは、

  • 「2000年代のネットはよかった」
  • 「あのころのネットは秩序があった」
  • 「昔のネットは楽しかった」

このように言われることが少なくなく、これは本当なのか、ただの懐古的発言なのかを、実体験と考察を交えながら述べていきます。

Web 1.0 IT用語辞典バイナリ

  • 個人の見解です

    ほかの意見もご参照ください

2000年代のネットはよかった?

背景

よかった=平和
ではない

この「よかった」って、かなり語弊のある表現だと思うんですね。

この言葉だけを見てしまうと、

  • 「昔のネット(2ch)も殺伐としてた」
  • 「頭のおかしい奴は昔からいたぞ」

と、「昔のネットは優しい人が多くて礼儀正しかった」という解釈をされてしまいます。

2000年代のネットは優しい人、礼儀正しい人が多かったかと言えば、自分はそうは思いません。

昔にも荒らしや住所・実名晒(さら)し、報復行為はあったし、『スマイリーキクチ中傷事件』のように陰湿な誹謗(ひぼう)中傷はありましたからね。

自分もチャットで初対面の人に「お前なんてこの世に必要ないんだよ!」と、吐き逃げされたことがあったね。

フキダシ2

ただこれは、悪質ななりすましがその人に危害を加えたのが原因のようでした。

フキダシ1

隔離という概念があった

とはいえ、昔は今と比較して「隔離」ができていて、そのような書き込みをする場所は文字どおりの「アンダーグラウンド」でした。

今はまとめサイトやSNSで拡散されるのに対し、2000年代は健全なネット空間と、陰湿なネット空間が明確に分断されていたように思います。

あくまで、当時見ていた限りの話だよ。

フキダシ2

陰湿な空間にいた人は、自身もそれを自覚している人も多かったもので、

フキダシ3

この雰囲気とノリはこの場所に限定にすべきで、外に持ち出してはいけない。

という意識があった時代です。

常識に欠き、安易に拡散する人なんて少数派の中の少数派だけでしたし、「嫌だったら見ない」を貫いていれば、精神衛生上よろしくない書き込みや炎上案件はほとんど見かけないものでしたね。

CHECK!

2000年代はちゃんと各人が住み分けし、分別をする意識があった。

そういった意味では平和でよかったと、個人的にそう思います。

昔のネットは秩序があったか?

背景

いろいろ暗黙のルールが
あったよね

次の「秩序があったか」は、あったとは言い切れないものの一定のルールは存在したんですよね。

よく言われていたのは、

  • 半年ROMれ】半年ぐらい閲覧し、雰囲気やルールを理解した上で書き込む。
  • ネチケット】「誹謗中傷はしない」「荒らしは無視」といった、礼節やマナー。
  • ソースは?】「根拠になる一次情報を出してくれ」の意。

誰が言い出したのかはわかりかねますが、少なくとも書き込む人は基本常識のように扱っていて、デマなどの書き込みに踊らされる人も(今の時代と比較すると)そこまでいませんでした。

むしろ、「それ、本当だという証拠は?」と疑う人のほうが多かったのではないでしょうか。

CHECK!

2000年代当時は、ネット利用者数が少なく、礼節やルールを守ろうとする意識は一定数あり、守ろうとする人も多かった。

個人のホームページを持つ人は「ネチケットを守って」といった文言を、トップページや掲示板の入り口に書くのが当たり前でしたね。

毒吐きネットマナーのURLリンクを貼ったりね。あのサイトはいろいろきな臭かったそうだけど。

フキダシ2

昔のネットは楽しかったか?

背景

謎文化も楽しかったね

昔はある意味、今以上の無法地帯で、フラッシュ(簡単なミニアニメーション)では過激なパロディや、有名人の切り抜き画像で遊んだりなどの問題のある内容が多かったものです。

いわゆる『MAD動画』『コラ画像』の前身ですよね。

YouTubeやニコニコ動画が登場してからは、フラッシュは衰退しましたね……

フキダシ1

「グレーの内容を楽しむ」という意味だと、当時のネットは規制が特になく自由だったとも言えますし、法に触れること以外であっても、

  • キリ番】アクセスカウンターがキリのいい数字「1111など」であること。
  • 踏み逃げ】キリ番を踏んだのに管理者へ報告しない行為。
  • カキコ】「書き込む」こと。特に掲示板に最初に書き込むのは『初カキコ』とよぶ。
  • チャット】当時はSNSがなかったため、リアルタイムのやりとりはチャットが中心。
  • お絵描きチャット】チャットのお絵描き版。2000年代が全盛期。

こういった謎の文化や2000年代独自のツールがありました。

今考えれば、

なんで熱中し、意味のわからないこともしていたんだろう?

フキダシ2

と思うものも多いとはいえ、これはこれで独特の魅力があり、面白かったんですよね。

ADSL回線だったこともあってチャットを朝までやったり、お絵描きチャットはパソコンのスペックがある程度高くないと、線すらまともに引けないこともしばしばでした。

CHECK!

昔のネットは楽しかったかどうかは懐古的解釈も入るため、「人による」が大きい。

不便だったからこその楽しさ

黎明期だったからこそのグレーな部分、不便な部分も含めて楽しいと思う人もいれば、今のネット(SNS)のほうが楽しい人もいるでしょう。

自分の場合は、あの「発展途上の不便さ」や、ネットの知り合いのホームページを巡って交流するのも含め、あれはあれで楽しかったですね。

今と比べたら、昔のほうがずっと他者と交流をやっていて、一種の生きがいだった。

フキダシ2

ネットが今のようになった理由

背景

2007年ぐらいから
一変した気がする

そして、その「昔のネット」が今のネットになってしまったきっかけ考える限りだと、

  1. スマホの存在】スマホによってネットに利用者が激増し、書き込みも増えた。
  2. SNSの普及】SNSの登場でさらに利用者が倍増。炎上も目につきやすくなる。
  3. まとめサイトの台頭】まとめサイトにより、隔離された内容がネット全体に拡散。
  4. ニコニコ動画の登場】ニコニコ動画でもまとめサイトと同様に負の部分を広める。
  5. ネットニュース】ネットニュースでもネットの問題を取り上げるようになる。

別にスマホやSNSなどが諸悪の根源だという話をするつもりはないものの、

CHECK!

昔と比べてネット利用が気軽にできる環境が用意され、リテラシーが低い利用者も爆発的に増えてしまった。

このあたりは実感としてあるんですよね。

昔のネットは「限られた人しか利用できない空間」で、「現実とは異なる世界」という感じでした。しかし今では「誰でも利用できる空間」であり、「現実に直結する空間」ですからね。

最後に:なぜそう言われるのかを考える

背景

深い事情があるかもよ

「昔のネットはよかった」って一見見ただけでは、

フキダシ3

年寄りが昔懐かしんで「昔はよかった」と言うのと同じでしょ?

と見えてしまいがちです。しかし見方を変えると、

CHECK!

今のネット(SNS)は、不健全な内容も検索上位、リテラシーの低い人たちはデマを拡散、口喧嘩や誹謗中傷、炎上を娯楽にするさまが多くうんざりしている。

このように見ることもできますし、昔だったら「嫌なら見ない」ができましたけど、現代では「嫌でも目に入ってしまう」状況なんですよね。

昔は隔離されていたのに、今じゃ混ぜられてしまった。

フキダシ2

なぜそうなったかを考えると、

  • 壁の崩壊】無自覚な拡散・転載により、隔離の意味をなさなくなった。
  • 煽りの問題】ネットスラングが多様化し、煽り言葉・記号が増えた。
  • 絶対数の増加】利用者数が増加し、リテラシーの低い人が増加・可視化。
  • ビジネス化】負の面をビジネスにする人が増えてしまった。

こう考察することができます。

ただのネット老人の戯言だと切り捨てる前に、なぜそう語る人がいるのかを考えてみてもいいかもしれませんね。

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プロフィール

    • フキダシ2
    • 赤竹ただきちTadakichi Akatake
  • 岩橋良昌氏と真木よう子氏のエアガンで撃った撃ってない論争で学ぶべきは、「大人の対応ができないリテラシーの低い人たちが、SNSをやるとどうなるか」の教訓じゃなかろうか。

    わざわざ火種になることを書く上に売り言葉買い言葉、相手を「重度の精神障害」と刺激させる弁解もいただけない。片方を鵜呑みにして当事者を人格否定するユーザーも論外。

    どちらが真実かという事実確認は第三者の外野がすべきではないとして、40過ぎた社会人同士が、大人の対応が出来ていなければSNSのリスクも理解していない事実の部分は問題ね。

    そういう人がSNSで気軽に発信できてしまうのが今の時代。自分の記事を愛読してくれてる人は、こうはならないように一緒に学んでいきたいと思う。

イラストレーター・コーダー+WEBデザイナー・ライターの京都生まれなウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。

コーディングとWebデザインは両方可能。案件によっては「デザインとコーディングの同時進行」の荒業もおこない、SEOを意識したマークアップも得意。

「自省・リテラシー向上・正しい批判」をライフワークとし、当サイト記事も「中学生でもわかりやすい、気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。

これは微力ながら閲覧者に考える・学ぶ助力のほか、自身も学ぶ目的も含み、実社会・ネット・SNSでも「わかりやすく参考になった」とご好評の声多数。

「下手でも自分の弱さを認め、自省し学び、その姿勢を相手への敬意として表すことも忘れない人」は、年齢・性別問わず好きなタイプ。

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