
『ソニックフロンティア』のストーリーは、聞き取りイベントやボイスログ収集などをしても、日本語訳が英語版とかなり異なることや、情報も散在しているため、初見では話がわかりにくい作品です。
そのためソニックをはじめて遊んだ人や、長年シリーズを知っている人も、
- 「ストーリーが意味不明だった」
- 「よくわからないまま終わった」
- 「説明不足で理解できない」
- 「結局ソニックの身に何があったの」
- 「あのラスボスは何?」
こういった状況になって、混乱している人が少なくありません。
ゆえにこの記事では、「ソニックフロンティアの設定やストーリー、謎がよくわからなかった」という人に向けて、
- ストーリーのムービー
- キャラクターの聞き取りイベント
- エッグマンのボイスログ
- 真のラスボス戦で語られていた情報
- デジタルコミック
- WEBアニメ版
- 開発者インタビュー
- 海外ソニックwiki
- 英語版の内容
これらをもとに、自分なりの解釈をまとめました。
あくまで自分が情報を調べ、考察した解説のため、公式の意図した内容とは異なる可能性があること、追加ストーリーの内容で大幅に修正される可能性があるため、あらかじめご了承ください。
間違った情報を書いている場合は、教えてもらえると嬉しいです。
なお、本作のクリアレビューもございますので、よろしければこちらもご参照いただけますと幸いです。
時系列・ストーリーについて

本作の時系列やストーリー展開の謎や意味について、細かく記載していきます。
本作の時系列はどうなっているの?
本作の脚本を担当したイアン・フリン氏のアメコミ(IDW)版のように、「『初代』から『チームソニックレーシング』まで、ほぼすべての作品の内容が起きている」感じになっています。
その理屈で言うならば、本作は『チームソニックレーシング』の後の物語です。
とはいえ、全作品を含めてしまうと、
- 「『フォース』は英語が存在しない世界なので『アドベンチャー』と矛盾する」
- 「『アドベンチャー』と『ワールアドベンチャー』の世界地図は違う」
- 「人間のデザインが各作品でバラバラ」
各作品の世界観設定がかみ合わなくなるため、「過去作とよく似た出来事があった世界」と解釈をするのが自然です。
冒頭でカオスエメラルドがスターフォール諸島に集まっていたのは?
今作の冒頭でカオスエメラルドがスターフォール諸島に集まっていたのは、デジタルコミック版と本編で描写に差異があり、
- 【デジタルコミック】カオスエメラルドはすでに集まっていた。
- 【本編】セージがジ・エンド対策のためにカオスエメラルドを集めていた。
となっていて、デジタルコミック版のセージは古代人のサーバーにまだハッキングしておらず、ただのAIであったため、劇中の描写からズレがあるように思えます。
強引に解釈するならば、
- エッグマンの持参か、偶然スターフォール諸島にカオスエメラルドが複数集まる。
- ソニックたちは感知し、スターフォール諸島へ向かう。
- エッグマンがハッキング、スターフォール諸島再起動。
- セージが古代人の歴史・記憶を読み取る。
- 残りのカオスエメラルドはセージの手によって集結させる。
- 本編の冒頭へつながる。
『フォース』のときもデジタルコミックと本編で設定が異なったため、今回も同じパターンだとは思いますが、このようなイメージでしょうか。
セージがカオスエメラルドを集めていたのは、本作のラスボス『ジ・エンド』が完全復活しないよう、島の防衛を整え、パフォーマンスを最大限に高めた万全の保守管理をするためだと思います。
なぜ今作の敵やボス(神兵・守護神)たちはソニックを襲ってくるの?
今作の敵たちは、古代人が種族存続のために用意した島の防衛システムです。
ボスの巨神たちもジ・エンドを倒すためにつくられた決戦兵器ですし、そもそも名称自体が敵ではないですからね。
コンピュータでいうファイアウォール、人間でいう白血球のような存在であるため、近づいた異物は自動的に排除しようとします。
スーパーソニックが謎のレーザーにあたって変身が解除したのも、量産型デスエッグロボが破壊されたのも、古代人の防衛システムによるものです。
当初はセージが意図的に操作していたこともあるかもしれませんけど、協力的になった終盤でも襲ってくることを考えるに、古代人(ココ)以外は敵と認識されるのでしょう。
なお、トレーラーのニンジャがココを襲うシーンは、セージがソニックをおびき寄せるためにやったという解釈もできますが、劇中の行動と矛盾するのでイメージ映像と考えるのが自然かもです。
初期トレーラーのエミーの声や、セージに殴りかかるソニックもそうだし……
巨神に最後のカオスエメラルドがある理由
巨神にほぼ毎回、最後のカオスエメラルドがあるのは、巨神はカオスエメラルドのエネルギーを供給源にしているからです。
ただおそらくは、各個体に封印したジ・エンドのエネルギーでも最低限動けるようなので、最高のパフォーマンスへするために、カオスエメラルドを設置していた感じでしょう。
スプリームにカオスエメラルドがないのは、大戦中にスプリームのパイロットが命と引換えに取り込んだ、ジ・エンドの精神エネルギーだけで十分動かせるためです。
劇中の描写ではギガント・ワイバーン・ナイトは肉体のエネルギー、スプリームは精神のエネルギーを取り込んでいる感じですからね。
塔を止めた段階では、ジ・エンドの封印は首の皮一枚だけしかつながっておらず、ソニックに襲いかかったのは、自身の使命を遂行するためにおこなった、生命体への最初の警告でした。
仲間たちが電脳空間に捕えられ、脱出できた理由
捕らえられていたのは推測ですけれど、
- 【守るため説】危険因子ではないと判断し、エッグマンと同じようにジ・エンドから守るため。
- 【障害だった説】ジ・エンド阻止の妨害になるので、電脳空間でおとなしくしてもらうため。
ナックルズが主人公のWEBアニメ版を見る限りでは、後者の理由のほうが強そうです。
レイア島では仲間たち全員が電脳空間から脱出し、ソニックのもとに駆けつけたのは、おそらくエッグマンのようにテイルスが解析して脱出したか、セージが開放したのではないかと思います。
カオス島でテイルスがその旨をソニックに伝えていますし、セージもソニックたちに協力するなら捕らえておく必要がないですからね。
ソニックを苦しめたサイバー化とは?

ソニックは電脳空間を自由に行き来できたせいか、電脳のマテリアルへアクセスしたり、取り込むことができるようになります。
それを視覚化したのがメモリーアイテムやエメラルドキー、ソニックのスキル技です。
取り込むことで新たなスキル・開放能力を獲得できる一方、取り込みすぎると身体が侵食され、最終的には電脳空間に魂を持っていかれて実質的に死んだ状態になってしまいます。
これがサイバー化現象で、セージはこれを「死の運命」と称していました。
このサイバー化を治すには電脳空間を体験した誰かの助けが必要で、電脳空間へアクセスして呼び戻さないといけません。
あの天の声はなんだったのか
あの女性の声はジ・エンドで、電脳空間を自由に行き来できるソニックに対して「お前こそが解決の鍵」と語り、後述するように自分の封印を解くため、ソニックを利用していました。
要は、天の声がラスボスだったということです。
天の声はソニックに何をさせたかったの?
天の声(=ジ・エンド)の半身を封印した巨神たちやレイア島の6つの塔は、いわば鎖のようなもので、巨神が倒されて塔の機能も停止すると封印が解かれてしまう仕組みになっています。
さきほど述べたように、
- 【肉体】ギガント・ワイバーン・ナイト
- 【つながり】6つの塔
- 【精神】スプリーム
このように、分割して封印されている感じですね。
そこでジ・エンドはソニックに「試練」と称し、巨神を破壊させ、レイア島に導いていました。
ソニックが天の声に仲間を助ける方法を聞いても無視されたり、話がかみ合っていないのは、そういうことであり、だから「試練をこなせば仲間を助けられる」と彼は判断して行動します。
それをジ・エンドの脅威を知っていたセージが、「ソニック排除」という形で阻止しようとした構図になります。
スターフォール諸島・電脳空間について

スターフォール諸島とはどのような島か、電脳空間の謎や、なぜカオスエメラルドと深いつながりがあるのかの解説です。
カオスエメラルドはどこから来たのか

カオスエメラルドは宇宙人だった古代人が持っていたテクノロジーであり、宇宙船やスターフォール諸島の動力源です。
ソニックの星に古代人が定住したのは、地上のマスターエメラルドに引きつけられたことが示唆されています。
- 【マスターエメラルド】ナックルズが守る巨大な宝石。島を浮かせたり、カオスエメラルドの暴走を止める力がある。
ではマスターエメラルドはどこから来たのか……
英語版では古代人がジ・エンドによって滅ぼされた際は、生き残りがマスターエメラルドを島の外へ持ち出す取り決めがあったことが判明しています。
またカオスエメラルドも一緒に持ち出されていたことが、セージの口から語られていましたね。
それによってカオスエメラルドで動いていたスターフォール諸島は機能を停止し、年月を経てエキドゥナ族に渡ったのでしょう。
スターフォール諸島の秘密
スターフォール諸島を巨大なCPUに改造して電脳空間を構築した古代人は、自分たちの記憶・思考・意識 ・歴史などをデータベースとして記録・保存していました。
スターフォール諸島自体が巨大なパソコン・サーバーであり、劇中ではそれを取り出して過去の映像を再生していたんですね。
それだけではなく物体も保存することができ、巨神レベルの大きさのものでさえ、電脳空間に保存・呼び出しができます。
イメージ的には、
- 電力(カオスエメラルド)
- CPU(遺跡・ポータル)
- ストレージ(電脳空間)
- デスクトップ(フィールド全体)
- ファイル(敵や魂など)
このような感じですね。
電脳空間が過去作の内容になっているのは?
電脳空間には記憶をアーカイブ・具現化する機能が自動搭載されていて、これは古代人だけではなく、電脳空間に侵入した生命体も対象になっています。
ソニックが侵入したから、過去作が再現された風景・ステージ構成が出るし、高速道路の風景がソニックとエッグマンで同じなのは、「お互いに同じ体験をしてきたから」だとも言えます。
そう考えると、ソニックとエッグマンの関係は深いですね。
古代人・ココについて
作中でも謎が多い古代人・ココについて述べていきます。
古代人がカオスに似ていたのはなぜ?
イベントシーンを見てもわかるように、古代人はカオスと似た容姿をしていて、彼と違うのは性別や老化の概念があることです。
- 【カオス】『アドベンチャー』に登場したマスターエメラルドの守護者。スライム状の肉体を持ったチャオの突然変異体。
エッグマンの解析によると、古代人とカオスは親類の種族で、もともと古代人は別の姿をしていたと思われますが、放射線などの外的要因や長い年月を経てDNAが突然変異し、カオスのような体になったとのことです。
古代人もカオスもマスターエメラルドを守ってきた存在ですから、
- 偶然似た容姿になった(収れん進化)
- 生き延びた古代人がチャオを生み出した
- 古代人とチャオのDNAを元にカオスを誕生させた
こういった様々な可能性もありえそうです。
Webアニメ版ではスカイサンクチュアリの中にスターフォール諸島のポータルがありましたし、つながりを考えるのも面白いでしょうね。
古代人が滅んだ理由
母星をジ・エンドに滅ぼされた古代人はソニックたちの星に移り住み、それからしばらくしてジ・エンドが再来して激しい戦争ののち、巨神4体を使ってジ・エンドの半身だけ封印に成功します(この半身が天の声です)。
古代人たちが多大な犠牲を払い、巨神4体を使ってようやく半身を封印できたほどなんですから、それだけジ・エンドは強大な存在なんですね。
しかし、ジ・エンドとの戦争で島は厳しい環境変化が発生してしまうなど、彼らへのダメージは大きく、一世代の短い期間に絶滅したそうです。
そもそもココって何?

ココは古代人が使っていたお守りで、ココたちが古代人の記憶を引き継いでいた、もしくは古代人たちの無念や後悔が宿ったものではないかと、ソニックは考察しています。
願いが叶うと死んでしまうのは、「持ち主のやりたいことや未練を成し遂げて役目を終えたから」です。
なぜエミーたちはココの言葉を理解できたのか
日本語版では「よくわからないけど話せる」でしたが、英語版は「電脳空間が翻訳してくれている」と、具体的なニュアンスになっていました。
電脳空間は古代人の文化も記録されているので、ココの言葉(=古代人の言語)がわかるという感じですね。
セージについて

セージはどういう存在だったのか、なぜソニックを排除しようとしたのか、涙を流した理由など、彼女の行動の意味についてまとめました。
セージの正体と行動の意味

セージはもともと、エッグマンが古代人のテクノロジーを奪うために開発したAIプログラムで、古代ネットワーク侵入の際に古代人のテクノロジーが混ざり合い、人間の少女のような姿になりました。
セージはそのとき、電脳空間から古代人の意識や情報も取り込んでいたため、巨神を少し操れるし、古代人が滅んだ歴史やジ・エンドの脅威を知ることになります。
事象演算の結果、「まず主人のエッグマンをジ・エンドの脅威から守る」に行き着き、意図的に電脳空間から出さないようにし、カオスエメラルドを集めてジ・エンドへの対策を講じはじめます。
ただ、ジ・エンドの破壊より「復活させないための保守管理」の側面が強く、劇中でも「封印する(倒す)」ではなく、「阻止」という表現を使っていました。
そもそもジ・エンドは、あれだけ古代人の犠牲を払って半身を封印できたレベルなんですから、セージひとりで倒すのはまず無理なんですね。
セージが繰り返し「運命」「定め」という言葉を使っていたように、古代人の記憶から「この強大な存在に立ち向かうことは不可能だし無意味」だと、あきらめて保身になっていたと思います。
セージが当初ソニックを排除しようとしたのは?

セージが当初ソニックを排除しようとしていたのは、もちろん敬愛する主人を悩ませる宿敵だからなのもあります。
しかし、ソニックが後述の理由から、ただひとり電脳空間を自由に出入りができ、しかもジ・エンドと(程度はあれど)会話もできるイレギュラー的(異端)な存在です。
セージからすれば、
CHECK!
電脳空間から簡単に抜け出せて、戦闘能力があり、ジ・エンド復活を手伝っている星を滅ぼす(=主の死)脅威そのもの。に、ほかならないんですね。
英語版では、攻撃する前に「立ち去れ」と口頭で警告しているので、その警告を走って無視をしたソニックを排除するという、建設的な手順をやっていたりはします。
ジ・エンド復活の要因はほぼエッグマンだけれども。
セージとソニックの考えかた
- 【セージ】運命を変えるなんて無理(受け入れるしかない)。
- 【ソニック】運命は走りつづければ変えられる(どうするかは自分次第)。
このように、協力するまでは正反対でした。
そして誰かを助ける意識とあきらめない心、予想外の能力と行動をするソニックを見続けたセージは、主人の敵である彼の排除から、ジ・エンド再封印(破壊)の協力へと考えを改めるようになります。
話の中盤でいきなりセージが涙を流した理由は?
このシーンについて日本語版のニュアンスでは、
「ドクターの指示どおりにしか動かない(=AIの)私は、運命は変えられないと思っていた。そんな私でも、彼のように運命にあらがうことはできるの?」
日本語版のセリフ(要約)
という感じで、英語版は、
「彼らが見せてくる絆や愛は、私の欲しいものだった。敵である彼らを見なければ、未来を受け入れるのも楽だったのに……」
英語版のセリフ(要約)
と、なっています。
英語版のセージは、オーボットやキューボットを私の兄弟かと質問するなど、精神的なつながりを求めているフシがあるも、ジ・エンドの破滅の運命には逆らえない葛藤(かっとう)を抱えています。
セージは英語で「賢者」という意味になるだけではなく、セージの花言葉は「家族愛」ですからね。
日本語版は「行間を読め」という感じでわかりにくいとはいえ、根っこの部分は英語版と同じだと思います。
セージの「お父さん」

言わずもがな創造主のエッグマンのことで、ただのAIだったセージがそのような感情が芽生えたのは、結果や運命に縛られず、規格外の行動をするソニックによる影響が大きいでしょうね。
はじめは従順だったセージも、中盤以降ではソニックに心動かされて涙を流し、エッグマンの命令に逆らうような行動をするようになりました。
一方エッグマンも、次第に娘のような感情が芽生えていたことがボイスログや英語版のセリフで明かされています。
セージの「お父さん、ほめてくれる?」から、ラストでセージを復活させた際に「いい娘じゃ」と優しく語りかけているのは、まさに父と娘ですよね。
エッグマンが父性に目覚めるって新鮮で、なんだがぐっと来るものがあります。
ちなみにロード画面の三角形がだんだんと頂点が増えていき、最終的に円形になるのは、セージに魂が宿っていることを表しているんだそうです。
ラスボスについて

本作のラスボス『ジ・エンド』について、結局何者だったのか、なぜあのような姿なのか、なにがしたかったのかの謎を述べていきます。
ジ・エンドとは何者か
ジ・エンドは自身を「秩序をもたらす調律者であり裁定者」と称し、何万年以上も多くの惑星や生命体を独善的に消し続けてきた存在です。
見た目は黒い月のようですが、実際はエネルギー生命体であり、半身を削り取っても休眠状態になれど、生命活動に支障はありませんでした。
また、半身(男声)が「我が存在は蒼穹(そうきゅう)の彼方にあり」と言っていたことから、半分は電脳空間(巨神の中)、残りの半分は宇宙空間(月の裏側)にいた形になります。
アドベンチャー2で月が破壊されたときはビックリしていそう。
ジ・エンドの目的
ジ・エンドは自分以外の生命は愚かでぜい弱だと見下し、志(こころざし)を持つ生命体を「運命」として裁定するのが使命と語るなど、ある意味神らしい性格で、古代人いわく「巨大な悪意」です。
「志を持つ生命体」とは知的生命体全般をさし、高度に知能をもつ生命が消えゆくのは必然であり、それは何万年も繰り返されてきた宇宙の摂理だと、ジ・エンド自身は考えています。
神様気取りをするラスボスは何人もいる中、ここまで歪んでいるのはジ・エンドぐらいですね。
後半でレイア島の塔、最後の巨神であるスプリームも機能停止したことで、半身は電脳空間から脱して完全復活し、ソニックたちの星を「封印」として滅ぼそうとしていました。
封印解除に利用したソニックを、スプリームを使って最後に倒そうと手のひらを返したり、英語版だとバトルの開口一番で「Modal(死すべき人よ)」と言うなど、徹底的な合理主義者ですね。
しかし、セージとスーパーソニックによって「裁定」は食い止められ、宇宙とソニック(=生命体)に無限の可能性があることを悟り、彼らに倒されます。
爆発する際に道連れにしようとするも、セージの犠牲でソニックと星は守られました。
ジ・エンドの上位存在がいる可能性?
日本語版のジ・エンドは独白の中で、
「そう、これは叙階(じょかい)より決定されていたこと」
ジ・エンドの独白(日本語版より)
これを言葉どおりに解釈するなら、「誰かからその役目を任命されていた」ということになります。
本当の「神」からの指示で破壊をしていたのか、それとも自身が誕生した宇宙空間を親と見立て、その意思で自身は生を受けたと思っているのか、ここの情報は一切不明なため、謎が深まります。
「叙階」の意味や使い方 わかりやすく解説|Weblio辞書
ジ・エンドが黒い月である意味とは?
岸本ディレクターによると、本作で見せたジ・エンドの姿は本来の姿とは異なり、生命体によって「死の概念」を具現化した姿になると語っています。
そのため、黒い月に見えるのは「ゲームを遊ぶプレイヤー(メタ視点)の見えかた」であり、ソニックやセージはどのように見えているかは謎なんだそうです。
ただ、セージは「月の裏側からもうひとつの月が現れる」と古代人の伝承を言っているので、少なくとも古代人とセージは月のように見えている可能性が高いです。
「なぜ月が死の概念なの?」については、人類の歴史から太陽は生命、月は死(と再生)を司る存在だからと言われているからですね。
月を見よ、死を想え|NIKKEI STYLE
ジ・エンドが最期に自爆した理由
日本語版は「知的な破壊者」で、歪んではいるものの哲学的な探求者のような感じでした。
しかし英語版のジ・エンドは「破壊の化身」そのもので、
「汝が電脳空間をかけるときに記憶を見た。過去に巨大な機械や神と戦ってきたようだ。確かに強き存在だ。しかし、我は無限の存在であり、虚無だ」
「我は必然の存在。否定することはできない。汝は勇敢ではない。何をしても汝は勝利しない。我がどのような手段をとろうとも、終焉(ジ・エンド)はすべての生命にもたらされる!」
ジ・エンドの独白(英語版より意訳)
ラストの日本語版は「やっと理解できた」と悟り、最期に生命体の可能性を試すかのように攻撃・自爆したのに対し、英語版は少々ヤケクソ気味になり、自爆してでもすべてを破壊しようとしました。
そういった意味では、自爆の理由は英語版のほうがしっくりくるかもしれません。
最後に:ソニックフロンティアは王道ハードSF

ここまで、『ソニックフロンティア』のストーリー展開や謎について、考察も交えながら解説を述べていきました。
重ねるように、英語版の内容からかなり変更されているため、余計にわかりにくくなってしまっているのが、本作のもったいない部分です。
本来の考察って、「するともっと楽しめるけど、別にしなくてもいいもの」が前提ですからね。ゆえに、考察をしなくても話がすんなり理解できるのが望ましいです。
本作のレビューでも書いたように、なぜ英語版のセリフからかなり改変されているのかについては、
CHECK!
英語版はシリーズネタが多すぎることや文化的背景・価値観から、ソニックを知らない日本人に少しでも入りやすくする配慮のため。セリフのチグハグ感はあるにしても、開発者インタビューからこのような配慮があることを察することはできますので、一定の理解は示したいですね。
理解した上でまた遊ぶと見方が変わる

日本語・英語両方のストーリーや人物の謎を見ると、本作のストーリーは決してひどいものではなく、話やキャラクターの心情を理解すれば、絆や愛の葛藤が入り混じった王道ハードSFだとわかります。
英語版はこのテーマがしっかり描かれているんですが、日本語版はぼかした表現にされているだけに、「ソニックフロンティアってこんなストーリーなんだ」と、理解のご助力になれば幸いです。
繰り返すように、ここまでの内容は自分が調べた範囲・解釈も踏まえた内容で、公式が想定したストーリー最適解とは異なる場合があります。
なお公式は「ゲーム以上の内容は述べない。ファンが考察を楽しんでほしい」と言っているので、ぜひおのおので考察を広げてみてください。
ストーリーを理解した上で本作を改めてプレイすると、また新たな発見があるかもしれません。
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