
最近はネットを見ていると、無理やり押させるような広告、健全なサイトでも性的でアダルトな内容やホラーなど、不愉快・不健全な広告が出され、見かける頻度が多くなりました。
また、こういった広告を消させないためのAdBlock(広告除去)禁止ブログもあり、「広告とは何か」と言わんばかりの負の連鎖になっていますので、こちらの問題を以下から述べていきます。
この記事は「なぜコメント禁止にしているブログが増えているのか」という記事を分割し、再構成した内容です。よろしければこちらもご参照ください。
不快にさせる広告が非常に多い


大手もやっているのが
悩ましい
一昔前の広告は、単に文章だけだったり、簡単な画像のバナー広告がほとんどでした。
しかし昨今では、
- 【アニメーション広告】アニメーションを多用した広告。
- 【スワイプ広告】スワイプ動作を強制的にタップ行為にさせる広告。
- 【釣り広告】不健全・刺激的な内容で注目を集める広告。
- 【妨害広告】コンテンツ閲覧の邪魔になっている広告。
- 【誤タップ広告】閉じるボタンをややこしくしたり、押しにくくした広告。
- 【ショッキング広告】「ウイルスに感染」など、音や文言で不安にさせる広告。
広告内容の問題のみならず、メモリを消費させる、閲覧を妨害するといった「なぜ規制されないの?」と言いたくなる悪質な広告が増えていて、「不快」「気持ち悪い」という声も増えています。
スワイプ広告だと、大手のAmazon(Kindle)もやっていますから、「今のネット広告はどうなっているんだ」と思ってしまうのは必然です。
電子コミック・ソーシャルゲーム系広告のわずらわしさ
特に電子コミックサイト(『Renta!』『コミックシーモア』など)やソーシャルゲームの成人向け(R-18)を思わせる性的な内容や、ホラーや暴力といった、ショッキングで不快な内容を流したり……
お役立ち系、日常ブログなどといった全年齢サイトでも、このような場違い広告が流れますからね。
自分もセンシティブ(年齢制限)な絵を描くとはいえ、健全な場で出されるのは気分のいいものではありません。
今の時代、ほとんどの人がサイトをスマホから見ていて、小学生でもスマホを持っていることを考えると、規制されずに野放しなのかが不思議ですよね。
何より場違い・刺激的な部分を抜き取る広告は、作品の印象を損ねさせる風評被害も発生します。本当はいい作品なのに、広告のせいでネガティブなイメージになるのは、作家さんや運営者も可哀想です。
読者を増やすためだと言えど…電子コミックの過激なバナー広告について議論|おたくま経済新聞
「UXを不便にさせる」という風潮


サイト運営の観点だと
本末転倒
これらに共通するのが、「いかにUXを不便にさせるか」という、SEO(検索優位性)で示しているGoogleの信念とは、真逆の指標が流行しているということです。
- 【UX】「ユーザーエクスペリエンス」の略。「使いやすい・見やすい・ストレスフリー」のユーザー体験の指針。
サイト運営者からすれば、
- 広告収入(アフィリエイト)を導入する。
- サイトに広告が表示される。
- しかし内容・表示手法が不適切。
- 「ここのサイトに出てくる広告うざいわ」と思われる。
- 離脱され、二度と来ない。
ユーザー目線で考えれば悪循環でしかなく、苦情にもつながるこの手法がトレンド(流行)になっていているんですね。
GoogleもUX視点のサイト設計はかなり厳しく指摘するのに、広告のUXがゆるいのは矛盾を感じます。
広告の仕組み


広告にも
種類がある
とはいえ、なぜ不快指数の高い広告が増えたかを考えると、ネット広告の仕組みを考えれば理解できます。
ネット広告はさまざまな種類・細かい定義がありますが、特にブログやサービスで見かけるのは、
- 【インプレッション広告】記事の閲覧数(PV)によって金銭が発生する広告。
- 【成功報酬型広告】目標達成で金銭が発生する広告。
このふたつの広告になりますね。
インプレッション広告の仕組み
インプレッション広告は広告が表示されたら金銭が発生しますので、後述する成功報酬型広告と比べると、そこまで過激にはなりにくい印象が見られます。
ただ、「表示されないと金銭が発生しない」ということは、そのぶん広告数も多くなり、しっかり考えないとごちゃごちゃしたり、表示が重たいサイトになります。
【表示だけで報酬発生】インプレッション型アフィリエイトの解説|サイドライン株式会社|tool+
成功報酬型広告の仕組み
ネット広告の問題で一番苦言されやすいのが成功報酬型広告で、クリック・タップされ、その先のサイトで商品購入などの目標が達成されれば報酬が発生する広告です。
そのような仕組みになっていることから、ネット広告の中でも単価が高く設定されています。
平均的なクリック率(CTR)は約1%前後、「100人いたら1人が広告を押す」という計算で、その先の目標を達成してくれる人の確率はさらに下がります。
ゆえにマーケティング業者や広告代理店もビジネスですから、CTRの結果を底上げして利益につなげようと知恵を絞るんですね。
アフィリエイト(成果報酬型広告)とは – 意味をわかりやすく |IT用語辞典 e-Words
不快指数が高い広告が増えた理由


見させる
押させる
結果的に成功報酬型広告はどうなったかといえば、
CHECK!
物理的な誤動作や、刺激的・ショッキングな内容を狙う広告のほうが、CTR率が圧倒的に高い。長年の計測からこのような結果を得られたため、同業の業者がこぞって同じことをやりはじめたんだろうと推察(すいさつ)します。
実際、人間という生き物は「刺激・単純」な内容に目が入りやすく、無意識に視線が止まります。これはまとめ(コピペ)・トレンドブログの見出し、YouTube動画サムネイルでも同じですよね。最近のYouTubeはまとめサイト化している……
また、「押されないのなら押させればいいじゃない」と、閉じるボタンを視認しにくくしたり、誤認させるのも、単純な理屈としては理解できます。
しかしながら、実に資本主義的というか、「お金や宣伝のためならモラルなんてどうでもいい」という、拝金主義に毒された感じは否めず、調査の思考を捨てた質の低い業者が増えたと感じさせます。
さらに、UXに反した広告を載せるのは信頼を損ね、サイト自体も嫌われてしまいます。長期的な運営戦略を考えるなら、サイト運営者は一度考えたほうがいいでしょうね。
CTR(クリック率)とは!広告でもよく使われる意味を解説|MarkeTRUNK
業種毎の平均クリック率をご紹介!|ノウハウブログ
Adblock禁止サイトについて


理由を考えずにするのは
読者離脱するだけ
この手の話題を話すと出てくるのが、Adblockなどの広告除去プラグインを使うとサイトが見られなくなる広告除去禁止サイトの存在であり、これらも同様に年々増えています。
ただ、理由の探求もせずに一方的に「広告を消す閲覧者を悪」とするのは、逆に読者離脱のデメリットでしかないのを一考する必要があります。
広告収入でブログ運営する人にとっては確かに痛手で悩みの部分であり、広告除去プラグインは言ってしまえば必要悪です。使わないに越したことはありません。
だからこそ運営者はまず、「なぜプラグインを使っているのか」を知る必要があります。
広告の内容と手法が問題
ここまでの文章を読めばわかるように、閲覧者は広告そのものを嫌っているのではなく、「内容に無関係で不健全・不愉快、閲覧の邪魔になる広告を嫌っている」んですね。
それを反映するように、AdBlockは「利用者の約75%のユーザーが控えめな広告なら出してもいい」と答えている統計を発表し、控えめな広告を許可するのが初期設定でONになっています。
Google関係の広告は、広告主はどのような広告内容にするかを選ぶことはできないため、そのあたりの事情は察しますが、かといって「広告除去は悪」とするのは違うようにも感じます。
Adblock Plus and (a little) more|Adblock Plus
歩み寄る姿勢が必要
広告除去禁止に対する意見を反映してか、「広告運営で成り立っています。Adblock(広告表示制限)の解除にご協力ください」という文言を出し、任意選択させる方式が多くなりました。
こういった感じでかつ広告とサイトが調和していて関連性があれば、印象は悪くないですよね。
「広告除去なんてやめろ!」ではなく、「運営のご協力にお願いいたします」という姿勢で、広告も内容に関連して調和していれば、次第に広告除去プラグインを使う必要性はなくなってきます。
金銭のやり取りの基本は「信頼」であり、ここは不労所得でも同様のことが言えます。
相手を金づるとしか思わない短絡的・短期的なコンテンツよりも、長期的スパンを考え、ファンや常連者を作るコンテンツが結果的に利益が上がるのは、健全なアフィリエイトブログ成功者の例を見ればよくわかります。
考えてみれば広告除去プラグインのせいで、余計に不健全な広告が増えている可能性もあるかもしれない。
最後に:不健全な広告は評判にも響く


当サイトの広告実装予定は
ありません
ネット広告で悪目立ちするのは成功報酬型広告で、刺激的な内容にしたり、UXを不便にさせて押させようとする事情・マーケティング戦略は、納得はしないものの理解はできます。
しかしながら、目先しか考えていない手法であり、サイトや宣伝元にも風評被害が発生しかねないものなんですね。
「そんなのは理想論でしかない」と、運営者や業者は思うかもしれません。
ただ、商売やマーケティングの基本は「信頼」です。信頼を得られなければ、いずれ力尽きて淘汰(とうた)されていくものです。
それに、サイトの雰囲気に合っていない、CTR目当ての恣意(しい)的な広告は、元となった作品や商品も印象が悪くなる風評被害・悪循環になってしまいます。
なお、当サイトでは気持ちよく内容を読んでいただきたいという観点から、広告を使用せず、支援サイトによるご支援で金銭を得て、それを運営維持費に充(あ)てています。
広告は悪だとは言いませんが、それだけが金銭を得る手段ではないですし、支援サイト・有料記事・投げ銭・ブロマガ・オンラインサロンなどの選択肢があることも、知っていただければと思います。

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