
パリオリンピック開催と同時期、ユーロゲーマーをはじめとした海外メディアが「マリオ&ソニックシリーズが正式に終了していた」と報じ、世界中のゲームファンが大騒ぎでした。
Olympics ditched Mario & Sonic series to explore NFTs and esports|Eurogamer.net
しかし自分からすると、
え? なんで今になって言われているんだろう?

彼らをバカにしたり嘲笑(ちょうしょう)したいわけではなく、正直このように思って傍観(ぼうかん)していたという感じです。
なぜいまさらと感じて違和感を覚えたのかを、シリーズの解説をしながら述べていきます。
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
マリオ&ソニックとは
まず『マリオ&ソニック(マリソニ)』シリーズがなんなのかを説明しておきます。
マリソニシリーズは2007年の北京オリンピックを機にはじまったシリーズで、1作目の段階で全世界1,000万本販売されたソフトでした。
セガがオリンピックゲーム制作の権利を持っていて、それを任天堂と共同開発した形ですね(日本では東京2020オリンピックまで任天堂販売)。
なお日本だと、

マリオは知っているけどソニックはスマブラでしか知らない。

マリオとソニックがなぜ夢の共演になるのか?
こう言われがちですが、海外(特に米国・欧州・南米)ではマリオやポケモンと並ぶ大人気キャラクターで、それこそ世界で一番ソニック人気が低いのは日本だと言えてしまうレベルです。
現にソニックの売上の95%は海外と公式発表されていますし、実写ソニックも映画マリオに抜かれるまでは、「ゲーム原作映画の全米興行収入」で歴代1位を取っていたぐらいですからね。
アメリカ限定なら、名探偵ピカチュウとバイオハザードを超えたことがあるということ。日本は報じないけどね。

「ソニックはオワコン(終わったコンテンツ)」と言う人がいますが、海外ではマリオに劣らず人気なのを知らずに語る場合が多いです。

「第2のソニックを作り出す」セガ第2事業部が描くビジョンとは|セガ
映画『Sonic the Hedgehog 2』(邦題『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』)全世界興行収入4億ドル(544億円)を突破|PR TIMES


ゲーム史だと歴史的出来事
上記はソニックが海外だといかに人気かが分かる動画だよ。

ソニックはもともとマリオに対抗するために作られたセガのマスコットキャラクターです。
ゆえに90年代まではマリオ(任天堂)とソニック(セガ)は犬猿同士で、お互いにゲームやCMなどで仲良くけなし合っていたぐらいです。

© 1995 Nintendo, Rare Ltd., SEGA
日本からするとピンとこない話ではあるものの、海外からすれば、マリオとソニックが手を取り合って並ぶのは歴史的なことだったりするんですね。
マリオ&ソニックの成功で転機と見たセガとソニックチームが、一時期ソニック本編をファミリー向け作品にしたため、世界中のソニックファンからひんしゅくを買ったのは別のお話です。

2019年に終了アナウンスされていた


言及している人が
あまりにも少ない
ここからが本題で、マリソニシリーズは2019年に任天堂の古川社長が、公式に終了したことをアナウンスしたという記事が存在します。
最近の記者会見で任天堂CEOの古川社長は、近日発売される『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』が最後のゲームになると発表しました。
古川:(マリオとソニックは)素晴らしい活躍を見せてくれました。ですが、これが最後の作品になります。
(翻訳・意訳)
Bad News, Gamers! ‘Mario & Sonic At The Olympic Games Tokyo 2020’ Will Be The Last Game|The ONION
東京2020オリンピックのレビューも書いたように、この発表はかなりショックでしたね。
パーティゲームの部分は悪い意味で北京オリンピックに原点回帰していて、切り返してほしかったなぁ。


だから今になって騒がれているのかが不思議
ゆえにここまで騒がれているのが不思議に思えてしまうんですね。知識マウントアピールをしたいわけではなく、純粋な気持ちで、
もう5年前には言われていたのに、なんで今になって話題になっているんだろう?

これに尽きるんですね。
とはいえシリーズ終了の理由のひとつに、「IOC側が契約更新を切り、今後は企業のIP(知的財産)に頼らない方向になったから」という新情報は、なかなかに大人の世界の闇を感じさせます。
現にパリオリンピックのスマホゲーがあるよね。よくあるスポーツゲームで正直魅力はそこまで感じなかったけど……

最後に:マリソニシリーズは偉大だった


スマブラ以外でも
また組んでほしい
以上、マリソニシリーズの終了は2024年より以前の2019年に、「任天堂の古川社長から終了アナウンスされていた記事があったよ」という話でした。
検索すると自分のように、「え? すでに言われていたよね?」と感じた海外ユーザーはほかにもいたようです。とはいえ取り上げているメディアが少ないので、埋もれていた感はあります。
2019年当時のセガ公式X(ツイッター)が記事に反応していたので、セガ広報は認知していた(=公式に終了を認めた)認識でよいかと思います。
Sorry everyone https://t.co/I09bQDkNJJ
— SEGA (@SEGA) November 6, 2019
平昌オリンピックは大人の事情で出なかったけど……今思えば、あれが終焉(しゅうえん)のはじまりだったかも。

どちらにせよマリオとソニックが手を組むという、当時のゲーム史からするとかなり衝撃的な出来事であり、それを10年以上も継続して盛り上げたのは素晴らしい功績でしたね。
日本だとソニックはキャラクターぐらいしか知らないレベルですが、海外ではマリオと競い合えるほど超人気ブランド・カルチャーであり、マリソニはそれだけスゴい共演でした。
ソニック人気が低いのは日本だけ
超速ソニックを93年と紹介しているなど、情報の間違いや分析の掘り下げ不足があるものの、上記の動画はわかりやすいよ。

むしろ外国人が日本を訪れたり日本ソニックの話題になると、

ソニックって世界中で人気なのに、なんで日本では人気ないの? 日本生まれだよね?

ソニック人気がないの日本だけっておかしくない? 日本人は生意気クールキャラが嫌いなのか?

ソニックって日本キャラクターだったのか。てっきりアメリカ生まれと思ったよ。
そう驚かれるそうで、そのぐらいに知名度・浸透度に圧倒的な差があります。ゆえに日本だとソニックをオワコン(終わったコンテンツ)と勘違いしている人もいるぐらいです。
しかしその認識は大間違いで、ソニック人気がないのは生まれの国の日本だけです。アメリカを筆頭に欧州圏・南米でも昔から熱狂的で、新参の中国・韓国でも少しずつ知名度を上げています。
個人的にはスマブラ以外でもまたマリオとソニックが組む作品が出てきたらいいなと、ひっそり思っている次第です。


