ネット・SNSなどで時折、文章への返答に主張内容の意見ではなく、相手の文章・書きかた・用法などをやり玉に挙げ、日本語マナー講師にように口うるさく指摘する人がいて、
これで見れますね。
↑「見れる」じゃなくて「見られる」だろ?
特にネット・SNS上では『ら抜き言葉』の指摘が多く、こういう人をネットスラングでは、
- 『正しい日本語厨(ちゅう)』
- 『日本語警察(誤用警察)』
とよばれるぐらい、不愉快・うざいと思う人も少なくありません。いい意味も悪い意味も含め、これらの問題を少し考察していきましょう。
またこの記事で書いていた批判の誤用問題については分割しましたので、よろしければこちらもご参照ください。
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
正しい日本語の指摘について
TPO(時・場所・場合)は
考えようね
早速、話の腰を折るようですが、状況の良し悪しは置いておいて「正しい日本語を使う」自体は間違ったことではありません。
文化庁が定めた日本語を「正しい日本語」と定義するなら、厳格かつ品性が求められる公用文書、物事を正確に伝える報道陣やアナウンサーなら、その正しい日本語を使うべきでしょう。
しかしながら個人が発信する文章まで、正しい日本語をマナー講師のようにいろいろ言う公正気取りが正しいとは限らないものです。
日本語指摘が嫌われるのは、建設的な話し合いではなく、揚げ足とりや叩きが目的になっていて、後述するように行動が矛盾しているからです。
正論は必ずしも「正解」ではありません。
「あなたの文章は興味ないですが、日本語の使いかたは指摘します」
ほとんどがこのタイプ
あなたの文章は興味ないですが、日本語の使いかたは指摘します。
彼らの行動を一言で表すならこれで、実際に文法指摘する人を観察すると、
- 【正しい日本語指南】正しい日本語マナーや文章の書きかたを相手につつく。
- 【日本語の是正】ら抜き言葉など、「〇〇なのに△△は間違い」と称する。
- 【例文を交える】「この人の日本語がおかしいし変では?」の質問と回答。
としておきながら、
- 【漢字の用法】「事・こと」や「所・ところ」の使い分けなど。
- 【定義間違い】『批判』の誤用など。
- 【表現が不自然】句読点(、。)やカッコ、「てにをは」の選定など。
- 【独自表現】中点(・)や句読点(、。)を三点リーダー(…)にする。
- 【勘違い】読点(、)をカンマ(,)にするのは間違いと称する勘違い。
「正しい書きかたを指南しているのに、自分も間違っている」という矛盾が見られ、相手は何を言いたいのか、話の本質は何かを言及しないケースが目立ちました。
それで「私は正しい日本語が使えている」アピールをするんですから、そりゃ嫌われますよね。
相手に指摘するなら、自分もしっかりできているのがスジじゃない?
物書きの仕事や国文学科出身の人ですら、「専門職なのに自分も誤用している」の矛盾を抱えることもありますし、自分も誤字・脱字が多く、日本語のスペシャリストでもありません。
自分もそこまで日本語の文法表現は上手じゃないから、正しい日本語アピールなんて無理。日本語ってムズカシイね。
「文章の個性がなくなる」?
これに対する一種の反論で、
そんな杓子(しゃくし)定規では文章の個性がなくなる。
と主張する方がいます。
確かに公文書じゃないですから、そこまでガチガチにすべきとは言いません。
ただ繰り返すように相手の文章の書きかたに指南するならば、まずは自分がお手本にならないといけないのは、言葉のみならず人間関係でも同じことです。
そういった自己研鑽(けんさん)もせずに開き直り、日本語指摘する行為に生産性はありませんし、相手の敬意に欠いた行動ですから、反感を買われるのは必然です。
他人に厳しく自分に甘い人って、どこでも嫌われるよ。
海外でも文法指摘は嫌われる
世界共通なんだね
ちなみに英語圏の国では、文法や発音のつづりをいちいち指摘する人のことを『グラマーナチ(grammar nazi :文法ナチ)』とよぶそうです。
対話の最中に相手の発言の文法的に不正確な部分をいちいち指摘してくる人、をさす言い方。
文章など趣旨が伝われば充分だろうという見解の者が煩わしさ・忌ま忌ましさを込めてナチ呼ばわりした表現といえる。
文法ナチ(ぶんぽうナチ)|weblio辞書
言論統制をするかのように、独善的に文法を指摘して萎縮(いしゅく)させるさまが、大戦中のナチスのようだというのが由来でしょう。
ちゃんとした意図や思いやりもなく、あら探しして言葉の指摘をする人は海外でも嫌われやすいということですね。
日本語指摘の心理・要因・対策
なぜ指摘を
したがるんだろう?
考えられる要因説としてはさまざまあり、
- 【揚げ足とりたい説】相手を叩くために文法であら探しし、優越感に浸る。
- 【知識自慢説】ネットやテレビで仕入れた情報で知識自慢アピール。
- 【行間が読めない説】字面ばかりで発言の意図や本質を見ない。
- 【職業病説】校正などを職にしているため、その癖でついおこなってしまう。
- 【意味が変わる説】誤用のままでは文の真意が変わるので、善意の指摘。
最後の5のような、相手を考えて「ほかの人にもこの文章を読んでもらいたい」と、正しい批判と追伸程度に文法指摘するという、本来あるべき姿をおこなう人は少ないです。
このような人が多ければ、日本語指摘そのものは嫌われませんが、重ねるように文章の内容に興味がなく、揚げ足とって文法をとにかく指摘したいだけが非常に目立ちます。
イタリア本土や高級イタリア料理店に来たわけでもないのに、
スパゲティを食べるときはフォークのみがマナー。イタリア人はスプーンを使わない。
と自慢げに言う人と本質的には同じです。
嫌われるのは表面しか見ないから
少なくとも相手が何が言いたいのかを無視して、言葉尻を捉(とら)えて口を挟み、鬼の首をとったかのように日本語の訂正を求める人に対し、いい気分をされるのはそうそうありません。
上述のとおり、こういった人ほど自分自身も正しい日本語が使えていない場合が目立ちます。
自分も物書きなので、下手な文章や批判の誤用などを見ると指摘したくもなるので、その気持ちはわからなくはないですが、揚げ足とりや知識自慢は嫌われるだけで、反感を買う元です。
仕事でもそう。相手にはアレコレ言うくせに自分はできていない人が、信頼されるわけがない。
絡まれたら無視しよう
もし1から3のタイプを見かけたら、基本的に下手に応酬せず無視をするのが妥当な対策法です。
こういった人たちは大体かまってちゃんだったり、「俺に意見するな」みたいなプライドが高い人がほとんどなので、関わるだけ時間の無駄です。放っておけば自分から離れるでしょう。
ただし、しつこくつきまとう粘着状態が見られたらサービス運営に通報するなど、毅然(きぜん)とした対応をしてください。
自分は彼らを「意見される覚悟がない人」や、「心の弱い(自分に負けている)人」と言うね。
最後に:表面的な日本語指摘はうざいだけ
表面じゃなく
真意を見よう
正しい日本語・正しい定義自体を否定するつもりはありませんし、教養という意味でも知らないより知っておいたほうがいいのは確かでしょう。
ただ、ネット・SNSで横やりに日本語マナー講師気取りで指摘する人は、本当に相手のことを考え、尊重してそう言っているのかが疑問です。
むしろ自分が間違った日本語や定義を使って恥をかき、足元をすくわれないようにはすべきですね。自分でハードルをあげているんですから、そのぐらいの自己研鑽はやりましょう。
CHECK!
日本語指摘が嫌われるのは、内容の話し合いではなく揚げ足とりが目的だったり、自分自身も間違えているのに、自分を棚に上げる矛盾行動をしているから。自分自身も、特に批判の誤用については厳しいですが、「それは『批判』じゃなく『批難』ですよ」なんて指摘は、よほどのことがない限り言いません。
まずは相手が言いたいことを知るのが先で、文脈で判断するよ。
聞く耳持たずに校正指摘・知識自慢で揚げ足とりするのはうざい人でしかなく、単に日本語評論家を気取っているのか、文章を読んで親切心で言っているのか、そこの見極めも必要ですね。
まずは相手の意見・意図を理解して慎重に判断するよう、思慮をめぐらせたいものです。
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プロフィール
赤竹ただきちTadakichi Akatake
仕事で「YMYL(医療・健康・お金)記事をほぼ生成AI任せに書く」という、「これありえないだろ……」という他社事案に遭遇し驚きを隠せない。
というのもGoogleは2016年にWelq事件があったから、YMYL記事は独自性・信ぴょう性を厳しくチェックするようになっているんだよね。
それにYMYL記事を生成AI任せに書くとペナルティになる可能性も発表していて、こういった記事では生成AIを使うのはいいにしても、検証・監修で補完することが必須。
これを理解せず「SEOを上げるお手伝いをします!」という業者がやるんだから、いくらなんでもリテラシーが低すぎる。それで検索ペナルティを受けたら損害賠償モノなんだけどなぁ。
イラストレーター・マークアップエンジニア(コーダー)・Webデザイナー・ライターのウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。
コーディングとWebデザインは両方可能。納期が短いなどいった案件では、「デザインとコーディングのアドリブ同時進行」という荒業もおこない、SEO施策を意識したマークアップも得意。
フリーランスとの進行ディレクション・指示や、面接担当の経験が幾度もあり、プロ・趣味問わず、絵描きを含めたクリエイティブの姿勢には少々シビア。
「自省・リテラシー・正しい批判の認知・意識向上」をライフワークとし、当サイト記事も「気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。
当サイトの記事は中学生でも理解できるように計算しながら執筆しており、ネット・SNS上で「わかりやすく参考になる」とご好評の声多数。
「言い訳せずに下手でも自分の弱さを認め、背かず自省して学ぶ意識を忘れない(=謙虚な)人」は、年齢・性別問わず好きなタイプ。
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