
© 2010 SEGA
ゲーム作品において、2010年の『ソニックカラーズ』から2017年の『ソニックフォース』まで、ソニックの性格がアドベンチャー時代のころと変わり、アメリカンな性格になったことがあります。
その原因を脚本を担当したケン・ポンタック(ケンポン)氏にあるとし、

なぜソニックを変な性格に変えたの? ソニアドはカッコいいのに。

ケンポンの書くソニックは嫌い。ケンポン採用は黒歴史だろ。

ケンポン脚本はひどい。ソニック知らん人に書かせるなよ……

ソニックの性格がおかしいのは、知らずに書いた脚本家のせい。
ケンポンソニック問題でケンポン氏を責めるのは大きな間違い。というかそれ、デマなんだけど……

日本のみならず、アドベンチャー系列が好きな一部海外ファンからも批難され続けてきましたが、ものづくりの観点から言えば「デマ」です。
実際に2024年に当事者のコメントから、闇深い大人の事情が告発されて大騒ぎになりました。
CHECK!
脚本の話と脚本家の話は全く別物であることを理解すべきで、ケンポンソニックにおける脚本家は戦犯ではなく、むしろ実質的に被害者。この記事はケンポンソニック(ケンポン脚本)を擁護(ようご)したいとかではなく、今回の告発をきっかけに理解してほしいなと思います。
物事を述べる際は背景・状況の確認が大切という良い教訓で、タイトルに「被害者」とあえて書くのか、記事の目的も考えるようにしてください。
また、それ以降の実写ソニック・テイルスチューブ・3Dアニメ作品におけるソニックの性格が変わったことを気にする人がいますが、ほぼ100%「海外のソニックを知らない人」です。
この誹謗(ひぼう)中傷問題のみならず、日本と海外ソニックの性格の違いも触れていきます。
記事を読んだらすぐ拡散してほしいぐらい。拡散希望は好きじゃないけど、そのぐらい闇が深い。

「被害者」を理解せず脚本家擁護と思い込む人も散見されます。意図は書いてあるのですが……

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ケンポンソニックとは

© 2010 SEGA
ケンポンソニックは、2010年のカラーズから2017年のフォースまであったアメリカンな性格のソニックで、これらの脚本を担当したのはケンポン氏であったため、そのように言われています。
実際はケンポン氏とウォーレン氏の共同執筆になり、2019年のチームソニックレーシングまでですが、日本語版はアドベンチャー寄りな性格です。
海外では『Pontaff』という蔑称(べっしょう)があったほどですが、日本ではなぜかウォーレン氏を除外し、ケンポン氏だけが槍玉にされています。

© 2001 SEGA
精神年齢が高いアドベンチャー系列のソニックとは異なり、とにかくコミカルかつ軽率な行動でミスをするなど、年相応な性格になっています。
性格の落差が激しいため、特にアドベンチャー系列が好きな人からはマイナスに見られました。
ケンポン氏はソニックをよく知らない人であり、インタビューなどで都度語ったこともあって、火にくべる薪になったのは否めないですね。
SNSでも敬意がない海外ファンに対して、過激な発言をしていることが多々あるからね。

pontaff interview pure|YouTube
ソニックの性格が変わった理由


セガとソニチの
闇深い大人の事情
なぜソニックの性格が変わったかは、飯塚氏のインタビューや中村氏の書き込み、2024年のウォーレン氏の告発から把握することができます。
飯塚:『マリオ&ソニック』が成功して、潜在的だった若いユーザー層を獲得することができました。しかし若いユーザーだけではなく、それも含めたあらゆる層にアプローチしていきたいと考えています。
(中略)
飯塚:(アドベンチャー系列は)暗くシリアスな雰囲気が多かったですが、私が思うソニックはのんびり・楽しい雰囲気という認識です。マリオ&ソニックをつうじてそれを再確認しました。(意訳・要約)
Sonic Colours Producer, Takashi Iizuka – Interview(アーカイブ)|SPOnG.com
また、本作では『ソニック』シリーズ初となる、アメリカ人によるシナリオライターを起用されているとのこと。これにより、アメリカ人にもユニークに感じられるストーリー展開になっている。
『ソニック フリーライダーズ』と『ソニック カラーズ』に見る、世界的人気シリーズの可能性はさらに広がる【E3 2010】|ファミ通.com
今回、ストーリーは、日本でストーリー要素や流れを作り、全体をしっかり書き上げてから、アメリカにて、セリフや間をリライトしてます。日本版は、更にそこからリライト。時間がかかり、イベント班には多大な迷惑を…。 #ソニックフォース #sonicforces
— Nakamura_Shun X Sega G (@Nakamura_ShunR) August 10, 2017
Correction, Ken and I wrote a million drafts for each game. Each draft got a ton of character and story notes from Sega/Sonic Team. Every word we wrote, every character trait, and every story point was given to us by them or based on the Sonic Game Bible. We had very little say. https://t.co/HxpTofK4eo
— Warren Graff (@warrengraff) January 13, 2024
ウォーレン:訂正しますと、ケン・ポンタック氏と私はゲームに膨大な数の草稿を書きました。各草稿にはセガやソニックチームから、大量のキャラクター設定と大まかなストーリーを提供された形です。
私たちが書いた脚本における、すべての人物の言葉・セリフ・特徴、そして話の展開は、セガ・ソニックチーム公式から指示されたか、ソニック公式資料に準じたものです。
私たちには、(脚本に関して)ほとんど発言権はありませんでした。
ウォーレン・グラフ|X(ツイッター)における告発(翻訳・意訳)
CHECK!
『マリオ&ソニック』の成功で若い世代・ファミリー層にもアピールする路線に変更したため。脚本家に発言権はほとんどなかった。これらの情報から要約すると、大人の世界の闇深い事情を察することができます。
ケンポン氏たちは戦略に振り回された、ある意味では被害者とも言える部分があったということ。

中村氏の書き込み内容を見るに、「脚本を書いた」というよりも「脚本のリライト(調整)をした」が正確な表現でしょう。

ストーリーも薄くなった要因

© 2006 SEGA, 白組
ワールドアドベンチャーからシンプルな物語にし、カラーズからフォースまで一気に薄くなったのは、アクションに注力し新世代・ファミリー層にも向けた戦略ならスジがとおります。
明るくコミカルな世界観も、「ソニックは暗くシリアスな世界より、のんびり・楽しい世界では?」という公式の考えがわかりましたよね。
それに関連する内容で『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2006(新ソニ)』の影響・反動も考えられ、海外だとロードなどの不評のほか、話が複雑で重く、異種恋愛の部分を厳しく見られました。
また、この頃は『ソニッククロニクル』関係のキャラクター権利訴訟問題と重なった時期です。
海外公式百科本『Sonic the Hedgehog Encyclo-speed-ia』ではクロニクルを非正史作品と認定し、アーチー版コミックの打ち切り要因になるぐらい影響が大きかったそうですからね。
ソニック(獣人)とエリス(人間)の恋愛模様を受け入れられない人も当時多かったとか。

Ken Penders’ legal cases|SONIC Wiki Zone
日本と海外でソニックの性格が違うのは当たり前

© 1993 SEGA, DIC Entertainment
さきほどの海外インタビューでもそうですが、「ソニックはのんびり・楽しい世界の住人」の認識が強く、90年代の初期カートゥーン作品・CM・ゲームがなどで積み重なったものです。
- 年相応にやんちゃで仲間とふざける
- 生意気・挑発的だがクールで優しい
海外だと上記イメージが形成・浸透されています。
一方で日本ではOVAの「おませで生意気」より、アドベンチャーの「大人びてカッコいい」が強く、これはガラバゴスソニックなんですよ。
そこからアドベンチャー風の性格に極力寄せているのが、2022年以降の日本ソニックです。


『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』
© 2024 SEGA, Paramount pictures
だからケンポンソニックが終わってからも、実写映画やアニメ、テイルスチューブなどにおけるソニックの性格に違和感を覚えてしまうんですね。
つまり、ケンポンソニック以降もソニックがパリピ気質・年相応なのは性格変更ではなく、「海外ソニックの性格を元にしている」からです。
SPOnG:つまり飯塚パパが、ソニックを(のんびり・楽しい世界に)とり戻してくれるんですね?
飯塚:(笑ってうなずく)
SPOnG:では今後のソニックシリーズ作品は、ソニックカラーズのようなカラフルでシンプル・のんびりな雰囲気になると。飯塚:はい、それが私のビジョンです。
SPOnG:それは良いビジョンです。気に入っています。
Sonic Colours Producer, Takashi Iizuka – Interview(アーカイブ)|SPOnG.com
(翻訳・意訳)
Remember When Sonic Kissed A Woman?|KOTAKU
The 8 wrongest romances in video games|gamesradar+
フロンティアで設定を復活

© 2022 SEGA
脚本家がイアン・フリン氏に変わった2022年のフロンティアからは「GUN・連邦政府などは存在した」にもどし、テイルスチューブやIDW版などで設定を後付補完・整合性をとっています。
これが2022年以降における正史作品の状態で、フロンティアから再度ブランド戦略を変更したことがインタビューで確認できますからね。
こうして見ると、大人の事情でソニックは右往左往しているんだなと感じてしまう。

桜井政博氏も「絶対に買う」と話題になった『ソニックフロンティア』は最初は“厳しい意見だらけ”だった。 「目的地に向かうまで退屈」「なにも起こらない」「草原だけ」を解決した本作の新要素について聞いてみた|電ファミニコゲーマー
[インタビュー]「ソニックフロンティア」ストーリー担当は筋金入りのソニックマニア。“夢の仕事”だったシナリオ制作やその手法を聞いた|4Gamer
ビジネス展開の弊害

『ソニックロストワールド』
© 2013 SEGA
こういったビジネス重視の行動でファンからひんしゅくを買った例はほかにもあり、
- 【ボーカル曲禁止令】2013年から2017年までボーカル曲が廃止される。
- 【英語の削除】本編ソニック(フォース)から英語が消えて架空文字になる。
上記もビジネス展開による変更なんですね。
ボーカル曲を廃止した時期があるのは、海外スタッフの音楽の価値観が各国で違うことへの懸念、本編(ソニックチーム関与)作品で架空文字になったのも、似たような理由と考えられます。

なんでボーカル曲を使わなくなったんだ!

英語表記は初代から続くソニックシリーズの伝統だろ!
その結果、ファンからこういった声が飛んでしまうことになるんですね。
ボーカル曲禁止令はインタビューで明かされていますし、架空文字はフォースの三浦アートディレクターが公式コラムで発言しています。
フォースから中国市場の展開もスタートし、なおさらグローバルに気をつかった感じでしょう。
結局は海外スタッフによる「やりすぎ配慮」だと、日本スタッフの計らいでボーカル曲解禁、英語もフロンティア以降は模索されています。
昔のポケモンは日本語・英語があったのに、グローバル展開で架空文字に変わったのと同じだね。

中村:プロデューサー的には海外チームからのネガティブな反応が心配だったんです。『ソニック』は海外で絶大な人気のあるタイトルなので、カルチャー的な違いもあって音楽面は毎回けっこう揉めるんですよ(苦笑)。
それで、ボーカル曲を事前の相談ナシでやることは心配だったのですが、結果いきなり気に入ってくれて安心しました。いい着地点に持っていけたかなと思っています。
岸本:いまだから話せますけど『ソニックロストワールド』のときは海外から“ボーカル曲禁止”っていう制約があったので、そのうっぷんもあったというか…………。
一同 :(笑)。
大谷:せっかくボーカル曲をやることになったので、であればたくさんやってしまおうと(笑)。
『ソニックフォース』完成記念インタビュー 中村Pらに聞く“王道ハイスピードアクション”を求めての道のり|ファミ通.com
三浦:ソニック含めキャラクターたちが住む世界は、現実の人間世界ではないので背景に英語などのいわゆる「文字」を使用していません。
『ソニックフォース』グラフィックコラム 第1回 背景デザイン|ソニックチャンネル
マリオ&ソニックの存在

© 2019 IOC, SEGA, Nintendo
『マリオ&ソニック AT 北京オリンピック』は全世界1,000万本以上売れたソフトで、その流れでマリオが好きな層をソニックにも取り入れたいと思うのは、ビジネスだと自然な流れです。
確証はないものの、この作品を出して成功させないとセガは企業の存続が危なかった話もあり、そういった話を仮に事実として踏まえると、ソニックのマリオ化は考えさせられます。
さすがに「倒産」はオーバーにしても、発売は2007年で、当時は2006年の新ソニでしくじって海外人気も下がったからね。

それを決めたのはセガとソニックチームで、脚本家に発言権はほぼありませんでした。
これはつまり、たとえカラーズの脚本をアドベンチャー2担当の前川司郎氏や、フロンティアの話を執筆したイアン・フリン氏にしようが、ケンポンソニック化しただろうということです。
ファミリー向けにしたい → その脚本をよく執筆している人を探す → ケンポン氏とウォーレン氏を採用……だろうね。

Mario Sports|Video Game Sales Wiki
『マリオ&ソニック』 オリンピックゲームの意外な裏話!?|YouTube
住み分けに方向転換

© 2023 SEGA, アーゼスト
チームソニックレーシングやフロンティアからアドベンチャー系列のソニックに戻したのは、クラシックソニックの復活でファミリー路線をそちらに移して住み分けをした判断だと思います。

© 2023 SEGA, Hardlight, Power House Studio
『ソニックドリームチーム』みたいなファミリー向け作品もありますから、モダンソニックのすべてがそうなったとは断言できないにしろ、「住み分けを明確にした」のは英断ですね。
そう考えると、クラシックソニックシリーズはアドベンチャー好きの人たちからすると救世主。

脚本と脚本家の話は違う


混同するから
的はずれになる

この脚本でOKとったんだな……なぜプロデューサーや監修者は問題ないと判断したんだろう?
賢い人ならこう考えるのが普通。外注の独断で進めたら大変なことになるって理解しているから。

ここまで読んでもらえれば、脚本と脚本家の話は全く別問題であることが理解できると思います。百歩ゆずって同人ゲーム作品のシナリオに苦言しているならわかるんですけどね。
商業作品のゲームは、脚本家が独断でシナリオを作ることはありえません。必ずプロデューサーや監修者による品質チェックがあります。
ウォーレン氏の告発で事情が明らかになったものの、ものづくりの仕組みを把握していれば告発がなくても、上記のように考えられるものです。
ものづくりにおいて、外部が独断で勝手に進めるのは「仕事としてありえない」からです。
制作関係じゃなくても、社員・外注の企画書を上長確認せず進める会社ってある? あるなら教えて?

最後に:「ケン・ポンタックのせい」はデマ・風評被害


情報からひも解いた
推測話と事実

2010年代のソニックの話になると、「ケンポンのせい」「脚本家が悪い」の意見を見かけますが……
情報を精査せず他人の意見をうのみした恥ずかしい人だよ。ものづくりの本質も見ていないからね。

以上、なぜケンポンソニックに変わったのか、脚本と脚本家の話は別物であり、脚本家を叩くのは間違いだということを解説しました。
関係者じゃないし公式発表もない以上、真相は当事者しかわからないとはいえ、公式見解ではマリオ&ソニックは転換点だったようです。
そこからセガ・ソニックチームは、マリオのようなアクション重視のファミリー路線にして幅広いユーザーを取り入れる戦略へ変更したのではないかと、インタビューなどから察せます。
ソニックの性格・脚本の不満は、ケンポン氏たちの脚本家に向けられ、日本のみならず世界中からスケープゴート(悪者)にされたのでしょう。
「性格・脚本がおかしいのはケン・ポンタックのせい」はデマ・風評被害でしかなく、脚本家が勝手な裁量で性格設定したのはありえません。
「脚本家のせい」とはこういうこと

なぜ「脚本家が悪いはデマ」と言い切れるんですか?
社員・外注が出したものを上長のチェックなしでOKするってことだよ? 会社として相当ヤバいよ?

考えてみてください。「ケン・ポンタックのせい」「脚本家が悪い」とは、
- ウォーレン・グラフ氏の存在を無視
- アドベンチャー系列しか知らないにわか
- 海外のソニックを知らない
- 同人作品と商業作品を混同
- ものづくりの世界を甘く見すぎ
- 脚本と脚本家の話を一緒にしている
- 書く前に調べようとしていない
- 開発者インタビューを読んでいない
- 非公式なネット・SNSの話をうのみ
- 不満をぶつける「悪」が欲しいだけ
そう自己紹介するのと同じであり、一般的な会社でたとえるなら、社員・外注が作った企画書を上長チェックをせず、独断で本企画を進めますか?
仮にそうなら、組織として致命的な大問題です。脚本家のせいにするとはそういうことです。
ソニックに限らず、業界事情をネット知識や伝聞で知ったかぶって業界通を気取るから、こういうことが起きます。物事を単純化し、不満にはわかりやすい「悪」が欲しいだけでしょう。
書く前に情報を疑い、一次情報との整合性確認は大切です。デマ拡散・誹謗中傷対策と同じですね。
Hahahahaha! Glad you managed to explain after all these years, Warren. I've been a broken record about this, but nobody listened to me.
— KEN PONTAC (@ken_pontac) January 15, 2024
ケン:ハハハハ! ウォーレン、何年も経ってから説明してくれて良かったよ。
私はこのこと(脚本はセガとソニックチームの指示だった)について何度も繰り返し説明したのに、誰も聞く耳持ってくれなかったんだ。
ケン・ポンタック|X(ツイッター)における告発(翻訳・意訳)
「誰が悪いか」という話ではない

結局ケンポンソニック時代の脚本は誰が悪いんですか?
「誰が悪い・悪くない」という考えかた自体がダメってわかる? ものづくりを甘く見すぎでは?

まるでセガやソニックチームを悪者にするかのように聞こえるかもしれませんがそうではありません。ビジネス的な観点で考えれば、ファミリー路線は考えられたひとつの選択肢です。
「誰が悪いか」と犯人探しする人はナンセンスです。ものづくりの世界を甘く見すぎでしょう。
自分もケンポンソニックには思うところはありますけれど、過去記事を見れば、ケンポンソニックに苦言してもケンポン氏は否定していません。
ウォーレン氏の告発がなくても、ものづくりの仕組みを知っていれば想像できることですからね。
便宜(べんぎ)上「ケンポンソニック」という表記を使っているものの、正直使いたくない言葉。

ソニックの性格は国内外で別物

© 1999 SEGA, DIC Entertainment

ソニックはあの見た目で精神年齢高いのがいいのでは?
アドベンチャーの日本ソニックしか知らないだけだよ。海外ソニックは年相応な場面も多い。

『Sonic Underground』など初期カートゥーン作品のソニックなら、ケンポンソニックが可愛く見えるソニックはありますよね。
アメリカンで軽率な行動をするソニックはケンポンソニック特有のものではありません。
実写映画や3Dアニメなどでも同様の性格は見られ、海外ではむしろ生意気・年相応・パリピな性格のほうが世界的にスタンダードです。
日本の「年齢不相応に大人でカッコいい」は、ほぼ日本限定のガラバゴスソニックなんですよ。
これはシャドウやシルバーなどにも言えます。
- 【日本のシャドウ】中二気質・寡黙(かもく)・クールで繊細(せんさい)。
- 【海外のシャドウ】クール・ひねくれ気味・好みやジョーク、皮肉も言う。
- 【日本のシルバー】熱血主人公・ヒーロー・平和を愛する正義の戦士。
- 【海外のシルバー】真面目天然・年相応な弟・ウィスパーのファンボーイ。
トゥーン・プライム・実写ソニック・テイルスチューブなどでも「ソニックの性格が変わった?」と言う人がいた場合、ほぼ100%日本のソニックしか知らない人で差し支えないでしょう。
海外でもケンポンソニックは叩かれたけど、金丸ソニック・ソニアド信者だったりするからね。


『ソニックプライム』7話
© 2022 SEGA, WildBrain
実際、海外におけるソニックは「のんびり・楽しい世界」という認識が根強いんですね。
海外でもアドベンチャー系列を支持する人たちがいる一方、「ソニックに暗くシリアスな話は似合わない」と考える人も多かったようです。
2006年に発売した新ソニもゲーム内容のみならず、暗すぎてややこしいシリアスな物語や、獣人・人間の恋愛に拒否反応を示す海外ファンが見られ、かなり大騒ぎになりました。
「ソニックは日本生まれの海外コンテンツ」です。この言葉の意味を考えるようにしてください。
日本だと「新ソニはストーリーが歴代屈指でよくできている」と好意的に見られているようです。

海外では逆。「ソニック06の話は重すぎだし人間とのロマンスも意味不明。ソニックでそんな話をやるな」と思われているよ。

フロンティアから再び方向転換

© 2022 SEGA, Powerhouse Animation

ケンポンソニックは正史なの?
公式見解上では正史だよ。ソニフロから設定の整合性を重視され、IDW版などで補完している状況。

この路線はソニックの性格のみならず、ゲーム作品のストーリーにも大きな影響を残し、カラーズからフォースまで内容が一気に薄くなります。
そこから明るい世界観は基本的にクラシックシリーズへゆずったことで、フロンティアからGUN・連邦政府などの設定を復活させました。
ケンポンソニック時代のつじつま合わせはテイルスチューブやIDWといったメディア展開を使い、後付補完・整合性をとっている状態なんですね。
国内外ファンがケンポン氏たちに謝罪した

脚本の問題を脚本家だけのせいにされたことを、当時の脚本家はどう思っていますか?
厄介オタクの海外ファンたちに誹謗中傷や殺害予告もされたから、「貴重な仕事だった」と言いつつ内心穏やかじゃないだろうね。

the fact we were so hard on you both is super embarrassing on our part. even if you had complete creative freedom with sonic, that would still be no reason to give you personally all this grief. this might have already been said before by other people, but sorry for all that.
— NatNatNat (@natsukiforces) January 14, 2024
So it was sega then. Apologies that you and Ken had to go through all of that.
— supernotfunny (@supernotfunny18) January 14, 2024
To both of you, I think the entire fandom did something that I am truly sorry for as everyone chose the wrong person to attack, and I owe you guys an apology.
— バンバラパー (@XDAmzTUJ8D85693) January 15, 2024
NatNatNat:私たちがあなたたち2人に厳しくあたった事実は、私たちにとって非常に恥ずかしいことです。
仮にあなたがソニックに対して完全なる創造の自由があったとしても、あなたたちにこれほどの苦痛を与える理由にはならないでしょう。
他の方からも言われているでしょうが、本当に申し訳ありませんでした。
NatNatNat (@natsukiforces)(翻訳・意訳)
supernotfunny:(ケンポンソニックは)当時のセガのせいだったんですね。ウォーレン氏・ケンポン氏がそんな思いをしなければならなかったことをお詫びします。
supernotfunny (@supernotfunny18)(翻訳・意訳)
バンバラパー:あなたたち2人にファンコミュニティは間違った相手を攻撃したという、本当に申し訳ないことをしました。私はあなたがたに謝罪しなければなりません。
バンバラパー (@XDAmzTUJ8D85693)(翻訳・意訳)
この告発は海外ファンのみならず、海外情報を収集する一部日本ファンで大きな話題になり、ケンポン氏とウォーレン氏に謝罪する人が続出したため、海外だと一部を除き沈静化しています。
「イアン氏の執筆環境・制約だって同じ」と言う人はいたものの、おそらくケンポン氏たちと、イアン氏の執筆の環境・条件は違うと考えられます。
実際、イアン氏の判断でフロンティアの脚本にスティックスの名前を入れ、開発陣と密な脚本相談をしたと本人が明かしています。その点でもケンポン氏たちとは待遇が違うようです。
フロンティアからブランド戦略を再度変えたことがインタビューで明かされていますからね。

桜井政博氏も「絶対に買う」と話題になった『ソニックフロンティア』は最初は“厳しい意見だらけ”だった。 「目的地に向かうまで退屈」「なにも起こらない」「草原だけ」を解決した本作の新要素について聞いてみた|電ファミニコゲーマー
[インタビュー]「ソニックフロンティア」ストーリー担当は筋金入りのソニックマニア。“夢の仕事”だったシナリオ制作やその手法を聞いた|4Gamer
「100%被害者は違う」は本質を見ていない

ケンポンとウォーレンが100%被害者は違うだろ。特にケンポンは問題発言あったよね?
「被害者」とは公式に振り回された以上に、リテラシーの低いファンたちに10年近く誹謗中傷され続けた事実・結果の「被害者」だよ。

CHECK!
脚本と脚本家の話は違う。ものづくりの仕組みを理解せず、特定人物を何年も誹謗中傷し続けたという「事実・結果」の問題。これが当問題における話の軸・本質です。
「脚本家は被害者」とは、発言権がほぼなく公式に振り回された以上に、リテラシーの低いファンたちに誹謗中傷され続けたという「被害者」です。
たとえ相手の言動に反感を買うものがあったとしても、特定人物の人格攻撃をして誹謗中傷した「事実・結果」を正当化できる口実にはなりません。

刺されたのは仕方がない。夜道を歩いているほうも悪いだろ。
「理由があれば叩かれても仕方ない」は、上記と本質的に同じです。相手に欠点があれば何言ってもいいも、悪質クレーマーと同じなんですね。
ちなみに心理学の世界では、この思考形態を『公平世界仮説』といいます。
もし脚本家がソニックを私物化、公式相手に威圧行為があったなら別案件で批難されるものです。
しかしこの件はそうではないし、ケンポン氏の攻撃的な投稿も一部ファンが脚本家へバッシングを書いたから応酬した流れが大半でした。
「大人としてどうか」と思う一方、ろくに調べず勝手に悪者扱いされたら言いたくもなるでしょう。
人はなぜ被害者を責めるのか?(公正世界仮説がもたらすもの)|心理学ミュージアム
自分に言い訳しているだけ

なぜ彼らはデマの話を間違いだとすぐ認めず、指摘には謝罪せずうやむやにするんですか?
心理学上、信じたものを間違いと認めるのは多大な苦痛だから。ゆえに開き直りや他責する。

『木を見て森を見ず』を理解していないというか、0か100で考えないで、もっとマクロ(広義的)な視点で物事を述べるべきでしょう。
タイトルの「脚本家は被害者」や、冒頭で「背景や状況の確認が大切」と述べたり、「脚本と脚本家の話は違う」と書くのはそういうことです。
「100%被害者は違う」と言う人は、「ケンポン氏たちを誹謗中傷してデマを流した罪」を認めたくないから、言い訳で正当化していると思いますね。
ネット・SNSユーザーの問題行為に「テレビや新聞もやってる」と責任転嫁(か)する人と同じです。

これは心理学上でいう『確証バイアス』『認知的不調和』の状態だと言われています。
不満をぶつける悪が欲しいだけあり、業界通を気取って信じたい情報だけ収集し、信じた情報が間違いだと認めず、正せない悪循環になります。
ひどい場合だと無関係な別の理由に論点をすり替え、「俺は間違っていない」を続けますからね。
こういう人たちを『心が弱い人』と自分は呼んでいて、メンタルが弱いではなく「自身の心の弱さに負ける他責的な人」という意味ですね。
確証バイアス|グロービス経営大学院
【精神科専門医】「認知的不協和」、「葛藤」、「防衛機制」の違いや関係について解りやすく解説|Baseクリニック赤坂のオンライン診療
ものづくりは単純ではない

この記事って「脚本家は悪くない」と擁護している内容なの?
0と100で判断しすぎ。ちゃんと記事読んで本質を見ようね?

- 「誰が悪いのか」はものづくりナメすぎ
- 脚本と脚本家の話は別問題
- 企画を上長チェックなしで進めるのか?
- 不満に悪を求めて誹謗中傷を正当化した
重ねるように物事を0か100で考えるものではないし、ものづくりはそう単純じゃありません。
「ろくに調べず、特定人物の誹謗中傷を何年も続けた罪深さ(=脚本家は被害者)」が、この記事で一番言いたい趣旨・意図なんですね。
なぜ背景を細かく記載したのか、なぜ「被害者」という文言をあえて使うのかを考えてください。
ケンポンソニックになった理由を知りたい人、いまだケンポン氏を叩く人を見かけたら、この記事を紹介してウォーレン氏を含む彼らの汚名返上にご協力いただければと思います。
商品は世の中に出せば、「誰かのせい」ではなく「会社のせい」になる。自分のような制作会社の人からすれば当たり前の話。















