2020.12.20 2025.08.01

【解説】「WebPうざい」と言われても使う切実な事情【画像】

WebP,Google,画像,拡張子,ウェッピー

サイト運営者・制作会社から重宝される『WebP(ウェッピー)』ですが、閲覧する人からは邪険(じゃけん)に思われているなど、双方の認識に乖離(かいり)がある画像フォーマットです。

なぜ嫌われてしまうのか、重宝されている事情や理由を述べていきます。

似た性質を持つ『JPEG 2000』や『JPEG XR』は、前者はSafariのみ、後者もEdge・IE限定の規格で需要が低く、この記事では扱いません。

当記事は2020年現在の現状・認識で記載されています。将来的にこの認識が変わる可能性があることはご了承ください。

ウサ子

個人見解です

ほかの意見もご参照ください

WebPとはなにか?

背景

うぇっぴーって響きが
くせになる

『WebP』は2010年にGoogleが開発した、GIF・JPG・PNGなどに代わる新時代の画像規格です。

WebP|Wikipedia

WebPは「データが従来の拡張子と比べ、最大で半分になるぐらいに軽く、画像劣化も少ない」ところに大きなメリットがあります。

ウサ子

同じくGoogleが開発した『WebM(ウェブエム)』という動画規格については、こちらも記事の趣旨からずれるので割愛(かつあい)します。

AVIFとWebPの違い

2019年ごろには『AVIF(エーブイアイエフ)』が登場し、「AVIFはWebPの上位互換」です。

WebPと比較してまだ非対応環境が多いものの、AVIFはGoogle・Microsoft・Intel・Amazon・Netflixなどが共同開発したものです。

ゆえに、将来的にはWebPとAVIFのふたつが求められていくと思います。

今度は「AVIFがうざい」とか言われそうではある。

ただきち

WebP よりも軽量化できる AVIF とは?フォーマットの特徴や AVIF に変換できるツールを解説|FasTest

【次世代ファイル形式】WebPとAVIFどっちがいい?結論AVIFの方がいいです|mechalog

WebPがうざい・嫌われる理由

背景

嫌われるのは
相応の理由がある

しかしネット・SNS上ではWebPに否定的な内容が2010年代後半から言われるようになり、

モブウサギ

WebPはうざいし迷惑だからやめてほしい。

といったネガティブな内容が並ぶようになってしまいました。

WebPが嫌われる一番の原因は、「現状だと通常画像アプリケーションで開けない」ことでしょう。

PCやスマホにダウンロードしても標準アプリケーションではWebPの中身を見ることはできず、Chromeブラウザや専用アプリケーション、拡張機能が必要になってしまいます。

「Googleが作った」なだけあってWebP未対応なブラウザ環境もあり、iOS Safariでは2020年に実装されたほどです(WebPの登場は2010年)。 

WebPを従来の画像拡張子に変換するアプリケーションやオンラインサービスはあっても、手間がかかってめんどくさいものです。

その落胆ぶりをMacユーザーにわかりやすく言うならば、「ダウンロードしたらMacでは基本的に開けないexeファイルだった」に近いかと。

自分も絵を描く資料集めで画像がWebPだと、「WebPかよ……変換しなきゃ」ってなる。

ただきち

Safari 14、新たに 「WebP」 形式の画像をサポートへ JPEGと比べ画像サイズが約30%少ない画像形式|CORRIENTE.TOP

それでもWebPが使われる理由

背景

サイト制作では
ありがたい存在

にも関わらずWebPが使われるのは重ねるように、「容量が軽くて劣化も少ない」からです。

サイト制作・運営では常識の話で、

  1. サイトの容量は軽くし、極力1〜2.5秒以内に表示されなければならない。
  2. なぜならSEO(検索最適化)が低下するし、5秒以上かかると離脱率も上がる。
  3. しかし画像は重いデータの宝庫。画像が多ければ遅くなってしまう。
  4. かといって画像を小さくすると、今度は高画質ディスプレイに耐えられない。
  5. GIFは画素数が足りず、JPGは軽くすると劣化、PNGは重たすぎる。
  6. 軽くて劣化も少ない、かつ大きい画像となると、WebPを使うしかない。

ゆえに今のサイト制作では、WebPを適用するのはほぼ当然で、WebP非対応のブラウザのみ、JPGやPNGなどに代替表示が主流です。

この最適化作業を業界の専門用語で、『コアウェブバイタル』といいます。

SVG(ベクター画像)やサイト圧縮、レイジーロード(遅延読み込み)もしているものの、根本的対策はWebPを使用して、画像を軽くすることです。

細かく言うとLCPに分類されるけど、コアウェブバイタルの記事ではないのでご割愛。

ただきち

GoogleもWebP適用を推奨

WebP,Google,画像,拡張子,ウェッピー
© 1997- Google

Googleが提供する『PageSpeed Insights』という表示速度計測サイトでも、WebP適用は推奨されていて、していないと「次世代のフォーマットを適用してください」と改善注意をされます。

PageSpeed Insights|Google

ものすごく砕けた言いかたをすると、

モブウサギ

まだJPGとかPNGみたいな時代遅れのヤツ使ってるの? 今の時代はWebPなのにダサいね!

という感じで、WebPはJPGやPNGと同じ画質・大きさでも、最大で半分の容量に抑えられて劣化も少ないですからね。

最後に:気持ちはわかるけど切実な事情もある

背景

お互いのすれ違いが
切ない…

以上、WebPにおける現状と事情を解説しました。

  • 運営・制作者側】「WebPは容量が軽いし劣化も少ない! 便利!」
  • 閲覧者側】「保存したらWebPじゃねぇか……開くのめんどいしやめてほしい」

2020年の段階では、この双方の溝が深いんですね。

ウサ子

WebPはGoogleが推(お)しているだけに、将来的に使用が当たり前になります。従来の拡張子のように簡単に開ける仕組みになれば、WebPを冷ややかに見られるのもなくなるでしょう。

当サイトもWebPですけれど、作品投稿・支援サイトでは従来どおりJPGで公開しています。気になる絵がある場合はそちらも覗いてみてください。

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制定日:2017/2/24
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