
テイルスのマシンはクラシックテイルス時代の設定だった、「ロータス社のスーパーセブンが愛車」を元にしているのではと。開発スタッフ曰く、各マシンデザインは結構話し合ったらしいから、そうだと面白いですよね。
ストーリー(チームアドベンチャーモード)を2週目突入するぐらいには遊びましたので、『チームソニックレーシング』のレビューを書いていきます。
またネットではよく『マリオカート』シリーズとの違いが気になっている人が多いので、そこの違いも述べていきます。
なお遊んでいるのはニンテンドースイッチ版です。
チームソニックレーシング|セガ
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『チームソニックレーシング』の大まかな概要
まずチームソニックレーシングの大まかな概要を述べると以下のようになります。
- 「3人一組のチーム戦」が売りのレースゲーム(個人戦も一応あり)
- ステージや曲はほとんどソニックシリーズの過去作アレンジ(メガドライブ版から最新作まで)
- マシンのカスタマイズや色変え要素もあり
- レース中の豊富なキャラクター同士のやりとり
- 過去作ネタは多いがソニックを全く知らなくても遊べる
- WEBアニメ版も存在する
このような感じですね。
また評判を先に書くと、国内ユーチューバーたちの反応では「ソニックは全く知らない(アドベンチャーシリーズなら知ってる)けど、戦略性とスピード感があって面白い」が大半でした。ゆえに「スマブラでしかソニックを知らない」程度でも問題なく遊べるゲームで、操作方法も設定からマリオカートに近い操作に変更可能ですからね。
『チームソニックレーシング』と『マリオカート』シリーズの違い
概要で述べたように、
- チーム戦が前提であること
- レース中のキャラクター同士の掛け合いが非常に多い
- シングルオフライン専用のストーリーモード
これらが大きな違いとして挙げられます。
それを除けばほとんどマリオカートですが、前作(?)の『ソニック&セガオールスターレーシング』シリーズや、ゲームキューブで発売された『ライダーズ』もエクストリームギアとタービュランス以外は似たようなものでしたから、何をいまさらな感じもありますけどね。
それだけマリオカートはレースゲームに革命をもたらしたモデルゲームであるということ。
話を戻し、チーム戦では自分が一位を目指すだけではなく、チームメイトも上位に入らせないといけません。だから協力技やチームメイト同士のやりとりの配慮がないと、優勝は難しくなります。
これを言うと味方コンピュータ(CPU)の質が関わってきますが、結構優秀なのでその辺の心配はいらないでしょう。
むしろ、敵チームも難易度ノーマルですら積極的に協力技を使うので、CPU相手でも、マリオカート以上に順位の入れ替えが激しいです。
だから「1位だしミスさえしなければ余裕だし安泰だなー」とか「はいはい独走独走」は、このゲームでは通用しないと考えてください。マリオカートも思わぬ大逆転をされることがありますが、本作はそれ以上です。
次にキャラクターの掛け合いですが、本当に多いです。多分実況ボイス以外で、ここまで喋るレースゲームは珍しいでしょう。
まあガチレースのごとくピリピリしたボイスも少なくないですが、チームメイトのやりとりは微笑ましいものも多いですね。
ストーリーモードは『ソニックライダーズ』シリーズとは違い、イベントパートは立ち絵のフルボイスになっています。
細かいところを言えば結構過去作シリーズネタがありますが(後述)、ストーリーやキャラクターの把握程度であれば、全く知らなくても問題ないかと。
マリオカートはチャレンジモードはあってもストーリーモードがないので、どうしても対戦ツールの側面が強くなりがちですけれど、個人で楽しむレースゲームでは本作が勝っています。
ほかにも、最近の本編ソニックシリーズを思わせるステージの造形密度や、瀬上ロックと各国アーティストによる歴代シリーズのリミックス曲も、本作の魅力です。
マシンの選び方
マシンは慣れないうちはテクニックタイプ(テイルス・チャオ・シルバー・ルージュ・エッグマン)を選ぶようにしましょう。
スピードタイプは最高速が早いぶん、コントロール性能が低く、悪路や壁にぶつかると一気に減速するように設定づけられていますし、パワータイプはかなりテクニックを磨かないと使いこなすのは難しいです。
それに比べて、テクニックタイプはハンドリングもよく悪路にも強いので、多少のコースアウトでもカバーが早いです。スピードタイプと比べると最高速が落ちますが、マシンパーツを換装すれば調整が可能です。
本作のソニックの性格
「ソニックたちはゲームや媒体(ばいたい)によって性格が微妙に変わる」のはファンの間でほぼ常識と化しつつありますが、では今作のソニックはどうなのかというと、『ワールドアドベンチャー』や『ソニックライダーズ』のソニックに近いです。
というのも、『ソニックカラーズ』から『ソニックフォース』までの本編ソニックシリーズでは、ケンポンソニックがメインになっていました。
シリーズを知らない人にも解説すると、脚本家のケン・ポンタック氏が主に手がけた、やたらコミカルでアメリカンなソニックのことですね。
これは『カラーズ』以降、ソニックシリーズを日本向けにすることをやめ、海外向けにシフトした結果で、ビジネス的に考えても「人気と知名度がそこそこの日本より、出せばミリオンセールは超えるし、圧倒的に知名度と人気が高い海外にシフトする」のは間違っていません。
ゲーム会社は慈善団体ではありませんから、利益が出る行為を優先するのは仕方のないことです。
ソニックの人気が一番低い国は、その生まれの国である日本だと言われているほどですが、『カラーズ』以降は空回りな言動や、寒いギャグを連発することがあるので、国内外からは評判が宜しくなく、「もっとクールなソニックを見たい」という声は少なくありませんでした。
ゆえに、本作のソニックは仲間の絆を大切にする、生意気だけど優しくクールな性格なので、日本ファンでも受け入れやすいと思います。
またシリーズネタが多いと先に記述しましたが、セリフの随所に『カラーズ』系統どころか、『ワールドアドベンチャー』や『新ソニ』ネタまで拾っているので、気になる人はチームアドベンチャーモードをじっくり堪能してみましょう。
結構見落としがあったようでストーリー2週目やってるけど、このソニックは新ソニの出来事を覚えているんだね…
— 赤竹ただきち / Tadakichi Akatake (@MyutaUsagi) May 22, 2019
今回はフォースの脚本でガックリ来た人も楽しめると思う。カラーズ前のソニックに近いよ。
#NintendoSwitch #チームソニックレーシング #ソニック pic.twitter.com/80f8T5hdhE
ニンテンドースイッチ版とPS4(PC)版の違い
グラフィック面では『フォース』ほどの遜(そん)色はないですが、一番はフレームレートですね。スイッチ版は固定30fps、PS4版は可変60fpsになります。
ちょっと質問があったので調べましたが、#チームソニックレーシング のスイッチ版は固定30fps、PS4は可変60fpsだそうです。
— 赤竹ただきち / Tadakichi Akatake (@MyutaUsagi) May 22, 2019
なので気軽にどこでも遊びたいか、オンラインでガチでやるかで選んだほうが良いかも。#ソニック #NintendoSwitch #PS4
ツイッターでも書きましたが、オンラインをやるならPS4版が有利です。
通信ラグが発生したときに60fps描写がないと、フレーム単位の追い越しとか進路が思わぬ方向に行ってしまいかねません。ステージの造形密度が多いぶん、スイッチ版は60fpsを出せないというのは大きな欠点。
ゆえにスイッチでオンラインレースゲームをする点では、マリオカートに負けますね(『マリオカート8』は60fpsのため)。
またプレイした人の話によれば、PS4版のがオンラインで人が集まりやすいそうです。海外ではソニックをやる際、PS4やPCのようなハイクオリティ機で遊ぶ傾向が高いですし、実績機能も搭載しています。
またプリレンダオープニングムービーはスイッチ版には収録されていません(クレジット表記はありますが)。
じゃあスイッチ版の利点は何かといえば、「気軽に持ち込んで遊ぶ」「どこでも遊べる」ことになります。気軽に遊び、実際の友人たちと囲って遊ぶならスイッチ版、オンラインでガチで遊ぶならPS4版ですね。
本作のマイナス部分
本作のマイナス部分を挙げると、以下のようになります。
- 【UIデザイン】レイアウトに問題があるレースUI画面。順位入れ替えが激しいゲームなのに、視線・動線をばらけさせる画面構成になっている。
- 【ロードが長い】『ソニック&セガオールスターレーシング』シリーズよりマシなものの、ロード時間が長い。
- 【キャラクターの少なさ】キャラクターが15人と少ない。
- 【ウィスプが完全にモノ扱い】意思を持った生き物なのに、モノとして扱われている。WEBアニメ版では一応フォローあり。
- 【殺伐としたボイス】レース中ボイスの3割が殺伐しすぎている(「邪魔だ!」「目障りだ!」「どけ!」「あぶねえだろ!」……もっと気軽に楽しもうぜ)。
- 【焼き直し】ステージの7つぐらいが過去作(『ソニック&セガオールスターレーシング』シリーズ)のリメイクもの。
- 【ストーリー再生ボタン】ストーリー再生が別ボタンで初見だと混乱(アップデートで改善)。
- 【二度手間】マシンパーツ選びのモードと塗装のモードが別々で面倒(一緒でもよかったんじゃ……?)
- 【ラスボスが実質いない】ストーリーにラスボスらしいラスボスがおらず、せめて『ライダーズ』のようなラスボスが欲しい。
- 【スイッチ版未収録】白組が担当したオープニングムービーは、ニンテンドースイッチ版だと未収録。
このぐらいでしょうか?
やっぱりキャラクターが少ないのは気になりますね。本編シリーズなら「性能差も個別ストーリーもないほかのキャラを使いたいなら、過去作やMODでやればいいじゃん」って言いますけど、こういったレースゲームはキャラが多くてナンボ。
それに性能差も設けられているのだから、ソロレースだけでも使えるようにしてほしかった。
スティックスやインフィニットを使ってみたかったし、チームローズやカオティクスでクリームやエスピオ、チャーミーを省いたのは痛い。ストーリーでも言及があるのはエスピオ、チャーミーだけ。
一応本作は続編構想を前提に作られていることが開発インタビューで明かされていますけれど、だからといって絞りすぎるのもどうかと。
それにウィスプのモノ扱いはちょっとひどいなって思ってしまいますね……せっかく『カラーズ』で友情を深めたのになぁと。日本語セリフ担当したスタッフに小一時間問い詰めたいぐらいだ。
「ウィスプいるか?」とか「ウィスプ余ってるぜ!」ではなく、「ウィスプ行かせようか?」「ウィスプを待機させてるぜ!」だったらよかったなと思います。
半年も発売延期したり、WEBアニメ版でウィスプも一緒に楽しんでいるシーンを描いてくれているなら、ちゃんと生き物を扱うように直してほしかった。
このようにゲームの部分は面白いですが、レース中のセリフ周りは気になります。せっかくストーリーモードの脚本は悪くないのに……
みんなで勝利を分かち合えるチームプレイを目指した「チームソニックレーシング」。飯塚 隆プロデューサーにそのこだわりを聞いた|4Gamer
総評
本作はシリーズネタが結構ありますが、全くソニックを知らない、もしくはスマブラでしかソニックの存在を知らなくても十分に楽しめるレースゲームです。
「チームで競争するのがメイン」という目新しさで選ぶのもありで、チーム戦本当に面白いですよ(ユーチューバーたちはその理由が多かった)。
またスマブラソニックは正直性格が悪く(セリフのチョイスが悪すぎる)、昨今は滑り気味だったケンポンソニックばかりだったこともあるので、ストーリーモードでソニックというキャラクターのよさを再確認するのもいいと思います。
よく突っ込まれる「走ったほうが速いじゃん」にも、ちゃんと劇中で説明がつけられていますからね。
ただレース部分の完成度は高いものの、シリーズファンからすればセリフ選びにちょっと違和感がある部分や、そうでなくても、キャラクターの少なさは気になると思います(ソニックシリーズってキャラは少なくないんですよね。頑張れば30人ぐらいは出せるハズですから)。
なおオンラインで遊びたいならPS4版かPC版を買いましょう。そちらのほうがフレームレートが高く、人も多いらしいので(今作は別機種とのクロスプレイには非対応です)。
これはおまけですが、公式サイトをブラウザ開発ツールで見ると……
#チームソニックレーシング の公式サイトを開発ツールで見たらすっごい面白い事になってた。
— 赤竹ただきち / Tadakichi Akatake (@MyutaUsagi) February 28, 2019
コメントアウトしてるって事は、サイト構成に必要のない公式のお遊びアスキーアート要素?
それともプログラムで必要な要素なのか…想像が広がりんぐ。#ソニック #SonictheHedgehog #TeamSonicRacing pic.twitter.com/7pxuQFkXa9


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