2020.12.28 2024.01.22

【NG表現】ウサギに肉球を描く誤解が広まった原因と、イラストで描いてはいけない理由【オリジナル】

オリジナル,創作,ウサギ,女の子,肉球

ウサギにまつわる誤解は多いものの、特に絵描きなどのクリエイターがよくやるのが「ウサギは肉球があると思い込んで描いている」ですね。

ウサギに肉球を描くのは、誤解では済まされない事情も含まれていますので、描くとどうなるのか、描かれてしまう理由・考察も含めてお話しします。

ウサギのイラストとかで肉球描くって、本当に自殺行為だから気をつけたほうがいい。

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ウサギに肉球はあるのか

背景

よく描かれるよね

冒頭でも説明したように、「ウサギは基本的に肉球がない生き物」です。

写真や動画でウサギの足裏を見れば一目瞭然(りょうぜん)ですが、ウサギの足裏は肉球ではなく、細かい毛のクッションが集まってできています。

ツイッターなどでは月曜日になると『うさケツ曜日』とよばれる、ウサギのお尻を激写した写真を飼い主さんたちが載せるので、それで足裏を確かめてもいいと思います。

ホーランドロップ(いわゆる垂れ耳ウサギ)などの一部の種に限り、毛をかき分けると肉球があるウサギはいますが、ほとんどのウサギは肉球をもっていません。

ウサけつ曜日は1週間でもっともけしからん日。ケツを揉みしだきたいし尻尾グリグリしたいし、顔をケツに埋もれさせたい……

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人間相手に言っていたら確実にアウトです。

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そもそも動物が肉球を持つ理由

根本的な話で、なぜ動物に肉球を持つ生き物がいるのかを考えれば、ウサギに肉球を描くことはおかしいことがわかります。

肉球の目的は走るときの滑り止めや、足音を消すことが主な役割です。

肉球は狩られる側の草食動物より、狩る側の肉食・雑食動物に生物学的有利な機能なんですね。

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それに対し、ウサギのような狩られる側の草食動物は、足音なんかよりも逃げることを考えないといけませんし、ウサギは俊敏に逃げるために脚力が特化した動物です。

だから足の裏に密集した毛を生やすことで、脚力による足のダメージを和らげているんですね。

それにウサギの足ダンとよばれる足を叩きつける行動は、不満の意思表示だけではなく、仲間に危険を知らせるコミュニケーションです。

もし肉球があったら足ダン音が消えてしまうので、ウサギにとって不都合しかないんですね。

肉球がある生き物は少ないし、持っているのもほとんど肉食・雑食動物。これ大事な豆知識。

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猫や犬のようにうさぎに肉球がないのは草食動物ならではの理由があった!|うさぎの生活

犬の「肉球」って、何のためにあるの?|動物医療関係者の通販サイト ペピイベット(PEPPYvet)

ウサギに肉球を描くと…?

背景

割と冗談じゃない

それでも肉球を描くイラストや映像作品は昔から数多く、「ウサギは肉球がある生き物」という風潮と誤解がまかりとおっています。

さきほど、ウサギに肉球を描くと誤解では済まされないと書きましたが、

CHECK!

ウサギに肉球を描くと、一部のウサギ過激愛好家に突撃される可能性がある。

さすがに言い過ぎかもしれませんが、そのぐらいデリケートに思われているんですね。

少し極端に言えば、ウサギに肉球を描くのはウサギ愛好家に喧嘩を売っているのと同じです。

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肉球がないのに肉球を描くとは、「肉球の形状すらも勝手な想像で描いている」ってことですし、「ウサギを肉球を描く時点で、資料収集もできない人である」ということでもあります。

ウサギの前足・後ろ足は指の本数が違うのもわかっていなさそう。

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肉球を描かれたルーツを探る

背景

なぜ描かれるように
なったのか

ここからは、ウサギに肉球が描かれる誤解が広まった原因を仮説立てしていきます。

仮説1:ネズミ(げっ歯目)の仲間と思われている

ネズミは肉球があるので、

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ウサギってネズミの仲間だし、肉球あるだろ。

というイメージで描かれたというものですね。

しかし間違いであり、ウサギはネズミ目(げっ歯目)ではなく『ウサギ目』に属します。

  • ウサギ】真主齧上目 グリレス大目 重歯類 ウサギ目
  • ネズミ】真主齧上目 グリレス大目 単歯類 ネズミ目(げっ歯目)

つまるところ、ウサギとげっ歯目は少し遠い親戚で、(系統樹は詳しくないので恐れ入りますが)イメージ的には、イヌとキツネの生物学的関係に近いと思います。

ちなみに日本コロムビアの『げっし〜ず』というゲームがありますが、その中にウサギが含まれるのは厳密にいうと誤りです。

まあ、自分もウサギを詳しく知る前は「ウサギはげっ歯目」と同じく勘違いしていたから、あまり強くは言えないけど。

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げっし〜ず オフィシャルサイト|日本コロムビア

仮説2:肉球が描かれたキャラクターの存在

代表的な例だと、ワーナー社の『バックスバニー』や、ディズニー映画『バンビ』で登場した『とんすけ』などですね。

これらのキャラクターはウサギなのにも関わらず肉球が描かれていて、双方とも半世紀以上の昔から存在する有名キャラクターですから、その刷り込みもあるのではという仮説です。

刷り込みや思い込みって、自分で気づかないと直せないものですからね。

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仮説3:肉球を色配分で使っている

キャラクターデザインのみならず、ファッションでも住宅デザインでも、『ベースカラー』『アソートカラー』『アクセントカラー』の黄金配分が大切だと言われています。

  • ベースカラー】『基調色』とも。全体の7割前後を占める基本色。
  • アソートカラー】『配合色』とも。全体の2割前後を占る。
  • アクセントカラー】『強調色』とも。全体の1割未満。

肉球の場合は『アクセントカラー』になるため、キャラクターの全体的な色調をまとめるために、肉球に色や要素をつけ加えた形です。

本当はウサギに肉球を描くのは間違いだけど、デザインの配分上こうなった」パターンですね。

『ポケットモンスター ソード・シールド(ポケモン剣盾)』に登場した、ヒバニー、ラビフット、エースバーンがそれを表しているかのように思います。

仮説4:ソアホックの状態を肉球があると誤解した

ウサギの病気の中に『ソアホック』というものがあり、これは足にダメージが入ることで、足裏のクッションが部分的になくなってしまう状態です。

かかとにソアホックで足裏がはげていると、まるで肉球があるかのように見えるかもしれません。

ウサギの飼い主さんが部屋にクッションを敷くのは、骨折防止とソアホック対策なんですね。

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余談:ほかにもあるウサギのよくある誤解

背景

これは誤解です

ここからは余談で、ほかにもウサギの大きな勘違いといえば、

  • 耳を持つ?】耳を持つのは「食料としての」持ちかた。生きたウサギにNG。
  • ニンジンが好物?】ニンジンは糖分が多いため、与えすぎてはいけない食べ物。
  • さみしいと死ぬ?】ウサギは縄張り意識が強い生き物。過度なスキンシップは禁物。
  • 水を飲ませない?】ウサギだって生き物。与えないと脱水症状になる。
  • 鳴かない?】声帯がないだけでブゥブゥ鳴くことはある。感情表現は体全体を使う。
  • 羽(わ)と数える?】江戸時代にウサギを鳥扱いにした、食肉としての数えかた。
  • 知能が低い?】名前、飼い主の顔を覚える。しつけ次第では簡単な芸もできる。

特定の動物に正しい知識を押しつけてマウント(俺が上アピール)をとるのはよくないですし、興味がなければ知らないのは当たり前です。

とはいえウサギ好きからすると、ここの誤解は見るたびに歯がゆく思っていますので、知っていただけると幸いです。

ウサギは天使だから「羽」と数えているという飼い主さんの考えは素敵だと思ったけどね。

フキダシ2

最後に:ウサギに肉球は「絶対描いてはいけない」

背景

肉球を描く=
ウサギに詳しくない

以上、ウサギの肉球問題について、見解や原因の考察を述べました。

なぜ肉球を描かれるかを考えると、ネズミの仲間と思われている、ウサギモチーフのキャラクターがそうだからなどもあるかもしれませんが、ウサギそのものを描くときは、

フキダシ3

基本的にウサギは肉球が存在しない生き物。

と、少しでも考えてもらえるクリエイターが増えればいいなと思います。

そもそも、「肉球は原則、イヌやネコなどの一部の肉食・雑食動物が授かった特権」です。

生き物としての生物学的意味を考えること、資料を見ることが大切だなと、この記事を書いて感じる次第です。

そして記事の真意的に「ウサギに肉球はないよ」よりも、「ウサギに肉球を絶対描くな! 襲われるぞ!」が適切でしょうね。

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プロフィール

    • フキダシ2
    • 赤竹ただきちTadakichi Akatake
  • 岩橋良昌氏と真木よう子氏のエアガンで撃った撃ってない論争で学ぶべきは、「大人の対応ができないリテラシーの低い人たちが、SNSをやるとどうなるか」の教訓じゃなかろうか。

    わざわざ火種になることを書く上に売り言葉買い言葉、相手を「重度の精神障害」と刺激させる弁解もいただけない。片方を鵜呑みにして当事者を人格否定するユーザーも論外。

    どちらが真実かという事実確認は第三者の外野がすべきではないとして、40過ぎた社会人同士が、大人の対応が出来ていなければSNSのリスクも理解していない事実の部分は問題ね。

    そういう人がSNSで気軽に発信できてしまうのが今の時代。自分の記事を愛読してくれてる人は、こうはならないように一緒に学んでいきたいと思う。

イラストレーター・コーダー+WEBデザイナー・ライターの京都生まれなウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。

コーディングとWebデザインは両方可能。案件によっては「デザインとコーディングの同時進行」の荒業もおこない、SEOを意識したマークアップも得意。

「自省・リテラシー向上・正しい批判」をライフワークとし、当サイト記事も「中学生でもわかりやすい、気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。

これは微力ながら閲覧者に考える・学ぶ助力のほか、自身も学ぶ目的も含み、実社会・ネット・SNSでも「わかりやすく参考になった」とご好評の声多数。

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