
『Yahoo!ニュース』のコメント欄(ヤフコメ)は2007年に実装されて以降、誹謗(ひぼう)中傷や知ったかぶりの陰謀論・デマの温床です。
「ヤフコメはひどいし狂ってる」とか、「民度が低いし閉鎖されるべき」「上から目線ばかりでうんざり」などの旨もセットで言われがちですよね。
- ヤフコメの問題点
- なぜ閉鎖されないのか
- ヤフコメを書き続ける人の闇
- ヤフコメで発生した事件
- 根本的な問題はなんなのか
ここをエビデンス(根拠)を踏まえながら、問題点と原因を深堀りや記載をしていきます。
ヤフコメのみならず、コメント欄を実装するネットニュースサイトにも言える内容ですので、参考にしていただけますと幸いです。
ただ「底辺」や「ゴミ」など、攻撃的に叩く人も本質的な同類。その点は気をつけてもらいたい。

個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
ヤフコメがある理由・問題点


ヤフコメは世論の意見そのもの。しっかりと意見を言っている。

ヤフコメ批判は自己主張できないから、そう言っているだけだ。
意見交換の本質をぜんぜん理解していないのが伝わってくるね。

2015年に公式はコメント欄を実装している理由について、「一方的な情報発信ではなく、閲覧側も意見交換で民主主義社会を活性化し、ニュースとユーザーをつなぐ場だから」としています。
しかしながら意見と誹謗中傷は別の話であり、意見の場は2015年当時からSNSがあるため、コメント欄がある理由としては弱いです。
相手に落ち度や非に対し、攻撃的な言葉(ゴミ・クソ・死ね・ガ○ジなど)を並べたり、推測で事実のように知ったかぶる状況で、どう民主主義を活性させられるのかが疑問です。
彼らは「正しい批判」と主張しますが、ヤフコメで正しい批判をする人は1%もいないのが実情です。

Yahoo!側もモラル問題は認めていて、非表示・対応・削除はあっても、いたちごっこが現状ですね。
その一部対策か、2022年あたりから専門家コメントを出すようになり、最低限の質は担保できても公平性の観点ではむしろ危ういと感じます。
他の報道メディアでも言える話ながら、専門家であることと中立性は別の話だからです。
またこの機能は、SEO(検索最適化)業界で言うE-E-A-T対策の一環ではと感じますね。専門家の見解掲載はパワーがある施策のひとつです。
インターネットが登場する前は、ニュースは読者にとって「受け取るもの」に過ぎませんでした。そのため、Yahoo!ニュースも日々流れてくるニュースをサイト上で提供しているだけでは、インターネットがなかった時代と同じ、一方通行の体験をユーザーに提供するだけのサービスで終わってしまいます。
ニュースを「見て終わり」ではなく、出会ったニュースに関する多様な価値観・解釈を共有しあうことで、ユーザーが考えを変えたり、共感したり、意見を述べたりといった、何らかのアクションを起こすきっかけを提供したい。こうした、民主主義社会を活性化する上で最も重要な環境を提供したい――。
そのような思いの中で生まれてきたものが「Yahoo!ニュース 意識調査」であり、そして「コメント機能」でした。
Yahoo!ニュースがコメント機能を続ける理由~1日投稿数14万件・健全な言論空間の創出に向けて~|Yahoo! newsHACK
ヤフコメが原因の事件・逮捕者


恐れていたことが現実に

ヤフコメが原因で逮捕された人のニュースがありましたが……
典型的なリテラシーの低い行動で、境遇・生活・社会への不満を自省せず、他責しているだけだよ。

2021年にはヤフコメが原因で逮捕された人が話題になり、貧困状態の境遇の中でヤフコメに感化され、被害妄想を肥大させたのが要因でした。
ヤフコメが要因で現実に犯罪が発生するという、最悪の形になったニュースなんですね。
信じたい意見ばかり集って過激化するのは『確証バイアス』『エコーチェンバー現象』と言われ、見方を変えればカルト宗教の信者と変わりません。
該当記事にあるYahoo!の広報担当者の弁解は見る限り、誠実さを感じないのは残念ですね。
もちろん全文じゃないとは思うけど、すごく他人ごとというか、事務的というか……

ほかにも、2024年にヤフコメで歯科医院の誹謗中傷を書いていたのは同業者だったという話もあり、ごく一部の話とはいえ、「民主主義社会の活性化とは?」と首をかしげたくなりますよね。
「ヤフコメ民をヒートアップさせたかった」在日コリアンを狙った22歳。ウトロ放火事件“ヘイトクライム”の動機とは|BuzzFeedNews
京都・ウトロ放火は「ヘイトクライムの可能性」 市民団体が根絶目指し声明(アーカイブ)|京都新聞
面会や手紙で「ヘイト」否定も 京都・ウトロ放火被告、記者に語ったことは(アーカイブ)|京都新聞
在日コリアン狙ったヘイトクライム、ヤフーが被害者に「心よりお見舞い」動機に“ヤフコメ”その責任は|BuzzFeedNews
「きぬた歯科」に対するヤフコメ、二審も「名誉毀損」認定…歯科医の男性に賠償命じる|弁護士ドットコム
インターネット上での情報流通の特徴と言われているもの|総務省
エコーチェンバー現象とは・意味| IDEAS FOR GOOD
『批判』は叩きでも悪口でもない


なんでヤフコメって、批判ばかり書かれているの?
批判とは叩きでも悪口でも、誹謗中傷の類語でもない。間違った認識は本質をくもらせるよ。

Yahoo!の見解でも批判の意味を理解しておらず、ヤフコメに苦言する人も上記のように、『批判』を叩き・悪口といった悪い意味で使っています。
なぜここまで『批判』にうるさいかといえば、以下のような事態を招いてしまうからです。
- 【意見扱い】『批判』を正しく把握しないと、誹謗中傷でも「意見」として解釈される。
- 【かみ合わない】『批判』の目的がわかっていなければ、正しく論ずれない。
- 【先鋭化】『批判』の基本ができていないと、安直な「答え」と「悪」を求めてしまう。
- 【非生産的】『批判』の意義を認知しないと、マウントとりの不毛な争いになる。
批判の意義・本質を間違える(理解していない)とは、建設的な議論が進まないことと等しく、非生産的で不毛な行為でしかないでしょう。
批判の基本姿勢は「リテラシー・論理的思考・エビデンス(論拠)・思いやり」で必須条件です。
ヤフコメ利用者に「この4点をちゃんとやっているか」と言われ、やっていると答えられる人は一体どのぐらいいるだろう?


廃止や閉鎖されない理由とヤフコメ民の心理


需要と供給が
成立している

ヤフコメって廃止とか閉鎖されないのはなんで?
広告収入目的の可能性が高いし、企業からすれば「金のなる木」。廃止・閉鎖は考えにくいかと。

ヤフコメが廃止・閉鎖されないのは、「安定した広告収入のため」の可能性が高いです。
公式発表がない以上、推測になりますが、Yahoo!ニュースをよく見ればわかるように、広告やPRバナーが至るところに貼られていますよね。
広告収入の発生は大まかに言うと、閲覧(PV)数を稼いだり広告クリック(CTR)数が必要です。
見出しはウケがいい内容にし、「認められたい・物申したい・説明したい」の欲求を刺激し、回遊率を高める仕組みを提供すれば、勝手に閲覧者がPV数やCTR数を稼いで利益にしてくれるワケです。
これらの目的をすべて叶えて体現しているシステムこそが、「コメント欄」という存在ですね。
さらに「共感した(いいね)」がつけられると、主張が認められたと錯覚して承認欲求が満たされ、リピート性を高めるという形です。
これは中毒・依存性が高く、他人軸で評価されない人には極上の甘美(かんび)だそうです。
以上の事から、ヤフコメ民の正体は、
・8割が男性
・30代、40代が多い
・世間に不満を持っている
・やることがない(暇人)
・日頃のストレス発散
・評価されたいといった人達ではないかと考えられます。
普段は普通の人でも、家に帰ってパソコンを開くとヤフコメ民と化す人もいることでしょう。
ヤフコメ民が底辺と言われる理由【ヤフコメ民の正体は?】(アーカイブ)|カスカスブログ
なぜ人々はヤフコメだと上から目線なのか(有料記事)|プレジデントオンライン
検索エンジンの変遷。Google一強となったそのワケとは?【So-net25周年企画 そこにはいつもネットがあった#1】|So-net
「ヤフコメはひどい」? 「Yahoo!ニュース」のコメント欄、投稿者は男性が80%以上、40代が突出|ITMedia NEWS
スマホやSNSに「依存」するのは理由があった|東洋経済オンライン
コメント欄過熱=利益になる『アテンションエコノミー』

俺が評価された……もっと褒めてほしい、高評価してほしい……
こう考えるとヤフコメって、人間の弱いところ、卑(いや)しい心理をついたシステムだよね。

閲覧者は評論家ごっこをする「エサ」を求めてサイト内を回遊し、運営はそれだけCVやCTR率も高まっていく「金のなる木」と化します。
このように、お互いがWin-Win関係で需要と供給が成立してしまっている状況なんですね。
しかも記事を炎上系にする必要もなく、斜め読みしたユーザー同士の過熱合戦、ズレた意見に集団反論をするだけでも利益になります。
コメント欄とはまさに、「人間の卑しい心理(サガ)をうまく利用したシステム」ですね。
利用者がいまだ多いのは、2000年代はGoogleよりYahoo!利用者が多かったのも要因でしょうし、2015年当時のYahoo!統計によれば、ヤフコメ民の大半は男性で、40代以上が多いそうです。
平和的空間を実現すると「勝手に稼いでくれる金づる」が離れて広告収入が減るからという可能性はあり、感情を刺激してPV数を稼ぐのは『アテンションエコノミー』といいます。
コメント欄が過熱して利益になる構図は海外も問題視する一方、本腰を入れないのは似た理由です。

Yahoo!ニュースがコメント機能を続ける理由~1日投稿数14万件・健全な言論空間の創出に向けて~|Yahoo! newsHACK
アテンション・エコノミーの広まり|総務省
アテンションエコノミーとは 注意したい情報の質と過剰な誘導|ELEMINIST
The Attention Economy and the Collapse of Cognitive Autonomy|Georgetown Law
Yahoo!だけが悪いとは限らない


ネット・SNS全体の
問題でもある
とはいえ、「なぜひどいコメントを書くのか」はヤフコメ特有のものではなく、似たシステムがあるサイトやSNSでも抱える社会問題です。
- 【ブログ・掲示板問題】コメント欄や掲示板で口汚く攻撃的に書く人。
- 【レビュー問題】レビューで低品質なコメントを投稿する評論家気取りの人。
- 【SNS問題】X(ツイッター)などで相手にマウントをとってあおる人。
- 【質問サイト問題】質問サイトで同意しか求めず、上から目線になる人。
ヤフコメ問題はYahoo!だけが悪いのではなく、ネット・SNS利用者一人ひとりのモラル・リテラシーに問題があるのも忘れてはいけません。
そもそも根底として、人間という生き物は「安易な答え」と「わかりやすい悪」を求めます。
ローマのコロッセオや中世の魔女狩りなど、何千年と変わらない人間の本性に近く、21世紀になってネット・SNSとして形が変化しただけです。
「言いたがり」の感情の見直しもさることながら、「わからないことを受け入れる」「すぐ悪を求めない」をしないと根本的に変わらないでしょう。
コメント欄システムやバズり(話題)はビジネスにもなり、Yahoo!はともかく感情を動かして広告収入にする構図は、実際にある収益モデルです。
この記事で「Yahoo!はアフィカス」「ヤフコメ民はクズ」と思うのもそう。ちゃんと記事読んだ?

公式も対策は一応しており、AI活用のコメント選別や、非表示ボタンや注意書きの実装などで、誹謗中傷アカウントも13.5%減少したそうです。
とはいえ、公式見解・対応と利用者の実態が反比例しているのが、正直なところなんですよね。
余談ながら国・規模も違うとはいえ、2014年に当時13歳の少女が開発した『Rethink』で、参加した93.4%が投稿を踏みとどまったそうです。
13歳の女の子がつくったというのがスゴイよね。ちゃんと疑問を持てる着眼点も素晴らしい。

追 記
2023年にYahoo!は、電話番号登録の必須化で悪質ユーザーは56%、コメントも22%減ったと公表しました。ヤフコメの“パトロールAI”、NewsPicksなどに無償提供 不適切コメントを排除|ITMedia NEWS
Yahoo!ニュースにおけるAIを活用した投稿時注意メッセージの掲出効果について(アーカイブ)|Yahoo!
「送信」ボタンを押す前に──ネットいじめを元から絶つには?(アーカイブ)|TIME&SPACE
「ヤフコメ」不適切だと丸ごと非表示も 小室圭さん・眞子さん記事ほか100件超|J-CASTニュース
Yahoo!ニュース、コメント投稿における携帯電話番号設定の必須化後の効果を公表(アーカイブ)|Yahoo!
「認知的完結欲求」が低いほど成功する理由 〜なぜトップリーダーは小説を読むのか〜|STUDY HACKER
認知的完結欲求尺度の作成 と信頼性 ・妥当性の検討(PDF)|2003, 筑波大学, 鈴木公基 桜井茂男
最後に:Yahoo!ニュースにこだわる必要はない


ほかにもいろいろあるよ

ヤフコメってバッシングや誹謗中傷が多いのに閉鎖されないの?
広告収入の可能性が高いかと。承認欲求を満たす場になっていて、需要と供給が成立している。

ヤフコメがなくならない理由は、広告収入があるのではという仮説で記事を書き進めました。
利用者は2015年の公式統計だと40代以上の男性が多く、2000年代のYahoo!一強時代の影響で今もヤフコメを見る・書く人もいるでしょう。
そしてコメント欄とは、人間の行動原理を利用してページ回遊させ、運営側は広告表示(PV)数や、広告クリック(CTR)率を高める「金のなる木」にする仕組みになっている場合も多いです。
つまりヤフコメ民とYahoo!はWin-Win関係で、需要・供給が成立している可能性があるんですね。
公式発表がない以上は推測の域を出ませんが、広告収入が絡むのならコメント非表示はあっても、ヤフコメ廃止・閉鎖はほぼ絶望的です。
また、2021年に発生したウトロ放火事件は実際、ヤフコメの影響で発生した犯罪でした。
見ない選択をとる勇気

ヤフコメは見ていて本当にしんどいんだけど……
非表示機能を使うか、利用しない選択肢も必要。Yahoo!だけが情報発信をしているわけではない。

人間の攻撃的な本音・本性を見て精神的に疲れたり、逆に感化されて誹謗中傷や事件を引き起こして、人生を棒に振れば笑い話にもなりません。
「ヤフコメは100%低品質で低俗」と、そこまで極端には言わないにしても、数少ない良い意見を見るためだけに、数多くの粗悪な内容の海にわざわざ飛び込む必要はないでしょう。
百害あって一利なしですから、しんどい・不愉快と思うなら「見ない」の選択も必要です。
さらに「言いたがり」の心理の見直しのみならず、「わからないことを受け入れる」「すぐに悪を求めない」という、デマ・誹謗中傷問題の根底になる部分の再考にも言える内容です。
根本的解決にはならないとはいえ、相手を変えるより自分の意識を変えるほうが簡単ですからね。
ヤフコメの利益話は推測の一方、感情を刺激して広告収入にするため、サイトやSNSでコメント欄を実装するのは珍しくないのは留意しましょう。












