雑記
2019.10.19 2024.11.19

【徹底解説】ネット私刑は必要、賛成、何が悪い…と思う人へ【問題】

雑記

悪質クレーマーや迷惑行為、詐欺やあおり運転、問題発言、不祥事などが報道されると、

モブウサギ

これは許されることじゃない。被害者が可哀想だ。

モブウサギ

なぜこんなことをしたのか。どんな親に育てられたんだろう。

と、大多数が思うでしょう。これは自分もそうですし、人としてあるべき善い感情です。

しかしながらネット・SNSを中心に、そこから実名や住所・会社など、個人情報を特定して晒(さら)し、拡散・炎上させる『ネット私刑』という制裁行為があります。

  • ネット私刑(ネットリンチ)】司法を無視し当事者の個人情報などを晒す制裁行為。

実名情報を晒す場合は『実名晒し』、個人情報特定をおこなう人たちを『特定班』とよびます。

ウサ子

動画配信の私人逮捕系(一般人による逮捕行為)も、本質的に考えればネット私刑のひとつ。

ただきち

また最近ではニュース関連を検索すると、

  • 〇〇炎上の犯人は誰?
  • 〇〇事件の容疑者を特定!
  • 〇〇の本名、顔写真、経歴は?
  • 〇〇の素性がヤバイ!
  • 〇〇の問題行動や炎上まとめ

このような内容を我先にと話題にし、肯定する見出しのブログ(トレンドブログ・まとめコピペブログ)も珍しくなくなりました。

  • 「ネット私刑は何が問題なのか」
  • 「ネット私刑の本質はなにか」

このあたりを今一度再考するきっかけになれば幸いですし、

CHECK!

当記事は記載されている該当者を叩くことが目的ではなく、客観的観点から問題を理解して学ぶこと。

ここが記事の主題であるため、そこを前提としてお読みいただけますと幸いです。

この前提定義は大切。マクロ(広義的)な視点で理解しないと問題の本質を把握できないよ。

ただきち

正確情報求む

誤りがあればご連絡ください

法的観点からの私刑行為

背景

私刑は法律で
定義されている

結論から申し上げると、私刑行為自体が違憲(いけん)行為とされます。

【日本国憲法第三十一条】
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。(原文ママ)

e-Gov法令検索

個人情報や実名を勝手に晒すのは「法に反する問題行為」であり、必要・賛成という人は、「問題・犯罪には制裁の名目で法を犯してもいい」と、おかしなことを言っている形になります。

相手がたとえ犯罪者であっても、個人なら侮辱罪や威力業務妨害罪、名誉・信用毀損(きそん)罪などが適用されることもあります。

私人逮捕だと刑事訴訟法212条で認められてはいますが、現行犯などのさまざまな条件を満たすことが必要です。

ウサ子

言いがかりなどの私人逮捕は法的に認められないよ。逆に名誉毀損(きそん)などで罪に問われることもあるからね。

ただきち

私人逮捕とは|一般人でも逮捕できる要件と4つの事例を解説|ベンナビ刑事事件

「私人逮捕」系ユーチューバーの男、名誉毀損容疑で逮捕 警視庁|朝日新聞デジタル

特定班・賛成派の主張

2015年には日本人の6割は私刑行為に理解を示すデータがあるように、私刑行為を支持したり、特定班をやる人たちの主張は、

  • 「みせしめや犯罪抑止力として必要」
  • 「警察や司法が動かないからだ」
  • 「国民の知る権利を阻害しているから」
  • 「だったらぼかしや黒塗りをするな」
  • 「マスコミ・週刊誌だって同じ」

このような反論が多々見られます。

晒すことで犯罪抑止力になる統計データは見たことがなく、警察・司法やマスコミ・週刊誌などに問題があるにしても、「だから代行していい、同じようにやっても問題ない」は子供の発想です。

「知ること・公式情報から正しく評論すること」と、「不当に制裁・叩いてバッシング・誹謗(ひぼう)中傷」は別問題です。仮に私刑行為が許されるのはフィクションだけでしょう。

違いを理解できない人に定期的に絡まれる。前者がダメならニュース記事もダメになるし、定義も理解していない。

ただきち

犯罪者に対する「ネット私刑」、6割以上が「理解」 J-CAST調査|J-CAST

ネット私刑の本質は負の連鎖

背景

向ける感情・対象が
違うだけ

  • 「クズクレーマーは死ね!」
  • 「犯罪者のクズは死刑にしろ」
  • 「叩かれて当然でしょ」
  • 「自業自得だろ」
  • 「特定して追いつめろ!」

ネット私刑を肯定しようと理論武装・大義名分を掲げようが、向ける感情・対象が違うだけで、本質は悪質なバッシング・誹謗中傷の正当化であり、負の連鎖にしかなっていません。

合法なら正義とは主張しませんけど、かといってそのようなモラルの低い行為は慎(つつし)まなければならず、「ネット私刑をする・支持する連中を許さない」と彼らを晒す人も同じです。

まとめサイト系や動画配信者がネット私刑をしている場合、アクセス数や広告収入稼ぎの目的が多いです。

ウサ子

自己矛盾になっている

モブウサギ

バッシングや誹謗中傷はダメ。でも私刑などの制裁は許される。

正しいと思うのであれば、なぜ法のプロセスを経ないで個人情報を勝手に探して公開したり、当事者に攻撃的な言葉や行動を投げつける必要があるでしょうか。

要は「他人に厳しく自分に甘い」であり、世の中からバッシングや誹謗中傷が一向になくならないのは、そういう部分だろうと実感させられます。

【徹底解説】誹謗中傷・バッシングはなくならない理由と、誹謗中傷嫌いの誹謗中傷【心理】

有名人の一般人晒し上げ問題

背景

晒し上げも
ネット私刑と同じ

SNSでは、有名人が一般人の書き込みを引用して晒し上げたり、オープンに返信して暴言を吐くことがあり、こちらも本質はネット私刑と同じです。

  • 某歌手】盗撮した相手のアカウントを名指しでツイートし、拡散させる。
  • 某お笑い芸人】一般人が相方の苦言を書いたので、煽(あお)って応酬。
  • 某歌手】ツイートの一部分を感情的に拡散。それを見た人が当事者へ誹謗中傷。
  • 某元子役】上記のツイートを見て、当事者への誹謗中傷に持論展開して加担する。

影響力を悪用し、バッシングや誹謗中傷で報復したり、罪のない相手でも晒して集団でリンチ」と変わらず、いじめグループのリーダーが、取り巻きを使って攻撃させるようなものです。

それで行動を問題視されて今度は自分自身が炎上してしまい、

モブウサギ

誹謗中傷は法的処置をとります! 思いやりを持ちましょう!

こういった構図は何度も繰り返されています。

問題の本質を見ているのか

モブウサギ

私たち有名人にも人権はあるし、自分の身を守っているんだ。

当人たちのこの主張は、確かにバッシングや誹謗中傷に声を上げる自体は間違っておらず、こちらも「有名税」なんて言葉は好きではありません。

上記行動で炎上に発展するなんて、本人たちも望んでいないでしょうからね。

しかし仮に問題行為なら晒し・攻撃ではなく、水面下で対応して報告するのが社会人で、不用意に相手を晒し上げること自体、自身の影響力を考慮しない軽率極まりない行為です。

名前を伏せ情報源の未明記は冒頭のとおり、「マクロな視点で問題を考えるのが目的」だからです。

ウサ子

「有名人のバッシングだ!」と思った人は記事を読んでいない。批判・誹謗中傷の区別はしてほしい。

ただきち
【9割が誤用】批判・非難・悪口・誹謗中傷の違い、混同する人が多い理由【解説】

自分を棚に上げる人の言葉は響かない

話をもどし、有名人の言動・行動を見ると、

  1. リテラシー不足が原因で、当人や信じた人が一般人を晒す。
  2. 誹謗中傷やデマが発生しても、適切な対応をしない。
  3. それがきっかけで有名人も炎上する。
  4. 「誹謗中傷は法的処置をするよ! 思いやりを持って! 」

バッシング・誹謗中傷に立ち向かう姿勢自体は間違ったことではありません。それを信じた人やファンが攻撃した場合、手を出した人・デマを拡散した人全員に責任があります。

一方でその火種になった有名人も、自身の軽率な行動やリテラシーの低さを反省し、周囲の暴走を止める責務や、言い逃げせずちゃんと当人へ謝罪することが必要ではないでしょうか。

まずは誠意ある行動・反省が先です。自身の被害だけを訴えるのは無責任だと思われます。

ウサ子
【実体験】一方的な言い逃げをする人は負け犬の遠ぼえと同じ【書き逃げ】

リテラシーの低い人がネット・SNSをやる恐ろしさ

背景

悪意がなく無自覚
だからこそ怖い

このようにネット私刑は一般人だけの問題ではなく、有名人もやらかすケースがままあります。

CHECK!

リテラシーの低い人は私刑を私刑、誹謗中傷に誹謗中傷で返すなど、無自覚に自分を棚に上げた行動をする傾向が強い。

というか、一般人も有名人も関係なく、正しい批判ができない、言動に責任を持てないといったリテラシーの低い人は、ネット・SNSへ安易に手を出してはいけないと思うんですよね。

リテラシーの低い人は自分が正義でなんでもかんでも誰かや社会、国のせいにして自己正当化をしたり、思慮の浅い拡散や、悪意のない攻撃をする恐ろしさがあります。

ネット・SNSは車や包丁と同じです。正しく使えば便利で価値のあるものですが、間違った使いかたをすれば人を傷つける凶器になります。

2000年代はネチケットが常識でみんなリテラシーが高かったんだけど、今は死語だもんね……

ただきち
【9割が誤用】批判・非難・悪口・誹謗中傷の違い、混同する人が多い理由【解説】
【WEB1.0】「ネットは2000年代までがよかった」は本当なのか?【実体験】

さまざまな行動原理・心理説

背景

あくまで仮説

なぜ特定班という存在や、ネット私刑や晒し行為などを賛成してしまうのか。考えられる行動原理・心理説としては、以下のケースが挙げられます。

  • 歪んだ正義感説】一方的な「許さない」の感情で、相手を叩く人。
  • メタ認知・自己肯定感の問題説】自分を客観的に見られず、満たされていない人。
  • 脳の疾患・性質・ホルモン説】脳腫瘍(しゅよう)、脳の反応など。
  • 発達・精神障害説】アスペルガー症候群、統合失調症など。

なおこれはあくまでも、医学観点・経験上からの「考えられる要因」「傾向」による仮説であり、決めつけやレッテル貼り、ヘイトの目的で書いているわけでないのはご容赦願います。

歪んだ正義感説

背景

他人に厳しく
自分に甘い

『スマイリーキクチ中傷被害事件』から考えてみましょう。20世紀末から21世紀初頭にかけ、「ある凶悪事件の犯人」と濡れ衣を着せられ、10年近くも心ない誹謗中傷を受け続けた事件です。

スマイリーキクチ中傷被害事件|Wikipedia

ネット私刑をやった人たちの動機

何人かが警察に検挙され、彼らの動機を見ると、

  • 「ネット・暴露本にだまされた」
  • 「最初にデマを書いた奴が悪い」
  • 「みんなやってるだろ」
  • 「人間関係など私生活でつらいことがありムシャクシャしていた」
  • 「離婚してつらかった。キクチは中傷されただけで、自分のほうがつらい」
  • 「ほかの人は何度もやっているのに、なぜ一度だけの自分が捕まるのか」
  • 「キクチは芸能人だからよいが、自分は一般人で将来もあるから嫌だ」

彼らの意見を見てどう思いますか。真っ当な良識を持っているのなら、

モブウサギ

あまりにも発想が自己中心的だ。他責的で保身ばかりして、行動に責任を持つ意識はないのか!

モブウサギ

動機が幼稚で子供っぽい。正義とか建前で、本当は被害者のことなんてどうでもいいんだね。

このように感じる人が多いでしょうし、キクチ氏自身も自著で述べているように、

CHECK!

ネット私刑をした人には、「情報の精査・自分で考える・情報を疑う能力」が欠けている(=リテラシーが低い)。

共通してリテラシーが低く、他責的で行動を自省する姿勢に乏しいんですね。

この加害者たちは、キクチ氏に対し最後まで謝罪をしなかったそうです。

ウサ子

正義というより「自己満足」

彼らにとって正義感とは二次感情に過ぎず、

  1. 日ごろから日常や社会、自身に不満・不安があり、心が満たされていない。
  2. はけ口が欲しい(一次感情)。
  3. 事件を許せないと感じる感情と、発散したい感情が混ざる(二次感情)。
  4. 直情的に制裁行為をおこない、一時的な快感(発散)を得る。
  5. しかし一過性で、また溜まって繰り返す。

少なくとも、この事件の行動原理はこう表せます。

「日本人のレビュー(コメント)がひどい理由」の記事 でも述べたように、行為に参加する6〜7割は「許せない・失望からやった」が動機で、根底も日常や社会の不満・不安だったそうです。

ネット中傷の三段活用…最後は「死んで証明しろ」【スマイリーキクチさん・上】|弁護士ドットコム

中傷被害を乗り越え「ネットの力をプラスに活かしたい」【スマイリーキクチさん・下】| 弁護士ドットコム

『人はなぜ、他人を許せないのか(株式会社アスコム)』|中野信子 著

『極論を振りかざす「極端な人」の正体(光文社新書)』|山口真一 著

メタ認知・自己肯定感の問題説

背景

客観視できない
受け入れられない

  • メタ認知】自分を客観視する能力。
  • 自己肯定感】自分の心を認める意識。

自身を客観的に見られなかったり、コンプレックス持ちな人であればあるほど、処罰感情・不寛容といった感情的・衝動的行為を働く可能性が高くなるそうです。

【徹底解説】なぜ日本人のレビューはひどい、低俗・民度が低いと言われるのか【コメント問題】

充実した人は攻撃的にならない

攻撃的なデマやネット私刑、誹謗中傷を流した加害者や、実名晒しをおこなった特定班たちの体験談で共通するのは、

  • 居場所がない
  • 日常がつまらない
  • 歪んだ幼少期を送った
  • いじめられっ子だった
  • 友人や仲間がいない
  • 仕事で認められない
  • 社会で孤立している

と、明らかに「心が弱く貧しい・満たされていない人」がやっていたことです。

単純な理由で、そもそも自分を認めて充実した人生を送る人は、赤の他人に制裁を与えようとか、犯人探しという無駄な時間を費やさず、暴力的な言葉を相手にぶつけません。

過激な自然派信仰や動物愛護、反ワクチンなどの陰謀論者も孤立している場合が多いそう。

ただきち

負け組・社会不適合者?

モブウサギ

ネット・SNSで攻撃する人は、ろくな職にもつかず才能もない小心者。匿名空間で発散するヒマ人の負け組・社会不適合者ばかりだ。

一昔前だとそう言われることも多かったですが、今では「定職に就いて見た目は普通の人が多く、むしろ高年収・高学歴も少なくない」と、キクチ氏や山口氏は自著に述べています。

デジタルの怖さを知らない子供・学生が極端な主張・論調に感化され、無自覚にやっている場合もあり、悪い大人に利用されて政治的デモをやる学生と似たようなイメージですね。

一方で2024年、医療従事者に反ワクチンデマで誹謗中傷した多くが無職・生活保護・精神疾患持ちの中高年男性(=弱者男性)と明らかになり、完全な誤りとも言えない闇の深さを感じさせます。

「反ワク=弱者男性と一括りにするな!」と反論した当事者たちがいて、メタ認知が低いというか、文章を読めていないね。

ただきち

問題はそれを理由に攻撃・誹謗中傷したことであり、反ワクチン自体は個人の自由ですからね。

ウサ子

脳の疾患・性質・ホルモン説

背景

知っていれば
変えられる

たとえば認知症や脳に腫瘍ができると、元々おとなしかったのに攻撃的、口が悪くなる事例は、経験がある人ならわかると思います。

また、感情を司る脳の扁桃(へんとう)体が大きく、論理思考の前頭葉が(相対的に)小さい人は、直情的な感情で動き、攻撃的になりやすくなることが言われています。

前頭葉が働いていないのは、うつ病や老化でも起こるとされ、女性ならホルモンなどの影響で、意図せず攻撃的になる『PMS(月経前症候群)』『更年期障害』のケースもありえます。

脳の腫瘍で暴言を吐くようになるのは、映画『グリーン・マイル』でもありますね。

ウサ子

女性ホルモンとPMS(月経前症候群)|DRAGユタカ

更年期障害|公益社団法人 日本産科婦人科学会

発達・精神障害説

背景

自分の行動を
自覚する努力は必要

発達・精神障害が関連している場合もあり、医学的見地から言われている傾向として、

  1. 1ビット思考】0か100の極端思考で考え、感情コントロールもできない。
  2. 絶対に正しい】「私は正しい」の認識が強く、他人に厳しく自分に甘い。
  3. 無自覚なダブルスタンダード】実際はその加害者と同じという自覚がない。
  4. 被害者意識が強い】被害者アピールや粘着・ストーカー行為までおこなう。
  5. 結論バイアス】ひとつの意見で全否定したり、耳障りのいい情報しか集めない。
  6. 拡大解釈】「だろう」「傾向」を、「決まっている」「全員」に意味を変える。
  7. 言葉選びが下手】配慮がない発言や、口が悪く攻撃的。
  8. 反省・謝罪・改善しない】自分の非を認めない。そのため同じ失敗を繰り返す。
  9. 知識が偏(かたよ)る】調べかたに偏りがあり、独善的・偏った知識になる。
  10. 文脈が読めない】行間や文脈が読めず、見当違いな持論展開をする。

「こういう症状・障害・病気だから」で努力できない言い訳にするのは論外で、それは同じ障害で悩み、生きづらさを持ちながらも頑張る人たちまで、信頼性や心証が悪くなるだけです。

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム:特に積極奇異型・尊大型とよばれるタイプ)|ブレインクリニック東京

統合失調症|厚生労働省

パーソナリティ障害(境界性・自己愛性・反社会性などといった一部のもの)|厚生労働省

正義潔癖症問題

さきほど『正義中毒』という話を触れましたが、経験上こちらは『正義潔癖症』と言ったほうがいいかもしれない側面もあります。

実際、「ネット私刑が許せないから、自身が敵認定した相手を晒してネット私刑をしている」という、自称発達障害の人とやりとりしたことがあります。

自身が正しいと疑わないし棚に上げて論点をずらされるし、勝手な理論武装で相手を徹底的に叩いて晒さないと気がすまない感じでしたからね。

自分が正義と思っているというか、0か100、白黒させないと気がすまない潔癖レベルの勧善懲悪(ちょうあく)だった。

ただきち

あくまで知識の話

背景

決めつけではなく
参考程度に

……重ねるとおり、これらは「考察による可能性・仮説」です。

「知識」の話や見解であって、医者じゃないのに傾向で相手を病気や障害と決めつけるのは、同じく許される行為ではなく、該当者全員が行為に賛同しているわけでは決してありません。

別の考察や体験談については、以下の記事などにありますので、ご興味があればご覧ください。

【カスハラ】悪質クレーマーを心理学・脳科学・実体験で考え、身を守るには【問題】

ネット私刑のビジネス・娯楽化

背景

まとめサイトやツイッターは
特にひどいよね

この私刑感情を利用して広告収入を得ているのが、上述した犯人特定・経歴・顔画像などを掲載する、時事・事件系といったトレンドブログ・まとめコピペブログ(キュレーションサイト)です。

また先述したように、動画配信者が「私人逮捕」と称して私刑行為をするのもそうですね。

彼らも「お金を稼げる不労所得ビジネス」として加担するも、2019年の高速道路あおり運転にて、拡散された女性が無関係と判明すると、謝罪・訂正せず消した運営者が多く見られました。

なおトレンドブログ運営者の体験談によると、彼らは世の中のため、正義のためにやっているのではなく、金稼ぎに使えるネタとしか思っていないケースが多いとのことです。

不労所得のお金稼ぎ自体は悪ではないけど、不当に傷つけて利益を得るのはモラルが問われる。

ただきち

ネットの“ぬれぎぬリンチ”深刻化 「いつか犠牲者出る」被害者の恐怖 加害者にならないために|西日本新聞

「ドラクエをやってるイメージ」で月収100万円 “トレンドブログ”運営者が語る、その実態とは|BuzzFeed News

新型ウイルスでもネットに拡散 トレンドブログを追跡した|NHK NEWS WEB

需要があるからなくならない

残念ながら、そういった内容でアクセス数が伸びたり拡散されるのは、そういたネタや情報を求める層が一定数いるからでもあります(需要がなければ書かない)。

ネット私刑を必要・賛成と考えるならば、冤罪(えんざい)被害が発生した場合、

  • 「真犯人特定への仕方のない犠牲」
  • 「冤罪は運が悪かった」
  • 「間違ってたら謝らずに消せばいい」

このような無責任がまかりとおる状態をどう説明するのでしょうか。それで「正義感・許せない心から、断罪・制裁するために私刑は必要だ」と言われても、説得力がありません。

いじめ相手をいじめている

次に同年に起きた神戸の教師いじめだと、加害者教師の謝罪文を赤ペン先生のように添削 したり、動画を生配信して学校を突撃 したり……

「いじめ教師(組織)を許さない」ではなく、「いじめ教師(組織)のいじめに面白がっている」状態へと変わっています。

やっていることは加害者・当事者と本質は同じで、「いじめ相手をいじめている」だけなんですね。

ウサ子

東須磨小・加害教員の謝罪コメントが炎上…何が悪かったのか「謝罪マスター」に聞く|MSNニュース

学校の前で加害教師に“生電話”?YouTubeで投稿…「単なる悪ノリにしか思えない」|MSNニュース

歴史は繰り返す?

背景

人は過ちを繰り返す

私刑自体は昔からあり、村八分(村内でのいじめ)や魔女狩りがそうで、文明・モラルも発達した21世紀ではネット私刑に形を変えたとも言えます。

絵画や歴史の教科書でも、容疑者や罪人をいたぶったり処刑するのは庶民の娯楽で、古代ローマ時代のコロッセオは、「罪人や剣士を殺し合い、観客は安全圏から面白がる」ものでした。

「誹謗中傷には誹謗中傷で返せ!」と言う人は、本質を見ないから一向になくならないんだよ。

ただきち

CHECK!

科学技術が進歩しても人間の知性は進歩せず、知性の総量は今も昔も変わらない。

安全圏から、誰かを煽って攻撃されるさまを娯楽にする」という意味では本質的に同じですし、またネット私刑などに熱心な人は、陰謀論やカルト宗教にハマる人と似ている傾向があります。

社会的不安と心に弱さ・闇がある人たちは、集団主義や帰属意識、勧善懲悪な極論に安心感を得ようとする生き物であることは、歴史や世界の例でも明らかです。

ある意味ネット私刑は『正義教』ともいえますね。

ネット私刑はツイフェミや過激な自然派・動物愛護、反ワクチン論者などと同じなんだよね。

ただきち

一部の共通認識を正義として大義名分に掲げ攻撃するのは、バッシング・誹謗中傷と変わりません。

ウサ子

陰謀論や、反ワクチン論。科学的な「正しさ」では動かない人とどう向き合うのか。|ハフポスト

陰謀論の蔓延はコロナのせい?…人は孤立して不安な状態にある場合、陰謀説を信じやすくなる|Business Insider Japan

「コロナ陰謀論」で日本に広がるデモ活動の真意、孤立を狙った落とし穴とは|ダイヤモンド・オンライン

確証バイアスとは? 意味、その他の認知バイアス、具体例、改善方法、ビジネスシーンで活用する方法について|カオナビ

最後に:ネット私刑は必要?

背景

本質を見ないから
なくならない

冒頭のとおり、問題行為や事件・不祥事に対して「許せない」「被害者が可哀想」と思う自体は人として正しい反応です。

しかしながら昨今見かけるネット私刑の数々は、

  • リテラシーが低い】調べる力・考える力・疑う力が乏しい。
  • 正しい批判ができない】批判と批難(誹謗中傷)の区別すらできていない。
  • 正義感は二次感情】正義感を盾にするが、根底は個人的問題や孤立が多い。
  • 誹謗中傷中毒】特定・晒し・叩きが発散・快楽行為になっている。
  • ビジネス・娯楽化】ネット私刑そのものがビジネス・娯楽と化している。
  • 自己保身】被害を受けた当事者への謝罪はなく、自己保身、証拠隠滅を図る。

CHECK!

ネット私刑(特定行為・ネットリンチ)の本質・実態は、「バッシング・誹謗中傷の正当化」であり、負の連鎖である。

と、さまざまな問題を抱えていて、日本国憲法第31条にも抵触する行為です。

本質を見ない人ほど正当化する

しかしネット私刑に賛同する人・支持する人・当事者たちはそう思っておらず、

  • 「正当な批判で誹謗中傷ではない」
  • 「メディアや週刊誌だって同じだろ」
  • 「司法や警察が情報を隠すからだ」
  • 「正しいことをやって何が悪い」

このように主張するケースがほとんどです。

晒して叩くというモラルに反する行為をしてまで、犯罪抑止のメリットがあるのか、そこを納得できるエビデンス(根拠)で説明する人は見たことがありません。

また、この問題は自分を含め、誰でも被害者になるし、加害者にもなります。

まるで「法を犯したことはない模範生で、世間的に善良な人間」と言わんばかり。まあ姿勢は崩壊しているんだけど……

ただきち

だからリテラシーを持ち、思慮深く行動しないといけません。

ウサ子

技術が進歩しても人間の知性量は変わらない

その本質を理解していないから、ネット私刑による数々のデマ・風評被害・誹謗中傷などで検挙者が出ても、結局同じことを繰り返すのは周知のとおりで、反省もできません。

そういった感情を悪用して利益を得るのがトレンドブログ(まとめコピペサイト)や私人逮捕系の動画配信で、村八分や魔女狩り、殺し合いの見世物をした時代と変わらないんですね。

個人情報を晒そうとするトレンドブログや私人逮捕系には正義というものはなく、都合のいいお金稼ぎの手段で私刑が選ばれているだけでしかありません。

仮に私刑が許されるのは、フィクションの世界だけでしょう。

私刑感情にかられてトレンドブログや動画配信を観る人がいる限り、これらは「金のなる木」でありなくならない。

ただきち

本質を見なければ負の連鎖は止まらない

ネット私刑をする人、特定班とよばれる人の傾向を調べると、

  • 心に闇を抱えている
  • 日常や社会に不満がある
  • 自分自身に問題がある
  • 社会から孤立している
  • 精神・発達障害がある
  • 閲覧数・広告収入目的

などのように、正義感は建前で実際は社会や個人の闇、金銭絡みを感じる部分があり、リテラシー能力と意見される覚悟が非常に低いのも共通点です。

なぜ世の中からバッシングや誹謗中傷がなくならないのか。それは「誰かや何かを叩く行為」自体が目的になっていて、誰が犯人かなどはきっかけでしかなく、正直なんでもいいからです。

「正義」と言いながら、他者の攻撃が娯楽・ビジネス化しているんだね。誰でもいいんだと思うよ。

ただきち
【9割が誤用】批判・非難・悪口・誹謗中傷の違い、混同する人が多い理由【解説】

「ネット私刑をする奴らを許せない」と叩く人も問題

当記事をネット私刑賛成・支持派を煽ったり、叩く目的で引用する方を定期的に見かけますが、冒頭から何度も言うように、

CHECK!

該当者の晒し・叩きが目的ではなく、客観的観点から問題の本質を理解して学ぶこと。

これが記事のテーマであり、真意です。

「ネット私刑をする奴らを許せない」と攻撃的な態度をとるのは、立場が違うだけで根っこの部分はどちらも同じレベルで、他人に厳しくて自分に甘いし、本質を見ていません。

「叩いたり晒すネット私刑する人を、同じように叩いて晒す」のは笑えない皮肉です。

ウサ子

記事の本質を理解していない

モブウサギ

あなたこそ、この記事で有名人の〇〇をネット私刑をしている!

この記事を見た人からメールでそう反論されたのですが、記事の前提定義を理解していれば、このような意見を出す自体がありえません。

意図を把握・理路整然していれば意見・指摘はむしろ歓迎ですが、明らかに冒頭の前提定義を読み飛ばしており、自身が関心のある有名人の記述だけに反応したのは明白でしたね。

何よりカッコ悪いのが、送信後にメールアドレス削除して返信拒否・逃亡という言い逃げ行為をやっていたことです。

自分の意見に自信がないと負け犬の遠ぼえをしているのと同じで、大人なら見される覚悟ぐらいは持ってほしいですね。それはネット私刑する人の無責任さと同じです。

当サイトでは言い逃げは著作権放棄とみなし、批評材料にさせていただきますのでご了承ください。

ウサ子
【実体験】一方的な言い逃げをする人は負け犬の遠ぼえと同じ【書き逃げ】

前提定義の意図を理解する

この意味不明な反論の件は批評材料としてあえて載せましたが、別にこの送信者を晒して私刑行為をしたいとか、そういうことではありません、

そうではなく、彼のように自分の意見に責任を持たず、物事を白黒で判断してロジカル(論理的)に考えない人が目立つということであり、本質を理解しないから前へ進めないんですね。

「問題点を適切に述べて正しく批評すること」と、「相手を晒し上げて不当に傷つけ叩くこと」は別問題であることを改めて留意してください。

なぜ「マクロに考える」と前提定義で言ったのか。意見するなら意図を理解して言ってほしいかなぁ。

ただきち
【徹底解説】誹謗中傷・バッシングはなくならない理由と、誹謗中傷嫌いの誹謗中傷【心理】
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2.記事の参考・引用(転載)

記事の文章表現の流用、抜粋・引用される場合、当管理人までの申告は原則不要です。

文章の引用には法的条件(引用箇所の明示・出典元明記・補足として使用・引用の必然性・内容を改変しない)を満たす必要があり、満たしていない引用はご遠慮願います。詳細は著作権法第32条をご確認ください。

ご自身で独自に記事・動画作成で当サイト記事内容を参考に留め、文章を完全自作されている場合、URL記載は任意です。

要約のための一部改変は、記事の目的・意図を大幅に変えなければ可能とします。

3.作品の引用(転載)

当サイトの作品を引用・転載する場合でも当管理者への申告は不要ですが、URL元の記入、もしくは当管理者名・アカウント名などの記載をお願いいたします。

4.キャラクターの使用

当サイトのオリジナルキャラクターは創作性が高い非営利の個人に限り、イラスト・マンガなどに使用できます。非営利・個人の定義はこちらをご参照ください。

制作費・人件費の範囲内であれば、有償配布や支援サイトの掲載も可能としますが、生成AIで作成した作品で当管理者の作品だと誤認させる、有償行為をするのはご遠慮ください。

5.当管理者の著作権

当管理者が作成した文章・画像・デザイン・オリジナルキャラクターや作品などは原則、ご依頼でも著作権は当管理人に属します。

ただしバーチャルVTuberなど、権利者ご自身のキャラクター、または二次創作元のキャラクターなどの知的財産権につきましては、当管理者ではなく元の権利者に属します。

6.禁止行為

以下の行為が見られた場合は、個別のご連絡や法的処置などといった対応をとらせていただく場合があります。

A.二次利用・加工・改変

当サイトの画像・作品・文章・サイトレイアウトなどの悪意ある二次利用・加工・改変行為や、信用毀損・反社会的など、社会通念上問題のある目的で利用する行為。

B.文章の引用・流用

当サイトの文章を恣意的に切り取った語弊を招く行為や、著作権法第32条の引用条件を満たしていない場合。または当サイトの文章表現を流用しておきながら、引用元としてURLを明記しない、解説記事・動画などの作成行為。

C.不適切な拡散

特定の単語・見出しに反応、記事内容を過度な歪曲・脚色するといった不適切なシェアの禁止(誤った解釈のみならず、〈自他問わず〉風評被害や誹謗中傷につながる恐れがあるため)。

D.誹謗中傷

当サイト・他者・企業などを誹謗中傷する目的での引用。また煽り・マウント行為といった、意見・提起・指摘ではなく、人格・風評を著しくおとしめる行動も含む。

7.著作権

当サイトは著作権の侵害を目的とするものではありません。

スクリーンショットや二次創作元の知的所有権は各権利者・団体に帰属しており、各利用規約を確認した上で掲載しています。

有料二次創作は権利元の創作ガイドライン厳守を努めていますが、問題があれば当サイトのお問い合わせよりご報告ください。

8.トラブル

当サイト記事のシェアなどが要因で発生したトラブルなどについては、一切の責任を負いかねます。あくまでも参考・一意見として扱ってください。

当管理者まで直接ご意見・ご指摘を希望される場合は当サイトのお問い合わせからご連絡いただけますと幸いです。

制定日:2017/2/24
改定日:2024/10/23

シェア・引用の前に「規約・ポリシー」をご一読ください(同意したものとみなします)。

記事を特定の単語・見出しなどで判断したり、記載内容の過度な歪曲・脚色、他者を誹謗中傷・バッシング目的のシェア・引用は固くお断りいたします。

シェア内容が問題・風評被害行為だと判断した際、個別にご連絡を差し上げる場合があります。

社会通念上のモラル・リテラシー・マナーの範囲内であればご連絡することはございません。シェア・引用をしていただきありがとうございます。

プロフィール

赤竹ただきち

赤竹ただきちTadakichi Akatake

仕事で「YMYL(医療・健康・お金)記事をほぼ生成AI任せに書く」という、「これありえないだろ……」という他社事案に遭遇し驚きを隠せない。

というのもGoogleは2016年にWelq事件があったから、YMYL記事は独自性・信ぴょう性を厳しくチェックするようになっているんだよね。

それにYMYL記事を生成AI任せに書くとペナルティになる可能性も発表していて、こういった記事では生成AIを使うのはいいにしても、検証・監修で補完することが必須。

これを理解せず「SEOを上げるお手伝いをします!」という業者がやるんだから、いくらなんでもリテラシーが低すぎる。それで検索ペナルティを受けたら損害賠償モノなんだけどなぁ。

イラストレーター・マークアップエンジニア(コーダー)・Webデザイナー・ライターのウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。

コーディングとWebデザインは両方可能。納期が短いなどいった案件では、「デザインとコーディングのアドリブ同時進行」という荒業もおこない、SEO施策を意識したマークアップも得意。

フリーランスとの進行ディレクション・指示や、面接担当の経験が幾度もあり、プロ・趣味問わず、絵描きを含めたクリエイティブの姿勢には少々シビア。

「自省・リテラシー・正しい批判の認知・意識向上」をライフワークとし、当サイト記事も「気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。

当サイトの記事は中学生でも理解できるように計算しながら執筆しており、ネット・SNS上で「わかりやすく参考になる」とご好評の声多数。

「言い訳せずに下手でも自分の弱さを認め、背かず自省して学ぶ意識を忘れない(=謙虚な)人」は、年齢・性別問わず好きなタイプ。

雑記