新型コロナウイルスのマスク着用の話題で大きなニュースになったのは、飛行機でのマスク拒否によるトラブル と、大学入学共通テストの鼻マスクで不正行為に認定された話 でしょう。
乗客の男性 マスク着用拒否 旅客機が新潟空港に臨時着陸|NHKニュース
“鼻マスク”正さず成績無効 入試センター「総合的に判断」|NHKニュース
これらのニュースによる問題点を分別するならば、
- 【対応の適切さ】当事者に対応した企業や組織は、はたして適切な対応だったのか。
- 【マスクの効果と体質】正しいつけかたや科学的なエビデンス(論拠)の問題。
- 【迷惑行為と想像力】周りに迷惑や被害が及ぶまでして、拒否をすることなのか。
大前提として、これらの3つの話は切り分けて考えねばならず、上記の内容は記事で繰り返し言及するので、覚えておいてください。
彼らが逮捕された理由(後述)や、自分が彼らに一番問題だと思うのは『迷惑行為と想像力』で、ネット・SNS上で当事者へ苦言する人の多くも、同じ理由ではないかと考察します。
ゆえに「当人の行動や問題点(迷惑行為)」を語る際、
- 「企業や組織の対応は適切だったのか〜」
- 「マスクの科学的根拠は〜」
- 「日本の同調圧力や風潮が〜」
これらを持ち出すのはスジ違いであり、(当人を含む)ネット・SNSで言い争う人たちは、ここの定義を明確にして分けて考えないから、お互いに論点がずれて平行線なんですよね。
この記事では『迷惑行為と想像力』の問題に焦点をしぼって述べていきます。
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
逮捕は「マスクをしなかったから」「同調や風潮に従わなかったから」ではない
問題点をよーく見て
ふたりは騒動の後、一度警察に逮捕されていたことがニュースで明らかにされています。
共通テストで“鼻マスク” 受験生を不退去の疑いで逮捕 警視庁|NHKニュース
旅客機マスク着用拒否 乗客の男 威力業務妨害などの疑いで逮捕|NHKニュース
当人たちの主張を要約すると、
個人事情を汲(く)まずマスクをしなかっただけで不当。そもそもマスクの科学的根拠はあるのか?
これが(自分なりの)マスクの正しい着けかただった。メガネが曇るし、『鼻まで覆うように』とはどこにも書かれていない。
と弁明し、『マスクの効果と体質』を中心に語っていますが、原因はそこじゃないのは、先に述べたとおりです。
一番の原因は『迷惑行為と想像力』であり、罪状も『業務執行妨害』や『不退去罪』という、「幾度の指示に従わず、暴言や暴行で業務を妨害した」のが一番の問題です。
『マスクの効果と体質』はあくまでもきっかけでしかなく、それを中心に語るのは論点が異なります。
当人もしかり問題を語るにもしかり、『マスクの効果と体質』をメインにして持論展開する人たちは、ちゃんと問題点や行動を掘り下げずに語っているのがほとんどです。
なぜ妥協できないのだろうか
妥協はコミュニケーションの
大切な手段
彼らの行動で不思議なのは、「相手側が妥協策や対応策を提示したのに、それを頑(かたく)なに拒否をした」ところですね。
航空会社や試験会場だって彼らを全否定したわけでもなく、一定の理解を示し、妥協策を提案されていたことが明らかにされています。
少なくともその状況で受け入れていれば、ここまでの騒ぎにはならず、彼らも人生を棒を振ることはなかったハズ。
だだをこねる子供でもなければ、反抗期真っ盛りのイキリ立った若者でもない、まっとうな社会人。社会人の感覚なら、
ここでいざこざしても自分や周りにも不利益が出てしまうし、解決策があるなら耳を傾けよう。
こうなるのが世間一般の認識ですし、折れずに意固地になって妥協しないのは、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。
仮に解決策にも不満があるのなら、一応は従うか退席した後に、日を改めて意見具申なり、ちゃんと話し合いの場を設ければいいだけの話。それが大人の対応です。
付き合わされる企業や組織はお気の毒ですが、少なくとも現場で騒いで被害が出たり、逮捕されるよりかはずっとマシですからね。
リスク回避ができていない
想像力の問題
飛行機でマスク拒否した男性は、後日ホテルで同じようにマスク拒否して大騒ぎになったそうです。
飛行機「マスク拒否」男性、今度はホテルで… 警官10人近く出動の大騒ぎに|@niftyニュース
一般的な考えかたなら、
一度こんなことがあったから、次からは面倒事に巻き込まれないように策を打っておこう。
このようにリスクを回避するよう考えるものではないかと。
百歩ゆずって最初に失敗するのは仕方ないにしても、失敗したなら対策もできます。マスクが体質的に合わないなら事前に連絡するなりマウスシールドを使うなど、策はいくらでも打てたはずです。
結局同じ騒ぎを起こしているのは、反省から何も学んでいないと言われても仕方がないものです。
大学入試でマスク退出された人も上述したように、「メガネが曇るし、『鼻まで覆うように』とはどこにも書かれていない」と主張していますが、これもリスク回避ができていません。
- 「注意事項に『マスクを正しく着用する』と記載」
→ 多くのテレビCMや広告でも「マスクは鼻まで覆うもの」だと認識できる。 - 「マスクでメガネが曇る」
→ 事前に曇り止めなどの対策グッズを用意する。
一世一代の入試試験なら、勉強以外の対策は十分にしておくものでしょう。
「そんなこと書かれていなかったから」って、子供の喧嘩でよくある屁理屈じゃないんだから……
それどころか6回も注意される前に、
メガネが曇るので、お手数をおかけしてすみませんが、別室でさせていただけませんか?
こういったことすら言えなかったのかと不思議でなりませんよね。
少なくとも試験会場では別室が事前に用意されていたし、当人は「聞き入れられなかった」と主張していますが、正直そうは思えません。
謙虚にお願いするのは、40代どころか10代の若い人たちでもできます。
『大人の対応』とはなにか
勘違いする人が
多い言葉
さきほど『大人の対応』という言葉を使いましたが、この言葉を聞くと、
- 「言いたいことを言わず、我慢して従う(長いものに巻かれる)のが大人の対応なのか」
- 「大人の対応って、怒らないイエスマンになれってこと?」
なんて言う人もいますけど、そうではありません。
CHECK!
意見や行動に直情的にならず、『TPO(時・場所・場合)』や自分へのリスク、相手への思いやりもしっかり考え、建設的に対処する能力(空気を読む)。そして、起きたトラブルや責任はしっかり取る。大人の対応とはそういうことであり、
「我慢して従え」や「イエスマンになれ」は、『同調圧力』『ことなかれ主義』で異なります。
そしてこれも勘違いしないでいただきたいのは、彼らの主義・主張そのものは否定しないということです。
相手側の対応やマスクの科学的根拠をちゃんと話し合うのならば話し合えばいいですが、時・場所・場合をしっかりわきまえてこそが前提です。
たとえまっとうな意見だろうが、周囲の損害を考えない場違いな行動は迷惑になるものです。
冒頭で「『対応の適切さ』や『マスクの効果と体質』と、『迷惑行為と想像力』は分けて考える」と書いたのは、そういうこと。
「主義・主張は否定しないも、状況をわきまえない迷惑行為は社会人のすることではないし、大人の対応をして、しかるべき適切な行動をする」という話なんですよ。
最後に:大人の対応と妥協ができない人は社会で損をする
協調性と思いやり
何度も言うように、彼らの主義・主張そのものを全否定するつもりはありません。
企業・組織の対応だとか、マスクの効能だとかは専門家でも見解が分かれていて、そこの議論はすべきでしょう。
しかし今回問題となったのは、「迷惑になることや、攻撃的な言動・行動で相手に危害を加えた結果、周囲を混乱させたから」であって、主義・主張はきっかけです。
彼らの主張が鼻についてしまうのは、大人の対応や妥協ができていないのもありますが、記事やインタビューから匂わせる、
- 【共感性の低さ】相手の気持ちや状況を考える思いやりがない。
- 【プライドの高さ】自分から折れるようなことをしない。
- 【被害者意識】「俺は被害者だ。世間の風潮や相手が悪い」という意識。
- 【自己中心性】強すぎる自己愛や、独りよがりの我(が)の強さ。
これらの要素がにじみでているからでしょう。
真偽不明ながら、飛行機のマスク拒否をした男性のブログやツイッターらしきものには、自分の迷惑行為・暴力的な行動や言動を棚に上げて、正当性やマスク風潮、科学的論拠の問題にすり替えていたからね。
これも繰り返しですが、『対応の適切さ』『マスクの効果と体質』『迷惑行為と想像力』は分けなければなりません。
今回の話で、対応やマスクの風潮、科学的根拠を中心に語るのは、論点が異なるスジ違いな行動ですし、発端になったふたりは立派な大人です。
個人の考えはあるとしても、思慮深く行動してほしいものですね。
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プロフィール
赤竹ただきちTadakichi Akatake
仕事で「YMYL(医療・健康・お金)記事をほぼ生成AI任せに書く」という、「これありえないだろ……」という他社事案に遭遇し驚きを隠せない。
というのもGoogleは2016年にWelq事件があったから、YMYL記事は独自性・信ぴょう性を厳しくチェックするようになっているんだよね。
それにYMYL記事を生成AI任せに書くとペナルティになる可能性も発表していて、こういった記事では生成AIを使うのはいいにしても、検証・監修で補完することが必須。
これを理解せず「SEOを上げるお手伝いをします!」という業者がやるんだから、いくらなんでもリテラシーが低すぎる。それで検索ペナルティを受けたら損害賠償モノなんだけどなぁ。
イラストレーター・マークアップエンジニア(コーダー)・Webデザイナー・ライターのウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。
コーディングとWebデザインは両方可能。納期が短いなどいった案件では、「デザインとコーディングのアドリブ同時進行」という荒業もおこない、SEO施策を意識したマークアップも得意。
フリーランスとの進行ディレクション・指示や、面接担当の経験が幾度もあり、プロ・趣味問わず、絵描きを含めたクリエイティブの姿勢には少々シビア。
「自省・リテラシー・正しい批判の認知・意識向上」をライフワークとし、当サイト記事も「気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。
当サイトの記事は中学生でも理解できるように計算しながら執筆しており、ネット・SNS上で「わかりやすく参考になる」とご好評の声多数。
「言い訳せずに下手でも自分の弱さを認め、背かず自省して学ぶ意識を忘れない(=謙虚な)人」は、年齢・性別問わず好きなタイプ。
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