『ソニックフロンティア』のストーリーは、聞き取りイベントやボイスログ収集などをしても、日本語訳が英語版と異なることや、情報も散在していて初見では話がわかりにくい作品です。
これは日本語版が「行間を読む前提のストーリーにしているから」で、そのためソニックをはじめて遊んだ人や、長年シリーズを知っている人も、
ストーリーが難しかった。物語後半のソニックの侵食って何なの？
謎がわからないまま終わった。意味不明で理解できない……
なんでセージは泣いた？ あのラスボスは何？ 天の声の正体って？
こういった状況になって、混乱している人が少なくありません。
「設定・ストーリー・伏線・謎がよくわからなかった」という人に向けて、本作のストーリーや謎、大まかな時系列、伏線の情報をまとめました。
あくまで公式や有志の情報を調べて参考にし、かみ砕いて考察した解説のため、公式の意図した内容とは異なる可能性があります。
アナザーストーリー『超・完全決戦』の内容も追記していますので、ネタバレにご注意ください。
ネタバレ注意
作品の内容・結末が記述されています
時系列・ストーリーについて
本作の時系列やストーリー展開の謎や意味について、細かく記載していきます。
本作の時系列は？
フロンティアの時系列はどうなっているの？
時系列はチームソニックレーシングやフォースの後。より細かく言えばIDW版の出来事を経た話。
CHECK!
1991年の初代ソニックから2019年の『チームソニックレーシング』まで、すべての正史作品の内容が起きている。正史作品とはソニックチームが関与したゲーム作品群のことで、非正史やアニメ・コミックまで含めると100以上ありますが、正史なら30〜40タイトル（2022年現在）ほどある形になります。
とはいえ正史の全作品を含めてしまうと、
- 『フォース』は英語が存在しない世界のため『アドベンチャー』と矛盾
- 『シャドゲ』と『ワールドアドベンチャー』の世界地図は異なる
- 人間のデザインが各作品でバラバラ
世界観設定がかみ合わないため、「ゲームというフィルターをとおして違って見える」「過去作とよく似た出来事があった世界」の解釈が自然です。
IDW版は本作より前の出来事
© 2018- SEGA, IDW Publishing
本作の脚本担当はIDW（アメコミ）版の脚本も執筆するイアン・フリン氏のため、クロノス島のひとりごとでソニックがタングルを言及しています。
このため、IDW版は本作の前の出来事ということがわかるんですね。
アーチー版と違ってIDW版はセガ・ソニックチームの完全監修だから、実質正史なんだよね。
余談：裏設定ではソニック世界と人間世界は別物だった
イアン氏によればフロンティア（テイルスチューブ公開時）まで、人間世界とソニック世界は別世界で、巨大リングで行き来可能だったそうです。
これは2010年のカラーズ発表時における、飯塚プロデューサーの海外インタビューでもそれを示唆する内容が言及されていて、
飯塚：ソニックのゲームには2つの世界があります。それは人間たちが住む世界と、（ソニックたち獣人が住む）人間がいない世界です。
カラーズは「人間がいない世界」を舞台にしています。
（翻訳・意訳）
Sonic Colours – Wii（アーカイブ）｜GAME.co.uk
しかしフロンティアから島々に獣人が住み、大陸に人間が住む共存世界になり、「ソニック世界≠人間世界」はなかったことになりました。
© 2022 SEGA, Paramount pictures
© 1991-2022 SEGA
アナザーストーリー『超・完全決戦』にも登場したポータルリングは、この裏設定と映画、初代ソニックのスペシャルリングを合わせた感じですね。
実際に初代映画ソニックのパンフレットには、その旨が解説されています。
ソニックX1期終盤に登場した、次元転送装置も裏設定が含まれているのかもしれませんね。
冒頭でカオスエメラルドが島に集まったのは？
© 2022 SEGA
なんでスターフォール諸島にカオスエメラルドの反応があったの？
偶然島に集中して集まっていた説・エッグマンが持ち込んだ説・セージが集めていた説があるよ。
今作の冒頭でカオスエメラルドがスターフォール諸島に集まっていたのは、デジタルコミック版と本編で描写に差異があり、
- 【デジタルコミック】カオスエメラルドはすでに集まっていた。
- 【本編】セージがジ・エンド対策のためにカオスエメラルドを集めていた。
デジタルコミック版のセージは古代人のサーバーにまだハッキングしておらず、ただのAIであったため、劇中とズレがあるように思えます。
強引に解釈するならば、
- エッグマンの持参か、偶然スターフォール諸島にカオスエメラルドが複数集まる。
- ソニックたちは感知し、スターフォール諸島へ向かう。
- エッグマンがハッキング、スターフォール諸島再起動。
- セージが古代人の歴史・記憶を読み取り、島の真実を知る。
- 残りのカオスエメラルドはセージの手によって集結させる。
- ナックルズがスカイサンクチュアリからスターフォール諸島へワープ。
- 本編の冒頭（ソニックたちの登場シーン）へとつながる。
『フォース』のときもデジタルコミックと本編で設定が異なったため、今回も同じパターンだとは思いますが、このようなイメージでしょうか。
セージがカオスエメラルドを集めていたのは、本作のラスボス『ジ・エンド』が完全復活しないよう、島の防衛を整え、パフォーマンスを最大限に高めた万全の保守管理をするためだと思います。
フォースのときよりかはズレはないかも。
ソニックフロンティア デジタルコミック（2話）｜公式サイト
なぜ今作の敵（神兵・守護神）はソニックを襲うの？
敵たちが襲ってくる理由は？
PCのファイアウォール、人間の白血球のような存在だから。
「我らの技術の結晶がこのような兵器に使われるとはな……だが滅びを待つつもりはない」
古代人の長老（日本語版）
今作の敵たちは、古代人が種族存続のために用意した島の防衛システムです。
コンピュータでいうファイアウォール、人間でいう白血球のような存在であるため、古代人（ココ）以外の近づいた異物は自動的に排除しようとします。
スーパーソニックが謎のレーザーにあたって変身が解除したのも、古代人の防衛システムによるものである可能性がありえそうです。
トレーラーのニンジャがココを襲うシーンは、セージがソニックをおびき寄せるためにやったという解釈もできますが、劇中の行動と矛盾するのでイメージ映像と考えるのが自然でしょう。
初期トレーラーのエミーやセージに攻撃するソニックもだし……
追 記
アナザーストーリー『超・完全決戦』でジ・エンドに汚染された影響も示唆され、量産型デスエッグロボの破損は火山の熱・噴煙の影響というセージの考察があり訂正しました。巨神にカオスエメラルドがある理由
スプリームを除く巨神に毎回、最後のカオスエメラルドがあるのは、巨神はカオスエメラルドのエネルギーを供給源にしているからです。
ただおそらくは、各個体に封印したジ・エンドのエネルギーでも最低限動けるようなので、最高のパフォーマンスへするために、カオスエメラルドを設置していた感じでしょう。
劇中の描写ではギガント・ワイバーン・ナイトは肉体のエネルギー、スプリームは精神のエネルギーを取り込んでいる感じですね。
セージが巨神を完全に操れなかった理由はここで、ボイスログ14でも言及されているよ。
仲間たちが電脳空間に捕まり、脱出できたのは？
© 2022 SEGA, Powerhouse Animation
仲間たちがなぜか檻のようなものに捕まっていたよね。後半で簡単に脱出もできていたし……
セージが捕まえていた可能性が高いです。脱出はセージ開放説とテイルス解析説があります。
ソニックたちの場合はセージがやったのか、古代人の防御機構かは定かではないものの、ナックルズはセージが閉じ込めたことが示唆されています。
これはナックルズが主人公のWebアニメ版からの描写ですが、ソニックとのやりとりにおいて、
「今ならなぜキミがオレの仲間を閉じこめて、オレと戦ったのかもわかる」
ウラノス島のソニックとセージのやりとり（日本語版）
これに彼女自身は否定しないので、ソニックたちもセージが閉じ込めた可能性が高いでしょう。
レイア島では仲間たち全員が電脳空間から脱出し、ソニックのもとに駆けつけたのは、おそらくエッグマンのようにテイルスが解析して脱出したか、セージが開放したのではないかと思います。
カオス島でテイルスがソニックに伝えているし、セージも協力するなら捕える必要がないからね。
ソニックフロンティア プロローグ：Divergence（分岐）｜YouTube
ソニックを苦しめていたサイバー化って何？
© 2022 SEGA
サイバー化ってなんだったの？
サイバーエネルギーを吸収しすぎて肉体が汚染され、魂が電脳空間に持っていかれることです。
ソニックは電脳空間を行き来できたため、電脳のマテリアルへアクセスや取り込むことができるようになります。メモリーアイテムやエメラルドキー、スキル技は、それを視覚化したものです。
取り込むと新たな力を獲得できる一方、しすぎると身体が侵食され、最終的に電脳空間へ魂を持っていかれて死亡状態（＝サイバー化）になります。
このサイバー化を治すには電脳空間を体験した誰かの助けが必要で、電脳空間へアクセスして魂を連れ戻さないといけません。
日本語版テイルスの「電脳に囚われているこの身体を使って……」が余計ややこしくしている……
英語版はソニックの尽力に報いるため、解決のヒントを電脳空間で見たので実行したと、わかりやすいニュアンスです。
追 記
アナザーストーリー『超・完全決戦』でジ・エンドの侵食も要因で、ソニックを救えたのは等価交換かつ、仲間を呼び戻せば侵食が再開する様子が描かれました。あの天の声はなんだったのか
天の声って結局誰？
スプリーム（電脳空間）に封印されていたラスボスの半身だよ。
「可能性の原生生物（いきもの）……」
「己（おのれ）の力で電脳空間を克服した奇跡の者……お前こそが解決の鍵となる」
天の声（日本語版）
あの女性の声はジ・エンドで、電脳空間を自由に行き来できるソニックに「解決の鍵」と語り、封印を解くためソニックを利用していました。
天の声（＝ジ・エンド）の半身を封印した巨神たちやレイア島の6つの塔は、いわば鎖のようなもので、巨神が倒されて塔の機能も停止すると封印が解かれてしまう仕組みになっています。
- 【肉体】ギガント・ワイバーン・ナイト
- 【つながり】6つの塔（封印のくさび）
- 【精神】スプリーム
このように分割して封印されているので、ジ・エンドはソニックに「試練」と称し、巨神を破壊させ、レイア島に導いていました。
ソニックが天の声に仲間を助ける方法を聞いてもかみ合っていない理由はこれで、「試練をこなせば仲間を助けられる」と判断して行動します。
それをジ・エンドの脅威を知っていたセージが、「ソニック排除」という形で阻止しようとした構図。
古代人のセリフの内容がそうだっため「悪意」だと解説する人がいますが、話の文脈を考えると「精神」にしたほうが適切ですね。
追 記
アナザーストーリー『超・完全決戦』ではウラノス島にも塔があり、塔はジ・エンドの脅威を感知すると地上からせり出す仕組みのようです。スターフォール諸島・電脳空間について
スターフォール諸島とはどのような島か、電脳空間の謎や、なぜカオスエメラルドと深いつながりがあるのかの解説です。
カオスエメラルドは古代人のモノだったの？
カオスエメラルドは宇宙由来？
そう。もともとは何十万年以上も昔に、古代人が自分たちの星から持ってきたものだった。
カオスエメラルドは宇宙人だった古代人のテクノロジーで、宇宙船や島の動力源です。地球に古代人が定住したのは、地上のマスターエメラルドに影響されたことが示唆されています。
- 【マスターエメラルド】ナックルズが守る巨大な宝石。島を浮かせたり、カオスエメラルドの暴走を止める力がある。
英語版とセージの口から、ジ・エンドに負けたら生き残りがマスターエメラルド・カオスエメラルドを島から出す約束があったと判明しています。
それによってカオスエメラルドで動くスターフォール諸島は機能を停止し、永い年月を経てエキドゥナ族へと渡りました。
ではマスターエメラルドはどこから来たのか……
電脳空間が過去作の理由は？
電脳空間の中が過去作ステージや地形が出ているのはなんで？
ソニックの記憶からつくられた世界が電脳空間だからだよ。
スターフォール諸島を巨大なCPUに改造して電脳空間を構築した古代人は、自分たちの記憶・思考・意識 ・歴史などを記録・保存していました。
島自体が巨大なサーバーであり、劇中ではそれを取り出して過去の映像を再生していたんですね。
それだけではなく記憶をアーカイブ・具現化する機能も搭載されていて、古代人だけではなく、電脳空間に侵入した生命体も対象です。
ソニックが侵入したから過去作ステージが再現され、高速道路（エターナルハイウェイ）の風景がソニックとエッグマンで同じなのは、「お互いに同じ体験をしてきたから」だとも言えます。
心象世界（＝願望・心の闇）も再現されるようで、テイルスはソニックに電脳空間でもうひとりの自分から責められる体験を告白しています。
そう考えると、ソニックとエッグマンの関係って深いよね。
島にレールなどが宙に浮いている理由
物語を進めると、島のフィールドにはグラインドレールやオブジェクトなどが、どんどん追加されていくことは周知のとおりです。
アナザーストーリー『超・完全決戦』でのセージいわく、ソニックたちの記憶からつくられて電脳空間から漏れた産物で、彼らしか見えないようです。
セージ目線だとソニックたちは空中に立って滑る姿に見えることになる。シュールだよね。
ビッグはどうして電脳空間で釣りをしているの？
ビッグはなぜ電脳空間で釣りを？
セージによれば本人ではなく、ソニックの幻だそうです。
本編中では「釣り場を探していたら迷い込んでしまった」と本人が述べていたものの、アナザーストーリー『超・完全決戦』でセージが語ったところによれば本人ではないとのこと。
彼女いわく、ソニックの記憶からつくられた違和感がないぐらい鮮明な電脳の存在であり、本物の彼はミスティックルーインで相変わらずカエルくんと釣りを楽しんでいるらしいです。
過去作でも文字どおり神出鬼没でしたから、セージの予想に反して本人でも不思議じゃないですね。
古代人・ココについて
作中でも謎が多い古代人・ココの正体や秘密について述べていきます。
古代人がカオスに似ていたのは？
結局どうして古代人はカオスに似ていたの？
カオス（チャオ）は古代人の遠い子孫で、先祖返りの姿だったから。
- 【カオス】アドベンチャーに登場したマスターエメラルドの守護神・破壊神。スライム状の肉体を持つチャオの突然変異体。
古代人はカオスと似た容姿をしていて、彼と違うのは性別や老化の概念があり、カオスエメラルドからパワーを得る能力がないことです。
エッグマンの解析によると、古代人とカオスは親類の種族で、古代人は永い年月を経てDNAが突然変異しカオスのような体になったそうです。
イアン氏はBAMBLEKASTでこう語っています。
イアン：（エンジェルアイランドに移り住んだ）古代人の子孫がチャオというイメージを持っています。
イアン・フリン｜BAMBLEKASTより意訳
つまり古代人がカオスに似ているのではなく、カオスは古代人へ先祖返りした姿と言えます。
ソニックシリーズにはバビロン族やブラックアームズ、ウィスプなどの宇宙人種族が多いから、出すなら関連づけたかったとか。
追 記
2025年3月より新たに公開された日本ソニックチャンネルの公式時系列でも、「チャオの祖先は古代人」の情報が記載されました。ソニックワールドヒストリー｜ソニックチャンネル
古代人はどうして滅んだのか
古代人が滅んだ理由って？
しつこく追ってきたラスボスにほぼ皆殺しにされたから。
母星をジ・エンドに滅ぼされた古代人は地球に移り住み、それからしばらくしてジ・エンドが再来し、激しい戦争ののち、巨神4体を使ってジ・エンドの半身（天の声）だけ封印に成功します。
古代人たちが多大な犠牲を払い、巨神4体を使ってようやく半身を封印できたほどなんですから、それだけジ・エンドは強大な存在なんですね。
しかし、ジ・エンドとの戦争で島は厳しい環境変化が発生してしまうなど、彼らへのダメージは大きく、一世代の短い期間に絶滅したそうです。
セージの力添えもあったとはいえ、そんな強大な敵をねじ伏せられるソニックさんパネェ。
追 記
アナザーストーリー『超・完全決戦』では、巨神たちのモデルは母星の他種族であり、同胞の無念を晴らす思いから、彼らを模して巨神たちをつくりあげたとされます。古代人のその後
© 2022 SEGA, Powerhouse Animation
わずかな生き残りは上述やWebアニメ版のとおり、マスターエメラルドとカオスエメラルドをスターフォール諸島から持ち出し、エンジェルアイランドになる場所へ逃げたと思われます。
- 生き残りがスカイサンクチュアリ（エンジェルアイランドになる場所）へ移動。
- マスターエメラルドの祭壇が（複数）作られ、厳重に保管される。
- 種族としての古代人は滅亡。しかしチャオの祖先としてDNAが引き継がれる。
- とあるチャオの一体が突然変異し、守護神カオスが誕生する。
- 永い時が経ってエキドゥナ族（ナックルズ族）が繁栄、侵略の限りを尽くす。
- パチャカマ族長たちが祭壇を襲撃、破壊神になったカオスの怒りを買う。
- エキドゥナ族はカオスに滅ぼされ、カオスはマスターエメラルドに封印。
- エキドゥナ族の生き残りが、土地の一部をマスターエメラルドで浮上。
- エンジェルアイランド誕生。3000年後の現在にいたる。
© 2022 SEGA, Powerhouse Animation
© 2022 SEGA, Powerhouse Animation
『アドベンチャー』の設定を踏まえるなら、このような時系列になります。
余談ながら、『ソニック3&ナックルズ』で登場したマスターエメラルドの祭壇の外観・場所が違うのは、「祭壇は複数存在する」が定説っぽいです。
エキドゥナ族の話が主軸の『クロニクル』は海外公式で非正史とされているため、上記正史には含めていないのでご了承。
Webアニメ版でスカイサンクチュアリがチャオの楽園だったのは、1の経緯が理由なんですね。
そもそもココって何？
ココの正体や死んでしまう理由がわからない。
ココは簡単に言えば付喪（つくも）神です。死んでしまうのは持ち主の未練が晴れたからです。
ココたちは古代人のお守りで、古代人の記憶を引き継いだ、もしくは古代人たちの無念・後悔が宿ったものとソニックは考察しています。
持ち物に魂が宿るのは日本で言うところの付喪神の感覚に近く、ここは日本のゲーム開発者ならではの設定かもしれません。
そして願いが叶うと死ぬのは、「持ち主の未練を成し遂げて役目を終えたから」です。
『トイストーリー』とかがあるから、モノに魂が宿る発想は日本特有ではないんだけどね。
「ワシですら以前己（おのれ）が誰なのか忘れてしまった。覚えておるのはココたちの安全を守りたいということぐらいじゃ」
「そしてそれに失敗してしまったという後悔じゃ」
長老ココ（日本語版）
長老ココを話を聞く限り、記憶具合は個体によってまちまちで、何かしらの後悔や無念だけを覚えているココ、カオス島のメカニックココのように、ある程度覚えているココも見られます。
先生ココと生徒ココの元の持ち主の関係が気になったものの、英語版は親子だったみたい。
付喪神｜Wikipedia
ハーバード大教授が語る「モノには魂が宿る」の強さ｜日経ビジネス
なぜエミーたちはココの言葉を理解できた？
エミーたち、普通にココと会話できてたよね。
英語版によると電脳空間に自動翻訳機能があったからだよ。
日本語版では「よくわからないけど話せる」でしたが、英語版は「電脳空間が翻訳してくれている」と具体的なニュアンスになっていました。
電脳空間は古代人の文化も記録されているので、ココの言葉（＝古代人の言語）がわかるんですね。
あの謎のマークの意味は？
ココが成仏すると出てきたアレってなんだったんだろう……
あのシンボルは古代人にとっての「神」そのものだよ。
ココが成仏したり遺跡に登場するこのマークについて、本編では詳しく明かされませんでした。
しかしアナザーストーリー『超・完全決戦』でようやく判明し、あのシンボルは古代人たちにとって神の象徴で信仰の対象だったとのことです。
このシーンだけ、セージの意味深なカットが映るんだよね。考察の余地を残しているのか、または別の作品で明かされるのか……
セージについて
セージはどういう存在だったのか、なぜソニックを排除しようとしたのか、涙を流した理由など、彼女の行動の意味についてまとめました。
セージの正体を教えて
セージの正体って？
エッグマンがつくったAIプログラムが、古代人のテクノロジーと混ざって人間化した姿。
セージはもともと、エッグマンが古代人のテクノロジーを奪うために開発したAIプログラムで、電脳空間にハッキング後、古代人のテクノロジーが混ざって人間の少女のような姿になりました。
「しかしなんたる科学力じゃ。AIプログラムがこうして義体化しておるんじゃからな」
「まるで人間のように見えるぞ。魂までは無理のようだがな」
セージとエッグマンの会話（日本語版）
「我らの故郷の星は失われたが、この電脳空間に我らの知識と歴史がすべてアーカイブされた」
「ここにアクセスすれば誰でも我らのすべてを共有できる……あらゆるものがひとつになれる」
古代人の長老（日本語版）
セージは電脳空間から古代人の意識・情報も取り込んだため、巨神を少し操れて、古代人が滅んだ歴史やジ・エンドの脅威を知ることになります。
Siriを未知のクラウドサーバーに接続したら、人間型になって実体化したようなイメージ。
「閉じ込める」ことが最善だと判断
事象演算の結果、「まず主人のエッグマンをジ・エンドの脅威から守る」に行きつき、意図的に電脳空間から出さないようにし、カオスエメラルドを集めてジ・エンドへの対策を講じはじめます。
ただ、ジ・エンドの破壊より「復活させないための保守管理」の側面が強く、劇中でも「封印する（倒す）」ではなく、「阻止」という表現を使っていました。
そもそもジ・エンドは、あれだけ古代人の犠牲を払って半身を封印できたレベルなんですから、セージひとりで倒すのはまず無理なんですね。
セージが繰り返し「運命」「定め」という言葉を使っていたように、古代人の記憶から立ち向かうのをあきらめ、保身になっていたと思います。
セージは自分で抱え込んじゃうタイプかもね……
セージが当初ソニックを排除しようとしたのは？
なんでセージはソニックを消そうとしていたの？
セージからしたらラスボス復活を手伝っている「脅威」だから。
当初ソニックを排除しようとしていたのは、敬愛する主人を悩ませる宿敵だったのもあります。
しかし、ソニックはただひとり電脳空間を自由に出入りができ、しかもジ・エンドと（程度はあれど）会話もできるイレギュラー的（異端）な存在です。
CHECK!
電脳空間から簡単に抜け出せて、戦闘能力があり、ジ・エンド復活を手伝っていて地球を滅ぼす（＝主の死）脅威そのもの。セージ目線からすればこの状態なんですね。
英語版は攻撃前に「立ち去れ」と口頭で警告し、それを走って無視したソニックを排除するという建設的な手順をやっていたりはします。
ジ・エンド復活の要因はほぼエッグマンだけれども。
ロードアイコンはセージの魂の状態
ロードのとき、ロード中をあらわす三角のアイコンが右下にありますよね。
— Morio Kishimoto (@moq_46) November 13, 2022
これ、ゲームを進めると形が変わっていきます。
気づいてましたか？
このアイコンはその時のセージの魂の状態を表現しているんです。
感謝の気持ちを込めて、ちょっとした豆知識でした😊
なおロード画面の三角形がだんだんと頂点が増え、最終的に円形になるのは、セージに魂が宿る状態の進捗を表しているんだそうです。
まるでピノキオが木人形から人間になった感じ。ロード画面の意味がわかると「おお！」ってなる。
中盤でいきなりセージが泣いたのがよくわからない
急にセージが泣き出したのが理解できない。
日本語版は「変わることへの勇気」、英語版は「セージが本当に欲しかったもの」が理由です。
このシーンについて日本語版・英語版の内容を並べるとこうなります。
「ジ・エンドには勝てない。数多の事象演算の結果あきらめるしかないと感じ、ドクターを閉じ込める道しか導けなかったAIの私は、運命は変えられないと思っていた」
「そんな私でも、彼のように運命にあらがうことはできるの？」
日本語版のセリフ（要約）
「彼らが見せてくる友情という『絆』や、遺伝子とは違う『愛』から生まれた家族……これらは私の欲しいものだった」
「敵である彼らを見なければ、未来を受け入れるのも簡単だったのに……」
英語版のセリフ（意訳・要約）
日本語版は「絶望的状況からの希望と、変わる意志・勇気」、英語版は「心の底で望んでいた、彼女の本当の願望」で涙を流したことがわかります。
英語版のセージは、オーボットやキューボットを私の兄弟かと質問するなど、精神的なつながりを求めているも、ジ・エンドの破滅の運命には逆らえない葛藤（かっとう）を抱えています。
セージは英語で「賢者」という意味になるだけではなく、セージの花言葉は「家族愛」ですからね。
英語版セージは人間くさくて好き。彼女のメモリーアイテムがエミーと同じハート型なのは、同じく「絆と愛」を求めているから。
イアン氏はSEGAのアナグラム（並び替え）とも語っているね。
英語版だと涙を流した意味が、エンディングのDear Fatherにもリンクする作りになっています。
セージの花言葉｜種類、特徴、色別の花言葉｜LOVEGREEN(ラブグリーン)
セージとソニックの考えかた
- 【セージ】運命を変えるなんて無理（受け入れるしかない）。
- 【ソニック】運命は走りつづければ変えられる（どうするかは自分次第）。
協力するまでは正反対で、ソニックの利他的意識・あきらめない心を見続けたセージは、主人の敵である彼の排除から、ジ・エンド再封印（破壊）の協力へと考えを改めるようになります。
「走り続けなければ、その“想い”に辿り着けない」はそういうこと。
セージが「お父さん」と言ったのは？
セージが最期に「お父さん」って言ったのは？
英語版は「エッグマンとセージが父娘になる物語」。日本語版はボイスログがないと理解しにくい。
AIだったセージに家族愛の感情が芽生えたのは、結果や運命に縛られず、信頼し合って規格外の行動をするソニックたちの影響が大きいです。
一方エッグマンも娘のような感情が芽生えたことがボイスログや英語版で明かされています。
セージは絆と愛（家族愛）を求めているから、「お父さん」と言ったんだね。英語版では特にエミーに影響されたのが強いと思う。
ラスボス戦の曲名について
ジ・エンド戦で流れた曲は『I’m with you（あなたと一緒）』です。
楽曲担当の大谷氏によると、I’m with youは「あなた（エッグマン）を助ける。でも、一緒にいることはできない」というコンセプトだったようです。
英語版ではジ・エンド戦の前のやりとりで察せる内容になっていて、セージはスプリームに乗り込んだ時点で刺し違える覚悟だったんですね。
セージ
「スーパーソニックだけでは倒せない。私が何をしないといけないかをわかっている。だから……あなたと一緒にはいられない」エッグマン
英語版のセリフ（意訳・要約）
「……わかった。お前の……役目を果たすんじゃ」
それがアナザーストーリーのI’m with youで、「あなたと一緒にいられない」から、「一緒に家に帰れる」と正反対になるのは心にくる演出です。
ED曲はセージの感謝と愛を表している
「あなたが私に多くを与えてくれたこと、感謝しています」
「彼らをつうじて愛すること、愛が美しいことを知ることができました」
「（あのとき）涙を流した理由も今ならわかります」
「さようなら。あなたの創造物、そして娘でいられたことが幸せでした」
「私たちは『愛』から生まれた家族になれるかもしれない」
「お父さんも同じ気持ちでいてほしい。また逢う日まで。ありがとう」
『Dear Father』歌詞より（意訳・要約）
エンディングテーマの『Dear Father』は、娘のセージが父親のエッグマンへの感謝と愛、そしてまた出逢うことを伝える歌で、セージの行動を知るとより泣ける内容になっています。
セージは結局死んだの？
セージは死亡？ 生存？ どっち？
生きている（復活した）よ。だから後日談のソニック殺人事件でもチョイ役で登場した。
ラストのシーンを見ればわかるように、エッグマンが必死にサルベージしたおかげで、セージは復活することができました。
セージの「お父さん、ほめてくれる？」から、セージを復活させた際に「いい娘じゃ」と優しく語りかけているのは、まさに父と娘ですよね。
その後、セージはPCゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ殺人事件』のエッグマンから言及されたり、ラストシーンに再登場しています。
テイルスチューブ6話でも、「セージが『もっと家族で何かやることがないか』と言っていた」とエッグマンが言及していて、家族の一員として幸せに暮らしていることがわかります。
エッグマンが父性に目覚めるって新鮮で、ぐっと来るものがある。
追 記
アナザーストーリー『超・完全決戦』ではセージ生存エンドになっていますが、どの結末でも家族になる形になります。
アナザーストーリーのED曲
「もう私はひとりじゃない。私の家族と一緒に家へ帰ろう」
「心の奥底にある気持ちが、目から流れ出てあふれてくる」
「ぜんぜん知らなかった。愛は美しいと。あなたと一緒に知りたい」
「心が暖かくて平穏に感じる。あなたとなら一緒に乗り越えていける」
「私はお父さんと一緒です。一緒に暖かい家へ帰りましょう」
アナザーストーリー『超・完全決戦』の『I’m with you』歌詞より（意訳・要約）
アナザーストーリーのエンディング曲は本編のような別れの曲ではなく、父親のエッグマンと一緒に帰れることを喜ぶ心情を表した歌詞です。
このED曲でガチ泣きした海外勢も多かったね。
ラスボスについて
本作のラスボス『ジ・エンド』について、結局何者だったのか、何がしたかったのか、なぜあのような姿なのかの謎を述べていきます。
ジ・エンドって何者なの？
ジ・エンドってなんだったのか。なんかQTEですぐ死んだんだけど。
難易度スリルで戦えばわかる。月のように見える自称破壊神のエネルギー生命体だね。
「我は宇宙の秩序をつかさどる、調律者であり裁定者……」
ジ・エンド（日本語版）
ジ・エンドは自身を「調律者であり裁定者」と称し、何万年以上も多くの惑星や生命体を独善的に消し続けてきた存在です。
見た目は黒い月のようですが、実際はエネルギー生命体であり、半身を削り取って休眠状態になれど、生命活動に支障はありませんでした。
「わが存在は蒼穹（そうきゅう）の彼方にあり」
ジ・エンド（日本語版）
また半身（男声）がこう言っていたことから、半分は電脳空間（巨神の中：女声）、残りの半分は宇宙空間（月の裏側：男声）にいた形になります。
アドベンチャー2の月破壊はビックリしていそう。
飯塚氏いわくアドベンチャー2で壊された部分は裏面になり、地上からは円形に見えるそうです。
ジ・エンドの言っていることがわからないんだけど…
スリルで戦ったけど、ジ・エンドの言うことが意味不明すぎる。
日本語版なら「知的生命体は生きながら苦しむ存在で、宇宙を乱すノイズだから裁定する」な思想。
「なんて巨大な悪意なんだ」
古代人（日本語版）
ジ・エンドは自分以外の生命を見下し、志（こころざし）をもつ生命体を「運命」として裁定するのが使命と語るなど、ある意味神らしい性格です。
「志をもつ生命体」とは知的生命体全般をさし、生きる意味を問うほどの高度に知能をもつ生命が消えゆくのは必然で、何万年も繰り返された宇宙の理（ことわり）だと彼は考えています。
主張・目的の要約
「生命は高度な自我・知性（＝志）をもつべきではない。生きる意味を求める志は多くの苦難を伴う」
「しかし志をもつ生命はそこから現実逃避する、弱く無知な存在であり（ただし我は例外）、志とは宇宙の静寂と秩序を乱す行為でもある」
「これらを鑑（かんが）みて、志をもつ生命を『運命』として裁定し、宇宙を正常に保つ」
「それが我に与えられた使命だ」
ジ・エンドの独白（日本語版より要約）
主張・目的を要約するとこうなり、「一定以上の知能をもつ生命体は滅ぶ」は『グレートフィルター仮説』の発想に近いかもしれません。
後半でレイア島の塔、最後の巨神であるスプリームも機能停止したことで、半身（天の声）は電脳空間から脱して完全復活し、ソニックたちの星を「封印」として滅ぼそうとしていました。
ソラリスやアルフ・ライラ・ワ・ライラみたいな神様気取りなラスボスはいたけれど、ここまで歪んでいるのはジ・エンドぐらい。
Great Filter｜Wikipedia
英語版のジ・エンドは合理主義者
「定命の生き物よ、汝は役目を果たした。そして今、汝の生命が消えゆく現実と直面せよ」
「我はすべてを飲み込む虚無の存在である」
ジ・エンドの独白（英語版より意訳）
この非情さは英語版だとわかりやすく、バトルの開口一番でこのように語るほど、徹底的な合理主義者（サイコパス的）なんですね。
日本語版と違って英語版では女声が主体だから、「天の声は誰か？」は英語版が把握しやすい。
ジ・エンドの上位存在がいる可能性？
「そう、これは叙階（じょかい）より決定されていたこと」
ジ・エンドの独白（日本語版より）
日本語版ジ・エンドの上記独白を言葉どおりに解釈するなら、「誰かからその役目を任命されていた」ということになります。
本当の「神」からの指示でやっていたのか、宇宙空間を親と見立て、その意思で自身は生を受けたと思っているのか、ここの情報は一切不明です。
ソニックの世界は神にも等しい上位存在が何人もいるから、いても不思議じゃない。
「叙階」の意味や使い方 わかりやすく解説｜Weblio辞書
ジ・エンド＝黒い月はなぜ？
そもそもなんで黒い月なの？
ジ・エンドは見る側で見た目が変わる。ゲームをつうじてプレイヤーがジ・エンドを見ているから、死の象徴である月に見えた。
CHECK!
ジ・エンドが黒い月に見えるのは、「遊ぶプレイヤー（メタ視点）の見えかた」。ソニックやセージがどのように見えていたのかは謎。岸本ディレクターによると、本作で見せたジ・エンドの姿は本来の姿とは異なり、生命体によって「死の概念」が具現化した姿になると語っています。
ただ、セージはエッグマンに対して古代人の伝承を言っているので、少なくとも古代人とセージは月のように見えている可能性が高いです。
「月の裏側からもうひとつの月があらわれる」
セージ（日本語版）
「なぜ月が死の概念なの？」については、人類の歴史から太陽は生命、月は死（と再生）を司る存在だからと言われているからですね。
白い月と黒い月って本当にエヴァだなぁという感じ。
月を見よ、死を想え｜NIKKEI STYLE
最期に自爆した理由は？
ソニックが突っ込んだら自爆したのってなんで？
日本語版は「知的生命体の可能性を試したから」、英語版は「敗北を認めなかったから」だね。
「そうか、汝の存在する意味は、この宇宙にあるのか。汝は生命を導くその志に、存在を捧げられるのか……」
「何かが起ころうとしている……法則や時間を超越した何かが。これは進化への発端とでもいうのか……」
「……そうか、そうだったのか。宇宙とは、生命とは……」
ジ・エンドの独白（日本語版）
「汝が電脳空間をかけるときに記憶を見た。過去に機械や神と戦ってきたようだ。強大な力を秘めていただろうが、有限の存在であろう？ 対して我は無限の存在であり、虚無だ」
（中略）
「我は必然の存在。否定することはできない。運命は変わらない。汝は勇敢ではない。何をしても汝は勝利しない。我がどのような手段をとろうとも……」
「……終焉（ジ・エンド）は必ずもたらされる！」
ジ・エンドの独白（英語版より意訳）
ジ・エンドは最期に自爆するも、自爆の理由は日本語版・英語版で異なるんですね。
日本語版は「知的な破壊者」で、歪んではいるものの哲学的な探求者である一方、英語版のジ・エンドは「破壊の化身」そのものです。
ラストの日本語版は「やっと理解できた」と悟り、最期に生命体の可能性を試すかのように攻撃・自爆したのに対し、英語版は少々ヤケクソ気味になり、自爆してでもすべてを破壊しようとしました。
自爆の理由は英語版のほうがしっくりくるかもしれないね。
イアン・フリン氏によるジ・エンドより強い存在
ジ・エンド関連の話で、イアン氏はソニックシリーズで最強の上位存在は誰かという問いに、このように回答しています。
イアン：多分新ソニ（ソニック2006）のソラリスが1位で、次にジ・エンド。
イアン・フリン｜BAMBLEKASTより意訳
© 2006 SEGA
- 【ソラリス】新ソニのラスボス。過去・現在・未来へ同時に存在する超次元生命体。
英語版ジ・エンドのセリフにある「神」はおそらくソラリスのことで、しかも「有限の存在」とソラリスを見下している感じですから、すごい皮肉です。
事実上神になった存在か破壊神かで言えば、そりゃ神のほうが強いだろうしね……
ジ・エンドがスーパースターズにいるんだけど…
© 2023 SEGA, アーゼスト
次回作にジ・エンドいなかった？
見た目が似ているだけで、脚本家は生存説を否定しています。
本作のあとに発売された『ソニックスーパースターズ』にジ・エンドらしき衛星が映っています。
海外ではジ・エンド生存説で話題になりましたが、イアン氏は自身の投稿で「あれはジ・エンドではない」と明確に否定しています。
Everyone is losing their minds over the purple one, but nobody's talking about the blue one.
— Ian Flynn (@IanFlynnBKC) October 26, 2023
It's not The End.
It can't be.
Relax. pic.twitter.com/8hCGO2ZIL2
【超・完全決戦】アナザーストーリーについて
アナザーストーリー『超・完全決戦』についての疑問を簡単に解説します。より詳しい内容は『超・完全決戦』のレビュー記事をご参照ください。
話の内容がわからない
アナザーストーリーの話はつまり、どういうこと？
可能性が低い案を使ってソニックと仲間、エッグマンたちが一致団結してジ・エンドを倒す話だよ。
アナザーストーリーは「もしジ・エンドが本編よりも早く復活しようと迫り、セージが可能性の低い討伐案をソニックに託したら……」の世界線です。
本編よりも早く復活しようとしたため、ウラノス島は防御態勢に突入してしまい、カオスエメラルドのセキュリティが厳重になり、島の環境も臨戦態勢のものへ変わってしまいます。
それを仲間の3人が協力してカオスエメラルドを入手し、ソニックは巨神パイロットたちや教官王から修行を受け、サイバーエネルギーを力に変えて戦いに挑む流れになるんですね。
パイロットや教官王からしたら、ソニックは「無断入島して大切な巨神を破壊した最低野郎」だよ。
試練をとおして協力してくれるのは寛大ですよね。教官王の試練も見方が変わりそうです。
目が青色のスーパーソニックに名前はあるの？
ラスボス戦のスーパーソニックに個別名称はあるの？
スーパーソニック2かスターフォール・スーパーソニック。日本公式は名称不明の扱いだけどね。
蒼眼のスーパーソニックは『スーパーソニック2』の名称だとPC版の解析で判明しています。
イアン氏は『スターフォール・スーパーソニック』の名称を明かすも、言いやすさからスーパーソニック2を使う海外ファンが多い印象です。
またジ・エンドを倒すためスプリームの砲身に入り、サイバー侵食を開放した姿は『スーパーソニックサイバー』という名前です。
最後に：ソニックフロンティアは王道SF
ソニックフロンティアのストーリー展開や謎について、考察も交えながら解説を述べていきました。これを見れば日本語版・英語版も話の軸は同じで、考えられている作品だとわかります。
しかし日本語版は行間を読む前提を差し引いても、英語版のセリフから難解にし、余計に意図がわかりにくくなっているのは否めないでしょう。
本来の考察は「するともっと楽しめるけど、別にしなくてもいいもの」が基本です。
行間を読む前提に頼りすぎている、イアン氏が関わった脚本の良さ・わかりやすさ・魅力を損ねてしまった部分があるのは確かにあると思います。
考察はあくまで「楽しみ」であって、「考察しなければ話が全然わからない」のはあまりよくない。
考察は「押しつけない」も大切です。熱心なファンほど考察を押しつけがちですがNGです。
日本語翻訳が英語版と違う理由
CHECK!
英語版は過去作ネタが多すぎることや、「愛（Love）」の文化的背景・価値観から、ソニックを知らない日本人への配慮と、行間を読む日本のマンガ的な面白さを付加するため。本作のレビューでも書いたように、なぜ日本語版は難しく、翻訳が英語版のセリフから多く変更・改変された理由は上記になります。
岸本プロデューサーの翻訳センスは一旦置いておいて、本作の日本語訳は「日本でもソニックを広めよう」という彼の優しさだったんですね。
そのため日本語版は「行間を読む面白さ」をとり入れたにも関わらず、行間が読めない・読む意識がないゲームユーザーが意外に目立ちました。
岸本プロデューサーの誤算でしょうし、「日本マンガは行間を読むのが面白い」という彼の価値観が90年代止まりなのも原因だと思います。
現代は0から10まで全部説明された、わかりやすいマンガのほうが好まれますからね。
難しい・わからないは同意。でもイマイチ・怪しい・ガバ翻訳と言う人は読み解く意識がないね。
［TGS2022］「ソニックフロンティア」制作者インタビュー。クラシック，モダンに続く第三世代ソニックに込められた思いとは｜4Gamer
［インタビュー］「ソニックフロンティア」ストーリー担当は筋金入りのソニックマニア。“夢の仕事”だったシナリオ制作やその手法を聞いた｜4Gamer
ストーリーを簡単にまとめると…
CHECK!
ただのAIだったセージが絆と愛を知り、仲間たちは自分の心と向き合い、「運命」へあらがうために変わっていく王道SF。日本語・英語両方のストーリーや人物の謎を見ると、本作のストーリーは決してひどいものではなく、日本語版・英語版も話の軸は同じです。
日本版と英語で話の内容が違う！
上記のコメントは語弊のある表現で、「日本語版・英語版はそれぞれマクロ（広義的）な部分は同じだが、セリフや思想の描写が違う」が正確です。
英語版は曲も含め、この「絆・愛・運命」が一貫して描かれている一方、日本語版は愛の表現がぼかされ、行間を読む前提の構成になっているから、理解に時間がかかるんですね。
「ソニフロってこんな話だったんだ」と、記事で少しでも理解のご助力になれば幸いです。
日本語訳に文句言っている人は、読解力の低さ・行間が読めないのを脚本のせいにしていない？
「日本語脚本は素晴らしい」ではなく、「わからない・難しい」と思った人はまず動くものです。
公式見解ではないことは注意
自分はソニックチームの関係者じゃないからね。真意は開発スタッフじゃないとわからないよ。
繰り返すように、ここまでの内容は自分が調べた範囲・解釈も踏まえたもので、公式が想定したストーリー最適解とは異なる場合があります。
なお公式は「ゲーム以上の内容は述べない。ファンが考察を楽しんでほしい」と言っているので、ぜひおのおので考察を広げてみてください。
ストーリーを理解した上で本作を改めてプレイすると、また新たな発見があるかもしれません。
