
アメリカでは前作を超えて約500億円以上の興行収入を出したと話題になっている『ソニック・ザ・ムービー / ソニック VS ナックルズ』の感想です。
売上で優劣や価値が決まるものではないとはいえ、1作目からしたらおそらく映画スタッフも想像できなかったであろう快挙を、日本のテレビなどがあまりとり上げないのは不思議ですね。
「日本生まれのゲームキャラクターの映画が世界で絶賛」なんて、いかにも食いつきそうなだけに。

ソニック・ザ・ムービー / ソニック VS ナックルズ|sonic-movie.jp

ネタバレ注意
作品の内容・結末が記述されています
500億のハリネズミ

『Sonic The Hedgehog 2 – McDonald’s Happy Meal Commercial (2022)』
© 1940- McDonald’s
© 2022 SEGA, Paramount pictures
@Commercial Break
前作の段階で名探偵ピカチュウやバイオハザードなど、有名なゲーム原作映画を上回って1位を獲得し、再度「ゲーム原作映画の全米興行収入歴代1位※」になりました。
『鬼滅の刃』の映画で煉獄というキャラクターを「500億の男」をあやかり、「500億のハリネズミ」と一部の間で言われたそうです。
※2023年には映画マリオに抜かれたけれど、それでもスゴい快挙と海外で言われているそう。


『Corrida Sonic 2 – Etapa SP 2022』
@Lucca
吹き替え主題歌として、ゲームつながりで日本版スタッフロールではドリカムの楽曲が流れ、中村氏もチャンプ役で出演しています。
この主題歌は2021年に『お〜いお茶』のCMで流れた楽曲を英語歌詞にアレンジしたものです。
日本でも広告やCMなどで宣伝はしているとはいえ、海外ではそれ以上に映画の宣伝をやっていて、グッズ販売のみならず、マクドナルドのCMやハッピーセットも登場しています。
また2024年に続編公開や、パラマントプラスでナックルズが主人公のドラマも配信されます。
ソニックは日本生まれの海外コンテンツだから、熱量が違う。

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Sonic The Hedgehog 2 – McDonald’s Happy Meal Commercial (2022)|YouTube
UP ON THE GREEN HILL from Sonic the Hedgehog Green Hill Zone – MASADO and MIWASCO Version –|YouTube
「ソニック・ザ・ムービー」第3作、さらにナックルズを主人公としたTVシリーズの製作が発表|IGN Japan
Sonic The Hedgehog 2 – McDonald’s Happy Meal Commercial (2022)|YouTube
Corrida Sonic 2 – Etapa SP 2022|YouTube
前作以上に原作を反映・元ネタ


ゲームの世界を映画化

面白いんだけど、ソニックは必要なのか?
海外ファンの意見を見ても、「今作のほうが面白い」と評価する声が多かった。

前作を身もフタもない言いかたをすれば、「ハリウッド映画にソニックとその設定を入れた」という印象で、海外ファンから上記意見が見られました。
今作は一転してゲームそのままの世界の映画化し、ゲームの要素がこれでもかと出るため、熱心な原作ゲーム好きでも満足する内容です。
| 序盤のマンホール吹き出しとビル屋上のソニック | 『アドベンチャー』のパーフェクトカオス出現シーンと序盤のソニック初登場シーン。 |
|---|---|
| ミーンビーンカフェという店名 | 『エッグマンのミーンビーンマシーン(海外版ぷよぷよ)』が由来。 |
| テイルスが持っている小型端末 | 『ワールドアドベンチャー』のテイルスエレクトロニクス。 |
| ダンスバトルシーン | 一瞬だけソニックが『アドベンチャー』のパッケージポーズ。 |
| 連邦政府直属組織『G.U.N(ガン)』 | 『アドベンチャー』系列に登場する連邦軍『G.U.N(グン)』。しかしゲームでは特殊組織というより国軍=G.U.N。 |
| 氷山からスノボーでかけ下り | 『ソニック3&ナックルズ』のアイスキャップゾーン。 |
| トムの着メロ | グリーンヒルゾーンの出だし部分(原曲)。 |
| 遺跡から水路を滑り落ちるソニック | 『初代ソニック』のラビリンスゾーン。 |
| マスターエメラルドの祭壇 | 『ソニック3&ナックルズ』+『アドベンチャー』のマスターエメラルドの神殿。 |
| ストーンがエッグマンの衣装選びをするシーン | クラシック(メガドライブ時代)エッグマンの衣装が映る。 |
| 水上を走る | ブーストソニック作品ネタ。 |
| 泡を吸って呼吸 | ゲームの水中ステージ再現。 |
| テイルスの飛行機(トルネード号)の「761」 | 761マイル → 1224km → 音速 → ソニック → 「SONIC」。 |
| エッグマンの「ネクストレベル」のセリフ | セガファンにはおなじみの「Welcome To The Next Level」。 |
| 兵器を分解して超巨大ロボットをつくる | 『ヒーローズ』のメタルマッドネス。 |
| エッグマンの超巨大ロボット | 『ソニック2』のデスエッグロボ(こちらの名称で記載)。 |
| デスエッグロボの操作説明書 | ジェネシス(海外版メガドライブ)の説明書。「EGG」の文字フォントはセガのロゴ。 |
| ソニックが足でつついて倒す | 『新ソニ』でエリスを助けるシーン。 |
| マスターエメラルドをナックルズが修復 | 『アドベンチャー』のマスターエメラルドのかけら探し。 |
| ナックルズがぶどうを気にする | ナックルズの好物はフルーツ(ぶどう)。 |
761の数字は「音速(ソニック)」の数字を「マイル(マイルス)」で書く=ソニック&テイルスはニクい表現ですね。
マスターエメラルドの中からカオスエメラルドが出るのは本作独自の設定で、時間の都合上、エメラルドはひとつに絞りたい制作側のために飯塚プロデューサーの提案からうまれたそうです。
テイルスの本名はマイルス・パウアーで、「マイル毎時」が由来です。

今作におけるソニックたち

ソニック・テイルス・ナックルズは経緯こそ違えど、ゲームの雰囲気をベースにしつつ設定を掘り下げた感じになっています。
ソニックは前作は孤独からさびしがり屋なところが強調された一方、今作は家族ができたことから、さらに生意気でやんちゃな部分が出ています。
映画のテイルスは前作のクラシック寄りからモダン寄りのデザインに修正され、ゲームのような頼もしい性格とは言いがたく、「勇気が乏しいいじめられっ子ギーク(機械オタク)」でした。
ゲームのナックルズも真面目でだまされやすい純粋な性格でしたが、映画のナックルズは「力自慢の無知(世間知らず)な天然」が似合います。
父親が死んだ過去を持つなど、映画のソニックと同じ影のあるキャラクターになっていました。
お互いに和解したあと、トムやテイルスたちと野球対決(?)をしたのは微笑まししく、前作でソニックがひとり野球をしたのと対比になっています。
なお「ナックルズ族」ではなく「エキドゥナ族」なのは、当時はエキドゥナの単語の知名度が低かったためで、映画では時代の流れもあり後者を採用したと、飯塚プロデューサーは答えています。
トムはソニックの「友達」か「父親」なのか?

トムって前作では「親友」ポジションだったよね? いつの間に父親ポジションになったの?
「親友」でもあり「父親」という感じだと思うよ。愛情の形はひとつじゃないってことかと。

前作では「人間の友達」として関わったトムが、今作では「ソニックの父親」として扱われたことに、一部の人は違和感を感じたみたいですね。
今作のトムは「友人」と「父親」としての顔、その両面から見守るキャラクターだと思います。
友人として信頼し、親として心配している。冒頭のボートのシーンや、終盤でソニックがトムを「父さん」と呼んだのも、愛情の形はひとつではないのを表している描写ではないでしょうか。
ジム・キャリー氏の俳優引退作?


あくまで本人の公言
今作をもってジム・キャリー氏は休業・もしくは引退することを発表しています。
このニュースが発表された当時はウィル・スミス氏のビンタ事件後で、彼自身は厳しい意見を述べていましたし、心情的な部分のほかにも、業界に思うところはあるかもしれません。
映画ソニックの魅力の半分はジム・キャリー氏の存在が大きいといっても過言ではありません。
ジム・キャリー氏のいない映画ソニックは、クッパのいないマリオのようなもの。

ジム・キャリーが休業宣言、引退も示唆「もう十分やった。これ以上はいいかな」|シネマカフェ
「ソニック・ザ・ムービー」シリーズでは、ジム・キャリーが俳優を引退したとしても配役をし直すつもりはない|IGN Japan
戌神ころねさんをさがせ!

映画には公式から「ソニックアンバサダー」として認定されている、バーチャルVTuberの『ホロライブ』戌神ころねさん(ころさん)が吹き替え声優として登場しています。
……ただスタッフクレジットを見ると、ころさんの出番は役があるキャラクターではないため、おそらくは群衆や端役の人物でしょう。
ご本人も「しっかり耳をすまさないとわからない」と言っているので、映画を見てわかるのはファン(ころねすきー)でも難しいと思います。
追 記
本人によると、結婚式でソニックがワープするシーンと、デスエッグロボから逃げ惑うシーンに出ているそうです。ソニックx戌神ころね コラボ企画決定!|ソニックチャンネル
戌神ころねと映画「ソニック・ザ・ムービー/ソニックVS ナックルズ」を一緒に 鑑賞できる映画館イベント|ソニックチャンネル

気になったところ


疑問に思った描写
ここからは鑑賞中に感じた、気になったシーン・箇所ですが、この作品は前作を鑑賞しないとよくわからない箇所がそこそこあります。
- ソニックがなぜ地球にいるのか
- エッグマンがキノコの星にいる理由
- トム夫妻が親代わりになっているわけ
- トムとその周りの人間関係
一応楽しめるにしても、前作を観ないと頭にハテナがついて鑑賞することになります。
またキノコの星でエッグマンとナックルズがはじめて出会った際、エキドゥナ族でもフクロウ族でもない謎の種族が登場したものの、特に触れてもいませんでしたね。
一応映画連動のアメコミ版で明かされていて、『スカベンジャーズ』の名称でナックルズに雇われた集団であり、ナックルズがリングワープしてきたのは彼らのリングを使用したからだそうです。
ちょっとプレデターっぽいけど、装飾のモデルはゲームのバビロン盗賊団らしいね。

総評:ファミリー映画のお手本

前作からパワーアップした2時間映画ではあるも、コメディ調のアクション映画であるため、中だるみすることなく楽しめるファミリー映画でした。
前作以上に原作ネタが多い楽しみはある一方、そういった知識は「あったら楽しめる」レベルで、ソニックを特に知らない人でも楽しめます。
続編の制作やスピンオフも決定していますし、2022年末にはネットフリックスでアニメ『ソニックプライム』が配信され、同時期には『ソニックフロンティア』も発売されますね。
親子連れが多く、上映後に親子でソニックを語っているのは、ほっこりする光景だった。














