『ミニ四駆 超速グランプリ』をウデマエ(ランクレベル)28までプレイしたレビューです。
基本的にバージョン1.0.3時点でのレビューですから、今後のアップデートにより変更・改善・修正される可能性があります。
ミニ四駆 超速グランプリ|バンダイナムコゲームス
追 記
『ミニ四駆 超速グランプリ』は2024年5月7日にサービス終了しました。ネタバレ注意
作品の内容・結末が記述されています
タミヤ・コロコロアニキ編集部完全監修
細かいところのこだわり
このゲームはタミヤとコロコロアニキ編集部完全監修のため、細かいところのこだわりや調整が感じられる内容になっています。その一例を上げるならば、
- ゲーム内のSEのほとんどは、ミニ四駆関連から撮った実際の生録音
- マシンやパーツも実際の製品から3Dスキャンでデジタル化
- ミニ四駆がレーン(壁)にぶつかりながらのジグザグ走りまで再現
- お知らせ、説明書、ガイドのページは80年代の活字印刷を表現
- レーススタート時は、持ちかたで本物のようにできるボタン配置
- 実況音声は、実際にレース実況しているMCガッツが担当
このように、ゲームとは関係のない細部にまでこだわっていて驚きました。
本物のミニ四駆と同じ考えかたが必要
考えさせられる
本作はソーシャルゲームでありがちな、「最高レア装備のほうが強い」や「総合評価が高ければいい」……は、現段階だとほとんど通用しません。
ここが、ほかのソーシャルゲームとは一線を画していて、いくら激レア装備でガチガチに固めても、負けてしまうときがあります。
だから、実際のミニ四駆未経験な人や、ミニ四駆を触ったのが子供時代以来の出戻りした人には、ミニ四駆の基本的なイロハが学べる教材としても役立ちます。
むしろ、星1であっても適切な組み合わせのほうが勝つことが多く、実際のミニ四駆の同様の考えかたが重要だと感じた。
鬼門のMAP2
MAP2はいわゆる初見殺しの鬼門で、自分のようにクリアできずに詰んでしまった人は少なくないかもしれません。MAP1は適当なセッティングでも勝てましたから、急に難しくなるんですよね。
しかし先に説明したとおり、コースに合わせたセッティングをすれば攻略可能で、シャーシちゃんの「カーブが多いコースになる」というアドバイスを考えれば、たとえ星1のパーツでも勝つのは可能です。
自分がMAP2を攻略したとき、さらにマシン速度を上げる改造でおこなうべき箇所は以下です。
- プラスチックローラーをつける
- 無駄なパーツは外す
- タイプ2シャーシに換装する
- レブチューンモーターを改造
- 小径+大径ホイールを組み合わせ
「こんなものがいっぱいつまってるから遅いんだー!!」の近藤ゲンの言葉が役に立つとは……
マシンの印象が変わる
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』のアニメをリアルタイムで観ていた第二次ミニ四駆ブーム世代がゆえに、フルカウルミニ四駆以前のミニ四駆(特にレーサーミニ四駆)は関心が特にありませんでした。
しかしこのゲームのグラフィックで見ると、
あれ? レーサーミニ四駆ってカッコいいじゃん。
このように印象が変わりましたね。
フルカウルミニ四駆だとスパイクタイヤを履(は)かせればポリゴンが突き抜けますが、オフロードマシンはレーサーミニ四駆が似合いますね。
気になる箇所
改善に期待
ただ、現段階では気になる箇所が多々ありました。
コイン入手が大変
通貨コイン・経験値取得は各MAPで一定かつ、レベルを上げてもパーツ入手量が多少増えるか初回勝利アイテムを入手できる程度で、高レベルマシンと戦うメリットがあまり感じられません。
ゆえに改造やパーツ購入に必要なコイン入手が非常に大変で、CPUレベル10相手と戦うには10回戦わないといけないなど、その点もかなり手間でその分ガッツ(スタミナ)も消費します。
レベルでも通貨コイン・経験値取得が変動し、CPUレベルを5や10の倍数で区切ったほうが遊びやすいかと思います。
特定年齢層向けな構成
「このゲームはミニ四駆のイロハを学べる教材になる」とは書きましたが、このゲームのメインターゲット層はミニ四駆をやっている(もしくはかつてやっていた)2、30代向けです。
初回起動のムービーは完全にそれで、ミニ四駆を触ったことがない人や今の子供が、あのムービーで置いてきぼり感が出るかもしれません。
UI/UX問題
UI・UX部分(画面アイコン・画面配置)にもストレスになり、いまだに画面操作で混乱することも少なくありません。
たとえばパーツをお気に入りロックするときは、
- マシン
- アイテムリスト
- パーツ(開封済み)
- 該当パーツ選択
- その他
- (なし)変更
- ロック
初見でこれがお気に入りロックだとわかる人はそうそういないでしょう。
マシン欄とパーツ欄はメニューの段階で分ける、スワイプ(指スライド)でスムーズに各画面へ左右の画面転移があれば、直感的でしょうね。
ゲーム的に不親切な一面
まだそれだけならいいとしても、MAP2など急に難しくなったとき、仮に2位続きになってもアドバイスは表示されないので、どう改善したらいいかわからなくなり詰んでしまいます。
2位続きの場合でもアドバイスを聞けるようにしたり、攻略解説ページのスワイプ対応、次の項目へのリンク、パンくずリスト(今どの項目を読んでいるか)の導入などがあるといいかもですね。
現状では各ページを読んだらボタンを押して一旦戻らないといけないし、パンくずリストもなくわかりにくい。
ショップ・改造のシステム
ショップは縦一列に並ぶ形式で、個人的には4マス×4マスぐらいのグリッドリスト形式のほうがショップ感があって好きですし、明日も同じパーツが買える保証がありません。
そしてその改造に必要なアイテムも種類が多く、ただでさえ少ない通貨コインでやりくりしなければなりません。
そこまで子供時代をリスペクトしなくても……
シャーシちゃんのデザインとイラスト解像度
シャーシちゃんはVSシャーシがモチーフで、確かにあのバンパー形状は耳っぽく見えるのはわかるとしても、シャーシそのまますぎるデザインはいまだに慣れないんですね。
別に美少女にしろとかではありませんが、意匠がVSシャーシ程度でもよかった気がします。
軽量化のためか画面いっぱいの立ち絵解像度も低く、まるで10年前のゲームか3DSの画像のようで、気になる人は気になるでしょう。
でも「やること」画面のシャーシちゃんは可愛い。
総評:開発スタッフのミニ四駆愛を感じた
愛がなせる業(わざ)
通貨コイン・経験値・CPUレベルの仕様や、手間が多い画面レイアウトなど、リリースしたばかりなので改善を要する箇所はいろいろあります。
しかしその欠点があったとしても、タミヤとコロコロアニキ編集部の完全監修、一度リリース時期を伸ばしたこともあって、完成度・再現度は非常に高く感じました。
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