
ネット上では無理やり押させるような広告、健全なサイトでも性的でアダルト・ホラーな内容など、不愉快・不健全な広告が出され、見かける頻度が多くなりました。
また、こういった広告を消させないための広告除去(AdBlock)禁止ブログもあり、「広告とは何か」と言わんばかりの負の連鎖になっていますので、
- 不快な広告が増えた原因
- 上記広告への対策方法
- 運営者も考えてほしい広告の是非
こちらを以下から述べていきます。
この記事は「なぜコメント禁止にしているブログが増えているのか」という記事を分割し、再構成した内容です。よろしければこちらもご参照ください。

不快にさせる広告が非常に多い


大手もやっているのが
悩ましい
2000年代までの広告は、単に文章だけだったり、簡単な画像のバナー広告がほとんどでした。
しかし2010年代からの広告は、
- 【アニメーション広告】アニメーションを多用した広告。
- 【スワイプ広告】スワイプ動作を強制的にタップ行為にさせる広告。
- 【釣り広告】不健全・刺激的な内容で注目を集める広告。
- 【妨害広告】コンテンツ閲覧の邪魔になっている広告。
- 【誤タップ広告】閉じるボタンをややこしくしたり、押しにくくした広告。
- 【ショッキング広告】「ウイルスに感染」など、音や文言で不安にさせる広告。
さらに2020年代になるとこういった広告が一気に増加・加速して、スワイプ広告は大手のGoogleがAmazon(Kindle)広告でやっていますから、

ネット広告が不快で気持ち悪いんだけど……なんで普通のブログでエロ広告が出るの?

見にくくて仕方がない。消しにくいしイライラするし、今のネット広告はどうなっているんだ!
と思ってしまうのは必然です。
電子コミック・ソーシャルゲーム系広告のわずらわしさ
特に電子コミックサイト(Renta!やコミックシーモアなど)やソーシャルゲームの成人向け(R-18)を思わせる内容や、ホラーや暴力・ショッキングで不快な内容を流したり……
お役立ち系、日常ブログでも不健全な場違い広告が流れますし、自分もセンシティブ(年齢制限)な絵を描くとはいえ、健全な場で出されるのは気分のいいものではありません。
今の時代、ほとんどの人がサイトをスマホから見ていて、小学生でもスマホを持っていることを考えると、規制されずに野放しなのかが不思議ですよね。
また場違い・刺激的な部分を抜き取る広告は、作品の印象を損ねる風評被害も発生しますし、『ビビットアーミー』のように、性的と見せかけて実際のゲームはそうでもない広告もあります。
ゲーム系広告だとプレイ映像のようなものは『プレイアブル広告』といい、広告と実際のゲーム内容がぜんぜん異なるケースもありますね。
読者を増やすためだと言えど…電子コミックの過激なバナー広告について議論|おたくま経済新聞
【内容が違う】広告詐欺が多いスマホのゲームアプリ広告の問題点を解説!|Spider AF
「UXを不便にさせる」風潮


サイト運営の観点だと
本末転倒
これらに共通するのが、「いかにUXを不便にさせるか」という、SEO(検索優位性)で示しているGoogleの信念とは真逆の指標が流行しているということです。
- 【UX】「ユーザーエクスペリエンス」の略。「使いやすい・見やすい・ストレスフリー」のユーザー体験の指針。
サイト運営者からすれば、
- 広告収入(アフィリエイト)を導入
- サイトに広告が表示
- しかし内容・表示手法が不適切
- 「サイトの広告うざいわ」と思われる
- 離脱されて二度と来ない
ユーザー目線で考えれば悪循環でしかなく、苦情にもつながるこの手法がトレンド(流行)になっているんですね。
GoogleはUX視点のサイト設計は厳しく・細かに指摘するのに、広告のUXがゆるいのは矛盾を感じる。

広告の仕組み


広告にも
種類がある
とはいえ、なぜ不快指数の高い広告が増えたかを考えると、その仕組みを考えれば理解できます。
ネット広告はさまざまな種類・細かい定義がありますが、特にブログやサービスで見かけるのは、
- 【インプレッション広告】記事の閲覧数(PV)によって金銭が発生する広告。
- 【成功報酬型広告】目標達成で金銭が発生する広告。
このふたつの広告になりますね。
インプレッション広告の仕組み
インプレッション広告は広告が表示されたら金銭が発生しますので、後述する成功報酬型広告と比べると、そこまで過激にはなりにくい印象です。
ただ、「表示されないと金銭が発生しない」ということは、そのぶん広告数も多くなり、しっかり考えないとごちゃごちゃしたり、表示が重たいサイトになります。
【表示だけで報酬発生】インプレッション型アフィリエイトの解説|サイドライン株式会社|tool+
成功報酬型広告の仕組み
ネット広告の問題で一番苦言されやすいのが成功報酬型広告で、広告のクリック・タップや、その先のサイトで商品購入などの目標が達成されれば報酬が発生する広告です。
さきほど挙げたプレイアブル広告はこちらに該当しますね。
そのような仕組みになっていることから、ネット広告の中でも単価が高く設定されています。

平均的なクリック率(CTR)は約1%前後、「100人いたら1人が広告を押す」という計算で、その先の目標を達成する広告だと、確率はさらに下がります。
ゆえにマーケティング業者や広告代理店もビジネスですから、CTRの結果を底上げして利益につなげようと知恵を絞るんですね。
アフィリエイト(成果報酬型広告)とは – 意味をわかりやすく |IT用語辞典 e-Words
CTR(クリック率)とは!広告でもよく使われる意味を解説|MarkeTRUNK
業種毎の平均クリック率をご紹介!|ノウハウブログ
不快な広告が増えた理由


見させる
押させる
結果的に成功報酬型広告はどうなったかといえば、
CHECK!
物理的な誤動作や、刺激的・ショッキングな内容の広告が、CTR率が圧倒的に高い。長年の計測による結果を得られたことや、広告の品質チェックも完璧ではないため、同業の業者がこぞって同じことをやりはじめたり、抜け穴を突くんだろうと考察します。
広告出稿はお金さえ払えば誰でもでき、現状のネット広告業界は競争が非常に激しく飽和(ほうわ)状態で、これを『レッドオーシャン』とよびます。
間接的要因になるも、サイトや利用者の端末がマルウェアなどのウイルスに感染していることで、不適切な広告が表示される場合もあります。
誰でも出稿できて競争も激しいから、不健全な広告が増えるんですね。要は、時代と監視が追いついていないということです。

「周りがやっているから問題ない」「同業他社に負けてしまうから」と考えるから、内容がエスカレートするんだろうね。

人間は刺激的なものに注目しやすい生き物
人間は刺激・単純な内容に目が入りやすく、脳の構造上、ネガティブな内容のほうが敏感に反応しやすいというアメリカの研究もあります。
性的・ホラー・ショッキングな広告もそうで、角栓除去や歯のホワイトニングといった美容系広告も、「刺激的・ネガティブでウケがいいから」です。
美容系など、容姿改善をうたうのは『コンプレックス広告』といいます。規制や厳格化をしていますが、いたちごっこが実情です。

医療広告ガイドラインを守ったサイトを仕事で作っているから、美容広告のガバガバぶり・無法地帯さがよくわかるよ。

これはまとめ(コピペ)・トレンドブログの見出し、YouTube動画サムネイルやCMでも同じで、誘導したいから刺激的で極端な内容にするわけです。
YouTubeはまとめサイト化しているし、ショッキングな写真やイラスト、「詐欺」「炎上」のサムネイルで釣るのもよく見かける。

どこの国でも、大衆は単純で白黒明確にしたわかりやすい情報のほうが好まれる・誘導されてしまう傾向にあります。

【今更聞けない】規制強化が進む「コンプレックス広告」ー消費者心理と事業者が考えるべきこと|Momentum
誰もが目にしたことがある?“毛穴どアップ画像”などのコンプレックス広告がサイトに表示され続ける背景|ABEMA TIMES
Our Brain’s Negative Bias|Psychology Today
世界でも問題視されている
「押されないのなら押させればいい」と閉じるボタンを視認しにくくし、過激な内容で誤認させるのも、単純な理屈としては理解できます。
しかしながら「お金や宣伝のためならモラル不要」という、拝金主義に毒された感じは否めず、利益重視の質の低い業者が増えた印象でしょうか。
これは『ダークパターン』とよばれ世界中で問題視されており、UXに反した広告を載せるのは信頼を損ね、サイト自体も嫌われますからね。
炎上商法と本質的な手法は同じです。どちらも世間一般の心証は悪く、長期的な運営を考えるなら一度考えたほうがいいでしょうね。

アイモバイル・ジーニー経由の広告はタチ悪いかも。広告を消せないし性的な内容もよく出る。

ダークパターンその構造と向き合い方(PDF)|長谷川敦士
広告を消したい場合


自己責任で
お願いいたします

広告が不快だから消したい。

不健全な広告はもう見たくない。
ネット広告の監視・規制が追いついていないので、現状はユーザー自身が能動的に動いて自衛をするしかありません。
Googleアドセンスなどであればフィードバック報告、一応Chromeには、標準で悪質な広告を除外する機能が搭載されているものの、気休めレベルであまり期待しないほうがいいです。
こっちもONにしているけど、引き続き健全なブログに性的な広告が出てきたからね。

そのため対処法としては、
- 【PCの場合】AdBlockなどの広告除去プラグインを入れる。
- 【スマホの場合】ADブロックなど、広告除外ブラウザアプリを使用する。
上記の方法が主になります。導入方法は以下のサイト様をご参照ください。
ちなみにADブロックはレンダリングエンジンが古いらしく、表示崩れが結構起きるので注意。

なおこれら方法は収益を阻害させる行為であるため、使用は自己責任です。当サイトでは推奨させる意図はありません。

無料で使えるアドブロックの使い方や設定方法を解説|Affiliate Re:Life
広告除去(Adblock)禁止サイトについて


理由を考えずにするのは
読者離脱するだけ
そして、この手の話題を話すと出てくるのが、広告除去プラグインを使うとサイトが見られなくなる広告除去禁止サイトの存在であり、これらも同様に年々増えています。
しかし理由の探求もせずに一方的に「広告を消す閲覧者を悪」とするのは、逆に読者離脱のデメリットでしかありません。
広告収入でブログ運営する人にとっては確かに痛手・悩みの部分で、広告除去プラグインは必要悪です。使わないに越したことはないでしょう。
だからこそ運営者はまず、「なぜプラグインを使っているのか」を知る必要があります。
広告の内容と手法が問題
ここまでの文章を読めばわかるように、閲覧者は広告そのものを嫌っているのではなく、「内容に無関係で不愉快、閲覧の邪魔になったりまぎらわしい広告を嫌っている」んですね。
それを反映するように、AdBlockは「利用者の約75%のユーザーが控えめな広告なら出してもいい」と答えている統計を発表し、控えめな広告を許可するのが初期設定でONになっています。
バナー広告は、広告主はどのような広告内容にするか選べないケースもあるため、そのあたりの事情は察しますが、かといって「広告除去は悪」とするのは違うようにも感じます。
「広告除去をOFFにしてください」→「OFFにする」→「無関係・不健全広告のオンパレード」→「閲覧者は不快になる」はお決まり。

Adblock Plus and (a little) more|Adblock Plus
歩み寄る姿勢が必要
広告除去禁止に対する意見を反映してか、「広告運営で成り立っています。Adblock(広告表示制限)の解除にご協力ください」という文言を出し、任意選択させる方式が多くなりました。
こういった感じでかつ広告とサイトが調和していて関連性があれば、印象は悪くないですよね。

「広告除去なんてやめろ!」ではなく、「運営のご協力にお願いいたします」という姿勢で、広告も内容に関連して調和していれば、次第に広告除去プラグインを使う必要性はなくなってきます。
金銭のやり取りの基本は「信頼」であり、ここは不労所得でも同様のことが言えます。
相手を金づるとしか思わない短絡的コンテンツより、長期スパンを考え、ファンや常連者を作るコンテンツが結果的に利益が上がります。
これは健全なアフィリエイトブログ成功者の例を見ればよくわかりますね。
考えてみれば広告除去プラグインのせいで、不健全広告が増えている可能性もあるかもしれない。

最後に:不健全広告は評判に響く


当サイトの広告実装予定は
ありません
ネット広告で悪目立ちするのは成功報酬型広告で、刺激的な内容にしたり、UXを不便にさせて押させようとする事情・マーケティング戦略は、納得はしないものの理解はできます。
しかしながら目先しか考えていない手法であり、サイトや宣伝元にも風評被害が発生しかねないものなんですね。
2023年の段階では、お金さえ払えば誰でも広告出稿でき、皆がこぞって参入して競争が激化・加熱しているレッドオーシャン状態で、質の担保が追いつかないのも原因です。
ほかにもウイルスによってネット広告を出したり、広告配信システムの仕組みが複雑になりすぎてて健全なサイトに性的な広告が出るなど、広告表示の仕組み自体にも問題があるようです。
2020年、イギリスでは実際に広告内容と実際のゲーム内容が異なるネット広告を禁止した事例があるものの、日本ではそこまで踏み込んだ対応ができていないのが現状なんですね。
閲覧者の気持ちを考えないサイトは長続きしない
「理想論でしかない」と運営者や業者は思うかもしれませんが、商売やマーケティングの基本は「信頼」です。信頼を得られなければ、いずれ淘汰(とうた)されていくでしょう。
それにサイトの雰囲気に合わない、CTR目当ての恣意(しい)的な広告は、配信元の作品・商品の印象も悪くなる風評被害・悪循環になります。
しかしGoogleの『Googleアドセンス』は閲覧者の趣向・傾向で判断されるため、どの広告を出すかは選ぶことができません。

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