職場や人間関係の話でよくある、質問と回答のキャッチボールの中で、
- 「『自分で調べろ』と言う人がうざい」
- 「本気で困っているのに見放された」
このように思ってしまう、トラブルになったケースはまま聞かれますよね。
もちろん、教えることを放棄する人や会社は少なからずありますから、そういった状況の中で上記のことを言っているのであれば同情します。
ただし上記は、まず自身で環境を変える努力をしたことが前提。
しかし、そうではない大体の場合は質問をする側が、根本的な誤解をしているんですね。
この記事では、
- 「自分で調べろ」と言われる理由
- できる人の質問
- 質問で気をつけるべき部分
この部分を実体験を交えて述べていきますので、数ある意見のひとつとして参考にしていただければと思います。
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
質問をするということ
質問の考えかた
質問という本質
「自分で調べろ」と注意される人は、
CHECK!
時間とは有限であるということ。ここの一点を理解していない場合が多く、質問って要は「相手の時間を奪う行為」です。仕事できる人ほど時間を貴重だと捉えていて、すごくシビアに動くんですね。
それに現代はネットが発達した時代です。わからないことはある程度調べられますし、調べられるような質問で相手の時間給換算の損失はどれだけになるか、そこを考慮したほうがいいです。
注意される人は相手の時間の逆算やプライオリティ(優先順位)など、ロジカル(論理的)な部分を踏まえない人が多いんですね。
これが問題解決能力であり、リテラシー。まさに時は金なり。
スティーブ・ジョブズも感じた“時間の有限性”|ITmedia ビジネスオンライン
調べる習慣が「ある人」「ない人」につく決定的な差|東洋経済オンライン
ググらない人は成長しない【一緒にいると時間を奪われます】|Date-studio
できる人・注意される人の質問
ここまで違う
さきほど「質問とは相手の時間を奪うこと」と説明したものの、できる人も全知全能ではないですから、質問はします。
とはいえ双方の質問の姿勢はかなり異なりますので、以下から比較しましょう。
できる人の質問
- 【ソリューション】聞く前に解決方法を能動的に模索している。
- 【的確】何が問題なのかを、自分の中で的確に理解した上で言う。
- 【配慮】相手の時間を尊重して、質問内容を簡潔にまとめる。
- 【経緯説明】自身がやった方法・情報を相手にしっかり共有。
できる人の質問は双方のコミュニケーションができていて、可能な限り自分で調べて経緯を説明するし、「相手の時間をいかに奪わないか」を考えるんですね。
ちゃんと試してエビデンス(論拠)も調べ、考えてやっているんだね。だったら協力するよ。
ここまでできていたら相手もこのような反応になりますし、質問の仕方も上手いです。
仕事ができる人は質問上手!?「質問力」を磨いて人間関係もスキルも上向きに|人材派遣会社は【スタッフサービス】
注意される人の質問
- 【受動的】調べれば10秒で出るような内容すらも探さない。
- 【不明確】言いたいことを明確にまとめてこない。間延びさせる。
- 【配慮不足】相手の時間を考慮しない。聞くのは当然だと思う。
- 【不十分】相手に情報共有しない。察してちゃんをする。
注意される人の質問にはこのような共通点があり、相手の時間を考えていません。話が長いし何が言いたいのかわからない、説得力のある内容や簡潔に物事を言わないのもよくあります。
いやいや、まずは自分で調べなよ。
ゆえにこう言われても仕方がなく、一方通行なんですね。特に自分に自信がない人ほど、上記の注意されるケースをやっているパターンが目立ちます。
How思考とWhy思考
両者の違いを簡潔に言うならば、注意される人は『How思考』、できる人は『Why思考』だということです。
- 【How思考】「どうすればいい?」と、結論や結果をすぐ求める。いわゆる思考停止。
- 【Why思考】「なぜ」を突き詰めて思案する。生産性が高く、有能な人はこの思考。
Why思考はモノの大切な考えかたであり、会社に貢献する、信頼を得られる、出世する人はだいたいWhy思考です。だから質問の仕方もスマートだし、相手に配慮できるんですね。
日本人の大半は学校教育の影響でHow思考らしいけどね。
How思考とWhy思考|note
場と状況はあれど
冒頭で説明したように、教育を放棄している職場だったり、教えることをやりたがらない人は一定数いるという例外も存在します。
ゆえに当記事では「自分で調べろ」と注意される人は全員、自分を棚に上げて言い訳している人たちだとは思いません。
ただ全部が全部そうではありませんし、質問の姿勢が適切かは見直したほうがよく、上記の件もちゃんと環境を変える努力をした上で言っていることが前提です。
「質問をするな」と言っているわけではなく、「時間をいただいているのだから、相手に負担をかけないように努力や配慮しているか」ができているかどうかということ。
「してもらって当たり前」「聞いて当然」の態度は嫌われます。「してもらいたいのなら、してもらう努力が必要」ということです。
実際にあったケース
これを見て
どう思うかな?
上記を踏まえた上で、自分がフリーランスの人とのやりとりした実例の一部をご紹介します。
〇〇の設定がわからないんですがどうすればいいですか? ここまではできましたが……
その設定は〇〇でできませんか。できなければこっちのパターンでできると思いますが、一応ネットでも調べてみてください。
やってみました。ダメです。
(え? 返信早すぎない? 聞く前にネットで調べないのかなぁ…)では別の〇〇をしてみたらどうでしょうか。
うまくできません。こういう状況なんですけど……
(またすぐ返信してくる……しつこいなぁ)……状況がこうなら、じゃあこうすれば解決できませんか? 調べてもだめですか?
やったけどうまくできないです。
……設定した画面の画像を全部送ってくだい。こっちで見ます。
どうでしょうか? 「自分で調べろよ」って言いたくなりませんか?
ちなみに上記の原因はフリーランスの設定ミスだった。
こういったやりとりが10〜30分ごとに来る状況で、仕事がまともにできない状況になるし、上記は要約のためかなり内容を削っています(実際は調査・対応も含めて2時間くらい)。
業務に関わるから勝手に突っぱねることもできないし、それでいて解決しても、「このたびは貴重なお時間を取ってすみませんでした」を一言も言わなかったんですね。
上記の内容を報告し、それを見かねた社長はそのフリーランスの人との契約を打ち切りました。
苦言する人は彼らのそういうところに不満を持っているんですね。
ちなみにそのフリーランスはしっかり仕事できなかったのに、当初の提示額を全額要求してきて「プロじゃないな」と思ったね。
ホウレンソウを勘違いしている
上記のフリーランスは、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を勘違いしているなと思いましたね。
実際に「ホウレンソウを徹底します」と自己PRに書いていたものの、それを「わからなければなんでも聞いていい」と拡大解釈しているようでした。
ホウレンソウは状況をスムーズに共有して見える化することで、相手を質問攻めにできる口実ではありません。社会人には自己解決能力も必須です。
ぶっちゃけ「ホウレンソウを徹底します!」って、当たり前のことを自己PRに書くのもどうかと思うんだけどね。
最後に:自分で調べられない人はリテラシーが低い
聞く前に調べるのは
相手の配慮・敬意
ここまで、「自分で調べろ」と注意される人が誤解していることと、注意されない質問ができる人との違いを述べていきました。
- 【注意される人】受動的で問題解決能力が低い。意思疎通が一方的(=How思考)。
- 【できる人】能動的で問題解決能力が高い。意思疎通が双方的(=Why思考)。
中には教育放棄や質問に答える気がないような人もいますから、「自分で調べろ」と注意される人が全員、自分を棚に上げているとは思いません。
しかし、みんながみんな返答放棄をしておらず、注意されるのはそれだけの理由があるのを真摯(しんし)に向き合う必要はあるでしょう。
「そんなことを言う会社は辞めるべき!」や「助ける気がない思いやりがない人たち」と、他責的にする意見はよく見かけますよね。
でも、すぐ他人や環境のせいにするのは子供でもできるし、問題の本質を掘り下げて言っているのかな…?
自分で調べないと知識は身につかない
「自分で調べろがうざい」は、ただの言い訳になっていないかどうかをまず自省する必要があり、能動性や問題解決能力は、本人の努力次第である程度はカバーできます。
ホウレンソウをすることと質問攻めにするのも違うので、再認識してもらいたいものですし、質問と相手の時間給換算による損失を理解すれば、質問の質をしっかり考えられるものです。
それに自分で調べない人は今後も似たような質問を何度もしがちです。これは自身で考えないから点と点を線にできず応用できず、能動的に調べないので忘れてしまうからです。
自身で物事を適切に調べるのは、リテラシー能力・思考力を向上させます。相手への負担を減らせて自分自身も賢くなる……そういった意味でも、自分で調べる重要性を説きたいですね。
他人任せで注意され相手・環境のせいにするのか、自省の心と自分で調べる能力を身につけるのか、どちらが本当に賢いかですね。
できる人は休日も有効活用する
できる人は休日もリテラシーを高める努力・勉強を怠りません。技術の参考本を読んだり仕事中にあった疑問を調べておくなど、自身を高める行動を実践しています。
休日をどう使うのは個人の自由です。しかしできる人は休日の時間を有効活用し、自分で調べることの重要性を理解して能動的に取り組みます。その積み重ねがリテラシーの高さです。
自分は誰からも教わらず技術を独学で磨いてきたし自分で調べてきた。休日でも時間を作って、理解を深める勉強は欠かさないよ。
できる上司は部下に考えさせる
これは会社の上司に言われたことで、とても考えさせられる内容のものでした。
できる上司は部下に「なぜなのか」を考えさせるように教える。安易に答えを教えるのは、正解乞食の部下を生みだす無能な上司のすることだ。
この言葉は「自分だけがWhy思考を気をつければいいワケではない」と気づかされましたし、「自分で調べろ」とあえて突き放すのは、部下に対するある意味の優しさかもしれません。
大半は相手のHow思考にあきれて言うパターンが多いだろうけど、これを意図してできる上司は本当に尊敬する。
自分で調べない人は主観で判断しがち
なお、ネット・SNSではこのようなことを言っている人も見かけると思います。
- 「話題になっているのを見たことがない」
→ でも調べない。ウラをとらない。 - 「ネットで言われているからダメな作品」
→ まとめサイトのみで判断している。
今回の話と関係ないように見えて共通点が一致しており、要は「問題解決能力が低いから、視野が狭く、主観で物事を見て答えありきで判断する」ですからね。
これの何が問題って、もしブロガーや動画配信者だったら、根拠のない情報を流す風評被害(=デマ・誹謗〈ひぼう〉中傷)につながりかねません。
自身で多角的に調べ、解決に努力するといった、問題解決能力を研鑽(けんさん)する習慣がないと、自分のみならず、無自覚に他者にも迷惑を振りまくことになるんですね。
ろくに調べず知ったようなことを言うって、めちゃくちゃ恥ずかしいと思うんだけど、なぜそんな平然にドヤ顔で言えるんだろうね。今の時代、すぐ調べられるのに。
時間とは有限である
話をもどし、時間は有限であり、質問をするとは「相手の時間を奪う」ことです。質問時間=相手の時間給を考えれば、すぐ調べられる質問がどれだけ失礼にあたるかを理解できます。
その意識がしっかりあるのであれば、おのずと質問の仕方や質も変わるのではないでしょうか。
CHECK!
「してもらって当然・普通」という受動的態度ではなく、「してもらうために努力をする」能動的行動が大切。「自分で考えろと言われるのがうざい」と言う前に、「相手の時間を無駄にする、うざい質問をしていないか(=How思考ではないか)」は見直す必要がありますよね。
また、なんでもかんでも社会や環境、誰かのせいにするのは間違いです。できる人は自省し、その環境の中で最適化の努力を最初に絶対しますので、その点も忘れないでほしいものです。
自分を棚に上げて社会や環境・他人のせいにする人は信頼されない。能動的に行動しない人が優しさや配慮をもらえると思うのは甘い。
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プロフィール
赤竹ただきちTadakichi Akatake
サイトのURLをSEO的観点から、検索上位のものや記事のURLを書き換えているんだけど、これがなかなか興味深い。
omotenashi(おもてなし)・karoshi(過労死)・tsunami(津波)は日本人も知っている人は多いし、サブカル関連だとhentai(ヘンタイ)・kemomimi(ケモミミ)・mesugaki(メスガキ)も日本語読み表記。
個人的に興味深かったのが、kotobagari(言葉狩り)も日本語読みで表記するらしい。海外だとPC(ポリコレ)だろうけども、漢字・ひらがなの表記にこだわるから、kotobagariなんだろうなと。
イラストレーター・マークアップエンジニア(コーダー)・Webデザイナー・ライターのウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。
コーディングとWebデザインは両方可能。納期が短いなどいった案件では、「デザインとコーディングのアドリブ同時進行」という荒業もおこない、SEO施策を意識したマークアップも得意。
フリーランスとの進行ディレクション・指示や、面接担当の経験が幾度もあり、プロ・趣味問わず、絵描きを含めたクリエイティブの姿勢には少々シビア。
「自省・リテラシー・正しい批判の認知・意識向上」をライフワークとし、当サイト記事も「気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。
当サイトの記事は中学生でも理解できるように計算しながら執筆しており、ネット・SNS上で「わかりやすく参考になる」とご好評の声多数。
「言い訳せずに下手でも自分の弱さを認め、背かず自省して学ぶ意識を忘れない(=謙虚な)人」は、年齢・性別問わず好きなタイプ。
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