
絵を描きはじめた初心者は、このように悩んだことはありますか?

何ヶ月も練習しているのに上手くならない。参考書も買っているのになんでだろ……

絵が一向に上達しない。やりかたを間違えてるの?
初心者はまず参考書や模写で上手くなろうとしますが、そのままでは上手くならないものです。絵以外でもなんでもそうですが、努力・勉強は適切に方向性を向けないと意味がありません。
「そういう絵柄で個性だから」で満足しているならまだしも、そうでない場合、
- 絵描き初心者がやりがちな落とし穴
- あるあるの一例と改善案
ここの問題点・改善策を述べていますので、上達の一助にしていただければと思います。
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
絵描き初心者が上手くならない一番の原因


初心者がやりがちな
盲点

絵が上手くなりたいから参考書を買ってきた!

絵の上達になるオススメの本とかないですか?
順序が違うよキミたち。まずすべきことがあるでしょ?

冒頭のとおり絵が上手くなりたい初心者は、上手くなろうと初心者向けの絵の参考書を買ったり、アニメやマンガの模写に走りがちです。
もちろん参考書での勉強や模写は上達に役立つものです。しかしまず気づくべきなのが、
CHECK!
描くときに「手癖」で描いていると、いつまでたっても上手くならない。「手癖を徹底的に見直す訓練」をしないと、いくら参考書を買おうが模写しようが、絵というのは上手くなりません。
脳は楽をしたがる悪癖がある
絵の上手い人やプロの絵描きほど、常に手癖の見直しを意識し続けます。人間の脳は楽をしたがる性質があるので、無意識だと頭の中でパターン化・思い込み解釈をして楽をしようとするんですね。
ですがこの性質は絵の上達を妨げる障害であり、初心者はより理解して意識しないといけません。以下から代表的なあるあるを3つ紹介しますので、改善の手順を述べていきましょう。
「絵が上手くなる」とは、「いかに手癖(脳の思い込み)の矯正を意識してきたか」ということだよ。

あるある1:顔比率

人間を描くとき、最初に手をつけるのは「頭部」がほとんどではないでしょうか。
しかし等身バランスを考えないと、描き進めていくうちに脚を描くスペースが無くなり、脚が短い人物になってしまうんですね。
頭を大きく描きがちなら意識して小さくすればいいと思うのが自然である一方、初心者はその小さくする加減が難しいものです。
描く順番を変えてみる
最初に胴体を描いていくなど、描く順番を変えて紙やカンバスに収まるように描くことを意識してみてください。感覚がつかめてきたら改めて、頭部から描いてもいいでしょう。
ちなみに参考として一般的な体型(中肉中背)の場合、「顔の横幅は体の左右の乳首の間と同じぐらい」とされています。
クロッキー(速写)で顔が大きくなってしまうのは、誰もがやりがちな道だね。

あるある2:線画の処理

初心者の線画は一筆でサッと描くて済ませるようなケースが多々見られます。しかしそれだとのっぺりな印象の線画になってしまうんですね。
上手い人の描く線画が生き生きして立体感があるのは、線画を一本一本意識して描くからなんですね。力加減も繊細(せんさい)であり、線の強弱もかなり気をつかうものです。
線は考えながら描く
線画がぶつかって影になるところ、画面の手前に来るパーツ、曲線の中間部分は少し太くし、髪の毛の先は細く描くだけでも立体感は生まれます。
自分は線画を描くのが苦手なので、線は「細い影」だと思って描いていますね。慣れないうちは時間がかかってもいいから、丁寧に・メリハリを考えて描くことを意識してください。
ほかにも左右反転して確認する癖は習慣化しましょう。左右反転はデッサン崩れチェックに使うものですが、線画の加減確認にも使えます。
絵が上手くなると、線画が雑でもポイントを捉えているのでのっぺりにはなりません。プロの描くラクガキがわかりやすいですね。

あるある3:塗りかた

デジタル作画だと、塗りが原色チックになる、髪のハイライトをグラデーションで描いてしまうのも初心者が陥りがちなポイントでしょう。
90年代なら原色チックな作風は多々あったとはいえ、2010年代以降は基本、中間色(原色をにごらせた色)を使うのが基本トレンドになっています。
グラデーションのハイライトはそういう絵柄もありますが、使いかたを間違えると安っぽい印象になってしまいます。
トーナル配色を意識する

塗りかたに関しては色彩学の等色相面でいうトーナル配色を意識するのがいいと思います。
- 【等色相面】色の彩度・明度を平面の三角形状で表した図解。
- 【トーナル配色】中間色を中心にまとめた色の配色方法。
等色相面やトーナル配色と言われると難しく聞こえるかもしれませんが、要はペイントソフトなどの色パレット(HLSカラー)で、三角形の頂点・辺(へん)の端っこ以外の色を使うことです。
あくまでも「意識する」なので、トーナル配色で描くほどこだわる必要はないです。目のハイライトなど、見せたい部分だけ彩度・明度の高い色を使うだけでも、安っぽさは低減されます。
色彩検定は本格的に上達するなら取っておきたい資格。デザインの仕事でも活かせるよ。

最後に:自分を疑うことの重要性

ここまで簡単ではありますが、絵描き初心者が陥りがちな部分とその改善点を述べました。
参考書で勉強したり模写をするのは大切で、それ自体は間違っていません。知識力・観察力は絵の上達において大きなウェイト(比率)を占めます。
しかし同時に自身の手癖に気を配るのも重要で、絵の上達とは、常に自分の手癖(悪癖)と戦う鍛錬のようなものでもあります。
自分も気を抜いてしまうと手の構図がワンパターン、髪の毛の線画や毛先を太くしがちですからね。ゆえにちゃんとした絵を描くとき、常に参考資料とデッサンアプリは手元に置きます。
絵を何ヶ月描いても上手くならない、上達の実感がない場合、自身の手癖が足かせになっていないかを見つめ直すようにしましょう。


