
『ソニックオリジンズ』のニンテンドースイッチ版(+スタートダッシュパック・デジタルデラックス購入)をプレイしたレビューになります。
『初代』『2』『CD』は遊んだことがあり、『3(+ナックルズ)』だけはやったことがなく、オリジンズはとてもよい機会でした。
ソニックオリジンズ|SEGA
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
ソニックマニアとソニックオリジンズの違い

© 2017 SEGA, タイソン・ヘッセ
2017年には『ソニックマニア』という2Dソニックゲームがあり、こちらの明確な違いは、
- 【ソニックマニア】ソニックオタク制作の公式同人ゲーム。元作品要素を発展・新規制作した「完全リメイク」作品。
- 【ソニックオリジンズ】ソニックチーム公式が制作。元作品を忠実に移植+要素追加した「忠実リマスター」作品。
マニアは「ファン」がつくったリメイク、オリジンズは「公式」がつくったリマスター。

そのため同じクラシックソニック(メガドライブ時代のソニック)作品であっても、マニアとオリジンズの内容・方向性は全く異なる別物です。
マニアは「オタクは卒業してプロになれ」を体現する、文字どおりのオタクたちが結集した公式販売の同人作品で、ミーンビーンマシーン(ぷよぷよ)、セガのCM+自虐ネタとフリーダムです。

逆にオリジンズはソニックチーム公式作品のため、よくも悪くも堅実な内容ですね。
過去には『ソニックジャム』や『ソニックメガコレクション』という作品もあり、これらはオリジンズの先駆け・原型とも言える内容でした。
そしてオリジンズは2022年現在の現行機のみならず、「PC環境でもクラシックソニック本編がすべてまとめて遊べる」のも大きなメリットです。
海外ではほかにもコレクション作品が出ていたものの、長くなるのでご割愛(かつあい)。

オリジンズの追加要素・操作

© 2022 SEGA
- 【ストーリーの実装】時系列・背景がわかるストーリーモードの実装。
- 【ミッションモード】お題をクリアして高ランクを目指す。
- 【ミラーリングモード】左右反転のステージ構成で進む。
- 【ボスラッシュモード】各シリーズのボスと連戦できる。
- 【ソニック以外の操作】テイルス・ナックルズ(CDでは不可)が使用可能。
- 【アニバーサリーモード】16:9画面の実装・残機廃止・時間切れ廃止。
今作はシステムを追加実装しているため、ゲームが得意ではない自分でも遊ぶことができ、経験者でも新鮮な気分で遊ぶことができます。
個人的に嬉しかったのは、「ドロップダッシュ」がマニアから引き続き登場したことですね。
マニアやフォースでもドロップダッシュは重宝していたので、全作品でドロップダッシュが使えるようになっているのは嬉しい限りです。
追 記
2023年発売のソニックオリジンズ・プラスでは、CDでもナックルズが操作可能になり、エミーも追加されました。アニメーションについて

© 2022 SEGA
ストーリーモード・アニバーサリーモードだと新作アニメーションが流れ、説明書でしかわからなかった状況などを理解できるようになりました。
マニアのアニメーションは「ソニックCDのアニメを現代向けリメイク」に対し、オリジンズのアニメーションは、「(東映アニメのような)現代でセル画風の90年代アニメ表現」に近いです。
CDのアニメを制作したのは当時の東映スタッフなので、ある意味ではこちらも東映アニメオマージュかもしれません。

海外勢が気になった例の音楽
ファミ通の公式配信でしつこいぐらいに海外ファンたちが気にした、「ソニック3の音楽は差し替わるのか」は、予想どおり差し替えられていました。
CDで未来のステージを「過去」、アニメは再収録版なのに「発売当時」など、あの配信は詳しいとツッコミだらけだったり。

というのも、『3』の一部楽曲はマイケル・ジャクソンが作曲したものであったため、大人の事情で不安視されていたんですね。
個人的には自分もマイケル・ジャクソン作曲版のほうが好きですが仕方のないことです。ソニックの生みの親である中裕司氏も何かしら、思うところがあったみたいですね。
Yuji Naka Is Shocked That Michael Jackson’s Music Is Missing In Sonic Origins|Nintendo Life
気になった部分

© 2022 SEGA
ゲーム内容はおおむね満足で、アップデートでバグはほぼ修正されています。
しいて言えば、追加要素で購入できる島閲覧モードと、ミュージアム要素の操作に難があるのが本作の不満点になるでしょうか。
島閲覧モードは「島を自由に閲覧できる」という触れ込み……であるにも関わらず、カメラ操作は限定的で自由とはあまり言いがたいものでした。
ミュージアムのイラスト閲覧は、切り替えを十字キーでするとは書かれていません。ゲームプレイには関係ないものの、気になってしまいますね。
総評:これ一本でクラシック網羅

© 2022 SEGA
オリジンズは公式同人作品のマニアと違い「移植リマスター作品」で、救済処置が多く追加され、当時遊んだ世代も新モードで新鮮に遊べます。
完全クリアを目指すと根気はいるものの、アニバーサリーモードであればオリジナル版のやり直しよりは負担が少なく、ただクリアするだけなら頑張ればなんとかなるレベルです。
アニメーションはマニアとは違い90年代セルアニメのようで、ある意味この表現もCD、もしくは東映アニメのリスペクトにも思えます。
初代やソニック2はさまざまな場所で移植された一方、CDやソニック3(+ナックルズ)は、一部のハードやスマホでしか遊べませんでした。
今作でPC含めてどのハードから遊べるようになったのは、いい時代になったものです。
スマホ版ソニックCDの原型は、海外ファンの持ち込みだったにもかかわらず、セガ公式に認められて販売されたものでしたね。

その技術を買われてマニアの制作スタッフになったとか。「オタクは卒業してプロになれ」の体現者で本当スゴいよね。
























