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2021.09.08 2024.10.02

【レビュー】ソニックカラーズ アルティメットのニンテンドースイッチ版感想・評価【ソニック】

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スーパーファイナルウィスプブラスター!!(ゲームでは未実装)

2010年に発売された『ソニックカラーズ(Wii版:オリジナル版)』のリマスターである『ソニックカラーズ アルティメット』を、ニンテンドースイッチ版で遊んだ感想・評価です。

カラフルパックを購入したため、発売日前に遊べるようになっています。オリジナル版は全Sランク、スーパーソニック解禁までやりこみましたね。

ソニックカラーズ アルティメット|セガ

追 記

当記事のレビューは発売当初の内容で執筆しています。バージョン1.9ではバグはほとんど改善されました。

当時からストーリー面(いわゆる『ケンポンソニック』)は国内外で賛否両論ですが、概(おおむ)ね名作だと評されるこの作品がどう変わったのか、遊んでみてどうだったのかを述べていきます。

なおケンポンソニックについての個人的見解や、なぜ変わったのかなどは別記事で述べています。前者はかなり厳しいことが書かれた内容なので、その点はご留意ください。

【提起】ソニックは好きでもファンは好きになれない数々の問題行動【マナー】
【ケンポン】ソニックの性格が変わった闇深い理由【なぜを徹底解説】

ネタバレ注意

作品の内容・結末が記述されています

今作は『リメイク』ではなく『リマスター』

背景

リメイクとリマスターは
全く違うよ

海外では勘違いする人が何人もいましたけど、今作は『リメイク』ではなく『リマスター』です。

リメイクとリマスターの違いは『ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD』のレビュー記事でも述べていますが

  • リメイク】最初から作り直し、映像も体験も別のゲームとして全体的に変える。
  • リマスター】既存物の最適化が中心。操作性変更や追加要素を用意する程度。

ここが大きく異なります。

ソニックのみならずゲームを語るのであれば、そこの定義は理解して分けないといけませんからね。

【レビュー】ゼルダの伝説 スカイウォードソードHDを携帯モードで遊ぶ【ゼルダの伝説】

テクスチャ・光源の差し替え、一部ポリゴンの修正(チューブや円が滑らかになっているなど)、音楽や新モードの追加などはありますが、見ればわかるように『リマスター』です。

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オリジナル版はパイプなどがカクカク
© 2021 SEGA
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今作では滑らかになっている(画像はPS4版)
© 2021 SEGA

ただし気持ちはわかる

海外の意見で割と多かったのは、「カラーズの『リメイク』を求めていた」ところなんですよね。

その気持ちはわかりますし、カラーズは名作でソニック30周年なのだから、そのぐらいやってほしいというのも理解できます。

実際に自分も、

  • 「テイルスを操作してルート開拓してみたかった」
  • 「背景に被写界深度を設定すれば、リッチな映像になったのではないか?」
  • 「Wii版ではできなかった、ラスボスのカラーパワーフル活用を期待していた」
  • 「DS版限定裏ボスのダークマザーウィスプを今作で戦ってみたかった」

これらを全く考えなかったかと言えば嘘になりますからね。

また、『SONIC OMENS』やカラーズMODなど、高品質なファンゲームや改造データがあるのも要因としてあるのかもしれません。

冷静に考えるとわかる

でも、冷静に考えればわかることです。

  • 商品価格】完全リメイクならばハーフプライスではなくフルプライスなはず。
  • 最近の開発環境】今のソニック開発部はそこまでの開発力はおそらく厳しい。

そこまで求めるのは言葉は悪いながら、「高望み」なんですよね。

CHECK!

あくまで本作はリマスター。目先ではなく足元をしっかり見て、現行機やPC、スイッチならばどこでもカラーズができる恩恵を感じることも大切。

自分は本作のことを好意的に考えたいですね。

オリジナル版より優しい

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© 2021 SEGA

オリジナル版のカラーズもワールドアドベンチャーからの反動か、Wiiだったからか、かなり初心者に優しい作りでした。

しかしリマスターの今作はそれ以上に初心者向けな印象になり、代表的なのは「メインステージでの残機制廃止」です。

フォースと同様、メインステージで残機制を廃止したことによって、本人の根気があればステージオールクリア自体は簡単になっています。

残機廃止自体は『秘密のリング』などの絵本シリーズでもやったことはあるけどね。

ただきち

新要素の「テイルスセーブ」を使えば、リング数とスコアを保持したまま戻れるのもいいですね。ただ、圧死や溺(でき)死、リング0ダメージはミス扱いになり、注意が必要です。

個人的なプラスポイントは落下注意アイコンの復活で、単に落下死注意を教えてくれるのみならず、あのクラシックソニックをあしらったデザインが好きなので、復活は嬉しかったです。

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落下注意アイコンの復活
© 2021 SEGA

さまざまな攻略要素と実績対応

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スイッチ版でもゲーム内に実績機能を搭載|© SEGA

100カウントリングによる無敵化、タイミングよくホーミングアタックすればブーストゲージが少し溜まるスイートスポットなど、使いこなせばオリジナル版以上に攻略が楽になるでしょう。

そのためにテイルスの解説ボイスを新録しているのも、とても新鮮に感じました。

ウサ子

またゲーム内に実績機能を対応し、それを埋めていくやりこみ要素も楽しめます。

今作で判明した新設定

背景

ウィスプがより個性的に

ウィスプそれぞれで性格が細分化され、ウィスプのキャラクター性が個性的になっています。

公式サイト(日米)を見る限りだと、

  • ホワイトウィスプ】温厚的でおしゃべり好き。最も多い種族。
  • シアンウィスプ】落ち着きがない。
  • イエローウィスプ】人懐っこい(米国版によれば水と土が好きらしい)。
  • オレンジウィスプ】短気で怒りっぽい(米国版はミスすると落ち込みやすい)。
  • グリーンウィスプ】非常に能天気。
  • ピンクウィスプ】いたずら好き(米国版だと「トゲ」があるが優しい)。
  • ブルーウィスプ】優しくも頭脳明晰で、リーダーシップがある。
  • パープル(ネガ・ダーク)ウィスプ】非常に凶暴で危険。
  • ジェイドウィスプ】クールな性格。

当時は「ネガウィスプ以外、どのウィスプも友好的で温厚」程度でしたからね。ジェイドウィスプはクールだそうですが、短編アニメ版のジェイドは感情豊かで、よく泣く子でした。

おそらくヤッカーのような少々特殊な個体かも。

ただきち

ウィスプは同意しないと力を貸してくれない

公式のカバーストーリーやWEBアニメ版で、ウィスプは信頼する相手にしかパワーを与えないことが明かされています。

フォースやチームソニックレーシングでは、ソニック側もウィスプを道具のような扱いにしていて、やっていることが今作のエッグマンのそれと変わらなかったんですよね。

その描写に対するフォローを後から入れているって感じかなぁ。

ただきち

今作はリマスターだから、入れる余地はWebアニメ版ぐらいしかないので仕方ありません。ただ今後もウィスプを扱うなら、本編でもそのフォローはしてほしいなと思います。

公式サイトやアニメで設定を知る人なんて、熱心なファンでもない限り見ないからね。

ただきち

かべがみカバーストーリー ソニック&ウィスプ キャラクター紹介|SEGA

オリジナルのほうがよかった部分

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アドリブにもほぼ字幕つき
© 2021 SEGA

本作はオリジナル版と比較すると、「前のほうがよかったのでは?」という部分が見られました。

  • リアルタイムムービー】高画質化のみで、今作の映像表現とちぐはぐ。
  • 演出の変更】スターライトカーニバルの巨大戦艦ワープ、戦艦突入時の演出。
  • ソニックの影】ソニックの真下に影があるとは限らず、ジャンプアクションが不利。
  • テイルスのボイス】追加されたボイスは、人によってしつこく感じるかも。
  • ジェイドウィスプが空気】映像部分でジェイドウィスプが未登場・発動ボイスなし。
  • セーブデータ】時代の流れか、セーブデータがひとつしか作れなくなっている。
  • リセット】リザルト画面で「もういちど」を押すと、クリア扱いにはならない。
  • 表記ゆらぎ】オリジナル版・海外版・今作で名称が違う場合があってややこしい。
  • シアン・レーザーで反射】水面だと反射する仕様がなくなっている?
  • 長すぎるスタッフロール】今作はオリジナル版より2倍以上の長さ。
  • オプションサテライト】オプションサテライト画面の動作が重い。
  • ロードの長さ(スイッチ限定)】スイッチ版のロードが長い(後述)。
  • 影の問題】スイッチ版は影の表現が荒く、「オリジナルがキレイ」と思うことも。

表記ゆらぎの件を挙げると、『エッグネガウィスプ〈オリジナル版〉』『ネガウィスプアーマー〈海外版〉』『ダークウィスプアーマー〈今作〉』とかね。

ただきち

オリジナル版よりも見劣りや不便を感じる部分が散見されるのは気になりますね。

エフェクト・演出部分がオリジナル版に劣る部分は、経験者からすると違和感を感じます。

エッグマンの「オネエ声か!」が差し替えられたのは、ここ10年で差別用語になってしまったから仕方がない。

ただきち

時代の流れを感じますね。

ウサ子

レーザーの表現

特にシアン・レーザーの表現が暗くなっているのは、海外ユーザーからも不満が出ていたので、改善を期待したいところです。

公式サイトで掲載されたスクリーンショットでは、ちゃんとオリジナル版に準じた表現ですけれど、これって「レーザー終了後、暗転が解除される一瞬を狙って撮影」したのでしょう。

追 記

バージョン1.9アップデートで表現がWii版と同じように改善されました。

ロード時間について

スイッチ版のロードはオリジナルのWii版よりも長く、参考動画によると、Wii版を「1倍」とするならば、PS4版は「平均0.2倍〜2倍」、スイッチ版は「3倍」ほどの差があります。

実質的にスイッチ版のロードは、ジェネレーションズ(白の時空)のロードぐらいの長さで、カラーズはロードの短さもウリだったのにスイッチ版はここが欠点で、処理落ちも目立ちました。

「カラーズを携帯できて、いつでもどこでも遊べるのが大きな利点」と思わないのであれば、素直にPS4(PC)版を買うことをオススメします。

カラーズ アルティメットはバグが多い問題

背景

オリジナル版にはなかった
バグが多い

追 記

バージョン1.9でバグはほとんど改善されました。

ここはかなりの問題点で、今作はオリジナル版にはないバグや、利便性を損ねる仕様が目立ちます。

見かけた限りのバグを挙げるならば、

  • 音声バグ】ヒントボイスが出なかったり、イベントボイスも一部で音量がおかしい。
  • 一部ムービーで無音】後半のあるムービーでは、音楽が流れない。
  • 攻撃エフェクト】ビッグチェイサー(紫ロボット)のレーザー攻撃動作が見にくい。
  • 音楽消失バグ】リザルト画面のファンファーレ後に音楽がたまに流れない。
  • テイルスセーブ……?】落下死してもテイルスセーブがたまに発動しない。
  • シアン・レーザーの表現】レーザーの軌道線がわかりにくい。
  • リミテッドカラーズのゲージ】ゲージのエフェクトが正しく表示されない。
  • ラスボス撃破後】撃破後の花火が出ない(スイッチ版限定)。
  • ウィスプ不在】スタッフロールの下にウィスプが並ばない(スイッチ版限定)。
  • ナビゲーションの変更】初回以降のテイルスナビゲーションのON/OFFがない。
  • 表記バグ】ターミナルベロシティにレッドスターリング表が表示される。

ちなみにリマスターを担当したゲーム会社は、PS4の『(新)ゴッドオブウォー』や『シムズ4』といった大手タイトルにも関わった実績がある『Blind Squirrel Entertainment』社です。

オリジナル版のバグが残っているならともかく、なかったバグがいくつも散見されるのはよろしくないですね。

Blind Squirrel Entertainment|公式サイト

ただ海外の開発チームが改善に意欲的で、日本公式もお詫びした上で直すことを発表していますから、早急な修正を願いたいものです。

ちなみに海外で出回るバグ動画(音楽が途中から流れ、ギラギラしたグラフィックになるなど)の多くは、正規・正常プレイのバグというより、特殊な機器や操作をしないと起こらないものです。

本作はバグが割とありますけれど、極端な情報に惑わされないよう、注意が必要です。

カスタマイズ要素について

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映画版ソニックアクセサリーは結構好き
© 2021 SEGA

今作はリマスターだから仕方ないにしても、追加されたソニックのカスタマイズ要素が、テクスチャの貼り替え程度です。

カスタマイズしたからって性能に変化はなく、ただの好みなんだよね。

ただきち

たとえば、金のアクセサリーはダメージ時のリング保持機能が働いたり、炎のオーラはブーストを受けるまで、相手に触れただけでもダメージ属性が付加されたり……

映画ソニックのエフェクトなら一定スピード維持で周囲の敵をしびれさせるなど、そういったプレイスタイルでの遊びの広げかたがあっても面白かったでしょうね。

まああくまでも願望の域を出ないレベルで、本作は繰り返すようにリマスター作品です。ありがたみがほとんどないからといって、今作の評価を下げる要素にはならないですね。

総評:カラーズが現行機・携帯機で遊べる

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初登場時からオボキュボ(オーボット・キューボット)は可愛い
© 2021 SEGA

オリジナル版と比較すると気になる点、「なぜオリジナルよりも悪くなっているの?」と思う部分はありますが、それでもカラーズを現行機、スイッチなら実質携帯機で遊べるのはいいですね。

2Dソニック作品の移植やPC版の配信することはあれど、3Dソニック作品をリマスターする姿勢って、アドベンチャー以来だと珍しいです。

Wiiソフトを現行機でできるなら、絵本シリーズ(秘密のリング・暗黒の騎士)などの過去作品もぜひやってほしいですね。そのぐらい隠れた名作・資産があるのがソニックシリーズです。

秘密のリングはボイスの関係上難しいかも……よくてボイスカットだけど、それはそれで寂しい。

ただきち

WEBアニメ版について

また、本作発売前には最近恒例の短編Webアニメ版があり、今回はサイレントアニメーションではなく、ボイス収録されている内容でした。

主に追加要素のライバルラッシュモードとジェイドウィスプを焦点に当てた宣伝的内容です。

オボキュボの表情のつけかたや、ソニックがエッグマンの吹き替えをするのは、どことなくアニメ版トゥーンのようです。

エッグマンのボイスが日本・海外版ともにないのは、オリジナル版でエッグマンの声を担当していた、故大塚周夫氏による配慮なのかな? ……って勘ぐってしまいそうです。

サブタイトルのデザインが、どことなくゲーム版『ソニックトゥーン 太古の秘宝(SONIC BOOM: RISE of LYRIC)』っぽいのは、偶然か意図的なのかどうかは不明でしたね。

海外公式チャンネルでは前後編にまとめられた動画があるのに、日本公式チャンネルにはないとはこれいかに。

ただきち

バグは改善予定 → 改善済

問題点になっている今作独自のバグの多さは、海外スタッフのツイッター、日本版公式サイトでもバグを修正・改善させることをアナウンスされていますので、こまめに公式をチェックしましょう。

オリジナル版よりかなり初心者に向けた調整がされていますから、ソニックを全く知らない人でも遊びやすいかと思いますけれど、バグ修正パッチの配信を待ってから遊ぶほうがいいでしょうね。

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プロフィール

赤竹ただきち

赤竹ただきちTadakichi Akatake

サイトのURLをSEO的観点から、検索上位のものや記事のURLを書き換えているんだけど、これがなかなか興味深い。

omotenashi(おもてなし)・karoshi(過労死)・tsunami(津波)は日本人も知っている人は多いし、サブカル関連だとhentai(ヘンタイ)・kemomimi(ケモミミ)・mesugaki(メスガキ)も日本語読み表記。

個人的に興味深かったのが、kotobagari(言葉狩り)も日本語読みで表記するらしい。海外だとPC(ポリコレ)だろうけども、漢字・ひらがなの表記にこだわるから、kotobagariなんだろうなと。

イラストレーター・マークアップエンジニア(コーダー)・Webデザイナー・ライターのウサギ好き。多様な絵柄を描け、外国人でも絵でわかるマンガ、ウサギと口内描写にこだわりを持つ。

コーディングとWebデザインは両方可能。納期が短いなどいった案件では、「デザインとコーディングのアドリブ同時進行」という荒業もおこない、SEO施策を意識したマークアップも得意。

フリーランスとの進行ディレクション・指示や、面接担当の経験が幾度もあり、プロ・趣味問わず、絵描きを含めたクリエイティブの姿勢には少々シビア。

「自省・リテラシー・正しい批判の認知・意識向上」をライフワークとし、当サイト記事も「気づき・理解・学ぶ」を全体テーマとして執筆。

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「言い訳せずに下手でも自分の弱さを認め、背かず自省して学ぶ意識を忘れない(=謙虚な)人」は、年齢・性別問わず好きなタイプ。

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