『ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD』の序盤を数時間ほど軽く遊んだ簡単なレビューになります。なおオリジナル(Wii)版は、べらぼうに強い盾を入手して2週目の辛口モードをクリアするまでやりこんでいます。
ネタバレ注意
作品の内容・結末が記述されています
リメイクではなくリマスター版
本作は過去に発売された、『風のタクトHD』や『トワイライトプリンセスHD』と同じく、リマスター版の立ち位置になっています。よく『リマスター』と『リメイク』を混同する人が一定数いますが、
- 【リマスター】モデリングはほぼ作り直さず、あくまでも操作性や画質・UI(画面アイコン)・フレームレート・光源処理を最適化。ゲーム体験にほとんど変わりはない(例:『風のタクトHD』『トワイライトプリンセスHD』など)。
- 【リメイク】ゲームの内容すべてを現行機向けに作り直したもの。最初から作っているので、大幅なゲームシステム変更といった、内容が結構変わる場合もある(例:『時のオカリナ3D』『ムジュラの仮面3D』など)。
このように、リマスターとリメイクは異なりますので、
- 「オリジナルとグラフィックほとんど同じじゃん!」
- 「ポリゴンが荒い!」
という意見があれば、「そりゃそうよ、リマスターなんだから」になってしまうんですね。重ねるように、リマスターとリメイクは違うということは、頭に入れておいてください。
60フレームなのでヌルヌル動く
アニメーションが
なめらか
Wii版は30フレーム(通常のゲームのコマ枚数)でしたが、今作では60フレームで動くため、ヌルヌル動きます。なお調べたところによると、据え置き機ゼルダで60フレームに対応するのは今作が初とのこと。
60フレームは特に格闘ゲームやFPS・TPS(銃撃)ゲームのオンライン対戦で真価を発揮するものの、本作のように剣の操作や、処理落ちによるフレームレート低下でもストレスをあまり感じることなく遊べることから、60フレームのメリットは大きいでしょう。
Wiiと比べれば性能が向上したスイッチだからこその恩恵でしょうね。
ただ、30フレームのゲームを60フレームにしただけに、人物のまばたきなど、細かいところは逆にカクカクに感じてしまうところは、人によっては気になるところかもしれません。
25周年記念作品の表記が消えた
Wii版発売当時は25周年であったため、タイトル画面前に「25周年記念」のエンブレムが表示されていましたけれど、今作では削除されています。
まあ25周年はとうに過ぎていますから、当然といえば当然ですけどね。25周年の名残りは、アウール先生などの一部キャラクターが、騎士学校創立25周年に言及する程度にとどまっていますね。
携帯モード操作は慣れるまで難しい
慣れるまでが大変
携帯モードで本作をプレイするときの剣は、Rスティックの操作とはじく動きで振ります。
実際に遊ぶ前は、「スティックで剣を動かしてはじく操作? ああ、『メタルギアライジング(MGR)』のような感じだろうな」と思っていましたが、やってみると全然別物でした。
MGRだと、剣を振る(斬撃・斬奪モード)にはLボタンを押してRスティックで斬る位置を定め、そのままスティックを手から離す(元に戻す)と斬ることが可能で、Lボタンを押していれば、ボタン操作でも単純な縦斬りや横斬りを繰り出せます。
しかし本作では、Rスティックで斬る位置を定める部分は一緒ですが、斬るためには斬りたい方向へスティックを素早く動かす仕様になっていて、たまに上手く反応しないこともあれば、2回動かす手間になったり、ボタンによる縦斬り・横切りにも対応していないため、かなり不便です。
ゆえにMGRを遊んだ身からすると、「ちょっと操作が洗練されていなくて手間」と思ってしまいます。
ハードも販売元も開発会社も違いますから、違うのは当たり前なんですけれど、「剣を自由に動かして自由に切断できるゲーム」なだけに、比べてしまうのは否めないですね。
そのぐらい、MGRの斬る操作は非常に直感的で洗練されていました。
また、ポーチの使用も「Rスティックを離せば適用される」のではなく、「Rスティックで方向を決めてRボタンを離す」という操作方法になっていて、HD版で追加された自由カメラも、ボタン操作モードだとLボタンを押しながらRスティックを操作するという、メンドくさい仕様です。
慣れればまあ遊べなくはないですけれど、Wiiのヌンチャク操作と同じジョイコン操作のほうがスムーズに遊べます(実際の評価でも、ジョイコン操作のほうが圧倒的に遊びやすいという意見が多かったです)。
というか、ボタン操作を担当したスタッフはこれが遊びやすいと本気で思ったのだろうか。ほかのゲームからUX(直感的操作性)をもっと研究してほしいところ。
最後に:『スカイウォードソード』は大変だけど魅力がある
10年前当時の本作は、ダークな世界観とダンジョンの作りで名作だと評価が高い『トワイライトプリンセス』の次に発売された据え置きゼルダだっただけに、ダンジョンの密度や難しい操作性、売上に至るまで、比較されて結構不遇(ふぐう)な扱いを受けることも少なくないんですね。
当時の発売時期がWiiの末期時代だったことも影響しているでしょう。
とはいえ、『スカイウォードソード』も敵味方問わず、魅力的なキャラクターが多いですし、個人的には好きなゼルダシリーズ作品のひとつです。
特に初期のバドは結構嫌味な奴ですけれど、映画版ジャイアンのごとく成長する姿も必見ですし、本作初見の方は結構驚くでしょうね。
個人的に『スカイウォードソード』は、マスターソード・ハイラル王国誕生の秘密のほかにも、バドの精神的成長も見せ場であり、ある意味重要な部分だと思います。
ゲームテンポの改善やオートセーブ機能の追加など、ほかにもシステム面で改善されていますから、『ブレス・オブ・ザ・ワイルド』よりかは自由度は劣るものの(10年前のゲームだから仕方がない)、初めての人でも遊びやすいのではないでしょうか?
このままの勢いで風タクHDやトワプリHDもスイッチ移植してくれないだろうか……?
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