
19シーズンになってから、映像表現がまた変わった印象を受けました。1話のカイルの空に向かって叫ぶシーンは、これまでのサウスパークでは観られなかった構図表現で印象的です。
3話まで見た感じ、今回も1シーズンまたいで物語が進行するパターンですかね。
ネタバレ注意
作品の内容・結末が記述されています
第19シーズン1話『Stunning and Brave』


日本でも有名になった
ポリコレ
19シーズンでいきなりビクトリア校長がクビになり、代わりにPC校長と名乗るガタイのいい男性が新校長に就任。
PCは『ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)』の略で、差別・偏見の表現を排除し、中立的な表現を使うという意味で、それを体現する校長が就任したということでしょう。
PC自体は過去のサウスパークにも登場していて、第6シーズン9話『カントクはディレクターズカットがお好き』において、『編集版ET』予告編を観たスタンに対してカイルが言っています。
……と、ここまで聞けば正義感が強く素晴らしい校長でしょうけど、PC校長の過剰(かじょう)反応ぶりは排斥(はいせき)運動の域で、ポリコレに傾倒して多様性を失う典型です。
話の中でカイルが「ケイトリン・ジェンナーを英雄とは思わない」と発言してPC校長の怒りを買うシーンは、元金メダリストで俳優のブルース・ジェンナー氏が元ネタ。
60代で女性に性転換中と報道され、さらに交通死亡事故を起こして話題の人物となり、後年には性転換で女性になった、トランスジェンダーを公表したアメリカの著名人です。
ケイトリン・ジェンナーと改名してツイッターをはじめたところ、4時間で100万人のフォロワーを獲得。オバマ大統領の5時間で100万人達成の記録を塗り替える快挙を達成したのだとか。
ケイトリン・ジェンナー|Wikipedia
第19シーズン2話『Where My Country Gone?』


相変わらずの
カナダいじり
2話は全体的に移民問題を扱った話ではあるも、その対象はシリア人ではなくカナダ人になっていて、サウスパーク恒例のカナダいじりです。
ただアメリカにおける移民問題はシリアとは別らしく、南米の不法移民者による犯罪が問題になっているとかで、サウスパークではそちらに焦点を当てているか、一緒にしてるようです。
この話では久しぶりにギャリソンの歌が披露され、歌詞は聞く感じ、まるで第13シーズン14話『Pee』でカートマンが歌っていた白人至上主義的な曲を思い出しますね。
展開の軸となった、「カナダ移民の解決にはカナダ人を性的暴行をして、壁を作るしかない」とギャリソンが説いて賛同者を集める部分の元ネタは、ドナルド・トランプ氏の発言が元になっている模様。
“移民の聖域”都市で無差別殺人、全米に波紋 共和党大統領候補「国境に壁作る」|NewSphere
