
2023年ごろから、『pixiv FANBOX』で公開した作品が「要修正商品」と称し、描写に問題ありと非表示になる事案が見られるようになりました。
- 何がおきているのか
- 規制が曖昧(あいまい)な問題
- なぜ表現規制が厳しくなったのか
- 要修正商品のよくある誤解
- 対策・移行先と注意点
自作品も実際に修正対象になってしまったので、以下から実体験・見解を述べていきます。
pixiv FANBOX|pixiv
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
「要修正」で非表示にされる


本当にビックリした
重ねるように2023年から描写規制で非表示になる事案が散見されるようになり、これは2022年12月の規約改定がきっかけです。
自分が無償・有償公開した作品もいくつか対象にされ、性行為(R-18)は取り扱っていないものの、いわゆるリョナ(暴力)や成人以下の表現・キャラクターが引っかかっているようです。
- 児童への性的虐待
- 近親相◯行為
- 獣◯行為
- レ◯プ行為
- 人体切断
規制は2023年6月の現状だとこうなっています。
上記内容が含まれ、現実的に被害が出ている三次元(実写)、その状況模写、実在人物をモデルにした作品の規制なら自分も理解できます。
しかし要修正商品はイラスト・マンガ・タグ・文章が対象で、該当のように見えない、モザイク・伏せ字でも対象になることがあります。
要修正商品とは何ですか?|pixiv
対象の一例と警告


2024年現在
- 催眠・洗脳・拷問・服従
- 薬(単語も含む)
- 暴力・リョナ
- スク水(スクール水着)・ブルマ
- 成人以下(に見える人物)の裸体
- NTR(寝取られ)・メスガキ
- 姉・妹・ママ・兄・弟・子供
- ロリ(幼女)・ショタ(少年)
上記なども対象になっているらしく、家族の名称のみならず、日本人の名字や日常生活に関わる単語まで対象にされています。
それでいて「具体的な修正内容は答えないが、繰り返せば再非公開やアカウント停止もする」と通達され、理由を質問することが一切できません。

私はVTuberですが、私の絵をこのシチュで描いてください!
ご本人様から同意を得た作品まで修正対象にされたので、事情はおかまいなしで「見た目・単語がダメ」という感じなんでしょうね。
選定理由も運営担当者の主観が入っているようにも感じ、言葉狩りレベルの域になっています。
SEO(検索優位性)ならE-E-A-TやYMYLなどの指標で最適化可能なのに対し、表現規制は主観判断が目立ち、評価軸もバラバラな点にあります。
ゆえにSEOのような本質を見た予測や分別設計が非常に難しく、混乱の要因になったんですね。
修正せず再公開した場合、投稿の再非公開・アカウント停止をする場合があります。
具体的な作品の修正点などのご質問といった、個別の回答はできかねます。
(要約)
pixiv|要修正商品の処置で届くメッセージ内容の要約
日本の法律ではどうなのか?


表現の自由とは
今回の件はいわゆる『表現の自由』問題に関わるものとされ、後述のように一部国会議員も巻き込んだ話へと拡大しているようです。
ハーケンクロイツや赤十字の世界的タブー、名誉毀損(きそん)目的などを除いた、現実被害が含まれていない創作物の近親相◯やリョナ、切断だろうが原則、条件つきで保証されると言われます。
もちろんサービスや、二次創作などの利用規約を守った上での自由であり、表現の自由は免罪(めんざい)符ではないことは留意すべきでしょう。
表現の自由は大切ですが、規約事項やガイドラインを上回るものではありません。

【日本国憲法第二十一条】
e-Gov法令検索
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。(原文ママ)
「表現の自由」は、規制論への対抗言説になるか? 憲法と法律から考える(有料記事)|KAI-YOU Premium
余談:二次元小児性愛者の児童ポルノ反対は矛盾する?

おまえら児童ポルノ規制しろって言うけどさ、二次元のロリショタに劣情をぶちまけててどの口が言うんだ。どっちも同じだろ。
実在物と空想物の違いと本質は理解しているの? 個人の生理的嫌悪感で語っているのはダメね。

たまに上記のことを言う人はいるものの、本質を理解せず性的趣向の嫌悪感情だけで判断する人と思ったほうがいいです。
二次元ロリ・ショタを愛でる人が児童ポルノを厳しく見るのは、「実際に被害者がいるから」です。二次元に現実の被害者は基本いませんよね。
重ねるように「実在しない架空の創作物」なら、法律上は条件付きで保証され、二次元キャラクターを愛でるなり劣情をぶつける人が児童ポルノに反対する自体、何も矛盾していません。
むしろ現実・虚構を混同せずに区別する、理性的な行動ではないでしょうか。
性被害の誘発になる反論も、暴力ゲーム・ドラマで実際に犯罪をするのかってなりますし、暴力作品と実被害を結びつく科学的根拠はありません。
性暴力は本当にマンガ・アニメ・ゲームの影響なのか? 「日本は性犯罪大国」の嘘を暴く|ログミーBusiness
APA RESOLUTION on Violent Video Games(PDF)|American Psychological Association (APA)
No evidence to support link between violent video games and behaviour|University of York
規制が厳しくなった原因


考えられる要因
なぜFANBOXが厳しくなったのかを、一部ネット・SNS上で言われた要因から考えましょう。
1.有料二次創作問題

有料二次創作を著作権の問題だとかで規制したのでは?
それはまず考えられないかと。有料二次創作には極端な主張や誤った認識が多いので注意。

一部では「有料二次創作の権利侵害もあるから、それを含めての規制」と言われたり不安視されていますけれど、今回の件とは関係ありません。
有料二次創作の是非を言えるのはpixiv側ではなく、権利元(司法)に決定権があるからです。
創作ガイドラインを守った上でやっているのなら、pixiv側は口出しする権利がないし、ネット・SNSだと著作権の本質を理解せず、拡大解釈して法律の裁定者気取りをする人が多いですからね。
2.クレジットカード会社問題

クレジットカード会社の規制ってどういうこと?
広報も認めている事実だよ。決済プラットフォーム会社のありかたが求められるよね。

今回の問題の原因はこちらで、インタビューによると広報側も認めているようです。
マスターカード利用規約の121ページ目には実際に、pixivが禁止表現と掲げている内容とほぼ同一の記載を確認することができます。
pixivの修正理由の曖昧さは「マスターカードのご機嫌次第だから」ならスジがとおり、pixiv本サイトは通常どおりなのも説明がつきます。
当初は未成年ポルノ映像などをアップロードできる状況への厳格化とされていますが、それだけにとどまらず解釈が拡大し、性に関わらない創作物までも向けられているのは複雑になりますね。
VISAにも記載があり(89ページ目)、将来的に同様の規制が出る可能性を忘れてはいけません。
2021年2月より新たに大手クレカ会社から複数出版社に対して商品表題に特定の表現がある場合扱えなくなる旨通知が。「○○殺人事件」等のマンガや小説も引っ掛かると相談が関係者から多数。表現の自由とカード決済会社を含むプラットフォーマーの在り方について関係府省、また党内で検討を続けています
— 山田太郎 ⋈(参議院議員・全国比例) (@yamadataro43) February 21, 2021
クレカ複数ブランド持ってる人も多いし、本当に見たい作品のためなら別の決済手段用意するから決済方法を一つ失ったくらいじゃ離れないけど、
— dobu(どぶねずみ) (@dobunezumi06) November 15, 2022
「ユーザーの○%がMasterCardを使用している」みたいな表面的な数値しか見ないでサービス運営してると、決済手段を減らす=売上げ減みたいに思っちゃうのかと
2.明らかに不快な画像を含む製品またはサービスの販売、深刻な芸術的価値を欠く行為。
(例えば合意のない性的行為、未成年者の性的搾取の画像。人または体の一部の合意のない切断、および獣◯)、またはその他の機構が関連して販売することを容認できないと判断する材料、マーク。
Mastercard Rules(PDF:p.121の内容を意訳)
Protecting our network, protecting you: Preventing illegal adult content on our network|MasterCard
Visa Core Rules and Visa Product and Service Rules|Visa
ピクシブの利用規約改定で波紋 ピクシブ「国際カードブランドの規約違反の指摘が増え変更を検討」|ねとらぼ
DMMの「Mastercard取引停止」で考える“カード決済の裏” クレカの扱いがなくなる複数の理由|ITmedia NEWS
ニコニコ、Mastercardでの決済を突如停止 原因は“猫の動画”? 「カードブランドとの不和」疑う声も|ITmedia NEWS
補足:中国系ユーザーの行動
Pixiv、シンプルにR-18で検索したらヤバいと聞いて検索してみたら
— みずもれ (@Mizumore_nogood) November 15, 2022
普通に本物の死体写真の盛り合わせとか、明らか児ポのデータ販売のサンプル画像(料金表つき)とかが出てきて驚いている
なんだこのスラムは
ダークウェブでやれ
尚投稿はガッツリ簡体字の中国語
日本のサービスに迷惑かけるなァ!!
補足として、中国系ユーザー(業者)が生成AIも含めた写実的な児童ポルノや死体画像をpixivに大量投稿したのも、原因のひとつと言われています。
大量投稿でクレジットカード会社に目をつけられ、過剰規制したのはありえそうな話ですね。
規制への対策方法


FANBOXを使うか
別の手段を使うか
もし規制がされてもなおFANBOXを使い続けるのか、別の方法を使う場合は以下になります。
1.対象の文言・サムネイルを避ける

特定の言葉やサムネイルを避ける運用はどうですか?
中身が変わっていないから、効果的対策というより黙認の利用。恒久的とは思わないほうがいい。

- 裸体・性行為に関する淫語系用語
- 催眠・洗脳・NTRなどの非同意系
- 拷問・リョナなどのSM・暴力系
- 父・母・姉・弟などが含まれる単語
- 女子高生などの未成年系単語
- ロリ・ショタ・メスガキなどの属性
運営側はタイトル・タグ・本文を検索している可能性が高く、上記文言は避ける必要があり、サムネイル画像もそうで、1の表現が含まれないように編集・加工をする必要があります。
有料記事だけではなく無料記事も同様で、伏せ字(◯学生)や隠語(JK)、名称・名前系(母性・姉川など)も規制リスクがあり、過信できません。
あくまでも2023年現在の「現状」です。体制が変われば非表示になるリスクは留意しましょう。
2.そもそも描かない

そもそも描くのをやめて方針転換するのは?
ある意味では堅実な対応ではある。ただ、その描写が好きだった層は確実に離れるかなぁ。

心苦しい行為ではあるものの、たとえ深夜アニメ・少年マンガレベルの描写であっても、今後も避ける(やめる)選択肢もあります。有料記事=性的・グロだけではないものです。
ただ、そういった描写が好きな支援者は離れていくということでもあります。規制をとるか信頼をとるか、慎重に考える必要がありますね。
3.別支援サイト・会員サイト運用

別の支援サイトを利用したり、自分で会員サイトを作るのは?
前者は同じ問題を抱えているから過信しないほうがいい。後者は自由度が高いけど自己責任だね。

上記施策は自己防衛で確実ではありません。別の運用に移行することも選択肢のひとつです。
移行先に挙げられるのは『Fantia』や『Ci-en』になるものの、「クレジットカード会社由来の規制」はFANBOX以外でも起こりうる話です。
大なり小なり似た施策は起きるのは予想できるため、楽観視しないほうがいいでしょう。
知識があるならWordPressなどの動的な仕組みを導入し、ブロマガを公開する会員サイト運営が、ある意味では一番自由度が高いですかね。
ただ、トラブルが発生した際は誰も守ってくれないので、完全自己責任の世界です。
ファンティア|クリエイター支援プラットフォーム|Fantia
Ci-en(シエン) – クリエイター支援サイト|Ci-en
WordPressで会員サイトを作る方法|導入メリットや作り方も|スパイラル株式会社
最後に:よくある誤解まとめ


規制の理由と
よくある誤解

なぜFANBOXは言葉狩りのような表現規制をはじめたのですか?
クレジットカード会社が規制のお達しをしたからだよ。これはpixiv広報も認めている事実。

FANBOXの要修正商品問題について、自分の体験談を踏まえて経緯・原因などを述べていきました。
規制の原因はクレジットカード会社、特にマスターカードが描写により厳しくなったのが要因で、pixiv側は顔色をうかがう状態なんですね。
だからpixiv運営は曖昧なことしか言えず、質問にも答えられず、同様の記述があるVISAも将来的に規制が厳しくなる可能性は大いにあります。
こちらの記事を読むと、海外だといかに二次元や創作物に厳しいかがわかりやすく、そして日本の創作文化がとても独自なのがわかります。
カード会社が厳しくなるのは純粋な未成年ポルノ規制のみならず、政治利用する団体や大人の存在、宗教観、海外だと二次元と三次元は同一扱いなど、複雑な背景が絡まっているようです。
そして今回の問題における、ネット・SNSで見かける誤解を訂正していきます。
マンガが米国で全然「クール」になれない事情|東洋経済オンライン
諸外国における実在しない児童を描写した漫画等のポルノに対する法規制の例(PDF)|国立国会図書館デジタルコレクション
誤解1:R-18クリエイターが対象

R-18(=性行為・グロテスク)の有料記事が規制対象でしょ?
対象に抵触した健全作品、「R-18まではしないけどセンシティブ描写を描く人」も対象だよ。

この認識は誤りで、性行為を扱わない、裸体・グロを描かないクリエイターも修正対象です。
そもそも有料記事=R-18という考えかたは、知らずに言っていて大変軽率であり、健全絵、R-12やR-15相当の有料記事も当然あります。
要は深夜アニメ・少年マンガで出るような描写のみならず、「姉」「妹」や「薬」などの単語を使った健全作品までも対象です。
実際に性行為・切断などのグロは描かない自分の絵もいくつか非表示にされましたからね。
誤解2:有料二次創作の規制

有料二次創作の規制も含めているんじゃないの?
認識が大間違い。仮に規制を言えるのは権利元や司法だけで、pixiv運営に権限はない。

今回の件は有料二次創作の是非と関係がなく、pixiv側は規制・違法と言う権利はありません。それを言えるのは版権の権利元(司法)だけです。
「二次創作も盗用行為・違法だから規制しろ」と言う人がいますけれど、「私が気に入らないから」をそれっぽく言っただけの無恥な人でしょう。
著作権の本質やガイドラインを理解していれば、黒・白と決めるのは第三者ではないし、サービスが裁定者気取りをするのはおかしいとわかります。
誤解3:規制は実写・リアル系だけ

規制対象は実写・リアル系の作品だけでは? アニメ系や文字作品なら関係ないじゃないか。
『禁止商品』と『要修正商品』は別物で、今回の問題は後者です。

この意見を見かけた場合、「間違ったことを広めているな」と思ったほうがいいです。
実写・リアル系は「禁止商品(削除)」で、今回騒がれているのはイラスト・マンガ・タグ・文章などを対象にした「要修正商品(非表示)」です。
誤解4:無料記事なら問題なし

カード会社が関わっている有料記事が問題では? 無料記事なら問題ないと思うけど。
自分のところだと、無料公開作品が実際に規制されたよ。

確かに支援サイトでは無料で投稿できることも可能で、FANBOXも同様に無料公開できます。
しかし無料記事であっても要修正商品認定をされましたので、過信しないほうがいいです。
配慮は大切だとしても

FANBOXの表現規制による言葉狩りがひどすぎるから、別のところに移行したいんだけど。
よく言われているのはFantiaとCi-enだね。ただ外部圧力による規制は今後どこでもあり得るよ。

「表現の自由の侵害!」と叫ぶつもりはありません。表現の自由はサービス規約・ガイドラインの範囲内でおこなうものですからね。
表現の自由だから何をしても許されると思うのは、それはそれで極端かつ危ない思考でしょう。
とはいえ現実のポルノ規制ならまだしも、それを拡大解釈して創作表現を過度に萎縮させるのは考えものですし、先鋭化したポリコレ(中立・多様性配慮)にもつながりかねません。
移行先で言われるのはFantiaかCi-enですが、「外部の裁量次第でサービスに規制がかかるのは、どこでも起こりうる」のは念頭に置いてください。
対応してFANBOXの利用を継続する場合でも、「対応したから大丈夫」と過信してはいけません。
今は大丈夫でも「恒久的に問題ない」ではなく、運用方針が変われば非表示問題が再発し、それが数カ月後なのか数年後かはわかりません。
どのサービスにも言えることながら、「変更や規制の裁量を考慮して柔軟に見直す」のは重要です。
2024年4月からは作品非表示はないも、Fantiaも一部単語を強制伏せ字にする仕様になったね。












