
pixivやツイッターなどの投稿サイトなどでは、
- 「続きはFANBOXで」
- 「Fantiaで公開中」
- 「Skeb納品しました」
このように、支援サイトへ誘導したり、有料リクエストを受けて納品などといった絵描きは、ネット・SNSだとよく見かけるものです。
これがオリジナルだと見る側の観点を除き、ほぼ問題ありませんが、二次創作は話が変わってきます。
二次創作の場合、著作権問題やガイドラインなどをしっかり把握しておかないと、リスクを負ったりトラブルに巻き込まれてしまう可能性があるんですね。
二次創作で誘導や描く自体は否定しないものの、理解しているかしていないのか、利点とリスクを考えている・考えていないは大きく違いますので、自戒も込めて記載します。
二次創作に対する詳しい著作権の話や、AIイラストの二次創作問題は以下の記事にまとめましたので、あわせてご参照ください。
-
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
「続きは支援サイトで」はうざい?


嫌われるのには
原因がある
- 「『続きはFANBOXで』は本当にうざい」
- 「画像小さいし『Fantiaで公開』はやめてほしい」
- 「サンプルなのはまぎわらしい」
このように、有料記事前提での投稿公開を不愉快に思う方が少なくないですから、「二次創作ガイドラインを読んで、支援サイトの有料記事にしているのか」の延長として記載します。
この問題は「権利元のガイドラインと節度を守って利益侵害をせず、支援サイトの規約に従っているのなら、二次創作の『続きは支援サイトで』はダメではない」もので、原則問題ありません。
無料が当然の考えかたは誤った日本教育・風潮の刷り込みだと、記事に記載したとおりです。
不親切な誘導が多い


せめてタイトルには
書いてあげよう
支援サイトへ誘導して金銭を得るのは悪いことではありませんが、
- 【ただのサンプル紹介】実質的なサンプル紹介で、その旨がタイトルに書かれていない。
- 【値段表記が不親切】金額が概要欄に未記載で、初見では非常にわかりにくい。
- 【露骨な誘導】画像サイズが小さく、有料記事を見させる前提の投稿。
このような見せかたは、オリジナルであっても二次創作のルールを守っていても、心証はよろしくないものですし、見る側からすれば不快に感じる可能性があります。
- サンプルだと書かれていない
→ 「開いたらサンプルとかうざいわ」 - 値段表記がない
→ 「何円払えば見られるの?」 - 露骨に誘導される
→ 「気になって見たのに損した」
見る側の気持ちになって考えたことはある?

こういった閲覧者の気持ちを考えられるかということであり、下手すれば自身のイメージダウンや機会損失にもなります。
見る人の気持ちを考えてあげる大切さ
ゆえに自分の場合、特殊差分(裸体表現など)のサンプルを紹介する際は、
- 【タイトル表記】「限定記事サンプル」だとタイトルに表記。
- 【あくまでもおまけ】有料記事は「任意のおまけ」の立ち位置として扱う。
- 【金額の明記】有料記事を見るのに必要な金額は、しっかり概要欄に明記。
- 【画像のサイズ】無料でも横幅1000pxサイズで公開する。
このように心がけています。
「自分が見る側だったらどう思うか」という、ユーザー目線の意識と優しさを持つのは本当に大切。このぐらいの配慮はクリエイターならできないと。

嫌われる要因は絵描きのモラル


周りがやってるから
同じようにしていいの?
このように、
- 「二次創作は好きなものを描けばいい」
- 「(二次創作で)無断転載・アップロード禁止です!」
- 「(二次創作で)AI学習禁止」
……と、善意や応援で描く気持ちは尊重するにしても、自分のことばかり考えているか、他人のやりかたをマネているだけなど、絵描き全員とは言いませんが、リテラシーが低いんですね。
二次創作の法的問題を裁定者気取りで騒ぐ人のみならず、リテラシーが低い一部の絵描きも問題で、好きなジャンルを好きに描いて権利主張や益を得る前に、これらの配慮や考えも忘れてはなりません。
モラルと思いやりに欠いた、不勉強な絵描きが目立つ。

こういうことですし、特に二次創作を中心に活動する絵描きに見られますね。
「二次創作を好きに描く」の問題


友達の見せ合いっことは
ワケが全然違う
二次創作を好きに描く自体は否定しませんし、自分も二次創作のほうを多く描く人間です。
とはいえ、自分は安易に気になる・流行の作品を(全くしないわけではないですが)積極的に描いて掲載する行為は避けています。
これは、「安易な理由で二次創作を描き、それをネット・SNS上に載せる行為には大なり小なりリスクがある」からです。
ネット・SNSに載せる場合、さまざまなトラブルや問題が発生するリスクが100%ないとは言い切れないことを、知っておかなければならないと考えています。
便乗(ミーハー)行為をよく思わないファンもいる
「話題・ブーム作品の二次創作に便乗する」は言いかたを変えれば、

アニメやテレビで知ったような『にわか』だけど、この作品好きなんですよねー。
って、自分から言っていることになります。
もちろん、

好きなキャラだから描いてくれて嬉しい。
と好意的に考えるファンもいれば、

ブーム去ったら別のを描くようなミーハーなんだろ?
と、心変わりするさまに嫌悪感を抱くファンも同時にいるものです。
自分はどちらかといえば後者のタイプで、ファンと名乗るなら原作や関連商品を買い、定期的に情報チェックして考察など、深く知るところまで知るのがファンに対する礼儀と考えています。
無料であれば描くときもたまにあるけれど、ファンへの礼儀という観点から、ご依頼でもない限りは積極的に描かないね。

二次創作にデリケートな権利元もある
(二次創作の大前提ではありますが)作品の中には、二次創作のネット・SNSに載せたり、有償行為にデリケートな権利元があるのを知らなければなりません。
たとえばサンライズは「二次創作のネット掲載は許可がないと禁止」と明記しています。
まだゲームやアニメオリジナル、新規アニメ映画であれば、創作ガイドラインを参照できてわかりやすいとはいえ、マンガ・ライトノベル(ラノベ)作品は著作者が発表しない場合がほとんど。
「ファンアートは応援の証」と考えてもらえる権利者が多数ですが、全員が全員そうという保証はありません。
真偽は不明とはいえ、『はてな匿名ダイアリー』で「ある作品の原作者だけど、二次創作を許容する風潮はやめてほしい 」という投稿がなされ、ネット・SNS上で物議になりました。
自称原作者さんに指摘するなら、
事前にガイドラインなどで意思表明していないのが問題だし、それを言いたいなら匿名で言うべきじゃない。

このように苦言しますし、本当に原作者なのかがわかりませんからね。
とはいえ、いたずらに二次創作を描く行為はアウトのケースに当たってしまう可能性を、頭のすみに入れないといけない部分には同意です。
サンライズ二次創作公式ガイドライン|サンライズ(バンダイナムコフィルムワークス)
二次創作の有料リクエスト問題


何も考えないで
やっていない?
「二次創作を好きに描く」の中でも一番問題になりやすいのは、支援サイトの有料記事や、『Skeb』といった有料リクエストで二次創作を描く行為です。
もちろん、ガイドラインを読み節度を守ってリクエスト絵を描くなら問題ありません。実際にSkeb規約では「二次創作リクエストは権利元のガイドラインを守りましょう」と明記されています。
ただ、このSkebの表記はほとんど「建前」で、自己責任状態なのが否めませんし、
ちゃんと権利元の見解を確認して、二次創作の有料リクエストを受注・納品しているの?

本当にこう言いたくなるケース(絵描き)があまりにも多いんですね。
厳格・不明確な権利元の一例
たとえば初音ミクなどの『VOCALOID(ピアプロ)』はガイドラインで、「非営利でも金銭のやりとりが発生した場合は、権利元へ申請および問い合わせをしなければならない 」としています。
先述のサンライズの件と同じく、初音ミクなどを有料で描いた絵描きや依頼者はちゃんと認知し、権利元へ申請したのだろうか……となってしまいますよね。
初音ミクたちを有償行為で描くなら「ピアプロリンク」を発行する必要があるんだけど、Skebでそれをしている人は正直見たことがない。まあ年齢制限系は申請しにくいかもだけど。

また『バンダイナムコゲームス』作品の場合、一部作品を除き二次創作のガイドラインが存在せず 、有名どころの『アイドルマスター』や『デジモン』にもガイドラインは存在しません。
たまにアイマスやデジモンの絵を描いてくれって依頼されることはあるものの、断ってるね。

キャラクター利用のガイドライン|ピアプロ
利用規約|バンダイナムコゲームス
理解してやっている絵描きは少ない
とはいえ、これらの権利元も二次創作の物量が多く黙認の姿勢でしょうし、「キミはガイドラインを守っていない!」などと、独善的な正義感や自治気取りで騒ぎ立てるのも褒められた行為ではありません。
何度も言うように、理解しているのとしていないとでは大きく違うという話で、実際にそれを覚悟してやっている絵描きは、正直多くないのが現状です。
仮に問題が発生したら、リクエストを頼んだ人は依頼者ではなく、共犯者になってしまいます。そんな事態になる可能性は低いですが、ゼロではありません。
リクエスト依頼者にも迷惑がかかってしまいますし、責任取れないですよね。

だから、ガイドラインを熟読するなどの権利問題・法的観点の認識を知って、自身や支援者の身を守るのも考えた上で行動しましょうねという話です。
それに権利元のことを調べて行動するのは、権利者への敬意(リスペクト)になります。調べないで有償行為をやるのは、ある意味とても自己中心的で身勝手な行為と言えるかもしれません。
「好きなものを描けばいい」には、「好きだったら調べなくてもいい、何してもいいの?」となるし、トラブルが発生したらどうするつもりなんだろう。自分や依頼者を守れるの?

余談:実在人物を描く権利問題・デリケートな部分


肖像権はややこしいよ
少し趣旨は外れ、作品ではなく実在人物(同人作品だといわゆる『ナマモノ』)の話で、センセーショナル(話題)になっている実在人物を描くのは、慎重な判断をしなければなりません。
不祥事・問題を起こしたからと、安易に面白がったり「風刺」と称して実在人物をモチーフに描いてトラブルになったのは、日本のみならず海外でもある事例で、少し検索しても出てきますね。
もちろん、覚悟してやっているのなら別です。しかし、
- 「面白ければ何してもいい」
- 「ノリ・風刺だから問題ない」
このように考える人は、お祭りや成人式で大騒ぎしてメディア報道される若者と同じレベルです。
実在の事件系ネタとかね。ちゃんと覚悟があるならいいけど、ミーハーのノリでやって「ネタだし」で弁解するのはよくないよ。

クリエイターの中には「表現の自由」だと拡大解釈して正当化する人もいますし、

クリエイターは「表現の自由」と言えば、何をしても許されると思っている連中なんだな。
という風評被害にもつながりかねません。
お悔やみ絵はより慎重になるべき
そして実在人物モチーフでも特にデリケートなのが、当該人物への訃報(ふほう)やお悔やみとして、その人物の肖像画を描いてネット・SNSに掲載する行為です。
これは法的な問題ではなく心情・情緒・倫理(りんり)観の話になり、こちらも人によって賛否が分かれます。
たとえば芸能人の志村けんさんが亡くなったとき、追悼(ついとう)としてバカ殿や変なおじさんなどを描く人をプロ・趣味問わず見かけ、
心からの追悼か、訃報に便乗したいいね稼ぎか……

って、考えてしまいますね。
モラルの問題か、価値観の違いか
当人や支持派の意見を見た限り、
- 「心の整理が目的」
- 「潰れそうだから、悲しみの共有」
これらの理由が多く、まあ現代的といえば現代的で、そこに悪意はないのだろうと信じたいところ。
本質的には、黙祷(もくとう)ツイート問題とか、ペットの亡骸をSNSやYouTubeで載せる行為と同じじゃないだろうか。

リテラシーや想像力の問題なのか、それとも価値観の違いなのか……
仮にこちらが哀悼の意で描くことはしても……ネット・SNSに掲載をしようとは思わないかなと。もちろん、対象人物がフィクションなどの架空の人物に対する追悼ならその限りではありません。
最後に:ルールと節度を守ってやるということ


そのために
ガイドラインがある
冒頭で述べたように、「続きは支援サイトで」は100%おかしいわけでも、便乗して二次創作を載せる、金銭を得る行為を全否定しようとは思っていません。
記事内容を要約すると、
CHECK!
「自分の場合」、創作・二次創作を考えなしにやると、さまざまな問題が出るリスクがあるので、むやみに便乗して二次創作絵を描いて掲載したり、ガイドライン不明なジャンルの有料依頼は受けない。ということになります。
じゃないと、トラブルが発生したときに適切な対処ができず、特に有料二次創作だと権利者のみならず、お金を払ってくれた人にも迷惑をかけてしまいます。
大切なのは「理解して動く」こと
この記事の内容も「一意見」であって「すべて」ではないですし、ルール厳守が正義と言っているわけではありません。
とはいえ、やるからには「周りに従っておけばいいや」ではなく、
- ちゃんと権利元を確認したか
- リスクも知っているのか
- 承知の覚悟で活動しているのか
大切なことなので何度も言います。
理解しているのとしていないのとでは大きく違う。

それがこの記事で一番言いたいことです。
これは自分や支援者の身を守ることにもつながり、自分で考えて行動すれば、ちゃんと意見できるものです。
善意・黙認は「許可」ではない
また、二次創作をメインにやっている人にも言っておきたいのが、
CHECK!
自分の権利を主張するならば、まずは他者の権利を尊重することがスジ。二次創作でやたら有料サンプルや有料リクエストをやったり、無断転載・AI学習禁止などを言っているにも関わらず、権利元の見解を無視するなど、敬意に欠く行動は個人的に感心しません。
自分の権利ばかり主張して、権利元の見解はガン無視。それって「他人に厳しく自分に甘い」人だよ。

権利元がガイドラインで明記しない限り、それは許可ではなく善意・黙認でしかありません。
ネット・SNSを見ると意識が低く、自己権利の主張ばかりな絵描きが目立つので、しっかり考えていただきたいと思います。

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