
『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』とはまた異なる世界線の『ソニック AT 東京2020オリンピック』をプレイしたレビュー・感想です。
主戦場の海外ではソニックのスマホゲームは沢山あり、スマホ版『ソニックフォース』では実写ソニックのセルフコラボまでやってたりと積極的ですが、日本展開だと『ソニックランナーズ(2016年に配信終了)』以来でしょう。
リアルでは新型コロナウイルスによって1年延期にされましたからね。「2020年の開催」といった表現が劇中で見られないのは元々なのか、まだ見ていないだけか、はたまた情勢を反映したのか……は開発者のみぞ知る。
ネタバレは含んでいませんがステージ1までしか遊んでいないので、そこまでの簡易的な内容になります(買い切りパック〈後述〉は購入済です)。
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ネタバレ注意
記事にネタバレがあります
※買い切り型ゲーム(無料で遊べるのは途中まで)

公式サイトやストア説明文を見れば、「すべてを遊ぶには一定の料金を払う必要があるゲーム」としっかり表記されています(配信前にも記載されていたのは確認済)。
言うなら『スーパーマリオラン』のような買い切りタイプのゲームです。
歴代BGMを好みで別途購入可能なパックや、継続課金要素としてアイテム入手量増加パックなどもあります。しかしこちらは別に買わなくてもゲームに支障はありません。
基本無料ビジネスとはなにか
星1レビューでこのあたりを重点的に叩かれていますが、重ねるように任天堂も同じ手法をやってたし、今なら半額(¥610)で遊べるぶん、有償ガチャを回すソーシャルゲームや、¥1,200のマリオランよりもよっぽど親切で良心的。
『ランナーズ』のような広告まみれにならないだけマシだと思うのですが。
ものづくりは慈善事業でもボランティアでもないし、無料に見えるビジネスモデルは大体、有志のカンパ(募金)やスポンサー・重課金者など、お金を払う協力者がいる前提によって成立する商売なのをわかっていない。
しいて言うならそれこそ個人の制作者が、趣味で作ったかお蔵入りしたものを供養という形で、ストアに無料で出すぐらいでしょう。
アプリストアの仕様上、無料体験版として出すことはできませんからね。
今の子供世代が勘違いでイキリ立ってるならまだ可愛いけれど、お金の流れを理解する大人が「無料が当たり前」と言うのはどう考えてもおかしいじゃないか! まともなのは僕だけか!
歴代シリーズBGMのアレンジ
今作のBGMは歴代ソニックシリーズの曲をかなり採用しています。聞き取れた&調べた限りだと……
BGM名 | 元曲名 / シリーズ元ネタ |
---|---|
メニュー | Let’s DASH(メニュー画面BGM) / 『ソニックダッシュ』 |
トランポリン | Sky Road: Lap Music(オレンジルーフス:スカイロード) / 『チームソニックレーシング』 |
スポーツクライミング | Unknown From M.E.(ナックルズのテーマ) / 『ソニックアドベンチャー』 |
BMXレーシング | Beyond The Speed Of(草原ステージBGM) / 『ソニックランナーズ』 |
アーチェリー | Honeycomb Highway(デザートルーインズ Zone2など) / 『ソニックロストワールド』 |
3m飛板飛込 | Aquarium Park: Act1(アクアリウムパーク Act1など) / 『ソニックカラーズ』 |
フェンシング | This Is Our World(ステージセレクト画面) / 『ソニックフォース』 |
卓球 | Apotos: Windmill Isle Day(アポトス:ホワイトアイランド Day) / 『ソニックワールドアドベンチャー』 |
こう見ると、かなりシリーズ曲アレンジが多いです。
一部楽曲は和風アレンジだったり、テクノやロックリミックス調、まんま『ソニックフォース』や『チームソニックレージング』のBGMだったりしますけどね。
ストーリー演出とミニゲーム

ストーリーは「エッグマンと部下(一部を除く)が東京の街を占拠したので、オリンピック競技の勝負で開放していく」という王道かつシンプル。
縦読みマンガ風のストーリー演出は個人的に好きですね。
縦読みマンガは作家の個性でバラバラ、どうすればいいか悩みどころだから、絵描きとしては参考になります。
ガラケーゲーム時代のネタも

ミニゲームも(いい意味で)オリンピックに関係ないものばかりで、スカイツリーのミニゲーム(画像右)は『ソニックジャンプ』そのもの。
ガラケーのゲームだったソニックジャンプを知る人って、多分そうそういない気がします(自分もやったことはない)。
気になった点など

スマホゲーなのですべて指による操作になりますが、操作が凄くシビアというか、かなり操作の感度が高く、繊細な操作を求められる場面が多々あります。
たとえば自転車競技の「BMWレーシング(画面左)」は直進なら画面を指から離せばいいものの、カーブするときに加減が極端で、スムーズに曲がるには慣れが必要です。
慣れてしまえばどうということでもありませんけど、慣れるまでが大変。

頻繁に白いロード画面(画像左)が挿入されるのも気になりますね。
白はデジタル画面上だと視覚的に刺激が強いので、頻繁に白一面の画面を映されると目障りに感じます。小さなロード程度は右下などにさりげなくロードアイコンがある表現でもよかったかもしれません。
それから操作説明面では、タップではなく「タッチ」操作と表記されています(画像右)。タップとタッチは一緒じゃないかと思っていましたが、
- 【タップ】画面を「一瞬押す」
- 【タッチ】画面を「押し続ける」
……らしく、微妙に意味が違うんですね。
いっそタッチではなく「タップ(ホールド)」のほうが直感的に思えます。
総評:スイッチ版よりも長く遊べるオリンピックゲーム


完成度は高かった
スイッチ版(マリオ&ソニック)にもいいところがあって悪くはなく、細かい絵づくりやレトロゲーム要素も楽しめました。
しかしマリオ&ソニックシリーズとしてはパーティ要素・コレクション要素・キャラクターが大幅削減されたので、正直期待はずれに感じていた部分もあったんですよね。
しかし本作はボリューム・コレクション・キャラクターに加えてソニック歴代アレンジBGMも多く、まるでスイッチ版の悪いところを反省して、いろいろ直したかのように感じます。
わがままを言えば「スマホ版マリオ&ソニック」として出てほしかったのは否めませんが、権利の問題もありますし、ソニックのキャラクター限定にしたからこそ、スピード感がある内容、歴代アレンジBGMが多くいので、複雑なところ。
一番気になるのは割とシビアな操作性で、まだ慣れてしまえば遊べるレベルものの、その慣れるまでが大変。
上記では触れませんでしたが、ゴリゴリに3Dを使っているだけに長く遊んでいると少しカクカクする場合は、設定でグラフィックレベルを下げる選択を考えたほうがいいかもしれませんね。
レビューでは買い切り課金を反発する内容が目立つものの、任天堂も過去にやっていたし、公式サイトやストア紹介文には「すべての要素を遊ぶには一定料金を支払う必要があります」と配信前から記載されていますから、無視してOKです。

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