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『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』の感想になります。あの『最後のジェダイ』からどのようにつながるのかが気になった本作ですが、前作の各キャラクターの性格を軌道修正しつつも、全9部作クライマックスに相応しい内容です。
急展開や気になる部分はあるとはいえ、個人的にはとても楽しめた映画でした。
しかしながら、今作は少し予備知識がないとわかりにくい部分がありますので、記事の最初はネタバレを避けつつ前提知識を記載し、その後にネタバレレビューを記載します。
本作を観る前に知っておきたい予備知識
映像だけを見ると、物語の状況がうまくのみ込めないところが多々あると思いますので、見る前に知っておきたい予備知識を以下に記載しておきます。
- 【時系列】今作は『最後のジェダイ』の出来事から1年後。
- 【レジスタンスの復活】前作のラストでレジスタンス人員を多く失ったが、レイアのコネクションや呼びかけによる志願によって再編成。
- 【あれからのカイロ・レン】カイロ・レンが最高指導者になった後、かつての帝国のような恐怖支配を銀河中に広めた。
- 【あれからのレイ】レイはルークが銀河中から集めた8冊のジェダイ聖典を持ち帰り、ジェダイの知識と歴史を学び、シスの星があることも知る。
- 【あれからのローズ】ローズは前作の活躍で整備員からエンジニア部門の指揮官になった。
- 【ジェダイ聖典】ジェダイ聖典にはジェダイの訓練方法から教義までのすべてが記されている。
- 【シスの星】シスの星(惑星エクセゴル)にはシスを崇拝する巨大カルト団体「シス・エターナル」が、新帝国の樹立を何十年も願い続けている。
- 【クラウド・シティ】『帝国の逆襲』で登場したクラウド・シティは、6〜7の間ですでに解散。
- 【レイアもジェダイ】かつてルークは6〜7の間に、妹のレイアにも(ライトセーバー剣術も含めた)ジェダイの訓練を受けさせていた。
- 【例の船】『ローグ・ワン』や『新たなる希望』に登場した「外交任務を帯びた船(タンティヴィーⅥ)」は帝国側が保管。
- 【エンドアの月】『ジェダイの帰還』で登場したエンドアの衛星(月)は複数個ある(中盤以降に訪れる衛星はイウォークたちのいる衛星とは別)。
- 【アナキンのライトセーバー】『最後のジェダイ』で壊れたアナキンのライトセーバーはレイによって修復。
- 【勲章メダル】『新たなる希望』のラストで授与されたハン・ソロの勲章メダルはレイアが今でも大切に持っている。
パンフレットに記載されていた予備知識を簡単にまとめました。
このあたりは事前に知っておけば、本作の理解度は深まると思います。また本作の前日譚(たん)となる小説版(上下巻)もありますので、興味のある方は読んでみてもいいかもしれませんね(劇場で買おうとしたけど、上巻だけでも¥1000以上したのでやめておいた)。
スター・ウォーズ レジスタンスの復活 上 (ヴィレッジブックス)|Amazon
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次からはネタバレありきのレビューなので、映画を観ていない方は見ないことをオススメします。
プロローグの時点からクライマックス
今作の印象は、冒頭プロローグでほとんど持っていかれたと言っても過言ではありません。
まさかパルパティーン皇帝が復活したとさらっと書かれているなんて、続三部作の物語で誰も思わなかったでしょうし、声に出して「なんだって!?」って言いそうになりましたよ。
確かに、皇帝は『ジェダイの帰還』であっさり死んでしまいましたが、まさか暗黒面のフォースの力で(霊体として)復活していたとは……まるで『ゼルダの伝説』のガノンのよう。
スノーク元最高指導者は皇帝が生み出した傀儡(かいらい)に過ぎないこと、続三部作主人公のレイは皇帝の孫娘(本名はレイ・パルパティーン)で、暗黒面じゃないと使えないフォース・ライトニングが使えたのも驚愕(がく)の事実なはずなのに、皇帝が復活した印象が強すぎて、こちらの事実は少し軽く受け止めてしまったほど。
しかしながら、前2作でそのような伏線も全然なかったので(公式小説版では明らかにされているのかな?)、ぶっちゃけ後付け設定感が否めないものの、そもそもスター・ウォーズ自体が後付けだらけだし、ラスボスがカイロ・レンより皇帝のほうがインパクトも大きいでしょうからね。
前作の違和感を軌道修正
前作で気になったキャラクターたちの性格改変は今作で軌道修正され、ポーのアナキンのような無鉄砲な性格は大人しめになり、そもそもあのような性格だったのは、レジスタンスに入る前に運び屋稼業をしていたことが由来になっているようです。
『フォースの覚醒』における兄貴分みたいな性格は言わば一部分、表面上で、素の性格じゃなかったと言えるのでしょう。
仲良くなってから素の性格が出ているのは、今作でのフィンのやりとりからでも察せます。
個人的にいい改変だったのはローズの性格。前作はオタクっぽい根暗な雰囲気に加えて恋愛要素を絡めてきたので(ビジュアルも含めて)正直好きになれませんでしたが、今作では精神的に成長し、部門の指揮官になったこともあって、ビジュアルも含め、頼りがいのあるカッコいいキャラクターになっています。
魅せ方次第でこうも印象が変わるとは驚きですね。
ファンの間でもひんしゅくを買い、中の人(マーク・ハミル氏)も苦言していたルークのおじけづいた部分は、今作では霊体でレイを助けた後、自己反省の弁を述べているシーンがありました。
ルークは神話の人物だけど、ひとりの人間なんだなあと。
全シリーズオールスター出演
スカイウォーカーの物語の最後ということもあり、上述した皇帝も含め、『ファントム・メナス』から『最後のジェダイ』までのキャラクターが実質上、総出演しています。
キャラクターだけではなく乗り物もそうで、後半のファイナル・オーダーの超巨大艦隊と、レジスタンスの呼びかけによる戦闘機集結シーンは壮観の一言。
皇帝との戦いのラストシーンでは、ルークやアナキンも含めたジェダイ組が総出で彼女を応援していました(霊体からの呼びかけなのか、カイロ・レンの前に現れたハン・ソロのように、レイの記憶だったのかはわかりませんが)。
とはいえ、惑星を破壊するデス・スターのスーパーレーザー並の威力を持つキャノンを標準装備したスターデストロイヤーが大量生産されているのはさすがにチート戦力すぎる。
霊体でもなく記憶でもない過去作出演としては、エピソード5〜6で登場したランドの再登場でしょう。
彼は冒頭のとおり、統括していたクラウド・シティを解散し、ルークに関連するアイテムを探して旅に出ていたそうです。子供もいたそうですが、ファースト・オーダーに誘拐されてしまったとか。
ラストシーンを見るに、元トルーパーのジャナがかつて誘拐された実の娘である感がありましたね。
また少しですが、イウォークも再登場して一緒に喜んでいたのが微笑ましく、すべてが終わった後、レイがタトゥイーンにあるルークの生家を訪れ、ルークとレイアのライトセーバーを埋葬してBB-8と夕暮れの太陽を眺めるシーンは、旧作とつながる終わりかたです。
レイのライトセーバー(と思われるもの)が黄色なのは、公式スピンオフの設定も取り入れているのでしょうか(設定上では、ライトセーバーの力の源であるカイバークリスタルは、本来無色透明で、使用者との調和によって覚醒することで色が変化するとのこと)。
レイアに関しては、中の人(キャリー・フィッシャー氏)がお亡くなりになってしまい、『ローグ・ワン』のように顔つきが似た役者を起用してCG合成で再現することを制作側が拒否していたため、過去作の未公開シーンを編集して出演する形式が取られ、それすらも難しいシーンでは、顔を隠したカットで補完されていました。
最初のシーンでは合成感がありましたけど、それ以降は比較的自然に感じましたね。ただ、元気そうだったのに急に倒れて(フォースを使い果たした?)亡くなってしまったのは、まるで中の人と同じように描かれている気がしてなりません。
セリフに多少ちぐはぐ感があるのは仕方がない。
ジェダイの謎
本作で一番気になったのが、「ジェダイ(ライトサイドフォースを加護にする人物)は、死んだら全員無条件で霊体化できてしまうのか?」ということ。
カイロ・レンからライトサイドに復帰したベン・ソロや、レイアの遺体がことごとく霊体化しています。
これだと、『クローンの攻撃』のときや暗黒面アナキンの虐殺、オーダー66で死んだジェダイたちも全員霊体化していないと、つじつまが合わなくなってしまいます。
ただ解釈の仕方によっては、そもそも旧作の時点で、ジェダイがオーダー66でほとんど淘汰された後、たかだか数十年程度で世間からはおとぎ話や神話扱いされているので、消えてしまう(霊体化する)のは合点がいくかもしれません。
総評:これはこれでいい終わりかた
『最後のジェダイ』から軌道修正し、レイが実はパルパティーン皇帝の孫娘だったをはじめとした後付け展開じみたところは否めないものの、そもそもスター・ウォーズは旧作の時点で後付けと言い訳にもとれる設定補完だらけだし、これはこれでいい締めではないでしょうか?
「ケッセル・ランを12パーセク」や、ベンとダース・ベイダーの殺陣シーンがぎこちない理由などがそうですからね。
そしてエンドロールでキャリー・フィッシャー氏の名前が上に来ていたり、帝国のマーチも流れていたのもグっときました。
旧作が好きな古参ファンからすれば、続三部作の存在自体が納得できないでしょうが(話の展開もしかり、ルーク、レイア、ハン・ソロなど、旧作の人気キャラクターが次々と死んでしまったので)、個人的には楽しめたサーガでした。
そもそも続三部作全体に否定的な人って、ディズニー買収が気に食わない、ルーカス氏と旧作シリーズを神格化しすぎているところがありますからね。
でもそれだけ愛されているということでもあるので、彼らを全否定はしませんよ?
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