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【レビュー】『スターウォーズ・ストーリー / ハン・ソロ』感想・評価【スターウォーズ】

スターウォーズ,ハン・ソロ

スターウォーズ・ストーリー / ハン・ソロ』を観てきましたのでレビューです。上映から時間もたっていてレビューはたくさんありますから、ネタバレありきで書いていきます。

スターウォーズ・ストーリー / ハン・ソロ|ディズニー

ネタバレ注意 この記事にはネタバレが含まれています

若き頃の過去をほぼ忠実に再現

ストーリーは大まかに言えば、ハン・ソロと出自とチューバッカの出会い、そしていかにしてランドと出会い、どのようにミレニアムファルコン号を自分のものにしたかが描写されています。

ファルコン号でケッセル・ランを12パーセクで飛んだ伝説ももちろん登場しますし、このシーンは中々に見応えがあります。

今作を観ると、なぜハン・ソロがジェダイやフォースの存在を知らなかったのかがなんとなく想像でき、単に世間知らずだったのと帝国軍により徹底的な言論統制がされていたんだろうなぁと。エピソード4自体、単発でコケても大丈夫な構成なので、後付けと言えばそれまでですが。

そもそも帝国軍ですらフォースをおとぎ話の魔法扱いし、たった30年程度しかたってないのに、ルークを神話の人物だと思い込んでいたレイがいるぐらいだから、この世界の人物は栄光をすぐに忘れる、もしくは歴史を記録し教科書などで語り継ぐ文化がないのでしょう。

それほど違和感のない配役と吹き替え声優

吹き替えで鑑賞したこともあり、若かりし姿の配役もさることながら、声も特に違和感がありませんでした。まさに歳をとったらああいう感じになるんだろう。

多くのレビューで「若き頃という割には、配役の顔が全然似ていない」と酷評していましたが、「若きハン・ソロの雰囲気」はあると思いますけどね。

突っ張った面や異性に積極的な面やブラスターの撃ち方も劇中でしっかり再現しているのも、個人的に好感が持てます。

ポンコツになる前(?)のファルコン号とL3(ドロイド)がカッコいい

過去の話なので、新品同様(厳密にはランドに渡る前から様々な所有者から改造を繰り返されている)のファルコン号が登場していますが、白い機体と青のラインが美しいですね。もちろん船内も黄ばんでボロボロになっていません。

あの綺麗な機体があそこまでボロボロになったのかがわかるシーンもあるので、それと比較しても面白いでしょう。

そしてL3という、ランドの相棒でありファルコン号の副操縦士ドロイドはキャラクターが濃く、過去にも人間臭いドロイドは数多く登場しましたが、あそこまで細かい動作が人間のそれと同じ。

同類のドロイドを心から身を案じて解放・革命を実行し、キーラとの間抜けな色恋話をする姉御肌ドロイドはおそらくいなかったでしょう。今作限りでなおかつ、退場させるのは惜しいキャラクターでした。

「嫌な予感がしてきた」と真逆のことを言う若きハン・ソロ

スターウォーズではよく登場人物が「嫌な予感がしてきた(I have a bad feeling about this)」と言うのがお決まりのセオリー。

しかし今作ではハン・ソロが「イイ予感しかしないぜ」と真逆のことを言っています。

若き頃はよく言えば素直で純真、悪く言えば無鉄砲で世間知らずなこともあり、何事もプラスに考えていたからこそのセリフですね。

クローンウォーズ設定が登場

言ってしまえば、エピソード1で死んだと思われていたダース・モールが、下半身をサイボーグ化して登場し、引き続きシスとして活動を続けているというもので、観てはないのですが、ケッセル・ランを12パーセクという、距離の表現にするためにクローンウォーズで整合性をとったシーンを、今作でもセルフオマージュとして使われているそうです。

ダース・モールの登場は個人的に一番驚いたシーンで、まさかアニメ版クローンウォーズの設定(公式では正史扱い)を引っ下げてくるとは……寡黙(かもく)なダースモールが感情豊かになっているのもビックリです。

今作の疑問・不満点など

ここからは今作の疑問点・不満点などを述べていきます。

エピソード8に引き続きラッキーダイスのキーアイテム化

旧作(エピソード4)からミレニアムファルコン号のコックピットにぶらさがっている、ラッキーダイスという金色のサイコロ状のアイテムがあり、旧作では一瞬だけ見える一種のお遊び、ただのアクセサリー程度にしか描写されていません(裏設定はあったのでしょうが)。

しかしエピソード8でハン・ソロの形見として扱われ、今作ではキーラとの思い出が詰まった重要なお守りかのように描写されています。

これだけ書けば、「ああ、ハン・ソロは今でもキーラとの思い出を大切に持っているんだな」となるでしょうが、旧作では全くラッキーダイスに言及されないので、ものすごい後付け感。

ランドとの賭けでこのラッキーダイスを使ったとの記載が一部媒体(ばいたい)であるも、結局使われていません。

まあ後付けだらけのスターウォーズで言うのもアレですがピックアップしすぎ感が否めない。あのゲーム自体、ダイスは使わないんですけどね。

本作を観てから感じるレイア姫との恋愛感情

ハン・ソロとキーラは仲間以上恋人未満……どころか恋人のような接し方をしている上、若かりし頃はものすごくキーラに一途な描写がされていただけに、エピソード4〜5でレイア姫に好意を持ち、口説こうとするシーンがますます違和感を感じることに……

ハン・ソロはダース・モールを知らず、シスの暗黒卿はダース・ベイダーしか知らないことを察するに、今作の後の数十年間で闇の世界を経験していくうち、キーラとの気持ちに踏ん切りがついたと考えるのが自然でしょうか?

同じくエピソード8に引き続く後半の裏切り展開

エピソード8にあった、裏切ったかと思えば本当は敵を裏切り、味方かと思えばまた裏切った(だましていた)という展開はストーリーは(悪い意味で)気になりますね。

好意的に見れば、悪者と密輸者の読み合い合戦とも取れますが、それにしては浅すぎる印象。

言うなら30分のカードゲームアニメ(主に遊戯王)で安直に「それはどうかな?」「この瞬間を待っていた」を繰り返しやっているようなもの。

読み合い展開自体は盛り上がりますけど、繰り返しされると展開が安っぽくなります。

ラストで致命傷を与えたベケットを介抱するハン・ソロ

これも好意的に解釈するなら「ハン・ソロは若く非情になりきれず、裏切られても結局世話になったことには代わりないので、とっさに介抱をしてしまった」とも取れます(実際、劇中で他者を信用しない生き方を「寂しい生き方だ」だと反論している)。

ただ、このシーンはあえて非情な態度を貫き、ベケットを撃ったシーンでフェードアウトし、終わって欲しかったと思いますね。

エピソード4では酒場でハンがグリードを容赦なく先制攻撃で撃ち殺すシーンがあり、荒くれ者の密輸稼業だからこその生きる術で、ベケットがハンに言った「他人を信用するな」のポリシーが生きてきます。

これはいわゆる『ハンが先に撃った(Han Shot First)』との整合性をとったのかもしれませんね。

ルーカス監督は「非情な人物にしたくなかった」としていますけど、自分はそうは思わないですし、非合法な世界で生きる人間だからこその価値観の違いだという認識で納得されるものでは?

総評:悪くはないけど『ローグ・ワン』のほうが楽しめた

チューバッカやランド、ファルコン号との出会いや、ハン・ソロの経歴も丁寧に描写されています(ソロというファミリーネームは帝国軍の志願希望担当者が便宜上つけたものなど)。

過去編だけの登場で片付けるだけには惜しい今作限りのキャラクターやダースモールの登場など、ローグ・ワンほどではないですが、悪くないスピンオフ映画だったと思います。

しかしながら、観たら観たで旧作の整合性や設定にますます違和感を感じてしまった部分も否めず、人によっては配役に賛否両論でしょう。

丁寧には描写されているが細かいところまでは忠実ではないので、「本編は銀河史に記された神話の一部分で、細かい差異がある」「スターウォーズは後付けだらけの作品」と思えない、設定を一字一句覚えているような熱心なファンはあまり観ないほうがいいかもしれませんね。

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  • 赤竹ただきち  Tadakichi Akatake

以前書いた「正しい批判とはなにか」の記事が一部で反響をいただいて嬉しい限り。それだけ批判の意味が曖昧な人が多い一方、「正しい批判を知ろう」ということなんだろうと。

モラル・客観的・建設的な観点から世間の常識や風潮を疑い、自分から動いて、自分で考えるって大切なことなんだよね。

お金は卑しいものって風潮が、「国民を等しく貧しくさせる」という、江戸時代の経済思想が由来であるように、「世間の風潮や常識は、自身や現代社会に即しているのか」と考えてみるのは、自分を成長させる第一歩。

イラストレーター・ライター・フロントエンドエンジニア・WEBデザイナーの京都生まれなウサギ好き。性別問わず好きなタイプは「反省から学ぶ能動的な人」。物事を定義づけし、見解を交えてわかりやすく解説するのが得意なため、各所でご好評の声を頂いております。

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