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【レビュー】『スターウォーズ 最後のジェダイ』感想。とにかく裏切りと寝返りだらけ【スターウォーズ】

公開から少し間が空きましたが、『スターウォーズ 最後のジェダイ』のレビューです。
後述しますが、今作を一言で表せば「逆張りだらけの裏切りだらけ」ですね。
スターウォーズ 最後のジェダイ|ディズニー
本当に全編を通して、何人もの登場人物がだましたり裏切っています。前作『フォースの覚醒』でもフィンが序盤からファーストオーダーを裏切り、カイロ・レンから「裏切り者がー!」って罵(ののし)られますが、続三部作のテーマは「裏切り」なんじゃないかと言わんばかり。
裏切り要素を取っ払ったら、今作には何も残らないんじゃないかというレベルです。
とにかく裏切り展開が多い
ポジティブに言えば、ミスリード展開が多くある種のミステリー作品のような体裁(ていさい)があるとも言えます。
まぁあれだけ裏切られる・寝返る・騙される展開が多いと食傷気味に感じるも、ルークが姿を消した理由の下りは面白く、ルークが正しいのか、カイロ・レンが真実を話しているか、レイを迷わせていたのは見入りましたね。
なお今作におけるレイの行動も、カイロ・レンのように情動やその場の状況で二転三転する展開が目立ち、ある意味似た者同士が強調されていました。
だからこそ、中盤までは彼を理解しようと手を差し伸べるようとしていたのでしょうけれど。
今作の評価は真っ二つ
もうレビューも沢山ありますから、あえてこの項目を書かせていただきますが、今作の評価は見事に分かれています。
なおこちらのブログ様の記載(リンク切れ)によれば、監督曰く脚本はかなり自由にやったそうで、ポーの性格が前作の「茶化すけど仲間思いの熱い性格」と違い、今作ではアナキンのような無鉄砲さが強調されているのもそうなんでしょうか?
今回のポーのように、前作と比較して「こいつこんな性格だっけ?」という部分も多く、後述するようにルークもかなり別人で、中の人(マーク・ハミル氏)もインタビューで本作のルークに苦言をするほど。
その自由な脚本の方向性から、
- 「予想を裏切る展開が多くて面白い」
- 「過去作オマージュが多くて楽しかった」
という意見もある一方、
- 「続編と見せかけた別作品で、スターウォーズのような何か」
- 「ディズニー映画にありがちな展開」
- 「スターウォーズの神話を汚してくれた」
と、中には従来ファンの悲しみにもとれる厳しい意見も見られました(まあ旧作を神格化しすぎているところもある感は否めない)。
この双方の意見どちらにも、一理あると思います。
前者のオマージュについては、旧三部作でもわずかに登場したファルコン号のサイコロ状のアクセサリーや、エピソード5のパペットヨーダが再登場。
そしてハイパードライブを意図的にぶつけるカミカゼ特攻撃は、エピソード4でハン・ソロが言及していました。
そして後者は、特に序盤で「これ必要なの?」と思わせるやたらとコミカルな茶番シーンが挟まれ、演出・場面カットがスターウォーズであまり用いられていないものが少なからずあるんですね(『マトリックス』のようなスローモーションなど)。
それに宇宙空間でも割と平気なシーン、特にレイアが急にフォースを使って宇宙空間から帰還(エピソード5で無意識にフォースを使うシーンはありましたが……)といったシーンの数々は、そう思われても仕方がない気がします。
自分も劇場で見たときは「えー……」とつい口にしそうになりましたし。
だから全体的な評価としては「旧作オマージュを多く入れているから、どちらかといえばギリギリ好意的」の部類。
自分も今作はスターウォーズらしからぬ印象は少なからず拭いきれませんでしたし、また観たいかと言われると「(シリーズの中では)一回観たら十分かなぁ」ですね。
ほかにマイナス評価を挙げるならば、
- 上映時間が長すぎる(長けりゃいいってものじゃない)
- 無駄に長いカジノのシーン
- 前作に比べ威圧感がなくあっさり殺されたスノーク最高指導者
- (役者さんには申し訳ないですが)フィンと行動していた整備員ローズのビジュアル
ローズのビジュアルはかなり賛否が多く(中の人は役者経験なしの全くの新人)、相棒としてならともかく、フィンへの憧れや恋愛に近い感情で動くキャラクターにしてはちょっと……という感じです。
『ローグ・ワン』もそうでしたが、スターウォーズにアジア系役者が主要人物として登場するのはまだ違和感を拭きれない。
確かに整備員らしさはベストマッチなのですが……
老ルークはただのヨーダと化している
今作の目玉であるルークの活躍。いざフタを開けてみればエピソード5のヨーダそのものです。
最初はレイにジェダイ(フォース)の修行を行うことをことごとく拒否し、レイをおちょくり、ひょうきんな一面を見せていたり……
ヨーダはオーダー66の経験後に隠居し、あのような性格になったと言われましたけれど、おそらくそれのオマージュでしょうか?
しかし前述のように性格のギャップと不整合さ、ただの怖がりになってしまった(ここが中の人やファンが苦言した部分)ところを除けば、フォースと繋がって終盤でカイロ・レンをだまし、レジスタンスに逃げる余裕を与えるなど、ジェダイマスターの貫禄と、旧三部作と同じく同胞や仲間を大切にする精神をしっかり持ち合わせています。
結局義手が金属的になったのかは不明ですが、今作を見ると、単に経年劣化で義手の表皮が剥がれ落ちたと見るのが自然でしょう。
なぜスノークはカイロ・レンを見抜けなかったのか
前作では威圧感が大きかったスノーク最高指導者は、上述のように今作でカイロ・レンにあっさり殺されます。
しかもその殺されかたが「自分の過信」。カイロ・レンの企みに気づけていなかったと言わんばかりで、まるでかませです。レイにカイロ・レンと何かで繋がっているという幻覚を見せて暗黒面に引き込もうとする知略はあったんですが……
前作で威圧感を見せておいて次作であっさり殺されるのは今回が初めてでもなく、パルパティーン皇帝やドゥークー伯爵も似たような展開で殺されていますから、ある意味スターウォーズの伝統だろうと解釈しておきます。
パンフレットの記載によれば、スノークは体調が芳(かんば)しくなく、それを悟られないようにしていたとか。
だから機敏に動けず、席から動くことができなかったとも考えられますし、もしくはカイロ・レンの情緒不安定である部分が功をなし、真意を見抜けなかったとも考えられますね。
しかし後者の場合、カイロ・レンはヒステリックで激情家なので、欺(あざむ)くほどの力があるかと言われたら微妙ですが。
エピソード9は数年後の世界?
エンディング前のシーンで、フィンからレジスタンス軍の証をもらった子供が宇宙を見上げるシーンは、まるでエピソード9は何年か後の話になる感じに見えました。
またレイア姫ことキャリー・フィッシャー氏はお亡くなりになられた上、ルーカスフィルムはローグ・ワンで使用した似た顔つきの俳優を起用し、CG処理でより本人に似せる手法は使わない(引用リンク切れ)と公言しています。
しかし後年になって、未公開映像を再利用することで彼女を出す方向性を公式が発表しました。事実上、エピソード9がキャリー氏の遺作となるでしょう。
総評:個人的には一度観たらもういいかなぁと
旧作オマージュが多いと評価された一方で、スターウォーズらしからぬ表現や前作との性格の違い・ギャップに違和感を感じた作品でした。
茶番シーンは、随所に挟むほど必要だったのでしょうか?
このつぎはぎ感とバラバラ感をどうまとめるのか、エピソード9の展開を見守りたいです。その前に、ハン・ソロのスピンオフ『ハン・ソロ スターウォーズストーリー』を観ないとですね。
日本語ロゴがちょっと微妙ですが……まあ言語版も似たようなもんですし。
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