
2022年あたりから、AIが作成した生成イラストが投稿されるのが当たり前になりつつある一方、AIイラストをあたかも自分が描いたかのように扱う人も問題になっていますので、
- 自作発言による問題点
- AI絵を絵描きはどう思うのか
- AI絵の二次創作について
- AI学習禁止の文言について
このあたりの話を軸に述べていきます。
-
個人の見解です
ほかの意見もご参照ください
AIイラストとは


AIイラストの定義
AIイラストは文字どおり、「AIの生成技術によって描かれたイラスト」のことをさし、『NovelAI』や『AIピカソ』などが挙られます。
2020年に手塚治虫の作風をAIが学習して作成された『ぱいどん』という作品が話題になったこともありましたね。
ただし『ぱいどん』は、人の手による修正もある程度おこなわれています。

AIイラストは『拡散モデル』とよばれる、膨大な画像データにノイズをかけてあやふやにして学習し、生成するものが主になっています。
そのためよく言われる「AIイラストは既存物を組み合わせているだけ(=コラ画像)」というのは、誤解を招く表現で正しくないそうです。
自分もそこまで詳しくはないのであしからず。

ぱいどん AIで挑む手塚治虫の世界|講談社コミックプラス
AI手塚治虫『ぱいどん』はコンテンツ産業にとってどんな意義があった? クリエイターがAIに求めたこと|リアルサウンド ブック
イラスト生成AIに対するよくある誤解|Qiita
AIイラストのモラル・権利問題


世界でも社会問題に
なりつつある
しかしAIイラストには問題点があります。
たとえば、AIイラストは2023年現状の法律だと、著作権の定義にあたる「創作的表現」とは言いがたいため、著作権が発生する可能性は低く、権利関係がわからない状態になります。
ただ、AI絵を自分である程度加筆すれば「創作的表現」になり、著作権は発生するというのが現状の認識のようですね。
「解釈次第では、AIイラスト作成サービスを『自身の創作アイデアを表現するツールの一種』と言えるかもしれない」という意見もあった。

【著作権法 第二条】
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。(原文ママ)
e-Gov法令検索
同じAIサービスであるチャットGPTに聞いたところ、「著作権はプログラムツールの製作者・企業に属する可能性もあるし、創作的表現ではないため発生しない可能性もある」という感じだったね。

実際にあったトラブル
ゆえに下記の行動をすることはトラブルになりかねません。
- 作家の絵・作風を模倣
- 自作絵だと誤認させる
- 二次創作的作品の有償販売
実際、『mimic』は顔の作風をまねるAIイラストのため悪用され一時は騒動になり、権利関係などの都合から、AIイラストの自作発言をバーチャルVTuberが注意喚起するケースも見られます。
作品が模倣されたことを被害報告するクリエイターも見られますからね。

pixivだと作成時間が短いせいか、AIイラストが大量投稿され、純粋な絵描きのイラストが流れることもあり、pixiv検索のアクセス解析を見てもAIを除外して検索される方が多いですね。
言葉は悪いながら、ちょっとした検索汚染状態。閲覧者側からすれば「絵師の作品なの? AIなの?」と疑心暗鬼にもつながりかねない。

作品キャラクター絵をAIで作成し、それを二次創作として有料リクエストや支援サイトに投稿、グッズ販売など、加筆を特にせず有償行為をする人もいます。
このように、AIイラストはモラルと権利への問題が見られます。

追記
2023年6月現在、pixivは検索からAI作品を除外できる設定が追加、Fantia・FANBOXはAI絵の投稿を現状禁止、SkebもAIイラストのリクエストを納品不可にしています。「創作的な表現」アイデアと表現の違い|弁護士法人横浜パートナー法律事務所
AIが描いたイラストの著作権はどうなる?|Tokkyo.Ai
最近話題のAIイラストについて調べてみた|税理士の進捗管理なら株式会社AQUARIZE
AI絵の自作発言はウソだとバレやすい理由


すごく気になる…
技術としては進化を期待している一方、絵描きである自分から見るとAIイラストは違和感のある部分が多いです。
CHECK!
絵描き(細かい部分に気づきやすい人)から見たら自作発言はウソだとバレやすい。なぜ自作発言のウソがバレやすいのか、理由をひとつずつ述べていきます。
ただしこれは2023年現在の状態であるため、将来的にはこの違和感が低減される可能性があることは留意願います。

細かい描写ができていない
AIイラストは顔や体のポージング、自然風景こそ描けているものが多いですが、一方で細かい部位の表現は2023年現状の技術ではできません。
細かい部位というのは、
- 手や足の指
- 目のハイライト
- 口内の描写
- まぶたや眉毛の表現
- 人工物(小物)のデッサン
このあたりは見る人が見ればすごく違和感を感じます。
自分は口内をしっかり描くタイプの絵描きだから、AI絵の口内描写(舌・歯・口蓋〈こうがい〉)はすごく大ざっぱなんだよね。

前髪とまゆ毛、まつ毛の境界線がゆがんでいたり、指の本数が多かったり少なかったり、途切れや関節がありえない方向に曲がっているのも、AIイラストに見られがちでわかりやすい特徴です。
ちなみに手と足は表情豊かなだけに描くのが難しい部位で、ここを見れば絵描きの技量がわかる場所です。それこそ老若男女の手足が秀逸(しゅういつ)に描ける人はほぼプロです。
耳の描写も絵描きのクセが出やすい場所。作品名は忘れたけど、登場人物が耳の描きかたで誰が描いたのかを把握するシーンがあった。

いい感じの手抜きが難しい
絵は適度に「手抜き」をすることが必要です。
たとえば遠景は大ざっぱに描き、近景の人物や小物をしっかり描き込むと、遠近感が出るだけではなく、絵の中が整理されて見やすい絵になります。
美術の学校へ行っていたころ、「キミは適度な手抜きを覚えなさい」と先生に言われたことを覚えているよ。

AI絵にも手抜きの表現は可能ですが、人間的感覚が必要な箇所であるせいか、かなり線がゆがんでいびつだったりと、「キレイな手抜き」ができていないパターンが多いです。
クセや遊び心がない
AIイラストは総じて絵は美しくキレイだとしても、クセがなさすぎてパターン化されているため、よくも悪くも没個性ですし、遊び心がありません。
AIイラストは良く言えば「トレンドを踏まえた模範的な絵」、悪く言えば「没個性的でつまらない絵」なので、文字どおり機械的なんですね。

個人的にも、
- 「ミリタリーへの愛情がスゴい」
- 「人体を上手く崩していて秀逸」
- 「ものすごく手フェチな人だなぁ」
- 「よく見たらこういう状況なのか」
など、そういった個性やこだわり・作風、状況を探す面白みに欠けます。

絵には人物の性格や経緯がわかる「意味がある遊び心」を入れて、一度見て二度おいしい絵を描きなさい。
これも美術学校の先生に言われたことで、オリジナルキャラクターをつくるとき、スチル(場面)絵を描く際は必ず心がけています。
プロは小物ひとつにも、しっかり意味を込めているからね。「なぜこのヘアピンなのか」「髪型・髪色の意味」「アクセサリーは何を暗喩(あんゆ)しているのか」など、ものすごく計算してキャラクターを描くよ。

絵描きの絵とAI絵は見分けられる
だからこそ自作絵発言は「バレるウソをついている」のと同じで、そんなことをされていい気分をする人は少ないですし、場合によっては人間性を疑われることもあります。
プロの絵描きほど観察能力が高いからね。100%バレるとまでは言わないけれど、99%はわかると思う。

絵は絵描きの研究成果物

絵というのは、絵描きが積み上げてきた研究成果物です。
絵が上手い人は解剖学やデッサン・色彩学など、技術的な勉強を何年・何十年もしているんですね。だからそれだけ個性やこだわりも出やすく、その個性を楽しむのもイラストです。
絵が上手い人ってある意味研究者でもあるよ。

絵描きがAIイラストに否定的・反感を買う人が少なくないのは、作風(研究成果)を模倣されることに危惧(きぐ)するのもそうですが……
絵描きは職人気質(とは言うものの、ぶっちゃけ変人が多い)なところがあり、苦労もせず機械が作った絵で自慢してもいい気分をしない部分も大きいと思います。
ゆえに上述のとおり、

AIイラストはしょせん、既存絵を組み合わせたコラ画像にすぎない。
そう信じる絵描きも未だ多く、自分も当時は勉強不足であったため、しっかり調べないとなと猛省しましたね。
AIイラストは着せかえ人形と同じ


普通はやらない
AIイラストを自作絵として発表するというのは、着せかえ人形で「これがオリジナルキャラです」と言っているようなものです。
キャラクタークリエイションで作成したアバターをオリジナルだとは言わない……と言うほうが伝わるかな?

そこから手直しや描き足しで新たな価値を創生するのならまだいいにしても、完全AI任せのものを自作絵とするのは、これらと本質的に同じです。
AIイラストを逃げの言い訳に使う人もいる
また絵が下手だからと、AIイラストにくら替えして自作発言をする人を見かけたことがあり、AIイラストを使って逃げの言い訳にしているのは残念に思いました。
絵のみならずなんでもそうで、時間を作って学ぶ姿勢を見せないと上達なんて無理です。
楽を前借りしちゃいけない。ピカソみたいに、みんながみんな最初から絵が上手い天才じゃないし、途方もない努力を積み重ねているから上手いんだよ。

ピカソが8歳の頃に描いたデッサン pic.twitter.com/H56S16Lwtf
— 兎です。(FAKE) (@Soviet_Usako) February 22, 2022
AIイラストの二次創作について


AIの二次創作は
二次創作なのか?
前半で触れた、pixivやSNSで見かけるAIで作成した二次創作イラストを述べていきます。
重ねるように著作権とは創作的表現が前提にあることや、二次創作の定義は各人・権利者で細部が異なるものの、
- 【二次創作】権利元の作品から、創作性が高い作品をうみだす非営利的な行為。
おおむね共通する定義はこちらになり、それを当てはめるのであれば、
CHECK!
AIが描いた二次創作は、二次創作ではない(二次創作の定義を満たしていない)。こう言えるだろうと考えています。
「創作性が高い」を満たすのが必要
権利元の創作ガイドラインでも「創作性が高い」が前提の場合が多く、ゆえにそれを満たさないAIの二次創作は二次創作とは言いがたく、『二次創作的』が適切な言いかたかもしれません。
権利元はAIイラストの普及で、ガイドラインを書き換えないといけなくなるね……

そのため個人的には、著作権の定義も満たしていない可能性があることも含め、AIの二次創作的な作品を支援サイトや、有料リクエストで有償行為をするのはオススメしません。
ただでさえ創作ガイドラインが不明・厳しいにも関わらず、有償行為をする絵描きのケースが数多いのに、創作的とは言いがたいAIイラストまでとなると、二次創作の肩身がますます狭くなります。
トラブルが発生した場合も、人間が作った場合と比べて格段にややこしくなってしまいますね。
技術自体は否定しない


技術は素晴らしい
語弊がないように伝えておくと、AIイラストの技術自体は個人的に成長を期待している立場です。
テレビなどでは昔からそうで、
- 「90年代末、家庭用パソコンを根暗な人がやるものかのように紹介」
→ 今となってはパソコンは普通に利用されている。 - 「コロナ発生時、中国の飛散防止ビニール製パーテーションをネタとして笑う」
→ アクリル板やビニールパーテーションは日本でも日常になる。 - 「3Dプリンターでできた家をお粗末だと否定する」
→ 3Dプリンターハウスは新たな建築ビジネスで競争が加熱している。
このように、工夫や技術そのものを見下したり笑うことは知見と科学への冒とくで、あとで自分の首をしめて恥をかくだけですからね。
まだAIイラストは発展途上ですし、技術が進めば「絵の個性・こだわり」の部分は難しいにしても、ほかにある現状の問題点は少なくなっていくと思います。
いろいろ言いましたけれど、自分はこの記事で一番言いたいのは技術の否定ではなく、AIイラストで創作性をアピールしたり誤認させる行為であることは、留意いただけますと幸いです。
プロフィールに「AI学習禁止」を書く絵描きについて


見るがままやってない?
AIイラストで忘れてはならない話として、
- 「AI学習禁止です」
- 「AI絵の使用ダメ」
このような文言をプロフィールに書く絵描きが数多くいます。
ただこの注意書きは申し訳ないですが、
絵をネット・SNSに公開する意味を理解していないね。公開している時点で、無断転載やAI絵学習のリスクに晒されるのは必然だと思うけど……

という感想を抱きます。
著作権上における学習行為
著作権上、利益を不当に侵害するケースを除き、思想や感情の享受を目的としない(または軽微利用)場合、学習をする自体は問題がないと定義されています。
【著作権法30条の4(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)】
著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合
(原文ママ)
著作権法|e-Gov法令検索
作風を模倣して誤認や販売させる行為は問題になるも、学習自体は保証されているので、「AI学習禁止」は無知で言っているか、マイルールの範疇(はんちゅう)を出ないんですね。
第47条の5でも、目的上必要な限度を守っている軽微利用であれば、享受目的でも問題はないとされています。もし学習行為を全面禁止したら、検索エンジンやフィードアプリがすべてダメになるとのことです。

AIによる画像生成は「著作権侵害」にあたるのか|東洋経済オンライン
絵描きの行動矛盾
こちらの記事でも述べたように、「嫌なら載せるな」じゃなく「現実」ですし、言っていることは「トイレはキレイに使いましょう」とほとんど変わりません。
また上記文言を掲げて二次創作をする絵描きを見る限りだと、権利元の見解を確認せず掲載する、創作ガイドラインを無視して有料行為をする人があまりにも多いんですね。
著作権上は自身の著作物ではあるも、言葉が悪くすみませんが同じ創作+二次創作絵描きとして、
権利元の二次創作ルールを調べず・守っていないのは、権利元に敬意を払っていないのと同じ。それで自分の権利を主張する絵描きはAI絵を否定する権利はないし、ずうずうしくないかな?

そう思わざるをえません。
深く考えていないというか、「話題になっているからとりあえず言っておこう」感覚なのでしょうけれど、自分の行為を棚に上げて他人に厳しく、自分に甘いのはよくないですね。
これは法的な問題ではなく、絵描きのモラルの問題です。

ちゃんとスジをとおすのが礼儀
もちろん、明らかに権利を侵害されている場合は対処が必要ですし、泣き寝入りしろと言っているのではありません。
しかしながらネット・SNSの性質を理解し、二次創作をやっているなら自分の権利だけではなく、まず相手の権利を尊重することがスジではないでしょうか。
これについては以下の記事でも述べていますので、あわせてご参照いただければ幸いです。
最後に:AIイラスト自体は素晴らしい技術


節度とモラルは守ろう
絵というのは絵描きの研究成果物であり、それがないAIイラストはよくも悪くも没個性で、表現者のこだわりや細かい描写、意味がある遊び心の描写は難しいのが現状です。
AI絵はキレイで美しいしトレンドを踏まえているけど、つまらない絵だと思う。小物や動作に意味・必然性やコンセプトを感じないから。

ゆえに、職人工芸品と工場生産品が目的によって住み分けができているように、絵描きが描いたイラストとAIイラストは住み分けされ、成り代わることはないと思います。
そのためAIイラストが悪と言いたいわけでも、AI技術の進化で絵描きの立場がおびやかされる……とも思っていません。
むしろ『ぱいどん』の前書きで書かれていたように、
このプロジェクトが「人間の創作活動を支援するツールとしてAIを利用する」という、新たな可能性切り拓(ひら)いた試みであることは間違いない。
ぱいどん|TEZUKA2020プロジェクト
こういった状況に進むのが一番の理想ですね。
つまらない絵と言ったけれど、AI絵は作画のトレンド探求に優秀で役立つし助かっているよ。AI技術を全否定している人は、若者文化をかたくなに否定する年長世代と本質的に同じ。

AIイラストの問題点
とはいえAIイラストを、
- 作家の絵・作風を模倣
- 自作絵だと誤認させる
- 二次創作的作品の有償販売
こういった権利関係を明確にできず、トラブルになりかねない行為は問題です。
ツールを正しく理解しない、使わないから起こる問題ですね。

ちゃんと「これはAIイラストです」と言っているのならともかく、それを申告しないで自作絵として発表するのは、その絵を見た多くの人や、技術を積み上げた絵描きにも失礼なんですね。
絵・作風を模倣するAI絵でトラブルになる事例は、SNSを中心に報告されていて、AIで作成した二次創作も創作的表現とは言いがたく、二次創作ではなく「二次創作的」なものになります。
その状態での有償行為は、創作ガイドラインを守っていない二次創作以上にリスクが高いです。
自作にはならないしバレやすい
絵を描く人からすると、AIイラストは手足の指などの体の細かなパーツや、あいまいな描写をうまく表現できず、よくも悪くもクセがなく遊び心がないため、AI絵だと高確率でわかります。
AI絵を自作と称する人は、着せかえ人形をオリジナルキャラクターだと言っているのと同じで、描けないことによる逃げの言い訳のみならず、繰り返すようにトラブルになるリスクがあります。
絵を描く場合と比べ圧倒的に制作時間が短く、pixivなどで大量投稿されて「絵描きが描いたイラスト」が流れるのは考えものですね。
「AI学習禁止」は自分を棚に上げていると思われる
そしてAI学習禁止を表明する絵描きは数多いですが、百歩ゆずって、
- AIイラストがどう作られているか
- ネット・SNSに絵を載せるということ
- (有料)二次創作ならガイドライン厳守
これらをすべて理解し、実行していることが前提ですし、著作権法30条の4で学習行為自体は認められています。
それをしない・理解しないまま、
- 「なんとなく嫌だ」
- 「周りが表明しているから自分もやろう」
- 「SNSで話題になっているから」
と、深く考えずに「AI学習禁止」をかかげ、それで創作ガイドラインが不明な(有料)二次創作をしているのを見ると、ちゃんと調べないし他人に厳しく自分に甘い人だなと感じます。
それは意識が高いとは言わないよ。ただの「意識高い系」でしかないし、無恥を披露して恥ずかしくないのだろうかと疑問。

もちろん悪質な場合は毅(き)然とした対応は必要だとしても、まずは上記3点がしっかりできていることが前提ではないでしょうか。
法以上にモラルの問題
AIイラストを悪用・モラルに反する行為が問題になっているのは事実ですし、世界的にも問題視されています。
しかし同時に、絵描きのモラルやリテラシーが問われる事案も同様に散見されています。
有料二次創作をする人ほど、創作ガイドラインを守らず自分を棚に上げて自己権利を主張し、表現の自由を都合よく拡大解釈するような、リテラシーが低すぎる絵描きが目立ちます。
双方ともに真摯(しんし)に自省し、考えていただきたいものです。
なお自分がAI学習禁止をかかげることは現状ないよ。住み分けが可能な分野で技術の進化自体は素晴らしいし、悪質ではない社会通念上の範囲内なら、見守る姿勢。

AIイラストは過渡期
2023年現在、まだAIイラストは過渡(かと)期なので、人間の意識も法的な問題もまだ追いついていない状態で、絵描き・AI絵利用者も明確な意識作りは必要です。
AIイラストは悪ではありませんが、節度とモラルを守り、「AIイラストだと明記し、AIイラストと従来の創作的作品は別物」という意識は忘れないようにしましょう。
ネット・SNSで描かれているAI・二次創作論争の大半は信用しないほうがいい。掘り下げると極論を振りかざした都合のいい理論や、答えありきの主張が目立っていて、その行動原理は問題を考えるよりも、「俺が気に入らないから」パターンがあまりにも多い。

AIイラストをただ否定したり悪用するのではなく、AIイラストの利点と活用や、可能性を見出す方向へと、絵描きの自分はそう考えたいですね。

寄付のお願い

ございます
-
当サイトはみなさまのご支援により、広告なしの実現やサイト維持をおこなっています。
記事や作品が気に入りましたら、支援サイトのご支援や寄付をよろしくお願いいたします。