少し気になったゲームをいくつかやっていましたので、以下にレビューを書いていきます。スティックス好きとしては、東京オリンピックでリストラされたのは痛かった。
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ネタバレ注意
記事にネタバレがあります
『リングフィットアドベンチャー』のプレイ感想
リングフィットアドベンチャー|任天堂
リングフィットアドベンチャー(マイニンテンドーストア)|マイニンテンドーストア
『リングフィットアドベンチャー』は、リングコンとレッグコンとよばれる周辺機器を身につけて遊ぶゲームです。店頭販売ではパッケージ版だけですが、マイニンテンドーストアならダウンロード版+後日郵送で周辺機器が送られてきます(指定すればコンビニ受取りも可)。
任天堂販売のフィットネスゲームだと、過去に『Wii Fit』『Wii Fit U』がありましたが、大きな違いとして、
- 重たい周辺機器が必要ない
- テレビがない部屋でも全モード遊べる
- 運動の種類の幅が広い
特にテレビがない部屋や、その気になれば屋外でも全モードプレイ可能なのはいいですし、センサーもないですから、スイッチの画面が見にくければ近くに寄せて置くことも可能です。
もしレビューの中に、「テレビの前でやらないといけない」とか「Wii Fitと大して変わらない」という記載があれば、その執筆者は確実に未プレイ・勝手な憶測で記事を書いている可能性大です。
『リングフィットアドベンチャー』のプラスポイント
かなりカジュアルな雰囲気で、その人の合わせた運動負荷設定ができ、誰でも気軽に始められる作りになっていますが、実際やってみると20分でも汗をかくほどキツく、YouTubeではジムトレーナーの人が本作を最高負荷でおこなっていましたが、最高負荷は本当に音を上げるほどキツイそうです。
そのため、運動を全然しないインドア派から筋骨隆々の人にまで、誰でも遊べますし、サイレントモードを使えば(一部のストレッチを除き)マンション暮らしでも夜中プレイがほぼ可能。
結構動作を正確に測られるので、ズルがしにくいのは時代の進化を感じます(苦手な運動はボタン代用も可能)。
アドベンチャーは結構ボリュームがある……というか、20分もやればヘトヘトになっているので、相対的に長く遊べる感じですね。アラーム機能も設定でき、スイッチの主電源さえ切らなければバイブと音で知らせてくれます。
ゲーム中でもオーバーワーク(やりすぎ)は控えましょうと注意してくれて、毎日続けるよりも、やらない日はあってもいいから継続することのほうが大事だと、サボったところでペナルティもありません。
リング(主人公のパートナー)が褒めて伸ばすタイプなのも、意欲につながりますね。
『リングフィットアドベンチャー』のマイナスポイント
一番気になるのはキャラクターデザインとアバターカスタマイズの貧弱さ。
モブキャラクターやザコ敵たちは遊び心があり、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』や『スプラトゥーン』につうずる、メリハリがあって日本人にも受け入れやすそうなデザインな一方、リングやドラゴ、主人公は日本人には合わないであろう洋風・カートゥーン調のバタ臭さがあり、あまり感情移入できない。
アバターも髪型や顔は固定で、変えられるのは髪・目・肌のカラーリングと衣服のみなんですよね。
アバターがお気に入りに仕上げられるかどうかで、結構モチベーションが上下するタチなので、Miiアバターとまではいかなくとも、カスタマイズの幅を広げてほしかったもの。
紹介動画であった「物語の続きが気になるから、続けられる」も正直同意しにくい部分。
そこまで続きが気になるストーリー構成でもなく、途中で味方が操られたりと展開の空気がガラリと変わる部分はあっても、結局は毎ステージの最後で待つドラゴを倒すだけ。
というより、ストーリーや世界観の没入体験が浅すぎるのが正しいかもしれない。街に限り3Dマップで探索可能な箱庭フィールドがあったほうが、没入しやすかったかもしれません。
あとはテーブルモードだと、リングのセリフが黄色と白で見にくいので、画面設定の明度を高くしておくのがオススメ。
『リングフィットアドベンチャー』総評
運動を全然しない人からプロのトレーナーも楽しめるし、テレビ画面に縛られない、必要としないプレイスタイルは、時・場所・場合をしっかり考えられる任天堂らしく、苦手な運動ならボタンスキップも可能など、そこの配慮はさすがの一言です。
とはいえ、本格的な筋トレ目的ならジムに通ったほうがいいかと(食生活の指導などは本格的に習いに行かないといけないので)。アバターカスタマイズの貧弱さ・海外向け気味のデザインなど、世界観に没入させる掘り下げが少し甘く感じるのが難点です。
『moon』のプレイ感想
moon|マイニンテンドーストア
『moon』は、かつてプレイステーション(PS:プレステ)ソフトとして発売されたものの、その後移植がされることはなく、中古でプレミアがつくほどに希少価値のあるゲームでかつ、移植も絶望的と言われていました。
だからこそ、スイッチに移植されたのは大々的に発表されましたね。
自分も当時プレステは持っていましたが不注意で壊れてしまったこともあり、moonの存在は知りませんでした。むしろmoonのスイッチ移植が発表されてから、友人に勧められて遊んだ感じです。
だからリアルタイム経験者ではなく、今回で初めて本作を遊んだ人の感想になります。
『moon』のプラスポイント
「伝説のアンチRPG」と称されているだけあって、かなりひねくれたゲームですね(もちろんホメ言葉)。勇者とかやっている所業が奇行そのものだけど、ほかのRPGなら平然とやっているだろうし……
それだけではなく、キャラクターも個性的で独創的。誰一人として使い捨てキャラクターがいないと言えるほど濃いメンツで、勇者に殺されたモンスターたちも生態や好みを見れば、彼らも殺されて経験値やお金が手に入る存在ではなく、ちゃんと人格を持って生活する「生き物」だと思わせてくれます。
『UNDERTALE』が好きな人は、本作の世界にも没入できるかもしれないでしょう。
最初のうちはハート(ラブ)が少ないので、とにかくおばあちゃんから一日一袋のクッキーを貰ってはベッドで寝るの繰り返しで、ストックを作るのがオススメ。
ラブが溜まっていけばその分活動時間が・範囲が増え、各キャラクターの願いを叶えたり救出方法を吟味する余裕ができるようになります。まるで推理ゲームのようですね。
『moon』のマイナスポイント
まだRPGの遊びやすさが模索されていた時代のソフトなだけあって、かなり不親切ですよね(当時の開発陣も、今のゲームと比べればクソゲーだと皮肉交じりに言っているほど )。
クソゲーだから,覚悟のうえで買ってほしい――「moon」移植版配信開始記念,木村祥朗氏&西 健一氏インタビュー|4Gamer
ハート(ラブ)表示が通常プレイ画面にないから、気づいたらすぐ死んでいたり(気づけなかった)、一度イベントを逃すとまた待たないといけなかったり、文字どおりひたすら手探りの繰り返し。イメージ的には、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』や『UNDERTALE』をさらに理不尽にした感じでしょうか。
もちろん、「今の価値観で言うならば」という前提です。ムジュラも結構古いゲームですが。
今のゲームが親切すぎるとも言えるんですけどね。しかしながらスイッチの特性を利用して、気になったらスクリーンショットで残しておけば、一気に攻略が楽になるでしょう。
『moon』総評
当時でもRPGを全否定するこのゲームは衝撃的だったでしょうが、移植によって今回初めてプレイする人でもいろいろ考えさせられるゲームであり、普遍的なテーマも持ち続けているゲームだと感じさせられました。
昔のゲームにありがちな理不尽要素に寛容的であれば、遊んでみてもいいかもしれませんね。
『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』のプレイ感想
2007年の『AT 北京オリンピック』以降、平昌オリンピックを除いてシリーズ化されてきたシリーズの最新作『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』は、任天堂社長のインタビュー曰く、今作が現状シリーズ最後だと公言されています。
海外サイトの情報なので信憑性は気になりますが、確かにキリはいいですし、幕引きは妥当かもしれません。
Bad News, Gamers! ‘Mario & Sonic At The Olympic Games Tokyo 2020’ Will Be The Last Game|the ONION
『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』のプラスポイント
自国開催なだけあって、東京のステージの作り込みが非常に細かく、ファミコン・メガドライブ時代の8bit・16bit風を東京1964オリンピックにするのも斬新で面白く、実況ナレーション(おそらくエッグマンの中の人)も昭和感あるこもった音声なのも味があっていい。
エッグマンといえば、今作のエッグマンネガの声は故大塚周夫さんのまんまなのがちょっと嬉しかった。
なお現実世界ではいろいろ物議が起きたマラソン競技は、1964年競技としてのみ収録されています。たまたま偶然そうなったのか、急に仕様変更したのかは定かではありませんが、発売時期からして前者でしょう(つまり結果オーライ)。
ロード時間もおそらくシリーズ最短で、ストレスがなく遊べます。UIも『ソニックフォース』を思わせるフラットデザインで、オリンピックロゴとも相まって非常にスタイリッシュ。
ストーリー中で遊べるミニゲームにはマリオやソニックネタが多く、じっくり見ても面白いかもしれません。
『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』のマイナスポイント
現状シリーズ最終作なのにも関わらず、キャラクターのリストラが多く、リオオリンピックにあったチームの特殊ポーズ・カスタマイズやコレクション要素も削除されているなど、全体的なバリエーション・コレクション要素の不足感が否めません。
過去作のようなパーティモードもなく、みんなで遊ぶ系(ワンマッチ)は毎回ミニゲームを手動で選ぶので、「競技やゲームの作り込みとファミコン・メガドライブリスペクトはスゴいけど、それ以外はシリーズ最下層になってしまうかもしれない」な印象が強かったです。シリーズ最後でこれは正直もったいない。
ストーリーモードのミニゲームをメインメニューから遊ぶときもわかりにくく、ワンマッチと一緒でもよかったのではと思いますね。
「オリンピックモード」と称して、連続でミニゲームをクリアしていき、金メダルの総合数で競い合うモードがあってもよかったかと(そうすればひとり専用ゲームでも多くの人で競い合って遊ぶことができたハズ)。
ひとりで遊ぶ分でも、ストーリーモードも結構長く遊べるとはいえ、フィールド探索そのものは単調さが否めず、物語もまだ3DS版ロンドンオリンピックのほうが没入感がありました。
個人的に残念だったのは、(スティックスのリストラもそうだけど)メトロポリスのデザインがかなり簡略化されていること。
スイッチでもPS4版と比べるとグラフィックが簡略化されていたものの、あれだけ表現できたのになぁと。
『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』総評
東京の街並みを細かに再現し、ファミコン・メガドライブリスペクトのドット世界など、非常に細かく作り込まれていて、自国開催なだけあって気合が入っています。
一方でコレクション要素やキャラクターが削減されてパーティゲームとしても過去作と比べると遊びに欠け、「確かに気合は入っているけど、ゲームとして見るとシリーズ最下位かもしれない」と、ちょっと危ういところがあります。
現状最終作でこれはもったいない。
今回は過去作と比べると、店頭ポスターはあってもCM宣伝ってあまりしてないですよね(ないわけではない)。一応ヒカキン氏たちが宣伝して100万再生超えを記録していましたが、 お茶の間で見るような宣伝は全然見かけない気がしますね。
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