2016.11.02 2023.02.26

【レビュー】ソニックトゥーン ファイアー&アイスの感想・評価【ソニック】

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25周年記念セットを購入したので、パッケージ版の『ソニックトゥーン ファイアー&アイス』のプレイ感想・評価です。

ひととおりエンディングは済ませ、収集作業とタイムアタックをやっている状態です。未だセットを開封していませんが……

アニメ版の要素が結構反映されていますから、そこも踏まえて書いていこうかと。前作の比較は『アイランドアドベンチャー』のみになります。

なお『ソニックトゥーン』のブランド評価に疑問点をつづった記事もあります。

ただし、上記のリンク先の記事はネット・SNS上の一部ファンたちの評価方法の現状を語る内容から、少し厳しめに書いています。あらかじめご了承ください。

  • ネタバレ注意

    記事にネタバレがあります

個人的プラス評価・期待点

本作を遊んで好意的に感じた部分は以下になります。

ある意味アニメ版が日本語吹き替えで観られる

一部プリレンダムービー(ゲームグラフィックではない映像)が使用されていて、アニメ版と同じです。ある意味、アニメの日本語版がようやく観られたといっても差し支えないかもしれません。

アニメ版準拠のせいか、結構ナックルズのテンションが高い。かわいい。

アニメ版を知っているとより楽しめる

完全オリジナル要素だった前作とは違い、今作はアニメの世界観の延長線上にあります。ゆえにオーボット&キューボットや卵のロボット(バーンボットなど)が登場し、設定資料にもアニメ版に関するものばかり。

たとえばアニメの第1シーズン1話にて、テイルスが大ケガを負って目覚める間のシーンに登場した、テイルスとソニックがゲームを遊び、ポップコーンが飛んでいる写真はアニメ用CGテスト画像で、第2シーズンに登場するメカが、先行でお披露目されていたり……

など、アニメ観てると楽しめる資料ばかりなので、アニメは観ることをオススメします。というか、ソニックトゥーンを語るならアニメ版を観ていないと話にならない。

個人的には設定資料ギャラリーの枚数が少なく感じたので、もっと欲しいところ。

ゲーム版もスティックスが可愛い

中の人の演技もあるでしょうが、今作はゲーム版でもスティックスがアニメ版に負けず劣らず可愛くて面白い。前作におけるブースト時のかけ声が「はっ!」が、今作では「うんにゃー!」に変わっています。

ロック調のステージ曲が多い

ロック調のステージ曲が今作には多いおかげで、前作以上にソニックっぽさがあります。

公式のインタビュー記事によると、『ソニックR』や『オールスターレーシング』など、歴代ソニックシリーズの曲を作った人が『太古の秘宝』に引き続き今作にも関わっていたとのこと。

メインテーマ曲は正直前作のほうが好きですが、ステージ曲は今作のほうが好きです。

『ファイアー&アイス』の音楽聴いてみた。|大谷智哉のKEEP ON RUNNING★

操作とゲームのテンポが大幅に改善

前作ののっぺりとした操作性、ステージ切り替えはギミックを挟むテンポの悪さは、今作では本家ソニックシリーズを思わせるスピーディな内容に仕上がっています。

ソニックチームが延期をしてまでブラッシュアップしたおかげで、一部を除きソニックだけでゴール可能、スプリング移動でスムーズになりました。

ステージ中に十字キーの左右のみでキャラクターを切り替えられるようになり、前作は十字キーすべてに割り当てられていたので、直感性という面では弱かったですからね。

数々のギミックが楽しい

氷のギミックを置くことでワンパターン化を防止し、大砲や爆弾など、爽快感を損なわせないソニックらしいギミックの多さは、『ソニックラッシュ』までのディンプス製ソニックを彷彿とさせます。

爆弾は後半になると導火線がふたつになるなど、少しテンポが悪くなりますが、操作を極めればそこまで問題になるレベルでもありません。

今作は「スピンダッシュ」のソニック

前作は存在意義が不明だったスピンダッシュが、今作ではあまりにも便利。常時ダッシュ状態になるので、ブーストよりもはるかに速いです。

従来のソニックとは違い、Xボタンのホールド(押し続け)でチャージし、それに加えて、硬直時間がなくなり連続使用可能になったエアーダッシュと同じボタンですから、Xボタンをいかに使いこなせるかが重要。下に押せば実質ストンピングになりますしね。

スピンダッシュを体験すると、Yボタンのブーストの存在意義がなくなるほど便利です。

後半のエリアが面白い

特に面白いのが、終盤エリアの『ゴシック・ガーデン』。曲も全体的にカッコいいですし、ギミックや地形がメガドライブ時代を彷彿とさせるものが多いので、やっていてすごく楽しい。

「このエリアだけソニックチームが作ったんじゃないの?」と思わせるぐらい完成度が高く、リピート性が高いですね。

海外評価も前作とは打って変わって……

海外の評価で言えばソニックにやたら厳しいIGNも、今作をファイアー&アイス(Fire & ice)ならぬ「ファイアー&ナイス(Fire & Nice)」と表記するほどに評価しています。

すごく高評価……というわけではありませんが、前作の「悪くはないが面白くもない、ソニックとして落第点」と評されたのが、ようやく面白いゲーム、ソニックらしくなってスタートが切れたと評価されたのは感慨深い。

キャラクターグラフィックは、前作同様に64時代のレア社を思わせる好みが分かれる造形ですが、ゲームサイト全体でいえば、今作を高く評価する傾向が見受けられました。

一部では辛辣(しんらつ)評価もありましたが、これも一理ある内容だったので後述します。

『ソニックトゥーン ファイアー&アイス』海外レビュー(リンク切れ)|choke point

スタッフロールについて

黒背景にスタッフロールがスクロールするだけですが、個人的にこのシンプルさでいいですね。

前作はソニックのゲームではなく、「これサンザルゲームズのスタッフロールだよね?」……ってなるぐらい自己主張が激しく、ギャラリーからはなぜかオープニングムービーよりも前に設置されていて、最初に見ることができます。

個人的マイナス評価・疑問点

ここからはマイナス評価や疑問点になります。

説明不足の多さとわかりにくさ

たとえばソニック・コレクションは「ギャラリーコンテンツ」ですが、前作には下画面にしっかり説明があったのに、今作ではなぜか省かれています。それらしき説明はロード中のヒント解説ぐらい。

ステージごとに選択できる要素が追加されているものの、ステージ名が毎回凝った名前にされているので、これはアクションのステージなのか、ミニゲームのステージなのかがわかりにくい。

エミーのハンマーもゲームを進めると変えられるんですが、それぞれどう違うのか、能力すら書かれていません。

決定ボタンの配置

なぜかこのゲームって、ステージリザルト画面ではAボタンがリトライ(やり直す)、Bボタンで閉じる(次に進む)……なんですよね。

海外では日本と真逆で、Bボタンが決定、Aボタンがキャンセルの文化なのは知っていますし、XBOXのゲームなどの洋ゲーではよくあることですが。

しかし、ステージリザルト以外のボタン配置が日本のゲームと同じAが決定、Bがキャンセルという仕様。確か前作でもそんな感じだったと思いますが、なぜ統一させないのか。

まだ下画面の右下に閉じるボタンがありますから、マシではあるんですけどね。

アンロック方法について

今回は手持ちのラグニウム鉱石でアンロック(実質上の買い物)ができます。設定上はラグニウムで開発しているのでしょうけれど、正直リングでしたかったもの。

アンロック場所がバラバラに点在しているので、何かしらのショップを作ってそこで買い物をする形式をしてほしいなと、やっていて感じました。

ボス戦について

ボス戦自体は楽しく、メガドライブ時代の雰囲気をリスペクトした感じが好きですが、イントロムービーはスキップ不可。ボス戦における、ストーリー上の盛り上がり演出に欠ける部分は気になりました。

というのも、今回のボスはソニックとほかの仲間ひとりの組み合わせの数だけで、全員が力を合わせて立ち向かうボスが存在せず、ラスボスらしいラスボス、展開が今作にはいないんですよね。

まだ前作のラスボスのほうがそれっぽかったですし、アニメ版では大体全員と力を合わせて戦っているのに……

一度クリアするともう遊べない

ステージ内にあるミッションステージは結構歯ごたえがある内容なので、一度クリアしたらもう入れなくなるのはもったいない。何かしらミッションステージだけでタイムアタックができて、再び遊べるコンテンツやエリアがあれば……

改善されなかった要素

アクションステージ部分は同じエリア内でも背景が異なるステージが多いので見てて飽きませんが、ミニゲーム系やボットレースはすべて同じ背景なので飽きてしまいます。

前作でもただ障害物とシビア性を多くしただけで、背景が全く同じの使い回しでしたが、今作でも改善されませんでした。トンネルミニゲームは炎と氷のギミックとドラゴンリングでワンパターン化はそこそこ低減されましたが……

たとえばボットレースやホバーミニゲームなら、それぞれの背景を夕方とか夜にしてもいいんじゃないかと。それだけで同じ背景でも違う表情が見れますし、飽きっぽさを低減させられるのでは?

改善されなかったといえば、ブースト攻撃が今作でもスキルを入手しない限りできないんですよね。先ほど、今作はスピンダッシュのソニックだと書いたのは、これも理由のひとつです。

そしてスピードアクションに致命的な、すれ違い通信をすると一瞬フリーズする部分も直っていません。

UI(表示画面)の古臭さ

改善されていない……とは少し違いますが、この作品のUIって、まるで1、20年前のゲームのような、立体感のあるアイコン表示が目立ちます。

そこから昨今のトレンドである、フラットデザイン(立体感をつけず、シンプルな色や図形で表記する)の要素も少し入れているので、とても中途半端な印象を受けます。

よく言えば64のゲームを彷彿とさせる懐かしさ、悪く言えば時代遅れのセンスですね。

ソニックは確かに速いけど…

スピンダッシュはソニック固有の能力なので、ソニック以外のキャラクターで爽快感とタイムアタックを極めることは結構厳しいです。そもそもほかの仲間は足の止まるアクションですからね。

アニメ版の設定準拠で、スピンダッシュがソニックの固有能力なのはわかるんですけれど、メガドライブのソニックや『ソニックアドバンス』のように、どのキャラクターでもスピンダッシュが使いたかったもの。

ファイアー&アイス能力を共有できるなら、スピンダッシュもお願いできませんか?

ミスが許されない

テンポは早くなりましたが、ミスすれば戻される仕様は今作にもあります。結構戻されますしタイムアタックには痛手で、ゲームオーバーやコンテニューがないとはいえ、リングどころかラグニウム鉱石もリセットされてしまうのは痛い。

ある意味ミスが許されない点は、本家ソニックよりも鬼。

ストーリーの評価について

先ほど海外レビューで辛辣な評価があったと書きましたが、

  • 「ストーリーが単調」
  • 「ギャグのセンスが微妙で大味」

これらが挙げられていましたね。

確かにストーリーはアニメ版の延長として作られているのか短く、イメージ的には『ソニックロストワールド』を思わせるあっさり感で、どうも同じ脚本家が作っているからが要因でしょうね。

ムービーは合計30分ほどで、アニメ版は一話10分前後だから、前後篇と考えればまあ妥当かなと。

まあソニックは基本的にストーリーは後付けで、ゲームの遊びを重視するシリーズですからね。ファイアー&アイスの能力は詳しく説明されないまま、いつの間にか裂け目の問題の話になり、ドラゴンリングなんて設定もないようなもの。

ギャグ部分も結構アメリカンな、露骨なコメディ動作が多い。特にリアルタイムムービーが顕著(けんちょ)で、アニメでも言い回しがアメリカンジョーク満載ですが、動作はまだ日本人にもなじめる、違和感がそれほどないレベルです。

セリフ関連でいうと、字幕が表示されたりされなかったりしたり、一回の字幕量がとんでもなく多いのが気になりました。まあ見なければ特に問題ないとはいえ。

総評

一言でいえば、今作によってゲーム版ソニックトゥーンはマイナスからゼロになった感じです。

前作がかすんで見えるほど面白いゲームですが、ミニゲームの使い回しや説明不足感など、まだ改善点が多々あるゲームだと思います。

重ねて言うように、マイナスからゼロになった再出発のゲームですね。

もしかしたら次回作にはメタルソニックも出すかもしれない……だそうですが、次回作があるかどうかは微妙なところ。

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イラストレーター・コーダー+WEBデザイナー・ライターの京都生まれなウサギ好き。

絵は多様な作風を描くことを強みにし、外国人でも絵でわかるマンガや、ウサギと口内描写にはこだわりを持つ。

コーディングとWebデザインは両方可能。案件によっては「デザインしつつコーディング」の荒業もおこない、SEOを意識したマークアップも得意。

「自省・リテラシー向上・正しい批判」をライフワークとし、当サイト記事も「中学生でもわかりやすい、気づき・理解・学びを得る」を全体テーマとして執筆。

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