• 最新記事

  • 加筆修正を行いました

    最終更新日は2018/4/9です。修正前と内容が異なる場合があります。




    額のおできとメガネ(通常状態)、ケツアゴ、そして笑顔がチャームポイントのアームストロング超院議員上院議員。とにかく初見の上院議員が強すぎて、ラストで彼を倒すのに2時間以上も手間取ってしまった…難易度ノーマルなのに。

    実際あのような力至上主義でアナーキストかつ純体育会系な人とはお近づきになりたくないですが、ユニークなキャラクター性やラスボス曲も相まって、今作の敵キャラの中では一番好きです。

    まあ完全に海外ウケのキャラクターで(実際に海外人気が非常に高い)、国内ファンからは賛否両論ですが。

    お気に入り超院議員語録↓

    • SNSを見ろ、情報弱者め
    • 国家と自己を同一化すれば自己研鑚は無用となり、米国民というだけで自らを誇れる
    • 俺はスポーツマンだ! そこらの政治家とは鍛え方が違う!
    • 上院議員を舐めんじゃねえ!
    • セコく儲けてるヤワなインテリだの、セレブだの草食系(メトロセクシャル)だの、訳の分からん奴らをぶん殴ってやる!
    • 何が愛国心だ! 何がアメリカの誇りだ! そんなもんは豚に食わせろ!
    • 弱者は駆逐される! 強い者だけが残る!
    • 分かってくれたのか!
    • 俺の演説に感動したか?
    • これが政治だ
    • はっはっは! 痛いじゃないか!


    ここまで名(迷)言が多いメタルギアのキャラクターはそうそういないでしょう(と思う)。

    以下から、『メタルギアライジング リベンジェンス』を難易度ノーマルで一通りプレイした簡単なレビューです。実質本作の低評価に対する反論意見が占めていると言うことには触れてはいけない…

    以下、ネタバレ注意!

    以下の内容にはネタバレが含まれています。



    日本のネットにはびこる低評価意見への反論

    本作は主にステルスやストーリー面で叩かれている場合が多く、低評価を下している理由がだいたいこれですからね。尚、海外のレビューでもこれらに苦言をする人はいるのは事実ですが、それ以上に自由切断のアクション性で完成度が高いゲームだと評価されるほど高評価だったりします。

    しかし言わせていただくと、そもそも今作はMGSではなくMGRであり、「ライトニングボルトアクション」であって「タクティカルエスピオナージアクション」でもありません。無線でも潜入任務ではないと断言されていて、小島監督もほとんど関わっておらず、スピンオフの外伝なのは公式でも公言済。

    故にストーリー面に監督が関わっていない=MGS特有の反戦反核を主軸にした大長編映画ストーリーはあまり期待できないという事は容易に想像できたはず。それに重ねますが、今作は「MGR」であり「ライトニングボルトアクション」なのですよ。

    仮に本作が、

    • メタルギア「ソリッド」(MG”S”)
    • タクティカルエスピオナージアクション
    • 小島秀夫ゲーム(A HIDEO KOJIMA GAME)


    …これらを謳っていたら、これステルスゲームじゃないしストーリーも〜って自分も苦言しますけど、ソリッドではない外伝のスピンオフと発売前から散々言われていたのに、どうして正統続編のゲームだと思い込むのか。

    どこのゲームでも割り切れない人達の存在って面倒ですよね。

    メタルギアという名前じゃなかったら~というのも、マリオだってアクションのみならず、パズルやRPG、ダンスゲームを出していますし、そうでなくても、外伝で操作性やゲームシステムが変わるシリーズなんて山ほど存在しています。現にメタルギアもスマホ用シューティングゲームが存在しましたし…

    ステルス要素自体は存在しますが、あくまでも体力温存、ランク評価の底上げや隠し要素を入手する部分に留まっています。そもそもMGS4の雷電ですらアクション要素満載でしたからね…ステルスが取って付けた申し訳程度であっても不思議じゃない。

    だけどMGSRからMGRになった不満は分かる

    まあ当初のMGS2〜MGS4間の話が無かったことにされてしまい、路線変更になったのは事実。そこだけ見るなら、ライジングは改悪になったと言われるのは分かります。サニー救出と雷電がサイボーグになった経緯のミッシングリンクがそれだけ期待されていたことの裏返しでしょう。

    MGSをやったことがない、思い入れが浅い人ほど今作を評価する割合が高いのも、ある種の裏付けかもしれません。しかし何度も重ねますが、これはMGSRではなくMGR。

    文句を言うなら、次世代にメタルギアを作らせたいと公言してあまり関わらなかった監督や、若手スタッフの技量不足のまま制作進行した小島プロダクション(コジプロ)に言うべきで、ストーリーの路線変更をプラチナゲームズのせいにして批難するのはお門違いもいい所。

    むしろ自分は、ここまで迷走した作品をストーリーやキャラクターを膨らませ、商品として蘇らせた部分も併せて、この作品を評価したいですね。

    メタルギア愛がないと作れない無線の数々

    このスタイリッシュアクションのゲームで、MGSシリーズのような重厚な長編ストーリーとの相性は悪いでしょうし、下手すればプレイ意欲を削ぎなねないですから、設定補完やバックストーリーを全て無線に集約したのは正解だと思います。説教くさくないと言う人がいますが、今作も今作で説教くさいですし、MGS2を結構下敷きにしていますよ?

    なおマヴェリック社の3人から聞ける無線には、

    • ミームの概念など、MGS2を意識した要素
    • 雷電の過去、ソリッド(オールド)スネークが雷電の人生にどれほど影響を与えたのか
    • 雷電の息子愛が過ぎる親バカぶりや恐妻家(?)の一面
    • MGS4の簡単なあらすじと結末を分かりやすく解説
    • MGS4のエンディング後、雷電が受けた苦労とサイボーグ差別という名の現実
    • MGS4の後の世界はどうなったのか、世論の愛国者達の扱いは?


    と、MGSの要素やセルフパロディ、小ネタ、答えや解説までしっかりと収録され、ちゃんとMGSを理解していないと作れないような知識と内容ですし、メタルギアの大まかなストーリーをよく知らないプレイヤーにも解りやすく解説しているのは好印象です。

    そしてドクトルやウルフの無線はリアリティ重視のSF好きにはたまらない内容の数々で、生半可な知識では到底作れるレベルじゃない。小ネタで言うと、後半のある所での無線では、雷電とウルフがMGS2に登場した、発狂大佐のグパヤマの無線について語り合ったり、先述のようにMGS2を意識したような話や会話を繰り広げます。

    MGS2に思い入れがあるならば、爆笑したり、感慨深くなる事この上なし。

    まあ裏を返せば無線ありきのストーリー展開であるとか、後半のストーリー展開の是非やラストカット、海外向けな上院議員のキャラクター性に賛否両論や批判意見が出るのは分かりますし、こちらもライジングは面白いですが絶賛したいわけではありません。後述しますが不満点もあります。

    ただMGSでもなければ小島秀夫作品でもない外伝スピンオフの今作に、正統続編のゲームだと思いこんでMGSと同等のストーリーやステルス要素を求めては叩く様は残念ですね。本当、なぜ外伝と割り切れないのだろう?

    よく言われる愛国者達の支配が消滅してハッピーエンド。ライジングはスネーク達の行動を無駄にした…って言い分は、少年漫画じゃないんだからって感じですね。メタルギアシリーズで少年漫画展開をしていたのはMPOやMGSPWぐらいでしょう。

    あくまでも一つの時代が終わった(終わらせた)だけで、戦争や悪人が消えたわけではないので、新たな火種や問題が出ても不思議じゃありません。そう言っている人達に、ボリスと雷電の無線からこちらを引用。

    愛国者達を倒しても戦争が撲滅されたわけじゃないし、誰もが幸せになれるユートピアが訪れたわけでもない。だがな、久しぶりにサニーに会って、やはり愛国者達を倒すことができて良かったと思う。

    — 『メタルギアライジング リベンジェンス』ボリスとの無線会話より —



    この低評価の言い分しか言っていない人は…

    改めまして、故に今作を評価する際、

    • メタルギアじゃない
    • ステルスじゃない
    • ストーリーが短い
    • MGS4のラストを台無しにしている
    • この雷電ではスネークも泣いている


    ほとんどこれ「だけ」しか言ってない場合、未プレイか熱狂的な小島監督ファンでほぼ間違いないでしょう。

    熱狂的な小島監督ファンとは、監督が関わっていないメタルギアを頑なに認めず、ネットスラングで言う所の信者と呼ばれる人達。彼らは『小島原理主義者』だの『小島秀夫信者(小島信者)』、広義的には『コジプロ信者』と自称していますけどね。

    現に今作を(無線を無視した)ストーリー面で酷評している人のブログやツイッターを見ると、小島監督やMGSシリーズを褒めちぎっていたり、上記の肩書きを自称しているケースが多いです。本当に今作をプレイしたのかも疑わしい…

    信者と呼ばれるのは伊達ではなく、本当にあれは宗教ですからね。しかも世界レベルで小島教が存在しますし。

    小島監督は確かに素晴らしい脚本を書けるスゴい人ですが、同時に問題発言をする事も少なくないので、崇拝しようとは思えませんね。別の記事でフランスのゲーム会社に訪問した と書きましたけど、その際、元コジプロスタッフの人とも会う事ができ、小島監督をこう言っていました。

    あの人は天才ですが、我が強くて変わった人です。

    — フランスの某ゲーム会社に在籍する社員より —



    まあ天才と変人は紙一重と言いますし、この記事で小島監督を悪く言うつもりはありません。崇拝する熱狂的な小島秀夫ファンに対する苦言ですので。

    正直彼らはメタルギアよりも、「監督の作るもの」が好きなだけにしか思えません。だってメタルギアが好きなら無線は絶対確認しますし、それすらも触れずに表面的なストーリー展開しか言わないのは疑問。ヒドい場合は同じく監督非関与で外伝ながら、隠れた名作と称されるアシッド(MGA)の存在すら触れない、というか知らないなんて人も。

    まだストーリーに触れつつも、カメラワークや操作性、ゲームバランス構成に評価の重きを置くレビューの方が信頼できます。余談ながら叩かれている理由は他にも、

    • 国家と自身を同一化すれば、自国民というだけで自らを誇れる表面的な愛国心
    • 自分に自信のない人間が、自国民である事を心の拠り所に外国人排斥を行う
    • 誰かが言った意見や規範のミームに、何も考えず身を委ねるだけの思考停止


    これらの人達を無線やストーリーで辛辣(しんらつ)に批判しているからとも言われているとか…

    今作の史実ネタ・世相ネタ

    MGSには史実ネタ・世相の反映が色々入っていることが多いですが、今作でもその血を受け継いでいます。MGSほどではないですし、実写は使われていませんが。

    例えば後半に萌え雑誌で「Kawaii(海外版では「Oh Hikari-Chan! So Kawaii」)」と言いながらニヤニヤする警備員、上院議員に情報弱者と言われた雷電がネットで検索すると、ネットのコメントに「パキスタン政府がテロリストを匿っていた件」と書かれるといった、今作はネットやサブカルチャーの世相を強調している感じが強いです。

    情勢で言えば、メタルギア世界でも9.11テロが起きていて、未だに続く不況で国民があえぎ苦しんでいるなどが挙げられますね。というか9.11ネタってサウスパークぐらいしかネタにしちゃいけないようなタブー話題だったような気がしますが、10年以上経った今では少し緩和されたのでしょうか?

    不満点をいくつかと

    最後に不満点ですが、大まかにまとめると以下の通りです。

    • 通常戦闘のカメラワークが微妙(というか理不尽)
    • 斬奪モードのロックオンカーソルに自動補正がかからない
    • ユニーク武器のクイック着脱が無い
    • 無線は3の早送り並に速く出来ない
    • サニーの出番が少ない
    • ウルフとの共闘ができない
    • 追加コマンド購入時にボタンの入力方法が書かれていない
    • サンダウナーおじさんが不憫(ふびん)。後半の小物感


    まあアクションゲームのカメラワークとか、クイック着脱はプログラマー泣かせの所業というのは知っていますが、やっぱりやっていて不便に思いました。8方向から敵が襲ってくるゲームですからね。

    色々言われるQTEは別段不満には思いませんでした。最も洗練されたQTEは『ゴッドオブウォー』シリーズ(特に3)だと勝手に思っていますけれど、かといって、叩かれるほどにヒドいとも思わないんですよね。まあQTE自体嫌いじゃないというのもあるかもですが。

    そしてウルフとの共闘は是非やってみたかったし、サンダウナーはサムのように2度戦わせるなど、もっと掘り下げてもいい。これじゃあただのハンマーヘッド(戦闘ヘリ)のオマケのかませ犬です。

    総評

    評判を気にして購入を控えてしまうなら、正直非常にもったいないぐらいに面白いゲームで、斬奪の爽快感、魅力あるボスキャラクター、物書きなら無線は聞いてソンは無し。ネット・SNSで「ストーリーがー」だの「ステルスがー」だのと、メタルギアじゃないからクソゲーと言っている人は、未プレイか小島監督の熱狂的ファンの妄言やネガキャンがほとんどなので無視してオーケー。

    しかしプラチナゲームズ特有の2週目の作りの配慮の甘さが気になる方や、後はMGSではなく”MGR”であると、ちゃんと割り切れない人には苦痛でしょうし、メタルギア=ステルスだと固執する人にはオススメしません。

    クドいようですが、メタルギアライジング(MGR)はメタルギア「ソリッド」(MG”S”)ではなく、外伝のスピンオフです。そこをまずは理解しましょう。

    逆に思い入れがあまりない人や、チャンバラアクションが好き、MGSはムービーが長すぎて苦手、MGS系統ではないと割り切れるという人は楽しめると思います。

    最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。もし宜しければ、記事のSNSシェアのご協力をお願いいたします。

    赤竹 ただきち

    (Tadakichi Akatake)

    Netflixで『ダーリン・イン・ザ・フランキス』を一気見。

    キルラキルやグレンラガンのスタッフが関わっているだけあってブッとんだ超展開や戦闘シーンは面白かったですが、エピローグのシーンがすっごくもやもやした。

    仲間達とまた地球に帰ってくるように約束するけど結局死んじゃうし、魂が地球に帰還した時にはもう百年以上経過してそうだから、帰りをずっと待ってくれた仲間達はこの世にいないし、生まれ変わって運命の再会と言う名の初対面…なんとも言えない。
    MyutaUsagi

    絵描きからHTML・CSS、物書きまで幅広くやれる京都生まれのウサギ好き。ネチケット(ネットマナー)やネット(情報)リテラシー、批判と批難の違いにはちょこっとシビア。

    最新記事