遅れましたが3~5話の感想をまとめました。
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ネタバレ注意
記事にネタバレがあります
第19シーズン3話『The City Part of Town』
これまでのツケが回ったか、サウスパークの町がジミー・ファロン氏にけなされるほど評判は落ち込み、『ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス:PC)』なりたてのランディが解決策として、ホールフーズ・マーケットを町に設置すべきだと主張。
その計画に市長が『ソドソパ計画』という、町にカフェなどの趣(おもむき)ある建築物を設置し、町全体の質を高めるというものですが、その設置場所がどういうわけかケニーの家の周囲な上、増設の形で建築されてしまうという迷惑っぷり。
「あらゆる所得層が一箇所に集まり楽しむ場所」と、まさに中立的(=PC)を体現している計画に見えつつも、何かと低所得のマコーミック一家を持ち上げて晒(さら)して平等と謳(うた)う姿は、シャム双生児の障害者として生きるゴーラム先生に対して、町をあげてのお節介な障害者迎合で、逆に不愉快にさせた話を思い出しますね。
この話ではケニーが主役(?)として登場し、チンポー軒で必死で働き、稼いだわずかなお金で妹に人形を買ってあげるシーンはこみ上げてくるものがありました。
働いてると言いつつ、どうせ沢山稼げないとあきらめて飲んだくれる父親のスチュワートとは対照的です。
というかスチュワートって本当に働いているんですかね。母親のキャロルしか働いていなかったと記憶しているのですが……
第19シーズン4話『You’re Not Yelping』
3話のラストでソドソパ計画の功績により、ホールフーズ・マーケットがサウスパークにできたシーンから話が始まります。
ジェラルドやカートマンを始め、自分たちはYelpレビュアーだと伝え、店員にサービスを強要・優遇させるのが一種の流行になりますが、やってることは日本でいう「お客様は神様」状態の有様です。
「低評価をつけてやる」と鼻にかけたエセ評論家レビュアーたちを毅然(きぜん)な態度で追い出したウィスリングウィリーの店員は、まさしく理想の従業員。
しかし続々とレビュアーお断りを掲げる店が増えたことで、世のためと思っているごう慢なレビュアーたちは暴徒化。数々のレストランを襲撃・銃撃する大惨事に(フランスのテロやアメリカの連日乱射事件が元ネタ?)。
最後に流れた歌は、ろくに味もわからない素人なのにプロの評論家を気取り、悠々とレビューを書く人たちへの皮肉そのもの。
話の軸になった『Yelp』は日本の『食べログ』みたいなところだとか。レストランだけではなく、個人の人間にもレビューができ、フェイスブックのように実名顔出し登録を推奨する似て非なるサービスとのこと。
Yelp徹底解剖 Vol.1「Yelp(イェルプ)ってなに?食べログやRettyとなにが違うんですか?」中の人に聞いてきた|kakeru
海外だけのローカルサービスかと思えば、今は日本でも急速にシェアを伸ばしている(らしい)です。
第19シーズン5話『Safe Space』
SNSで誹謗(ひぼう)中傷を受けたカートマンやスティーブン・セガール氏、寄付に対する公開処刑を受けたランディと、この話は泣きべそをかく人が多いですね。セガール氏は太ったというより老化の認識でしたが……
カイルの言うように、誹謗中傷されたくないならSNSをやめるか、(まだ法整備が甘い以上)毅然とした態度と強靭な心を身につけるしかない話ですが、PC校長により封殺。
中立と称して差別表現を許さないのは、「自分の気に食わない意見は一切聞かない」という意思表示ともとれるでしょうね。
ネット・SNSでいうところの、「主張はするけど反論・指摘される覚悟がない(意見を許さない)人」「ネット・SNSで誰かとつながりたいが、悪口を見るのはイヤだからコメント欄を封鎖して連絡先も明かさない」タイプと通じますね。
「自分のためのセーフスペース、嫌な奴(現実)は受け入れない」の歌はまさにそれを体現していて、後半で「現実」が言い放った、「世界は巨大な大学サークルじゃねぇんだよ!」は名言。
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